ミニレポート2000年

まんが・アニメに限らず、様々なことを取り上げるミニレポートです。日記半分と思って読んで下さい。
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2000年11月4日(土曜日)

 以前から話題になっていたが、ついにユリ・ゲラーが任天堂をアメリカで訴えた(報道は、スポニチ毎日)。まあ、アメリカでの訴訟なので、数億ドルという賠償請求は、とりあえずの言い値ですな。裁判そのものは、最近影が薄くなっていた「超能力者」ユリ・ゲラーという存在の誇示が最大の目的で、それとともに多少の金儲けができればいい、くらいのノリと思われるので、どこか適当なところでうやむやな和解がなされるのでありましょう。反ユダヤ主義だと煽るところがちょっとあざといけどね。で、そんな裁判のオチはどうでもよくって、一番興味があるのは、果たして任天堂はこの件についてどのように反論するのか? というところ。これまでの経緯からすれば、口が裂けても「ユンゲラーはユリ・ゲラーのパロディで悪意はありませんでした。」とは言えまい(爆笑)。ZD Netの報道を見ると、「スタッフが考えついたもの」と逃げる気らしいが、さすがにこの語感でスプーン持って心霊術を操るキャラクターをオリジナルと言い切るのはチト無理が……。正式のコメントが待たれるところだ。

 夕方、岩田じいさまと会い、昨日のサボって行かなかったセラムンオンリー即売会月虹ミレニアムで購入をお願いしていた本をありがたく受け取る。JESUS DRUG主催ということで、結構いろんなサークルが出ていたのね。
 夜は岩田じいさま、小田切博さん、その他の面々との飲み会。メンバーがメンバーだけに、まんが、アニメ、フィギュア、サブカル、ネットと豊富な話題が右へ左へ。面白すぎて、ほとんど書けない話ばかりでございました(あらあら)。

2000年11月3日(金曜日)

 大川功が、セガの事業説明会で言いたい放題。Dreamcastにモデムを載せてネットワークビジネスに対応させたのはオレだ、という発言はホントーなんでしょうかねぇ? 悪いことは全部「経営」を知らない旧経営陣的発言がなんか鼻につくのですが…。まあ、今回退任と相成った入交昭一郎を呼んだのは中山隼雄で、大川には責任はないのは事実だけどね。もっとも、今回は日本IBMからの大山俊道に続いて、あの香山哲を特別顧問に迎え、しかもこれからも積極的にスカウトを続けるようだが。
 ところで、その香山哲の特別顧問就任については驚いた。まあ、ポケモンで稼いだあぶく銭を、「ヴァンドレッド」にウン億円、「鉄甲機ミカヅキ」にその倍のウン十億円突っ込んだりと、あちこちでえらく無駄遣いして、最近芳しくないとも噂されるメディアファクトリーなので、潮時といえば潮時なのだろうか。それとももっと別の含みがあるのだろうか、ちょっと謎である。誰か解説きぼー。
 それにしても、以前から流れていた健康不安説を自ら「食道ガン」と発表し、それを「気合い」で3ヶ月で直したという神懸かり系の発言を堂々とオフィシャルの場でしてしまうような、社長の下では、あんまり働きたくねーなー。まあ、そんな社長にすべてを託さなければならないところまで、追いつめられてはいるわけだが……。
 ところで、言いたい放題つながりで恐縮だが、「ネットビジネスの実務を学び、実際のビジネスサイトを構築することを最終目標としている」私塾「電子起業塾」の卒業式でのイー・アクセスの千本倖生社長と北原康之AOLジャパン常務の講演も大放言大会。このくらいのアクの強さがないと、ネットビジネスはできないってこと? 詳細は以下参照。

中川前官房長官は優秀だと話すイー・アクセスの社長,千本倖生氏
あらゆる企業にかみつく毒舌を見せたAOLジャパンの常務,北原保之氏――ISP編
あらゆる企業にかみつく毒舌を見せたAOLジャパンの常務,北原保之氏――その他編

2000年11月2日(木曜日)

 ついにアマゾンが11月1日にオープン。スタートが遅れに遅れていた割には、予告なしのいきなりのオープンなのね。1日の夜はアクセスが殺到して、いきなりダウンしちゃった模様。世界最大のオンライン書店の「日本上陸」とあって、各社の取り上げ方も大きい。CEOのJeffery Bezosがニュースステーションにゲストで登場したのには驚いてしまった。Webでの各種記事は出版ニュースのURLスコープ(これ、リンク切れも多いけどとっても便利です)参照のこと。その中でも主な記事は以下の通り。

ASCII24→ “Amazon.co.jp”発表会詳報――「Amazonはすでに日本市場でナンバーワンのインターネット書店」とベゾス会長
Internet Watch→ Amazon.comが日本でのサービスを開始、まず和洋書の販売から
ZD Net→ Amazon上陸,国内制覇に向けて死角なし?
日経→ 米アマゾン、日本語サイト始動   乱立、採算厳しく・JCBなど撤退   <解説>日本では様々な課題も
日経BizTEch→ 米アマゾン会長単独会見『米で初の黒字計上、日本はもっと速い』
日経コンピュータ→ 「アマゾンの日本進出を歓迎する」,紀伊國屋書店の副社長が強気のコメント

 ASCII24は、アマゾンのオープンが日本の既存オンライン書籍販売に与える影響を懸念するという安直な論調だが、日経とZD Netは、再販価格制度や物流問題という日本の出版業界の特殊事情を考慮して、アマゾンの「成功」には大きな課題があるという正論を書いていて、全くもってその通り。しかも、ZD Netによると、アマゾンジャパンには、社内に出版業界をよく知っている人間がいないと、長谷川社長(この人自身、ピープルソフトでERPパッケージに関わってた人)自ら認める状態のようだ。提携した取次が大阪屋なのも、トーハン、日販に断られた末の仕方なしの選択というのが、業界筋の噂でもあるし、こういったことをもろもろ考えると、前途洋々とはとても言えないところか。

<参考>
Internet Watch→ 徹底調査! 使えるオンライン書店・2000年度版

2000年11月1日(水曜日)

 ZD Netのケビン・ミトニック・インタービューが必見。世界で最も有名かつ伝説的な「ハッカー」については、虚実が取り混ぜて語れてきた。その本人のインタービューをたっぷり聞けるというのは非常に面白い。どんなにセキュリティ技術が向上しても、それを扱うのは人間であり、その人間を欺くことで欲しい情報を手に入れることは可能だ、といういわゆる「ソーシャル・エンジニアリング」の持つ重みは、彼がそれを語るだけで一層説得力を持つ。

2000年10月31日(火曜日)

 絶版・品切れ本を皆のリクエストを集めて復刊させてしまおうという復刊ドットコムで、マンガジャパンの発行物のオンライン販売がはじまったという話を聞いて久しぶりにサイトをのぞいてみる。三原順の「夢の中 悪夢の中」と「かくれちゃったのだぁれだ 」がこのシステムで復刊することになったのは知ってたんだけど、いろんな絶版本・品切れ本の復刊リクエストがあるのね。特に、復刊交渉中の書籍が興味深い。中でも笑えるのが、小野不由美モノ。初期作品の復刊希望は充分に理解できるんだけど、「中庭同盟」と「麒麟都市3」という同人誌もリクエストされているのはすごい。普通の復刊希望書籍では、出版社名に「講談社」とか入ってるところに、「(サークル名)猫猫組」と入っているのは、なんか笑っちゃう。とはいえ、「中庭同盟」は、全ジャンルを通じてもっとも投票数の多い作品だったりする。小説系に詳しい友人の話によると、小野不由美系のファンサイトやメーリングリストでは、随分投票運動があったそうな。そりゃ、ヤフオクに出ると、10万円は下らないファン垂涎の同人誌ではあるからねぇ。

 話変わって、「アニメ塾」開講。東京ムービー、テレコム・アニメーション、セルシスの3社による、インターネットを介した、アニメーター育成のためのアニメーション添削/検定システムだそうだ。「受講者は、塾サイト上で任意の課題の原画をダウンロードし、その原画に添って動画を作成」し、「作成した動画を電子メールに添付して塾側に送信すると、塾側が動画を添削し、判定結果(A、B、C、Dの4段階)とともに受講者側に送り返す仕組みとなっている」とのこと。アニメ会社や専門学校、CG関連会社向けにのシステムで、受講者1人当たり1コース5万円(1年間有効)という設定になっている。「塾長」はかの大塚康生御大なんだが、これを使って勉強するようなヤツは、果たして大塚康生のことを知っているのであろうか(まあ、友永和秀や富沢信雄のことなんかはもっと知らんだろうけど)。この一枚看板を「ルパン3世カリオストロの城の」という枕詞付きで使い続けるのはいい加減いかがなものかと……。
 ところで、テレコムの竹内社長は、「これまでアニメーションの学校とアニメーション業界が離れていた。アニメーション会社に入社して実際に定着する人間は約2割、これは基本的な技術を習得できていないので数年経つと実際の作業についていけなくなるからだ。(後略)」と発言してる。まあ、平成12年3月卒業生の就職・デビュー率101.2%との深〜いギャップがここにあるわけですな(苦笑)。
 と書くために、代々木アニメーション学院の広告を見ていたら、上記の101.2%に注釈がついてる。「100%を越えているのは、1人で2社以上合格した生徒さんがいるためです」。うん、それは判る。で、もっとよく考えると、1人で何社も合格した生徒が何人もいたら、どこにも受からない箸にも棒にもかからない生徒がいても、前者の合格した会社の数が後者を越えれば理論的には100%は越えちゃいます(爆笑)。それに、以前から言われていることだけど、途中退学者の割合とか「デビュー」の定義とか、この数字には疑問符がいっぱい付くのよね。

2000年10月30日(月曜日)

 CNET JAPANから、「サーバー内のポルノ画像を検出する新フィルター登場 」。記事によると、仏LookThatUp社のImageFilterという製品は、「色や画質、形、空間構成によって視覚情報を分類する。そしてそのデータを分析して各画像の視覚的「指紋」のようなものを作り出した後、この「指紋」をポルノ画像とされる別の画像と比較する。クライアントのサーバーが疑わしい画像をホスティングしていると、ImageFilterはその企業にメールで警告する。」というソフトらしい。使う側は「容認」度を1から100の間で自分のサイトの内容に合わせて変更可能で、ポルノ以外の暴力などの画像にも対応できるようだ。
 テキストを分析・解読してフィルタリングするソフトは以前からたくさんあるが、画像のフィルタリングというのはあまり聞いたことがない。しかも、この記事やこの会社のWebからはどの程度の誤差があるのかはさっぱりわかりません。例えば、和服を着たまま縄で縛られてる和物SMとか検出できそうにないもんね。それに、果たして日本のアニメ系の画像には対応できるのでしょうか(笑)。

2000年10月28日(土曜日)

 有里さんのサイト「ありさとのジオ倉」が面白い。コバルト文庫や角川ホラー文庫の全リストとか便利。特に興味深いのは、コバルト文庫の年末のカレンダープレゼントのラインナップの過去10年間の変遷。販促用カレンダーというのは、別に文庫本に限らず、そのときのその会社が「イチオシ」が登場する。特に序列が厳しいのが、映画会社のカレンダー。1月が看板女優、8月が若手女優、12月が大女優と定位置がしっかり決まっている。
 有里さんは、「誰がいつカレンダーに登場したかを見ていくと、なかなか興味深い…」と言ってますが、意地悪な私は「誰がいつカレンダーから脱落したか」の方がはるかに興味深いです(苦笑)。当然ながら、一度はずれると復活はないのねぇ。小説家とりわけライトノベル系小説家という生業がいかに厳しいかは、花井愛子の今の境遇(2000年8月22日のロフトプラスワンでの唐沢俊一と久美沙織のトークライブ「もう一度だけ新人賞の獲り方おしえます」に、花井愛子がゲスト出演したときの強烈エピソードは、裏日本工業新聞の縮刷版2000年8月下旬号参照のこと。)を見ればよく分かる話だし。この間某ボーイズ系の人気作家さんと話していて驚いたのだが、ライトノベル系の場合、その作家が売れなくなると、ペンネームを変えて再デビューさせて、それでも駄目なら切り捨て、という手法が講談社あたりではよく使われているんだそうな。切り捨てられたら切り捨てられたて、やっぱり名前を変えて他の出版社に移る人もいるわけで、今でも各社たくさん新人がデビューしているように見えるけど、実は「お古」も多いということらしい。

2000年10月27日(金曜日)

 あしべゆうほと池田理代子のファンサイトなのに、「有限会社なでしこ産業」(ホンマもんの会社だ)という不思議なページがあるのね。ほとんどのページは通常のファンページなんですが、唯一フツーと違うのは、「クリスタル・ドラゴンあきたこまち」と「ベルサイユのばら富山県こしひかり」という謎なパッケージのお米の販売をしているところ。何故にお米に少女まんが……。思い切りミスマッチだけど、お米買う主婦層にはこの辺の「名作」は訴求効果があるんでしょうかねぇ。

2000年10月24日(火曜日)

 今、本業でお役所関係の仕事をしてるんですが、さすが、お役所だけあってしばしば「なんちゃら週間」とかいうポスターが廊下の掲示板に張られることが多い。ついこの間は、「公務員の残業を減らそう」キャンペーンだった。で、今日行くと、なんか見慣れたキャラがポスターに。おお、あれはテライユキ(爆笑)。総務庁の音頭取りによる文書管理改善週間のイメージキャラクターだそうな。しかし、テライユキクン(男性誌的敬称)もいろんなところでご活躍ですな。生身の芸能人と違って、絶対にスキャンダル無しだから、お役所とか銀行には最適キャラだとは思う。

2000年10月20日(金曜日)

 今月コラムを書いた「TECH GIAN」の見本誌が到着。お〜い、編集Fさん、誰が「同人界のビッグボス」だよ〜(苦笑)。これでまた知り合いから冷やかされること必至ですな(泣)。ネタは「Webと同人誌のメディアの特質の違いについて」。まじめなネタでいい、というリクエストを信じて「それなりに」まじめに書いたら、なんか浮いてるよーな。もっと「アスキーノリ」にすべきだったかなぁ。

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