ペンギン図鑑 上田一生 著、鎌倉文也 写真、福武忍 絵 1997.8.11 初版発行 文渓堂 ¥2300 ISBN4-89423-189-1 極めてペンギンな3人によるペンギンの図鑑。必携。前半が地球上の全18種のペンギンの各種の解説。写真は全て野生の姿(これは重要)。図鑑的な知識については、福武忍さんの絵によるところが大きい。正確で美しい絵だ(でも、わたしは道に迷っているアデリーの絵が一番好き)。 後半はペンギンの生態について「飛ぶ」「泳ぐ」「話す」のような動詞をキーワードに解説する。読んでおもしろいのはこちらだ。 巻末に添えられた、ペンギン繁殖カレンダーは眺めているだけで面白いし、ペンギン用語集は、項目(用語)の選びかたがうまい。この手の本にしては詳しすぎるほどの内容だ。 |
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ペンギンの本 カー・ウータン博士 著、カナヨ・スギヤマ 絵 1997.7.18 初版発行 講談社 ¥1400 ISBN4-06-208744-8 出版社の意図としては、児童書なんだろうけど、内容的も語り口も完全に一般書だとわたしには思えるので、ここに分類。「一人前のこども」のための本かもしれない。ペンギンの種類、特徴、生態からはじまり、歴史、保護にまで話がおよぶ。動物園クイズー(zoo)(ってよりQ&A)では、動物園の現場の情報が得られる。こういう高度な内容がこどもでも読めるようになっているのは、すばらしい。 多数入った図版も素敵だ。図鑑的な正確な絵もいいんだけど、ところどころにはさまるカットが、なんとなく「ペンギン丼」っぽくていい。 |
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ペンギンガイドブック 藤原幸一著 2002.12.22 初版発行 TBSブリタニカ ¥2600 ISBN4-484-02415-2 いま、まず一冊といわれたら、これだ。 TBSブリタニカのガイドブックシリーズはウミウシやクラゲからはじまってさまざまな海洋生物をとりあげてきたのだけど、ついにそれがペンギンに届いた。 このシリーズの魅力はまず豊富な写真だ。さらに写真を撮った人に文章も書かせるという方針もあるようで、生物を現場で生で見てきた人の迫力が感じられる。そして、藤原さんの文章はそれだけにはとどまらない。いま一番新しいペンギンの情報(学術的なものも含む)、ペンギンをめぐる環境の問題、そしてペンギングッズまでどんどん引き出しをあけて見せてくれるのだ。なんといってもペンギン18種にあってきたほどの人である。 すべてのペンギンの和名として英名の音訳(ヒゲペンギンではなく、チンストラップペンギン)を採用しているというのも特徴(理由は目次のページに書いてある)。 |
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ペンギン全種に会いに行く 中村庸夫著 2003.10.22 初版発行 平凡社 ¥1800 ISBN4-582-54234-4 中村庸夫氏もペンギン18種の全てに会ってきた写真家だ。この本は、まず、前半でそれぞれの種のペンギンについてを紹介する。各種2〜4ページほどなのだけど、内容は簡潔で分かりやすい。でも、やっぱりペンギンな人にとっておもしろいのは、後半のペンギンウオッチングができるさまざまな地域の紹介だ。ガラパゴス、ニュージーランドから南極大陸(3ヶ所!)まで南半球中に散らばる10ヶ所の紹介だ。これがちょっとした旅行記になっていてわくわくする。もちろん、写真もふんだんに使われているので、それを見ているだけでも楽しいのだけど。 あとがきも必読。 |
ペンギン大百科 D.ウィリアムズ著 ペンギン会議訳 平凡社 ¥4500 ISBN4-582-51814-1 ペンギン会議が3年半取り組んできた「The Penguins」(Oxford University Press,1995)の翻訳・出版作業が完了、いよいよ発売。 原著にはない、書き下ろし原稿「日本のペンギン飼育史」「保護活動の現状」「ペンギン生物学研究史の概略」と野生地のカラー写真を加えた本書は、ペンギンに関する邦語文献としては最も詳細で最新の情報をおさめた決定版。ペンギンファン必携。 (ペンギン瓦版より抜粋) |
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ウィロー教授のペンギン学特論
エト=アル・アイスフィールド著/青柳昌宏監修 1995.5.24 初版発行 SEG 出版 ¥1845 ISBN4-87243-040-9 エンペラーペンギンのウィロー教授による10講から成る講義録...というスタイルをとったペンギンの入門書だ。非常に読みやすいにもかかわらず内容は豊富。新しい本なので、最新のペンギン情報に触れられるのもうれしい。 ところで、この本に限らないんだけど、ペンギンの本は、書店で鳥のコーナーではなくてイルカの隣あたりに置いてあることが多い。なんとなくわかるんだけど、でも変。 |
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ペンギンたちの不思議な生活 青柳昌宏著 1997.5.20. 初版発行 講談社ブルーバックス B1171 ¥780 ISBN4-06-257171-4 今まで何故かなかった、ブルーバックスのペンギン本。今までにも何度も名前の出ている青柳(あおやなぎ)先生の新著だ。 一般向けの本であり、現在の新しいペンギンに関する知識がわかりやすく得られる。後のほうの章では、おもしろい仮説を展開するところもあり、わくわくできる。でも、印象に残ったのは、著者はジェンツーペンギンとは「会話」が通じないというところだ。 なお、マカロニペンギンのところに「化粧品のCMで誰でも知っている有名人」とかかれているが、これはイワトビペンギンのロッキーとホッパーのことであろう。彼らの冠羽はちゃんとイワトビの特徴を呈している(目が赤くないんだけど)。 なんていっていたら、先生のページでの紹介によれば、「編集のなかでイワトビペンギンの説明の一部がマカロニペンギンの説明に入ってしまって、世のペンギン好きな方々を戸惑わせたり、鬼の首を取ったようによろこばせたりしてしまいまして、申しわけありませんでした。」ですって。喜びましたともさ。 |
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ペンギン、日本人と出会う 川端裕人著 2000.3.20. 第1刷発行 文藝春秋 ¥1714 ISBN4-16-357200-7 いまのところ唯一と思われる「ペンギン文化史」の本。綿密な取材で、日本にどうやってペンギンが入ってきたのか、日本人はどのようにペンギンにであったのかを追いかけながら、「ぼくら(=日本人)はなぜペンギンが好きなのか?」を解き明かしていく。さらに、ぼくらの好きなペンギンたちが現在直面している問題と、それに日本人はどのように対応しているのかにも迫る。 すべてのペンギンな人に有無を言わさずおすすめ。 |
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ペンギン大好き! 川端裕人著 2002.8.25. 第1刷発行 新潮社 ¥1300 ISBN4-10-602094-7 同じく川端裕人氏のこちらは紀行記。彼が実際にあってきたペンギン(ニュージーランドでフィヨルドランド、キガシラ、ハネジロ、チリでフンボルト、マゼラン、そしてフォークランドでキング、イワトビ、ジェンツー)と、それを囲む環境や人たちの話だ。写真も豊富。 「ペンギン大好き!」っていう題名通りのうれしくってしょうがないっていう話と、「ペンギン大好き!」っていう題名からは想像つかないくらいのペンギン(つまりは自然だ)と人間との関係を考える話とが、不可分に絡みあっている。そして、その両方をひっくるめて「ペンギン大好き!」なんだよね。 |
ペンギンの世界 上田一生著 2001.7.19. 第1刷発行 岩波書店 ¥700 岩波新書 新赤743 ISBN4-00-430743-0 新赤になってからの岩波新書は、かつてよりも「一般向け」の傾向が強くなっているのだけど、これもそういうスタンスの本。 とにかく現在のペンギンについて網羅的な知識を得たいという場合に最適な本だ。これを足がかりにもっと他の本に進んでいくのがいい(参考図書もきちんと挙げてある)。 ただ、ちょっと、日本語がこなれない部分があるのが残念。 |
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サボテン島のペンギン会議 川端裕人 文 福武忍 絵 2002.9.20. 初版発行 アリス館 ¥1300 ISBN4-7520-0221-3 この書名、ファンタジックに見えるけど、実はきわめてリアリスティックなのだ。ペンギンな人のNGOの「ペンギン会議」の何人かのメンバーと川端氏が南米のチリに野生のフンボルトペンギンを見に行った話なのだ。チリのチャニラル島などには、サボテンが生えていて、フンボルトはその下を掘って巣穴を作っているのだ。つまり「サボテン島のペンギン会議」というわけ。 小学生むけに平易には書かれているけど、内容は非常に高度だ。ペンギンとそれを取り巻く環境と人間との関係の在り方について、考えなきゃいけないっていう気持ちになる。ペンギンの好きなおとなにこそおすすめ。 ペンギンなイラストレータ福武忍さんの絵もすばらしい。 |
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ペンギン紀行 鎌倉文也 文/写真 1998.10.6. 第1刷発行 東京書籍 ¥1600 ISBN4-487-75480-1 著者は、PENGUIS IN THE WILDに代表されるペンギン写真家だ。彼がペンギンを求めて、南米パタゴニア、フォークランド、南極大陸を旅した時の話を綴ったフォトエッセイ。 ペンギンもだけど、旅の途中で出会った人々がみずみずしく描写される。そして、その描写があるから、実際にペンギンにあったシーンでは、こっちもわーいって気分になれるのだ。多分、この本を読んで、実際に、パタゴニアや南極に行ってしまう人が出てくるだろう。 御本人やおくさまの志保子さまの写真(被写体になっている写真の意味。念のため)もあるので、そちらのファンの方も是非。 |
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どうぶつえんにいこう 福武忍著 村田浩一監修 文溪堂 ¥1200 ISBN4-89423-271-5 いくら、著者がペンギン会議御用達イラストレータだからって、これをペンギンの本っていっちゃうとひいき目にすぎるんだろうな。 動物園にいる代表的な動物について、それぞれどこをどういうふうに見ればいいかを教えてくれる本。これを読んでから動物園に行くと、ずっとおもしろくなることは間違いない。いま動物園の課題になっている「環境・行動エンリッチメント」についてもちゃんと触れられている。動物園としても、これを読んだお客さんが来園するっていうのは、こわいし、うれしいんじゃないかな。 それでも、ペンギンのページがなんだかいちばん詳しいような気もするのは、やっぱりひいき目かなぁ。 帯下の絵がかわいいので、買った人は絶対見てみること。 |
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すいぞくかんにいこう 福武忍著 坂本和弘監修 2003.1 初版発行 文溪堂 ¥1200 ISBN4-89423-339-8 ひいき目にすぎるだろうとかいっておいて、またとりあげちゃう。こんどいくのは水族館だ。著者は元水族館飼育係なのだから、こっちのほうが専門なのだ(アシカやラッコみたいな哺乳類が専門だったんだって)。 本の前半は、代表的な生き物についての各論(ペンギンもいます)、後半は、「スタイル」や「エサのとり方」のようなテーマのものに、いろんな生き物を比べてみるという形。この視点をもって水族館をあっちいったりこっちいったりしたら、とっても楽しい。 ペンギンはこんどは、種類と身体の違いを「寒い度」で調べてみるというなかなかハイブラウなはなし。人工雪をかぶっているアデリーがかわいい。 なお、表紙上部のラッコのえは、裏表紙袖から始まるので、そっちから見ること。帯下の絵も必見。 ところで、わたしは「さかなかんさつ」の扉のページの絵を見て、おもわずふきだしてしまいました。 |
ペンギンになった不思議な鳥
ジョン・スパークス&トニー・ソーパー著/青柳昌宏・上田一生訳 1989.2.18 初版発行 どうぶつ社 ¥3000 ISBN4-88622-247-1 ペンギンについての総合的な知識が得られる名著。330ページほどの本だが、読みごたえは十二分にある。特にペンギンと人間との歴史(あまり幸福な歴史ではない)について描かれた6,7章は避けるわけにはいかない。筆致はドライだが、それだけに伝わってくるものは大きい。また、8章では1科6属16種2亜種のそれぞれについて要領良くまとめられている。ウィロー教授のペンギン学特論と並んで、ペンギンの種類ページの参考にさせてもらった。 (2002.9.30追記)とはいうものの、だいぶ内容が古くなってきた。ペンギン学も進んでいるのだ。 |
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ペンギンは何を語り合っているか 〜彼らの行動と進化の研究 ピエール・ジュバンダン著/青柳昌宏訳 1996.10.10 初版発行 どうぶつ社 ¥2200 ISBN4-88622-293-5 これは、おもしろい。ペンギンの行動について、それがどんな意味をもつのか、どうしてそういうことをするのかの研究。有名な恍惚のディスプレイやおじぎ、よたよた歩きなどなど、行動のネーミングだけでも楽しくなる。ザトウクジラの歌などで有名になった声紋分析もぞくぞくする。 |
ペンギン ハンドブック ポーリン・ライリー著/青柳昌宏訳 1997.1.10 初版発行 どうぶつ社 ¥2200 ISBN4-88622-295-1 最初と最後の章を除く章が、それぞれ6属17種(ロイアルペンギンを独立種とみなしている)のペンギンのそれぞれについての解説になっている。自分の好きなペンギンのページを読み込むのもいいし、全体を眺めるのもいい。イラストや写真も豊富なので、それを見るだけでも楽しい。 でも、種類によって解説の長さはずいぶん違う。これは、もちろん著者がひいきしているわけではなくて、現在、人類がペンギンについて持っている知識はこんなに偏っているということなのだ。さいごの「ペンギンについてまだわかっていないこと」という短いコーナーも真摯だ。 |
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コウテイペンギンの子育て とうげすみお文 / むらせやすひろ絵 文芸社 ¥900 ISBN4-8355-1897-7 おそらく小学生を対象に書かれたと思われる本。ペンギンな人には物足りないし、コウテイペンギンの子育てを1年ですましちゃってるなど気になるとこともある。 本文の最後に「みなさんは、コウテイペンギンが、なぜわざわざ自然の厳しい南極にくらすようになったのか、そのわけがわかりましたか」と問いかけられているのだが、この答えはこの本にはのっていない。 絵は細密画できれいだが、とくにペンギンが好きな人ではなさそう。 |
ペンギンのくに 鳥居鉄也 著 1972年原著発行 1996年5月再発行 あかね書房 ¥1165 ISBN4-251-03318-3 かつての図鑑少年御用達の「科学のアルバム」シリーズの18。しばらく入手困難だったが、再発行されたようで、また書店にならぶようになった。著者は第1,2次の南極地域観測隊員。第4,8次では隊長を務めた。それだけに、図鑑的知識だけではなく、自分で観たことが書かれているところが、読んでいて面白い。写真もさすがに古くなっているけれども、図鑑少年だった人にはノスタルジーを感じさせる色だ。 とかいってたら、また見あたらなくなってしまった...。 |
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ペンギンの国へごしょうたい 中村庸夫 著 1992.3.26 初版発行 旺文社 ¥1067 ISBN4-01-069516-1 中村庸夫さんは海洋写真家として、あるいは18種類全部のペンギンを撮影している写真家として有名だけど、これは基本的に文字の本だ。小学校低学年でもわかるようなやさしい文章で(わかちがき、全ルビ)、自分が見てきたペンギンの国の様子を紹介してくれる。最後には人間が捨てたゴミ(ひも)の被害を受けているペンギンの描写もでてくるなど、内容は意外に高度だ。 |
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ペンギンの世界〜ペンギン博物館・伊豆高原ガイドブック 1997.5.31 初版発行 データハウス ¥1000 ISBN4-88718-440-9 体裁はペンギン博物館のガイドブックだけど、一般書店でも入手可能。内容は、各種類のペンギンの紹介であり、実際に博物館の紹介になるのは、最後の数ページだけだ。 ただし、完全に「初心者」対象の本であるので、既にペンギンな人にはちょっと物足りないだろう。写真はいい写真が多いのだけど、見せかたがあまりうまくないのが残念。 (2002.9.30追記)ペンギン博物館の休館にともない、この本も入手困難になることが予想される。 |
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トータルペンギン
ジェームズ・ゴーマン文/フランス・ランディング写真/沢近十九一 監修・訳 1991.7.12 初版発行 リブロポート ¥3605 ISBN4-8457-0641-5 出版社解散のため入手困難→復刊ドットコムで、リクエスト投票中 ペンギンは、ミズナギドリやアホウドリと近縁種なのである。姿は非常に違う両者だが、空を飛ぶことに専門化したものと、水中を飛ぶことに専門化したものと考えると、ポリシーは非常に似ているのかもしれない。 死んだ水夫の魂は、二種類の鳥、すなわちアホウドリかあるいはペンギンに宿る、という。アホウドリは海の上を飛び、海を支配する。そしてペンギンは海の中を飛び海を支配する。 (p.136「chapter4 魚がつばさをもったら」より) 写真集に分類しようかと思ったくらいに豊富な写真も魅力だ。 |
ペンギンはなぜ飛ぶことをやめたのか 田代和治著/村瀬泰央画 1993.2.24 初版発行 実業之日本社 ¥1019 ISBN4-408-39394-0 これは、ごく一般向けの本である。既にペンギンな人には、ちょっとものたりないかもしれない。ただ、この本は、ペンギン以外の飛べない鳥(キウイとかダチョウとか)やほろんでしまった鳥(ドードーとかオオウミガラスとか)をも取り上げることで、動物の進化を考えることができるようになっている。普通の人にはペンギンのために、ペンギンな人にはそれ以外のためにおすすめ。 |
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オロロン鳥〜北のペンギン物語 寺沢孝毅著 1993.10.20 初版発行 丸善 丸善ライブラリー 099 ¥602 ISBN4-621-0599-0 「ペンギン」という名前は、もともと北ヨーロッパに生息したオオウミガラスという飛べない海鳥のためのものだった。その後、人類が南半球にいた同じような格好の鳥(形は似ているが近縁種ではない)に出会ったとき、彼らもペンギンと呼ぶようにしたのだ。このオオウミガラスは既に(人類の手によって)絶滅し、近縁種のウミガラス〜オロロン鳥が、北海道天売島などに、やはり絶滅に瀕しながら生息するにすぎない(彼らは飛べる)。 というわけで、この本は(南半球の)ペンギンの本ではない。しかし、絶滅に瀕した種に対しての話はペンギンにもオロロン鳥にも共通の問題である。 |
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アフターマン ドゥーガル・ディクソン著/今泉吉典監訳 1990.4.10 初版発行 太田出版 ¥3300 ISBN4-900416-82-7 人類時代は、多くの他の動物種を絶滅させた時代でもあった。その人類が絶滅してから5000万年後、空白になったニッチ(生物学的地位)は、他の動物から進化した新種の動物によって埋められていた。 ベストセラーになった本だが、この中でペンギンがなかなか重要な役を演じている。クジラの絶滅で空白になった大型海洋生物のニッチをペンギンの子孫 vortex が占めているのだ。巨大化したペンギンというのも、なんだか妙なもので、ペンギンな人には心境複雑だ。 |