PENペンギンの本(絵本2)

ペンギンのペンギン ペンギンのペンギン
  デニス・トラウト作 / トム・カレンバーグ絵 / 谷川俊太郎訳
 1983.2.25 初版発行
 リブロポート
 ¥900  ISBN4-8457-0652-0
 出版社解散のため入手困難
 極めて正統派のペンギン的哲学歴史書である。ペンギンはなぜペンギンなのか、ペンギンがペンギンであるためにペンギンはどのようにペンギンしているのかなど、誰もが一度は疑問に思ったことを再度問いかける本だ。人がペンギンとしての生き方に疑問を持ったときには、ここに立ち返るのもよいだろう。
 中公文庫として再発売(2003.1.23)。  

ペンギンのペンギン
  デニス・トラウト作 / トム・カレンバーグ絵 / 谷川俊太郎訳
 2003.1.25 初版発行
 中央公論新社
 ¥590  ISBN4-12-204154-6 
 上のハードカバーが入手困難になって以来、待望されていた再発売本。内容は同じ。中公文庫のてのひら絵本シリーズの一冊として発売されているので、サイズが小さくなった。そのかわり、文章は左ページ、絵は右ページというようにわけられ、ゆったりしたレイアウトとなっている。また、ハードカバーでは後見返しに小さな図がのっているだけであった「原本裏表紙」の絵が、最後のページに大きく載っているのもポイントが高い。

 

いたずらペンギンとむくむくオバケ
 マルク・ブタヴァン 著 / 岡元麻理恵 訳
 2003.7.25 初版発行
 
中央公論新社 
¥686 ISBN4-12-204237-2 
 上のペンギンのペンギンに続いて登場した中公文庫てのひら絵本のペンギン本。
 「マンショは南極に暮らすいたずら者の皇帝ペンギン。むくむくオバケは疲れてハラペコの北極グマ。そんな二匹が出会ったら……!? 氷の北極をかけめぐるキュートで スリリングな大騒動!」 (多羅尾伴内氏による梗概)っておはなし。おいおい、それでいいのか!って突っ込みたくなる終わり方が素敵だ。
 「カモ」は日本語では違う意味もあるので、訳すときにちょっと気を使ってほしかったかも。

まちがいペンギン

まちがいペンギンあんこーる

まちがいペンギン
 ジャン-リュック・クードレイ文 / フィリップ・クードレイ絵 / 大沢類 訳
 1991.4.23 初版発行
 河出書房新社
 ¥1600 ISBN4-309-90421-1 
まちがいペンギンあんこーる
 ジャン-リュック・クードレイ文/フィリップ・クードレイ絵/大沢類 訳
 1995.11.10 初版発行
 リブロポート  
¥1500 ISBN4-8457-1038-2
  出版社解散のため入手困難
 ペンギンのペンギンと同様、こちらもペンギンの生き方を説いている本だが、ずっと楽天的である。純粋にペンギンとしての生き方を楽しんでいる様子が感じられる。「あーたらこーたらだと思われている」「でも、それはまちがい」のリフレインが心地好い。
 この作者は「まちがいネコ」「まちがいイヌ」「まちがいイノシシ」といったシリーズをだしているが、「ペンギン」が一番やりやすかったような印象をうけた。しかし、イノシシってのは変だ。

(リブロポートの解散により入手困難となっていたまちがいペンギン河出書房新社より再び発行された。あんこーるはまだ。まちのぞむ)

ペンギンの音楽会
エルケ・ハイデルラルヒ作/クヴィント・ブーフホルツ絵/畔上 司 訳
 1999.11.10 第1刷発行
 文藝春秋
¥1143 ISBN4-16-318690-5 
 世界中の誰もが知らないけど、ペンギンはオペラが大好きだ。だから今日もウィーンからあの3大テノールがオペラを演じにやってくる。演目は「椿姫」。
 ペンギンもだけど、この本のほんとの主役は、やっぱりパヴァロッティなのかなぁ。いやぁおいしい役だ(Help!におけるリンゴ・スターくらい)。

 

ペンギンゴコロ
さかざき ちはる作
 1998.3初版発行
 文溪堂 ¥1200 
ISBN4-89423-202-2 
 さかざきさんのココロはペンギンの形をしている。わたしと同じだ。しかもアデリーペンギンの形をしている。ますますわたしと同じ。
 なのに、そこから、でてくるおはなしは、わたしのそれとは、まったくちがう。同じペンギンでも、こんなにちがうんだと、びっくりした。
 あなたは、どういうペンギンだろう。
  ペンギンスタイル
さかざき ちはる作
 1999.3 初版発行
 文溪堂 ¥1200 
ISBN4-89423-225-1 
 こんどは、ペンギンな「きみ」を語るひとの視点から書かれている。ふたりのペンギンスタイルへのものがたり。
 でね、この語り手の立場の人、最初はそうじゃないはずなのに、最後には、すっかりペンギンな人になっているの。うん、こういう実例をわたしもしっている。
  ペンギンジャンプ
さかざき ちはる作
 2000.3 初版発行
 文溪堂 ¥1200 
ISBN4-89423-254-5 
 さかざきさんのペンギンシリーズの3作めなんだけど、いままでとはすこし趣が異なる。みんなの隣に(人間といっしょに)生活しているペンギンたちの生態を絵と短いキャプションで捉えているのだ。ペンギンのペンギンにちょっと似ている。そしてその雰囲気が最後のページでちゃんとさかざきスタイルに着地するところも美しい。
 わたしは3作の中でいちばんすきだけど、違う感想を持つ人もいるだろう。

ベンジャミンの空
はせがわゆうじ作
2002.10.20 初版発行
サンリオ ¥1200 
ISBN4-387-0293-8 
 ベンジャミン・トワイライト・スカイウォーカーズは空が大好きだ。しかし飛べない...というなかなか魅力的なペンギンのストーリー。空を飛ぶために試行錯誤を繰り返すベンジャミンが行き着く先はどこなのか。なんということだベンジャミンそれでいいのか。
 こういう感情をたくすのにはペンギンっていうのはとってもいいキャラクタなんだね。

ぼくがぼくであること
 河合 奈巳 作
 2000.12 初版発行
 同朋舎 ¥1200
  ISBN4-8104-2659-9 
 別の星のペンギンのおはなし。ペンギンの「ぼく」が小舟に乗って行き着いたところは、空を飛ぶペンギンたちのすむ島だった。そのなかで、そらをとべない「ぼく」の自分探しがはじまる。

長めのいい部屋
 フジモトマサル
 1999.1.1. 第1刷発行
 主婦の友社 ¥1300 
ISBN4-07-224969-6 
 主人公は表紙にいるシロクマ。なんだけど、彼はペンギンなシロクマなのだ。「僕のお気に入り」なんてペンギンな人の生活そのまま。そんな彼の近所にペンギンが引越してきたのだ。さあどうしましょうばたばた。
 「雑貨カタログ」の連載がまとめられたもの。絵本形式のコミックっていうほうが正しいのかも。シロクマとペンギン以外のエピソードもみんないい話だ。

スコットくん
 フジモトマサル
 2001.12.5. 第1刷発行
 角川書店 ¥ 1400 
ISBN4-04-853460-2 
 南極に住むスコットくんは読書とインターネットが趣味の知性派だ。すぐに群れたがる大衆とは一線を画している(自称)。明日のペンギン界を背負って立つ逸材なのだ(自称)。友人のしらせくんやマゼランちゃん(ヒゲペンギン、念のため)たちとハイブラウな生活を送っているのだ。
 こちらも絵本形式の(大人のための)コミックス。読みながらにやにやできればきみも(自称)ハイブラウである。

海の生きもの6 ペンギン
 クストー 編 / 山脇恭 訳
 1994.1.31 第1刷発行
 岩崎書店 ¥951
 ISBN4-265-02256-1 
 ペンギンの生活、子育てについてを写真と文章で説明した本。特筆すべきは、その題材がジェンツーであることだろう。こういうのって、アデリーやキングばっかりだったから。
 なお、編者のクストーは、海洋冒険家のクストーなんだけど、この本は、あんまりそういう味はない気がする。


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