ここには、ペンギンそのものではなく、南極全般をテーマをしている本(でもどこかにペンギンはちゃんと出てくる)を集めました。
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南極の自然誌 サンフォード・A・モス著/青柳昌宏訳 1995.1.30 初版発行 どうぶつ社 ¥3000 ISBN4-88622-279-X ![]() 過酷な、しかし膨大な自然資源をもつ南極大陸とその周囲の海(南大洋)の自然誌。地形、気候の話からそこに棲む生物の話にうつるが、生物については、生産者(ケイソウ・植物など)、一次消費者(生産者を食べる動物、オキアミなど)、二次消費者(一次消費者を食べる動物、イカ、エンペラーペンギン、クジラなど)、三次消費者(二次消費者を食べる動物、アザラシ、キングペンギン、トウゾクカモメなど)という具合に、食物連鎖のヒエラルキーの順に解説されている。そこにいきる生物の生業を語るのに、これはなかなか説得力のある手法だ。ルシア・ドゥレイリのスケッチ画も清楚で美しい。 |
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北極南極―森吉高写真集 森吉高 2002.12. 初版発行 東方出版 ISBN4-88591-821-9 ![]() 一冊の本の中に北極と南極の写真が一続きに並んでいる写真集。北極のシロクマも南極のペンギンもアザラシもいいんだけど、でもこの本の主役は氷だ。氷の色がとても鮮やかで素敵なのだ。 惜しいのは、印刷があまりよくないこと。写真展でオリジナルのプリントを見ちゃったもので、これはこんな色じゃなかったっていう嘆きがちょっと、ある。 |
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南極に暮らす〜日本女性初の越冬体験
坂野井和代+東野陽子 著 岩波書店 ¥1900 ISBN4-00-001552-4 ![]() 第39次南極地域観測隊(1997年11月〜1999年3月)には、初めて女性隊員が参加した。それが、この著者の二人だ。この本はそのときの体験記である。とはいっても、「女性」だからという話はあんまりない(あたりまえなんだけど)。ここにあるのは若い隊員のわくわくするような体験記だ。研究者として、こんなに素敵な1年をすごせるのはやっぱりうらやましい。7章のオーロラの描写もどきどきする。 でも、ペンギンはあんまり出てこない。専門じゃないからね。 |
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ママ、南極へ行く! 大越和加 著 主婦の友社 ¥1800 ISBN4-07-230651-7 ![]() こちらは第42次夏隊(2000年11月〜2001年3月。越冬しない)に参加した著者による体験記だ。そして、大越さんははじめての「こどもを日本に残しての女性隊員」だったのである(こどもからみれば、はじめての「お母さんが南極に行っちゃったこども」である)。彼女は夫も研究者なのだけど、この研究者どうしの夫婦の風景っていうのがとってもいい。この本には、南極と日本とでやりとりしたメールが多く引用されているのだけど、それがそのときどきの心境をよく表わしているのだ。 彼女の専門は二枚貝。南極のそれを前にしたときの「わがまま」の形っていうのが、いかにもでなんだか、うれしい。でも、ペンギンはあんまり出てこない。表紙や本文イラストはさかざきちはるさんなんだけど。 |
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ペンギンと泳ぐ旅〜南極エコツーリズム 西森有里 写真・文 NTT出版 ¥1800 ISBN4-7571-5042-3 ![]() |
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南極からのメッセージ〜地球環境探索の最前線NHKスペシャルドキュメント NHK出版 編 NHK出版 ¥1300 ISBN4-14-080795-4 ![]() |
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まんがNHK南極プロジェクト 南極 三徳信彦 2003.9.10. 初版第1刷発行 小学館 ¥952 ISBN4-09-226301-5 ![]() 「NHKテレビ放送50年南極プロジェクト」とそれに携わった人々をマンガで描いたドキュメンタリー。この著者は「小学六年生」で「Good Job」っていう、要するにプロジェクトXなマンガを連載している人だ。 とはいうものの、絵に色気がないので、せっかく出てくるアデリーが、なんか硬くてかわいくない。セリフがこなれていなくて説明が多いっていうのも気になる。 NHK南極プロジェクトのキャラクタの「オドリ」は踊るほど散らばっているので、そのファンにはたまらない。 |