PENペンギンの本(写真集)

ペンギン大陸 ペンギン大陸
 岩合光昭
 1992.1.1 初版発行
 小学館 ¥3301  
ISBN4-09-680414-2 
 岩合光昭氏は、世界的に有名な動物写真家だ。タンザニアのンゴンゴロクレーターでライオンやヌーを追いかけている話ではよくNHKにも登場するので、知っている人も多いだろう。この本は、ペンギンの大陸---南極大陸---に生きるペンギンの姿を真摯にとらえた写真集。しかし、ペンギンってやつは、むこうはまじめなんだろうけど、どうして、こういうふうになっちゃうんだろうね。ほんとに。
 VHSビデオ・レーザーディスクも出ている。わたしは、新宿オリンパスフォトプラザで、レーザーディスクを買って岩合氏にサインしてもらった。そのときプレーヤーはまだは持っていなかったので、帰りにカメラのにさくらやで買ってかえった。
PENGUIS IN THE WILD PENGUIS IN THE WILD
 鎌倉文也
 1996.10.25.初版発行
 発行:トレヴィル 発売:リブロポート ¥3862 
ISBN4-8457-1098-6
 「ペンギン大陸」の岩合氏が、「普通の人たちにとって面白いペンギン」の写真を撮るのに対し、鎌倉氏は「ペンギンな人にとって面白いペンギン」の写真を撮る。もちろん、普通の人にも面白いに決まっているけど、写真の狙いというか、撮られているペンギンの顔というか、醸し出す雰囲気が、ペンギンな人の琴線に触れるようになっているのだ。
 巻末の著者自己紹介を見て納得した。鎌倉氏はもともとペンギンの好きなこどもだったのだ。そのこどもが大きくなってペンギン好きな人になって、その人が写真家になって、ついに南極やフォークランド諸島にいってペンギンの写真を撮った、それがこの写真集なのだ。ペンギン好きにも年期が入っているのである。
 ペンギンな人には、有無を言わさずおすすめ。
 なのだけど、出版社の解散にともなって、通常の書店ルートでは入手不能になってしまった。現在「著者直扱い」となっているので、欲しい方はピングイノにメールで問い合わせとなる。
 風樹社WebSiteからも通販が可能になった(書籍のコーナーではなく、作家紹介→鎌倉文也でたどる。取り扱いショップの一覧もある)。

ペンギン・ラブ
 鎌倉文也
 2001.12.01. 初版発行
 エクスナレッジ ¥1600 
ISBN4-7678-0418-6 
 東海林さだおによれば、人前でいちゃついているアベックにはうしろから石を投げつけてもかまわないのだそうだ。この主義でいくと、この写真集には大かごいっぱいの石が必要になる。特に、そのキング!全くなんてやつらだ。ぷんすか(←こういう人のための「海のばかやろう!」な写真もちゃんとある)。
 ペンギンに感情移入するってことをここまで前面に押し出した写真集も珍しい。すべてのペンギンな人と、すべてのヒトリモノにおすすめ。両方兼ねている人には毒が強すぎるかも。

ペンギン・ファミリー
 鎌倉文也
 2003.6.15. 初版発行
 エクスナレッジ ¥1600 
ISBN4-7678-0315-2 
 ラブがあればいずれはファミリーになるのが必然だ。とはいえラブはふわふわだけど、ファミリーとなると現実である。そりゃヒナはかわいいけど、こいつらはエサをやたら喰うのだ。ひっきりなしに走り回って育てることになる。しかもヒナのやつは、親より大きくなったってまだ甘えていやがるのだ。でも、それだけに最後のシーンはやっぱりちょっとジーンとなるかな。発行日の2003年の6月15日は父の日だったってこともあわせて記録しておこう。
 ところで、イワトビヒナの写真のキャプションの「このアンバランスさがまたかわいい」というのは、もうなんともかんともである。同意するけど。
 ところでその2、鎌倉文也氏の次のペンギンの写真集の表紙と背表紙にはペンギンが4人いることであろう。予言する。
恋するペンギン
 鎌倉文也 写真 + 坂崎千春 文
 2003.12.6. 初版発行
 ぴあ ¥1600
 ISBN4-8356-0095-9 
 鎌倉文也の写真に、坂崎千春(さかざきちはる)が文を付けたっていうだけで、ペンギンな人は何も考えずに買ってしまうだろう。そのくらい強力なペンギンタッグである。
 内容は帯のとおり。「石を投げつけたくなる」を極限まで押し進めたものだ。いやもうここまでやられるとすがすがしい。でも、ただ甘いだけじゃないあたりはさすが。また、写真の中に文章を埋めこむということをやっていないのも、純粋にペンギンな人にはうれしい。
 ところで、背表紙のペンギンは4人ではなかった。

The Antactic Ocean ペンギンたちの旅・病める南極海
 藤原幸一
 2001.2.25 第1刷発行
 桜桃書房 ¥1900  
ISBN4-7567-1142-1 
 まず、ペンギンな人にとって重要なのは、18種のペンギン全てを掲載した写真集だということだ。フィヨルドランドのほっぺたの白い線もちゃんと見える。
 次に、とてもペンギンが生き生きしている写真集だということ。表紙の写真もだけど、彼らの好奇心をうつしているような写真が多い。
 そして、タイトルに象徴されるように、ペンギンを通して地球環境を考えている本だということ。これは、巻末に集められた「テキストのページ」とあわせて読むと理解が深まる(ほんとは、このテキストが写真の間にあったほうが読みやすいのだけど、それをすると、本の定価が上がっちゃうんだろうな)。
   ペンギン ランドスケープ
 青柳昌宏
 1997.7 初版発行
 メディアファクトリー ¥2400
 ISBN 4-88991-453-6 
 ペンギンな人には既におなじみの青柳(あおやなぎ)先生による写真集。題名が示すように、載せられた写真の多くは「風景」だ。ペンギンという生物を語るときに、彼らが生活している“空間”を無視することはできない。そのことを写真集を使って表現しているのがこの本だ。また、写真の合間に記された文章が、ペンギン(と人間との)“時間”を表現している。ペンギンが好きだと言うのならば、この空間と時間とに、一度向かいあうべきだ(なんて、わたしがいってもしょうがないか)。

ペンギン・パラダイス

ペンギン・パラダイス
 中村庸夫
 1998.5.5 初版発行
 KKベストセラーズ ¥1500  
ISBN 4-584-16229-8 
 海洋写真家として有名な中村庸夫(なかむらつねお)氏によるペンギンの写真集。さすがに美しいし楽しい写真が多い。
 だけど、ペンギンな人の目で見ると、ちょっとものたりないかもしれない。もしかすると、鎌倉文也以降のペンギン写真集は、ちょっとむずかしいことになっちゃったのかもしれないぞ。

ペンギンのあくび
中村庸夫
2002.12.初版発行
実業之日本社
  ISBN-4-4083-2158-3 
 中村庸夫さんも18種類のペンギンを全て撮影した写真家なんだけど、こっちはひたすら「かわいい」を追求した写真集だ。表紙のコウテイだけじゃなくて、ヒゲもアデリーもかわいい。
 ただ、いくつかの写真に「セリフ」を描きこんで擬人化しているのが、既にペンギンな人にはちょっとつらいかも。でも、そういう人は、そのポーズのペンギンの本当の気持ちを考えて、セリフとの食い違いを楽しめばいいのだ。
  赤ちゃんペンギン
 中村庸夫 写真 ぬくみちほ 文
 1998.10.15 第1刷発行
 講談社 ¥1100 
ISBN4-06-266400-3 
 エンペラーペンギンのひなを主人公にした写真集。かわいい。あまえんぼの写真なんかたまんない。ただ、顔の表情はちょっと平凡。まぁ、ヒナにそこまで求めちゃいけないか。
 どっちかっていえば、ふつうの人のためのペンギン写真集だ(あたりまえだって)。

ペンギン村

南極半島ペンギン村〜銀次郎の恋の物語
 永田雅一
 1998.8.25 初版発行
 コアラブックス ¥1200
 ISBN4-87693-435-5 
 ヒゲペンギン銀次郎が、彼女を見つけ、巣を作り、子供を育てるまでを追ったという演出の写真集。低い角度の光線(南極だからそうなるのだけど)と、キャプションとが、なんだかナニワブシな雰囲気を醸し出している。
 とにかくヒゲペンギンしかでてこないので、ヒゲペンギンなひとは必携。

ペンギンがくれた贈りもの

ペンギンがくれた贈りもの
 野村哲也
 1999.9.24. 第1刷発行
 風媒社 ¥1500 
ISBN4-8331-3120-X 
 新進の(1972生)の写真家によるペンギンの写真集。やっぱりペンギンが好きな人なのだということがよくわかる。写真につけられたキャプションも短くていい。
 (題名もそんな雰囲気があるけど)彼はけっこう「ロマンチスト」のような気がする。

コウテイペンギンの国

コウテイペンギンの国
 内山晟(あきら)
 2000.7.25. 第1刷発行
 風媒社 ¥1500
 ISBN4-8331-3120-X 
 動物写真家の「念願かなって」のコウテイペンギンの写真集。比較的ローキーな(ガンマを調整したくなるくらいの)写真が多い。巻末にかなりしっかりした旅行記がついているのだけど、それによれば撮影に費やせた時間は意外に短い。それにもかかわらず、これだけの顔が撮れるっていうのは、すごい。だから、かえって思いいれの強い写真が多く、それが重く感じるかもしれない。

コウテイペンギンのおやこ
 内山晟(あきら)
 2000.11. 第1刷発行
 ポプラ社 ¥1000
 ISBN4-591-06945-1 
 上のコウテイペンギンの国の内山さんの、こちらはこどもむけの写真集(写真絵本)。とはいうものの、ペンギン写真のクオリティは非常に高い。親に連れられているヒナに別のヒナがついてきちゃうところとか、かわいいし、ペンギンの生態のスケッチとしてもいい写真だし。自分のこどもをペンギンな人にしたいのなら、ぜひ買うべき。
 「国」よりもかわいいに重点を置いている構成になっているから、ペンギンなおとなはずっと楽な気持ちで読める。

ペンギン日和

ペンギン日和
 高野ひろし
 2001.8.13. 第1刷発行
 うなぎ書房 ¥1200 
ISBN4-901174-08-8 
 本当はこの本は「ペンギンの写真集」じゃぁない。東京のさまざまな街のさまざまな表情を見せてくれる「街の写真集」である。そしてその写真には著者のかなり強い主張がこめられている。それをやわらげるのがペンギン(のおきもの)の銀の輔だ。風景の中に銀の輔を置くことで、主張はペンギンの目の高さでなされるようになる。感情移入しやすくなるわけだ。
 銀の輔は狂言回しだし、(あとがきにも書かれているように)著者あるいは読者の分身だ。となると、やっぱりこの本の主役は彼なのだな。

PENGUINS

PENGUINS [ペンギンたちの写真集]
 ウォルフガング・ケーラー著/大沢類 訳
 1991.8.26 初版発行
 リブロポート ¥2500
 ISBN4-8457-0652-0
 出版社解散のため入手困難
  ペンギン物語
 Doug Allan 写真/藤原幸一文
 1993.4.1初版発行
 データハウス ¥1165
 ISBN4-88718-140-X
 


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