PENペンギンの本(物語・小説)

ながいながいペンギンの話
 いぬいとみこ 作
●理論社版(左図上)
 1963年初版発行 1999新版発行
 理論社 \1200 
ISBN4-652-00501-6 
 フォア文庫版(内容は同上) \560 ISBN4-652-07420-4 
●岩波書店版(左図下)
 1979.7.6.第1刷発行 1990.7.2第15刷改版発行 2000.6.1新版
 岩波書店 岩波少年文庫1036 \583
 ISBN4-00-114003-9 
 現在入手できるこの作品には上記2つのバージョンがある(おおもとは1957年3月の宝文社版)。理論社版の方が古いバージョン。
 もし、小さい頃に理論社版を読んだことがあるという人は、岩波版をもういちど読み返してみてほしい。細かいディテールが最新のペンギンの知識にあわせて加筆修正されているのだ(青柳昌宏先生に取材したのだそうだ)。それにもかかわらず、物語の楽しさも厳しさも美しさも全く失われていない。科学的正確さと物語性というものは、相反するものではないのだ。
 大人になってしまったペンギンものとしては、このような感想を記すしかない。
  ポッパーさんとペンギン・ファミリー
 R&F・アトウォーター著 / R・ローソン絵 / 上田一生 訳
 1996.8 初版発行
 文溪堂
 \1359 ISBN4-89423-140-9 
 静かなまちに暮らすペンキ屋のポッパーさんのゆめは、遠い世界をその目でみることでした。そんな彼のところにアデリーペンギンが突然贈られてきたからさぁ大変。彼の生活は一変します。
 原著は、1938年アメリカで発行されたのだけど、この話の舞台も、ちょうどその頃になっているようだ。ペンギンというのがそれほどポピュラーではないところが時代を感じさせる。
 なお、ポッパーさんはペンギンを飼うために、内側から開けられる特別製の冷蔵庫を用意した。やっぱり、そうなるよね。

 

ペンギンじるし れいぞうこ
 竹下文子作/鈴木まもる絵
 1997.6初版発行
 金の星社 \1200 ISBN4-323-05035-06 
 フォア文庫判 \560 ISBN4-323-09020-X 
 ぼくのうちにきたあたらしいれいぞうこは、とびらにペンギンのマークがついているんだ。そう、このれいぞうこにはペンギンが住んでいるんだ。ペンギンのマークは表札っていうわけ。そして今日は、年に一度のペンギンのおまつりなんだ。
 ああ、このれいぞうこ、ほしい。
  ペンギンハウスのメリークリスマス
 斉藤洋 作 / 伊藤寛 絵
 1989.11.18. 第1刷発行
 講談社 
\1068 ISBN4-06-195632-9 
 みなと町の海岸通にある小さなレストランでは、毎年12月になると、6つしかない席のうちのひとつがペンギンのおきもののための席になってしまいます。なぜって、その席は....
 このペンギン、いいなぁ。うちにこないかなぁ。
 絵も、とてもかわいい。おきにいり。

 

ペンギンおよぎすいすい
 山下明生 作 / しまだ・しほ 絵
 1999.6 初版
 理論社 \1000 
ISBN4-652-00225-4 
 「山下明生の空とぶ学校」シリーズの1冊。「5じかんめのたいいく」にあたる本。
 今日はプールの時間があるんだけど、アヤカはまだおよげない。前の日にはおふろでペンギンのおもちゃをふきとばす練習(からだのうきぶくろをきたえるくんれんなのだ)をしたんだけど.....。
 そのアヤカがペンギンの風船につれられて、南極でペンギンのこどもと一緒に泳ぎを習うことになる。うらやましいぞ。
 途中ででてくる「ペンギンたいそう」はおぼえなきゃ。
 

おーいペンギンさーん
 岡田よしたか 作
 2001.11.30. 第1刷発行
 福音館書店 \1100 
ISBN4-8340-1792-3 
 たろうは、今日はじめてひとりでおふろやさんに行った。ところがおふろから上がってみると服がない。かわりにあるのはペンギンの着ていた黒い服。まちがえられたんだっていうんで、たろうの大追跡がはじまる。まきこまれるワニ。
 そりゃ、わたしなら、そのままペンギンの服を着て帰るんだけどね。たろうにはそうもいかない事情があったのだ。
ゴンドワナの ゴンドワナの子どもたち
 アレクシス・クーロス作 / 大倉純一郎訳 / 沢田としき 絵
 2000.2.22.第1刷発行
 岩崎書店 
\1400 ISBN4-265-04172-8 
 この本を、ここで紹介するのはちょっと悩んだ。できれば、知らないで手にとって「あ、ペンギンの本だったんだ」って思ってほしかったの。でも、紹介しないと永遠に手にとらない場合も多いだろうし、それを知ったからって魅力が減るわけじゃないので、やっぱり紹介。
 研究者のミスによって、アホウドリの巣に戻されてしまったアデリーペンギンの卵から孵った雛が主人公。こういう理由で彼は「自分とは何か」について直面することになる。そしてそのことがそのままこの本のテーマだ(こういう、テーマのわかりやすい本は最近の流行なのかな)。
川の名前
 川端裕人 作
 2004.5.19. 初版発行
 早川書房 \1700
 ISBN4-15-208567-3 
 著者曰く「自称ペンギン小説」なのだけど、「自称」は外しても大丈夫。現在のところ随一の「リアルなペンギン」のでてくる小説だ。欠点は装丁にペンギンがいないこと(理由はわかるんだけど)。
 「菊野脩、亀丸拓哉、河邑浩童の、小学五年生三人は自分たちが住む地域を流れる川を、夏休みの自由研究に選んだ」(カバー袖より)という話が、どうペンギンにつながっていくのか。ライバル手嶋の見つけたもうひとつのペンギンとはなにか。たちはだかるクサレマスコミ。「正しいことがいつもよいことというわけではない」。台風の夜のペンギンアドベンチャーの運命は。そして、題名「川の名前」とはいったい何なのか。
 普通の人にもすすめるけど、ペンギンな人には有無を言わさずおすすめ。ペン種の選び方も正しい。これはあいつじゃないと、うまく動いてくれないのだ。
 ところで、あとがきに書いてあるのでばらしてもいいと判断するけど、舞台となっている川は架空のものだ。これを知らないと、ペンギンな人は途中で東京都の地図を絶対に引っ張り出してしまうので、言っておく。
  ペン
 引間 徹 作
 1997.9.10.第1刷発行
 集英社 
\1500 ISBN4-08-774260-1 
 ペンは、ペンギンのぬいぐるみだ。ぬいぐるみだから、意思もあるし、主張もする。ペンと「ぼく」と彼女とは、それなりになかなか楽しい生活を送っていたんだけど、しらずしらずのうちに、それぞれは大きな事件に巻込まれる。
 新井素子の「くますけと一緒に」とならび「ぬいぐるみ文学」のジャンルを為す作品。この2冊、全然違うはなしなんだけど、読後感がどこかにている。
  P(ピー)
 木根尚登 作
 1996.12.6. 第1刷発行
 幻冬舎
 \1456 ISBN4-87728-137-1 


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