本、平家物語(流布本 元和九年刊行)は、デジタルテキストの作 成者荒山慶一氏のご厚意により、掲載させていただくものである。荒山氏は、あたかも未踏峰の高山に登る如く「平家物語」という難関を踏破された。ただただ 頭が下がるばかりである。しかもその後、「太平記」、「承久記」、を踏破中または、踏破済みである。更に今はまた平家物語の異本としての「源平盛衰記」に 取り組んでおられるとも聞く。誠に氏のたゆまぬご尽力に対し深く敬意を表するとともに、快く当サイトの「義経デジタル文庫」に掲載することをご許可いただ いたことに感謝するものであります。この「義経伝説」でも「奥州デジタル文庫」及び「義経デジタル文庫」において、ささやかな古典のデジタル化を推進中で あるが、この場合も原則として「全文掲載」の基本原則を貫いている。これはやはり、抜粋では、原作者の作為の意図が正しく伝わる為には、全文を視野に入れ た古典の解読が不可欠であると、考えるからである。
尚、荒井慶一氏のテキストには、「¥ / ? =」等の記号があったが、削除させていただいた。それに全文かな文 字だったものを一部、義経(72回登場)、頼朝(58回〃)、義仲(58回〃)、清盛(23回〃)、知盛(37回〃)、教経(11回〃)、忠信(8回 〃)、秀衡(2回)、建礼門院、六波羅、少将、判官など、比較的頻繁に登場する名詞、固有名詞、地名、官位等について、「置換」作業において、漢字化させ ていただいたことを申し上げておきます。またこの作業を徐々に進めることによって、最終的には、漢字仮名交じりの文章にしていきたいと考えております。
第一巻から徐々に作業を進めて、総目次を作り、そこから各巻各章に飛んで行けるように工夫したいと思います。
また本平家物語で詠われている和歌百首につき、一覧表示し、その箇所に飛んで行けるようにしたいと思います。
平成十二年十月二十二日
佐藤 弘弥
覚え書き。総目次のNoの赤色は、「義経」の表記が登場することを示しています。初見は第四巻(源氏揃)の一回。第八巻
で「義経」の表記は、2回。第九巻に計25回登場。第十は六回。(2001.10.07)
以下の凡例は、原本作成者の荒山慶一氏が、作成されたものである。
使用テキスト 流布本 元和九年刊行 片仮名交じり附訓十二行整版本(平仮名版)
流布本は、版本や写本が、数十種類出ていますが、初期の物ほど善本とされています。
元和九年版は、元和七年版についで古い物です。その読みのみを拾い出しました。
一部、 歴史的仮名遣いと違いますが、後日に、一覧表にします。
例: 必衰 ひつすい――ひつすゐ、 中納言 ちゆうなごん――ちうなごん、候 さう らう――さふらう、等(前者が歴史的仮名遣い)。後日、総索引を作製しますが(「平家物語」のテキスト入力した全ての)、そのときは、歴史的仮名遣いに、修 正します。
元和七年版は、漢字仮名交じり版として、後日公開予定です。
*記号の説明 ¥ / ? =
単語を単位に区切り、記号で区別をします(この記号は、後に索引製作等に利用するために自分用に付けた物です ので、参考程度にお願いします。)
¥ 文節の区切り
/ 助詞・助動詞の前
― 連語のつなぎ
= 接頭語・接尾語(の一部)につける。御=、故=、=公、=共、=殿、等
「平家物語」の索引は数種出ていますが、それらを参考にしました。
(1) 金田一氏 平家物語 総索引 体系本(覚一本の龍大本) 昭和48年
(2) 笠氏 平家物語 総索引 体系本(覚一本の龍大本) 昭和48年
(3) 北原氏、小川氏編 延慶本平家物語 索引篇上下 勉誠社 平成8年
以上を参照して独自に区分けしました。区切りは3書の間で違いますが、同一書内でも、不統一が見受けられます。どのよう
に区分するかは様々な意見が有ると思います
が、不統一の無い様に心掛けました。
それと、土井本「太平記」索引篇1,2,3 勉誠社 平成9年も、参照しました。
同じ語の繰り返し 例:「もつとももつとも」は、(1)金田一氏の索引では、「もつとも」を2回数えてますが、延 慶本平家物語の索引では、「もつとも?もつとも」と一固まりにしています。
同じ語の繰り返し 例:「おしわけおしわけ」は、(1)金田一氏の索引では、「おし−わけ」を2回数えてます が、土井本「太平記」の索引では、「おし−わけ−おし−わけ」と一固まりにしています。
自分は、基本的に一固まりにします。
年号-年-月-日(または、その一部)は一固まりとします。
官職+人名は一固まりとします。
「の」の件:名詞+「の」の区分は厳密ではなく、金田一氏の総索引でも不統一がありますが、基本的に人名や国名の
場合は一語になり、普通名詞の場合は、「の」は助詞としています。
固有名詞や官職は、どちらも有りますので、自分は、人名や国名の場合のみ一語にします。
例:たひらの−あそん、びぜんの−かみおなじき−は、金田一氏の総索引では、独立していますが、笠氏のでは、続く語と一
まとめにしています。
そこで自分は、おなじき−「年月日」、おなじき−「人名」例:かがみの-じらう-とほみつ、おなじき[=かがみの]-こ
じらう-ながきよ、(巻9より)、おなじき−「官職」、例:ひだんの-ちうじやう-きよつね、おなじき[=ひだんの]-せうしやう-ありもり、(巻7よ
り)、おなじき−くに
例:しなのの-くに/へ\はつかう-す。ひやうゑのすけ/も\おなじき[=しなのの]-くに/の\うち、ぜんくわうじ/に
(巻7より)、等は、「おなじき−」にします。
ほど【程】は、名・助詞のどちらともとれる所が有り、不統一がありますが、今後見直したいと思います。
行数の付け方:岩波の体系の索引は、見出しを含めていませんが、自分は巻数や見出しを含めます。(総索引にて)
記号の付け方は、まだ不統一があると思いますが、今後、もう一度見直して統一したいと思います。
*追加・変更分(8月7日)
流布本の章段名を「 」に、参考としまして、覚一本の章段名を該当個所に(『 』)S+巻(上2桁)+章段 (下2桁)で表記しました。
例:「ぎをんしやうじや」(『ぎをんしやうじや』)S0101
覚一本には、和歌が100首有りますので、最初から番号を振り和歌の後にW000 と表記しました。
和歌や今様等の歌の前後で改行しました。
参考としまして、講談社文庫のページを巻一から、表示しました。語句の途中の場合は、語句の後に表記しました。
作成者:荒山慶一
2000.10.26
2006.7.28Hsato
原テキスト作成 荒山慶一氏
荒山氏のURLは以下の所にある。
平家物語協会(Heike Academy
International)
佐藤弘弥一部改変中