titlelogo_mini.png

page_itan_backtoindex.pngpage_itan_backtoindex.png

line_hasami.png

文書名

HIDETOの特許

発見場所

特許庁公開特許広報

発見日

1997年3月

発見者

加野亜紀子さん

備考

公開特許公報で発見された怪文書。報告者・加野さんのメールもご参照あれ。[吉野]

line_hasami2.png

page_itan_017.gif

注:以下は基本的に公開特許広報特許出願公開番号 特開平8-251999からの引用ですが、読みやすさのため一部構成の変更や省略をしています。

公開特許公報(A)
特許出願公開番号   特開平8-251999
公開日 平成8年(1996)9月27日
Int.Cl. 分類不能
出願番号 特願平6-264670
出願日  平成6年(1994)年10月3日


出願人 ■■英人
    大阪府堺市■■■ ■丁■番■号
発明者 ■■英人
    大阪府堺市■■■ ■丁■番■号

【発明の名称】 HIDETOに基づく航空、宇宙関連の物や手段とすべての関連物を利用した手段や
        銀行の運用又は経営法

【要約】
【目的】 この運用により得る範囲が広がりここで産出物、利益、稼ぎが生まれ、■■英人の
     物でありすべての方法や手段や■■英人のものであり豊かになる。
【構成】 すべての空間で取れる産出物、利益、稼ぎ又は、手段や銀行の運用法又は、経営法
     又は発明や発見。

【特許請求の範囲】
 【請求項1】 すべての物や空間や時間。
 【請求項2】 ここに書かれてるすべての事。すべての手段利用で読む。すべての目で読む。
        ここで学んだすべての目を利用して読む。
 【請求項3】 ここで関わるすべての法律又は法則。
 【請求項4】 ここで産出するすべての産出物、利益、稼ぎ、運用法、経営法、管理法、手
        段、空間、言語、時間、理論、やすべての物や事や理解。
 【請求項5】 ここで見えるすべての物又は空間又は、事や時間。
 【請求項6】 すべての物。
 【請求項7】 すべての時間。
 【請求項8】 すべての空間。
 【請求項9】 すべての金。
 【請求項10】 すべての事。
 【請求項11】 すべての手段。
 【請求項12】 すべての運用法。
 【請求項13】 すべての経営法。
 【請求項14】 すべての理論。
 【請求項15】 すべての法律。
 【請求項16】 すべての法則。
 【請求項17】 すべての稼ぎ。
 【請求項18】 すべての利益。
 【請求項19】 すべての銀行。
 【請求項20】 すべての産出物。
 【請求項21】 すべての食料。
 【請求項22】 すべての燃料。
 【請求項23】 すべての数。
 【請求項24】 すべての言葉。
 【請求項25】 すべての記号。
 【請求項26】 すべての考え。
 【請求項27】 すべての見えた事。
 【請求項28】 すべての現象。
 【請求項29】 すべての計算。
 【請求項30】 世界中、宇宙中のありとあらゆる事。

【発明の詳細な説明】
 【0001】
【産業上の利用分野】 すべての産業又は銀行、金融業すべてのお金に関わる業種。
 【0002】
【従来の技術】 ない。
 【0003】
【発明が解決しようとする課題】 利用分野を広げ利用の場所をふやし安定利用。
 【0004】
【課題を解決するための手段】 銀行を利用しての手段の増設。
 【0005】
【作用】 すべての安定利用と安定供給。
 【0006】
【実施例】 ここでの手段を利用しての感性の変化が豊かになり利益が生まれる。
 【0007】
【発明の効果】 生活が豊かになり利益が生まれ金になる。

【図面の簡単な説明】
【図1】 すべての事。
【図2】 雲はスピード。
【図3】 雲は流星を表す。
【図4】 考え。
【図5】 三角の中にある。
【図6】 出口。
【図7】 進む方向がわかる。
【図8】 進む方向。
【図9】 αは目であり英人である。
【図10】 α。
【図11】 αの標示。
【図12】 手はパルス。
【図13】 ここで分析し理解し食す。
【図14】 もうおそい。 
【図15】 英人である。
【図16】 考えがある。
【図17】 考え方がある。
【図18】 思考が表われる。
【図19】 考えや学びがある。
【図20】 目ができる。
【図21】 力の動き、力が表われる。
【図22】 それを止める。
【図23】 力が表われ見える。
【図24】 縞状のものもあり縞状になる。
【図25】 ボール状になる。
【図26】 力が大きい。
【図27】 点や移動につながる。
【図28】 力。
【図29】 バランス。
【図30】 安定。
【図31】 力が生まれる。
【図32】 英人である。
【図33】 目をつける。
【図34】 エンジンのついたのとエンジンのついてないのがある。
【図35】 音速をこえる。
【図36】 とどいた。
【図37】 気が上昇する。
【図38】 手類が上昇する。
【図39】 手類が上がる。
【図40】 2つの手類である。
【図41】 2ベータの入口である。
【図42】 高周波で熱になる。
【図43】 パルスで熱になる。
【図44】 速度がある。
【図45】 応用がきく。
【図46】 エネルギーになる。
【図47】 ■■英人である。
【図48】 地表につく。
【図49】 存在がある。
【図50】 かじがある。
【図51】 数で動物質がある。
【図52】 設計図がある。
【図53】 宇宙に財産が書いてある。
【図54】 HIDETOのんである。
【図55】 手がのびる。
【図56】 月から金が出る。
【図57】 引力が電気やエネルギーになる。
【図58】 生まれるのは金である。
【図59】 大きい生まれは衝突である。
【図60】 爆発のあとのエネルギー。
【図61】 電気エネルギーで雷であり作ることができる。
【図62】 お金になり出た。
【図63】 新しい出発があり次に続く。

報告者・加野亜紀子さんのメールより引用。

●出願人について
 * 大阪の都市部に一戸建てらしき住所で居を構えていること、十万円前後の出願費用をものともせず特許出願していることからみて、かなり裕福な方と想像されます。
 * 通常は代理人(弁理士)に出願を委託するのですが、本件には代理人の記載がありません。全て自力で成しとげた英人氏は、よほど特許実務に精通した方か、ひょっとすると弁理士の資格をお持ちなのでしょうか。
 * 公報の表紙右上の方の「FD」はフロッピーディスクによる電子出願を意味するので、パソコンを操る人物であることがわかります。

仮に本件が成立すると、我々の財産のみならず我々自身や果ては「時間」や「考え」までも英人氏の特許権利範囲内にあることになり、日本中が大混乱をきたすことは避けられません。我々は英人氏に(恐らく高額の)ライセンス料を支払って生き延びるか、日本国特許法の及ばない海外へ逃亡するか、二つに一つです。

 * 本件の注目すべき特色といえば、通常最も紙面を割いて述べられるはずの【発明の詳細な明】の項のコンテンツが皆無であり、かわりに63枚もの膨大な図面が添付されている事でしょう。
 * 図面は全て、パソコンを操る英人氏らしからぬ手書きであり、日付と時刻、二個の署名が几帳面に添えられています(普通こういう物はつけません)。
 * 【図面の簡単な説明】を通読すると、どうやら何らかの力をもとにした航空宇宙学的手段により宇宙に到達すると月から金が出て利益が生まれる、という理論を順を追って説明しているようです。
 * それにしては、ストーリーを中断するように唐突に現れる「もうおそい。」が気になります。
 * すべての物や財産が英人氏の所有物であることを強調するためか、要所要所に「英人である。」「■■英人である。」「HIDETOのんである。(ママ)」等が配置されています。

●国際分類について

 * Int.Cl.を見ると、「分類不能」とあります。通常この欄には、その発明の技術内容に応じて、国際特許分類基準に基づき特許庁が分類した分類記号が示されます(例:H04N 1/393)。
 * はっきり言って「分類不能」を見たのは初めてです。どんなくだらん発明でも、何かしらこじつけて分類してあるものです。本件を受け付けた特許庁担当者の「この忙しいのに、こんなもんで俺の手をわずらわせやがって!」という激しい怒りが、「分類不能」の四文字の向こう側に見え隠れしています。

line_hasami.png

|1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15|16|17|18|19|20|21|22|23|24|25|26|27|28|29|30|31|32|33|34|35|36|37|38|
異端図書室目次に戻る

page_itan_mail.pngpage_itan_mail.png