私が訪ねた世界遺産

ポン・デュ・ガール

ポン・デュ・ガール

ガール川
 フランス南部にニームという町があります。この町はガール県の中心都市ですが、この町の中心から東に約50キロ離れたところに、ポン・デュ・ガールがあります。ガール(Gard)とは、ガール川のことでポン・デュ・ガールはガール橋という意味になります。

ポン・デュ・ガール2

ニームとローマ帝国
 ポン・デュ・ガールは、アクアダクト(水道)で、ローマ時代に建造された三層構造の巨大な水道橋です。その高さは川面から約50メートル、全長は275メートルに及びます。2000年前のローマ帝国の土木技術の高さを現在に伝えるものとして代表的な建造物です。ニームはローマ時代の遺跡が数多く残されている町です。ポン・デュ・ガールはニームの町へ水を供給するために建造されたもので、全長は50キロもあるのですが、1キロメートルにつきその水路の標高差は34センチメートルです。

ニームの闘技場

▲ニームにあるローマ時代の円形闘技場

ローマ帝国の壮大な遺産
 ポン・デュ・ガールが世界遺産に登録されたのは1985年です。私は、2008年の初夏にここを訪れました。ニームからの観光バスもあるということですが、私は車で、水道橋から3〜4百メートル離れた場所の駐車場から入りました。

ポン・デュ・ガール8

 最近の世界遺産ブームも影響しているのか観光客が多く、橋の三層のうちの最下層しか立ち入ることはできませんでした。私が訪れる数年前までは上層まで入ることができたようです。

ポン・デュ・ガール7

大自然のなかの水道橋
 橋の架かるガール川は、渇水期にあたっていたようで水量は多くはありませんでしたが、カヌーを楽しむ人たちもいてのどかな雰囲気でした。大自然の中にこの水道橋を目にすると、人間の創造物の圧倒的な存在感に胸を打たれます。

ポン・デュ・ガール3