中小企業における戦略的パソコン活用のすすめ

販売管理にパソコンを使う―マルチメディアとデータベースがカギ―

販売管理ほどあいまいな定義はない

 今回は販売管理という業務におけるパソコンの活用戦略について考えてみることにする。
 しかし、販売管理という業務の定義は非常にあいまいで、企業によって業務の範囲と中身が違っているのが現状ではないだろうか。

 業務システムについて考えてみる場合、どんな業務でもそうであるがまず、その業務の示す範囲、内容を明確にする必要がある。
 販売管理システムと呼ばれる情報システムでは一般的に以下のようなサブシステムを有しているはずだろう。

(1)引合業務
(2)顧客管理
(3)商品管理
(4)店舗管理
(5)受注管理
(6)在庫引当・発注指示管理
(7)出荷管理
(8)売上管理
(9)請求・回収管理

 実際にはこれらのサブシステムのうち必要なもので構成されていると思われる。

フローチャートではなくデータチャート

 販売管理システムだけに限った話ではないが、業務システムを考える場合、業務のフローチャートを作成することが多いのではないだろうか。
 しかし、情報システムの設計にとって最も重要なものは業務のフローではなく、業務データの体系である。

 先にみたように販売管理システムだけに限っても多くのサブシテムが存在し、さらには在庫管理、購買管理、生産管理、財務管理と社内のさまざまな業務機能が相互に連携していく。
 企業の中の個々の業務が全体として連携されていくしくみは何で保証されているだろうか。

 財務管理を考えてみて欲しい。
 財務諸表は各部署で起票される伝票を収集することで作成が保証されている。
 情報システムは様々な伝票データをコンピュータ上に作り出すことによって、人が行っていた業務機能を代行するものなのだ。

 コンピュータ上に実現する伝票の集まりがデータベースと考えてもよい。
 ただし、データベースと呼ばれるコンピュータ上の伝票群では伝票と伝票との間で共通で使用する情報を共有することができる。
 たとえば、データベース上の売上伝票では商品番号を記入しておけば、商品名は商品伝票(この場合は商品マスタと呼んだ方がわかりやすいかもしれないが。)から自動的に取り込むことができるのだ。
 財務諸表が伝票を集計・転記して作成されているように、データベース上に作成された伝票も他の様々な伝票との組み合わせによる様々な帳票を作成することが可能なのだ。

 コンピュータを導入していない企業でも業務が効率化されているところでは伝票や帳票をうまく設計して使っているはずだ。
 コンピュータを使う場合でも最も重要なのはこうしたデータ中心の考え方にある。

 業務のフローは必要に応じて変えていくべきもののはずである。
 一部の人が考えた業務フローに基づいて開発された情報システムが何年もたたないうちに現状と合わなくなったり、新たに必要となった帳票を作成するためのデータを持っていないことが起こるのは当然のことといえるのだ。

 業務はつねにリエンジニアリングしていかねばならない。
 コンピュータに必要なのは会社として戦略的に価値のあるデータを蓄積して利用していくことである。

 まず、データありきであり、その次に業務の流れなのである。

 以上の考えから、私は常にシステム化を考えられる企業にはまずデータの体系について整理することを提言することにしている。
 以下の図は情報アーキテクチャー、あるいは業務モデルと呼ばれるものである。

 



販売管理システムのポイント

 販売管理など業務システムの構築ではデータベースの利用が必須であることはおわかりになったと思う。
 データベースそのものについては前回の「データベースソフトを活用する―オフコンのデータも生き返る―」を参考にして欲しい。
 ここでは先にあげた販売管理システムの各サブシステムごとにシステム化する際のポイントについて考えてみた。

(1)引合業務のポイント
(2)顧客管理のポイント
(3)商品管理のポイント
(4)店舗管理のポイント
(5)受注管理のポイント
(6)在庫引当・発注指示管理のポイント
(7)出荷指示のポイント
(8)売上管理のポイント
(9)請求・回収管理のポイント

 以上、今回は販売管理の業務についてパソコン活用の可能性について考えてみた。
 あなたの会社の販売管理システムはどうなっているだろうか。
 構築後から時間の経っている業務システムは一度見直した方がよいだろう。
 コスト制約などからなかなか満足のできる業務システムを構築できていない企業は新しくパソコンの導入を検討してみてはどうだろうか。

 パソコンそのものの性能向上に加えて現在ではグループウェアやイントラネットなど利用できる情報技術の幅が過去と比べものにならないほど広がっているのだ。


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