闘戦経

笹森 順造 =釈義

1992年7月19日 第1刷発行

発行者 山中 秀夫

発行所 日本出版放送企画

定価 4,800円








感想

この本は、まだまだこれから勉強をしていかなければならないと感じつつも、 ここで、ご紹介したいと思った本の一つであります。
まずは、日本出版放送企画の紹介文をそのまま書きます。

循環無端(全ての生命のリサイクル)と絶対平和の理念を説くこの書は、世界人 類が驚嘆する感動の名著である。この純日本の驚くべき名著が九百年の間、壁 中に蔵せられ世に紹介されなかったのは何のためであるか。
本書は日本民族の有する天地創造の説や、人事百般の事を述べ、創造、進化の 原理を説いたものである。西暦千年ごろの作であるが、その思想のよって来た る処は、この時代の作者の創意に成ったのものではなく、我が国に太古から伝 来した大精神をあるがままに論述したものである。故に日本本来の哲理と実践 とをもとめんとするならば先ずこれを本書に尋ねなければならない。

さて、難しい難しいでは、感想になりませんね。ひとつこの本から学んだこと を紹介します。それは、剣の意味することです。剣がなぜ神器と成りえるのか ということです。普通に考えますと、剣は殺人の道具であります、剣を遣うこ とは、消滅を意味するかと思います。しかし、ここに、剣が「一を断ち割って 二とし、二を断ち割って四とし、八、十六、卅二とし、また全数が一に帰元し て、生成発展し修理固成してゆく」という考え方があります。剣は、極めて生 産的であることを教えられます。自分の剣もこのような真理の上に立脚すれば、 どんなことも解決できるような気がしてきました。この断ち割るはたらきは、 単に一を分けて二分の一とし、また四分の一とし、細かく分けることのみでは なく、そこには、成長増殖の力がはたらき、二分の一を育てて二分の二、四分 の一を育てて四分の四とするのです。これがこの書でいう「我武」であり「我 武」の太刀の新鋭を発するところ、生太刀としてはたらくところなのです。し たがって、剣の理法の修練は、物事の道理を知り実践していくための道である と確信しました。
それから、この本の忘れてはならないことは、笹森先生の解釈の案内があれば こそだということです。哲学博士でもある笹森先生の解説は、先生でなくては 読み取れない奥の深いところを読み取って解説してくださっているのです。

さて、私ももう一度読み返してみたいと思います。

では、では