[MySelf]


7月6日

<更新メモ>

なんか、めちゃめちゃ久しぶりに更新したような気がします。
水族館コーナーより: 〜いおワールド・かごしま水族館

あと、減衰しきった水族館パワーを少しでも助長させるべく、
こういったコーナーも始めてみました。
もしよろしければ、投稿してみてください。


7月13日

<バイブル>

今週号のSPAにて、「女の子たちが萌える男の仕草50景」という特集が組まれていました。

こんなこと僕が書くと、加齢臭にまみれて深夜アニメ見てるがせいぜいのエターナルダスト
ごときがなに色気づいちゃってんの?と即一刀両断されそうですが、まあ聞いてくださいよ。
ここ近年、友人・知人からは「あきらめた男」、あまつさえ両親からは「乾ききった男」として
ファイナルフュージョン承認されかかってる悠久の人間サハラ砂漠ことミーですが、いやいや、
周囲からはそう見えども、優しい妻に可愛い子供、そして2匹の犬に囲まれて幸せに余生を送る、
という男子にとって最大級かつこれ以上ないくらい普遍的なドリームを、まだあきらめたわけ
ではないのですよ。
ほら、あの安西先生も言っているではないですか、「あきらめたらそこで試合終了だよ」って。
かのスレッガーも言っているではないですか、「まだまだー!」(3秒後、爆死)

では、その夢をかなえる為の第一歩とは何か?、
そりゃ当然、「女子に萌えられる」ことじゃないですか。
というわけで、早速、こんな僕でも実践できそうな項目を探すことに。よーし頑張るぞー!

<以下、目に付いた萌えポイント羅列>
 ・遅刻しそうになってガードレールを飛び越える
 ・一緒に外回り中、荷物を軽々と網棚に載せてくれる
 ・外回り中、さりげなく車道側を歩いてくれる
 ・サラリーマン二人で少年のような笑顔で遊んでいる
 ・肩に受話器を置いて、電話しながらメール確認
 ・残業中、若干やつれつつ、ネクタイを片手で緩める
 ・酔って店を出たあと、自販機で水を買って投げてくれる
 ・混雑する駅で女の子に改札を譲る
 ・エレベータで開ボタンを押して待っていてくれる
 ・あわただしい通勤中、猫を見つめて思わず微笑む
 ・深夜営業のスーパーでカゴを持って野菜を買っている
 ・つり革でなく、銀色のバーに掴まっている
 ・生グレープフルツサワーを力強く握る手つき
 ・骨チラ
 ・メガネを弄る仕草
 ・電車内で文庫本を読んでいる

うん、まず、
 
・遅刻しそうになってガードレールを飛び越える
は駄目です。小学生時代これやって前歯を2本折ってるからね。それ以来トラウマ。

じゃ、これ。
 
・一緒に外回り中、荷物を軽々と網棚に載せてくれる
 
・外回り中、さりげなく車道側を歩いてくれる
うん、そもそも一緒に外回りしてくれる女性社員などいない。前提条件の段階で既に不可能だ。
それ以前に、友達自体が社内にいない。僕を面罵するのが趣味の嫌味上司と、目元キラキラの
不可思議を問うたらブンむくれて口聞いてくれなくなったアホ後輩しかいないよ!
あ、自動的に
 
・サラリーマン二人で少年のような笑顔で遊んでいる
も、実行不可能になっちゃった。

大体が、これらの萌えツボって「スーツ前提」じゃないですか。
僕、就活のとき、給与面や待遇面より「私服で仕事可」の方を重要視して会社選びした
ぐらいの「スーツ嫌い」だったりするんですよ。
あ、この段階で、スーツ着用前提な
 
・肩に受話器を置いて、電話しながらメール確認
 ・残業中、若干やつれつつ、ネクタイを片手で緩める

も、NGになっちゃいました。

あ、じゃあこれは?
 
・酔って店を出たあと、自販機で水を買って投げてくれる
い、いや、出来ないこともないと思うんだけど、でも、これらの作業って「さりげなく」やって
あげることが基本だと思うんですよ。かつ、スマートだとなおよろしい。
だけどよくよく考えたらそれと180度相反する「挙動不審」が、長年のオタライフにより
いつのまにか身に染みついてしまった僕のような男が、そんな普段やりなれてないことを
無理してやったところで、俺アピールがダダもれるだけで何一ついいことないにきまってる
じゃないですか。これ、どう脳内でシミュレーションしてみてもドン引きする相手の顔しか見えて
こないですよ。大体がもしこれやって相手に「はあ?」って顔されようもんなら、持ってる
エビアンをすかさず逆手に持ちかえての連続殴打か、ズボン瞬脱かつ下半身露出のち「さあ、
これをお飲みよー」って顔面になすりつける以外の選択肢が見つからなくなるじゃないですか。
そもそもがね、格闘技で体を鍛えること自体を女々しい行為と断じた花山に例えるなら、こう
いう「相手にいい人と思ってもらう為の行為」自体、意識的だろうが無意識だろうがあざとす
ぎると思うのですよ。

じゃ、
・混雑する駅で女の子に改札を譲る は?
あ、これやったことある。自動改札にいつも通りSUICAをバンってやろうとした瞬間、
チャージ切れであることにハッと気づいたものの既に時遅しでこりゃヤバいと思い、慌てて
後方へザリガニステップ。そしたら後ろの娘がその改札入った途端、いきなり警告音がピポー!
しかもその場所、運悪いことに終電間際の渋谷駅改札だったりしたもんだから、周囲は当然
大混乱&大ひんしゅくの雨あられ。当時3歳だった妹の娘にバナナの素敵な食べ方をレクチャー
した二日後のマイシスターみたいな般若面されてましたね、その方。もちろん僕は、万引き
見つかった直後の主婦みたいな憮然ツラかましつつ、その場ダッシュで逃げてやりましたけど。

えと、えと 
・エレベータで開ボタンを押して待っていてくれる
あ、これやったことある。ハウルに出てくる荒地の魔女みたいな風貌したおばさんが遠くから
ダッシュしてくるのに気づいて、気をきかせたつもりで「開」ボタン押して待ってたら、その
間に次から次へと人が乗りこんできちゃって、よりにもよって魔女さんが乗った途端、ブビー!
刹那、荒地の魔女は湯婆婆と化して怒髪天。いつ魔法で野ブタに変えられるかと思いました。
今までの人生の中であれほどまでに生命の危機を感じた瞬間も、そうはなかったです。

・あわただしい通勤中、猫を見つめて思わず微笑む
 → あわただしい通勤中に、そんな不思議少女みたいな真似ができるか

・深夜営業のスーパーでカゴを持って野菜を買っている
 → そもそも深夜営業のスーパーなんて近くにない上に、料理の腕がアートレベル。

・つり革でなく、銀色のバーに掴まっている
 → 満員電車の中でこれやってたら、電車が急ブレーキかけた拍子にクラッチしていた指先
 → がはずれて、慣性の法則に従った僕の腕は、斜め前方にて佇んでいた女子学生の細ッ首を
 
 袈裟切り気味にラリアート。

・生グレープフルツサワーを力強く握る手つき
 → 胸が小っちゃいと評判の女の子の前で、自分の胸の前に二つもってきて「このくらいー?」
 → ってやっちゃった過去あり、しかもレモンで。せめてグレープフルーツにしとくんだったなあ…

・骨チラ
えーと、「男子が胸や尻といった柔らかな曲線で構成されている女体に惹かれるように、
女子は男の力強く浮き出た骨や筋に萌えている」そうで、その様を「骨チラ」と呼ぶそうですが、
って本当かよ。
大体が、
 ・肩甲骨萌え〜
 ・鎖骨萌え〜
ぐらいは分からんでもないけど、
 ・橈骨萌え〜
 ・甲状軟骨萌え〜
 ・舟上骨萌え〜
って、一体全体なに? 意味不明すぎてこれまた実行不可能。

・めがねをはずす仕草
あ、これなら出来そうだと思って、フレームを片手で持ち上げたり、下がったメガネを中指で
押し上げたりと、鏡の前で色々やってたら、鼻に当たる部分の根元にいつのまにかアオカビが
大量群生していることを発見してしまい、ちょっと真剣に落ちこみました。アオカビはないわー

というわけで、僕が実行できそうな「女の子たちが萌える男の仕草」は、
 
・電車内で文庫本を読んでいる
ぐらいしか選択肢がないことが、軽々と判明してしまいました。
でも、やらないよりはやるほうが全然いいに決まってるもんね。よーし、早速実行だ!
あ、ちなみに「書店のカバーが付いた文庫本で内容は小説」は萌えだけど、「満員電車で
検定本やビジネス書を読む」などは逆に萎えらしいですよ、余裕がない感じに見える、だって。
で、萌えるカバーのナンバーワンは紀伊国屋書店だそう。そか、あおい書店じゃ駄目かー

ま、まあ、紀伊国屋でなくとも書店ブランドのカバー使用かつ小説サイズなら、中身はなんでも
構わないだろうと、先日でたばっかりの「マリア様がみてる〜仮面のアクトレス〜」を購入しに
意気揚々と渋谷アニメイトへ向かうことに。本屋のカバーなんて外見はほとんど同じだしね。
芥川や太宰が好みでござーい、ってしたり文学ツラしつつ読んでりゃ、よもやバレることはない
だろうと。

そう思いながらニヤニヤしてた目の前で、アニメイト店員が用意しだしたカバーをチラ見して
愕然としました。ねえ、なんでそのカバー透明なの?ほんの少しの迷いもみられないその潔き
トランスルーセンスっぷりに僕らは一体なにを見いだせばいいのというの?そもそもがブックカバー
の意味をなしているの、それ? え、本が汚れない? うん、確かに…って、バカ、そういうこと
じゃないよこのドオタ。どうして己が嗜好をわざわざ世間様にこれ以上ないというくらいあからさま
に筒抜けさせる必要があるのかと聞いてるんじゃド阿呆。
ふー、どうしてオタクは本質的な部分を
致命的に勘違いするのですか?

それとも、大の大人が「涼宮ハルヒの憂鬱」や「マリア様が見てる」などのライノベを、車内で
堂々と読んでいることがバレても恥ずかしくないとでも言うの?(頭を抱えながら)
あまりに摩訶不思議だったもんで、一体どういう意図でそういうサービスしてんのかを、ちょっと
調べてみました。

<アニメ店長:第48回「地味なサービスは、どうだ?!」>
 アニメイトには様々なサービスがある。 
 ポイントカードはもちろん、アニメイト特典やリザーブカードなど、みんなもおなじみのもの
 ばかりだろう。その中に「透明ブックカバー」というものがある。
 とても地味ではあるが、「これをもらえるからアニメイトで買う」という常連客もいるぐらい
 の優れものだ。平積みの本を、上から3冊目を選ぶぐらいキレイ好きなマニアなら、このカバー
 は欠かせないだろう。ここでもキミのグッズへの愛が試されるのだ!


全然地味じゃない、むしろ恥。もしくは単なる辱め。
でも、この世にゃ、本当にこの透明カバー使用して、電車の中で堂々と「涼宮ハルヒの憂鬱」
読んでる奴がいたりするわけですよ、しかもものすごく身近に!(ド許せない!)
あまりにびっくりして「え?その透明カバーにどういう意味があるの?」ってマジ聞きしたら、
「いや、アニメイトで貰えるんだよ〜」って、天舞法輪かます前のシャカみたいなチャクラ面で
至極あっさり宣われました。アンタそういうこと聞いてるんじゃないから。

モテないのはオタクだからじゃない、本人の外見及び中身がそもそも腐っているからだ、なんて
言葉よく聞きますけどね。こういう認識レベルでねじくれ曲がった現実と、それを嬉々と受け入れ
てるバカどもを見るにつけ、その駄目っぷりを助長させてんのはやっぱりオタクそのものなんじゃ
ないかって、どうしても思っちゃいますね。

ああ、せめて、あの恥知らずの居直りオタどもに、腐女子さんのつつましさの100分の一でも
あればなあ〜と思いつつ、床に入ってその日みた夢が、アキバ歩行中のOLさん達のバッグを次
から次へとご開帳しながらジャンプ隠してないかどうかを調べる、隠れ腐女子さん狩りでした。

「なんだ、これは」
「じ…ジャンプです」
「なにが好きなんだ」
「め、メゾン・ド・ペンギン とか?」
「「○○○ン オ○ ○○イ○○」の答は?」
「クリリン オマエ バイドク」
「穴空きの意味がまったくない上に間違ってる。鼻は確かにないけどな」
「わ…私、なにも悪いことしてませんー」
「今週の銀魂120pにおける、はたしてメゾン・ド・ペンギンは生き残れるのか発言をどう思う?」
「知らない!知らないもん!」
「なら仕方ない。おい、俺をみろ」
「はい?」
「俺は…、リョーマだ(帽子かぶりつつ)」
「な、なにを…」
「ねぇ…グリップは覚えたの?」
「ゴ〜♪越前〜♪(股間握りつつ)」
「よし、中身は完全に腐ってる。おい、連れていけ」
「あう〜後生です〜8/27の名古屋最終公演だけは〜」


萌える男の仕草はわりとどうでもよくなった。


7月21日

<耐便プレイ 〜オフ喜利地獄編〜>

オフ喜利なる、「面白いと評判のWeb管理人を壇上にあげて何か面白いことを喋ってもらう」
イベントの第3回、通算すれば4回目が無事終了した。今回も裏方兼審査員として関わらせて
もらったことだし、せっかくなので、ここに何か簡単なレポを書こうと思う。

じゃ、いくね。 うん、一言で言うと、詰まりすぎ。

いや、今回はいくら何でもタイムスケジュールが詰まりすぎていたように思う。
何せ全3時間半の興行中、休憩、たったの2回。しかも前半最大の山場である予選A〜Cの間は
1回の休憩もナシ。おかげで腸までふん詰まった。まあ、そこまではいい。便秘は別に困らない。
だが、当日のうだるような暑さと都会特有の嫌らしい湿気が誘発したH20の大量摂取が、人糞と
いう放射能を一杯に詰めた恐るべき核融合炉:大腸さんのご機嫌を損ね、よもや便秘転じて下痢腹
を引き起こさせようとは夢にも思わなかった。しかも開演から僅か1分後、冗談抜きでものすごく
困った。何せ今日の私は審査員、お客さんの笑い声の大きさに耳を傾け、またその反応を見て、
各出演者の面白さに重み付けをしていくという役目を担っているからにして、片時たりともこの場
を離れることは許されないのである。ここはどうにか耐えるしか。

15分後、
読み出されるお題、走るペン先、繰り出される挙手、軽やかな答弁、的確な突っ込み、ドッと沸く
場内、満面の笑み、鳴り響く拍手、踏み鳴らされる足音、高まっていく密度、これらのポジティブ要素
が会場中の空気を支配していた頃、歪む口元、よじれる顔面、漏れる呻き、脇下からの発汗、痙攣する
臀部、ひきつる腹筋、震える大腸、弛緩する括約、わななく噴門、おののく肛門、みえない未来、と、
私はありとあらゆるネガティブ要素に全身を侵されていた。

だがここまで体調が最悪でも、面白いことを言われると、やはり笑ってしまうものなのである。
刹那、肛門を熱く焦がす予兆…!「耐えろ〜!」 私は、若かりし頃の鴨川ジム会長に丸太パンチ
を浴びせられる1秒前のアンダーソン軍曹のような表情をしながら、奥歯をグッと固く噛み締める。



次の瞬間、怒涛の勢いで襲いくる奔流。持てる集中力を括約筋にフル動員し、万力のごとく菊門を
締め上げて、その波動をどうにか押しとどめようと尽力。 …………! フゥー、とりあえず危機は
去った。だが、まだまだ気は許せない。「笑い」という緩みが引き起こす次のダム決壊は今この瞬間
にも迫っているのかもしれないのだから。

だが、この時点の私は、まだ気づいていなかった。
ウンコ軍の侵攻を凌ぐその度に、直腸下部付近にマグマの吹き溜まり、近い将来において恐るべき脅威
となるであろうウンコ玉が、あたかも秋芳洞に連なる鍾乳石の成長のごとく、少しずつ少しずつ、蓄積・
形成されていくのを…!

そして予選A、「写真で一言」の最中、その脅威はついに現実のものとなった。

 
「なぎはらえ!」

これ以上ないくらい正解!という回答をワナタベさんに出されて思わず拍手を打った瞬間、遂に
あのウンコ玉、巨大なる糞便の固まりが沈降をはじめてしまったのである。と同時に膨張する直腸、
激しく蠕動する大腸。その振動エネルギーは大腸全体のデラミネーションを誘発し壁面に付着した
ありとあらゆる老廃物を落盤にいたらしめ、それらはウンコ玉の沈降スピードをより速め、またその
破壊力を更に強め、ゆっくりとしかし着実に、最終関門であるS字結腸へと向けて、不気味なくらい
静かに降りていく。やがてその圧力に耐え切れなくなった内肛門括約筋、人体のフォッサマグナが
左右にゆっくりと裂けはじめ、その断末魔の刺激をダイレクトに受けた結腸は脳に向けて最終指令
を送りはじめた。 排便!排便!排便!排便!排便! 

次の瞬間、朦朧とした意識の中に見たものは門の神ヤヌス。耳元で死の呪文を囁いた。

「開けアヌス!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… じゃない!アヌス開いちゃ駄目ー!絶対開いちゃ駄目ー!
思わずビーンと立ち上がった。いよいよ終焉のときは近い。

ここで私は始めてトイレに向かうことを検討しはじめる。審査員は一応3人いるのだし5分ほど
席をはずしてもそう影響はないのではないか? しかし舞台上の出演者の懸命っぷりを見るにつけ、
大脳中のシナプスをスパークさせながら答えをどうにかひねりだそうとしているその必死の形相を
見るにつけ、たとえ5分といえど、やはり、この責務を放棄することは…できない!

私はすかさずもう一つの可能性、つまり漏らすことを真剣に検討しはじめた。
まず量だ、チョイ漏れぐらいなら十分誤魔化せる。次に音だ、排便時の圧力が発する炸裂音は
どの程度だ? 加えて臭気、本日食した食材が生じさせるスメルはどれくらいのハードビター?
我が脳が一瞬にして導き出した答えを言おう。順に、圧倒的、破滅的、壊滅的。擬音で表すなら
ドドドドドドド、ボボボボボボボ、パパパパパフィ〜。 駄目だ、どこをどう検討しても完璧に
隠滅不可、どう考えてもバレる。しかも「え?なんか臭くない?」どころの話じゃない。間違い
なく絶叫されるレベル。それもキャー、じゃなくてギャー、だ。空気を切り裂くような絶叫のち、
「この人、ウンコもらしてるー!!」と、こうくるに違いない。

私は更にその先の可能性をも考える。「この人、ウンコもらしてるー!」となった後、つまり
ウンコおもらし男の出現以降においてこの興行の継続はまだ可能なのか? ということである。
だが、いかに卓越した面白センスを持つ選りすぐりの戦士達といえど、ウンコ跳梁跋扈により
すっかり陳腐なものと成り果ててしまったその空気を再びウンコ以前のものへと戻すことは相当
に難しいだろう。何故なら、どんな面白いことを言ったとしても、「ウンコ」という精神的側面
において途方もない質量を持ったブラックホールが、そのお笑い分を全て吸収してしまうからだ。
それほどまでにウンコとは強力なウエポンなのだ。

うむ、やはり私に残された選択肢は「席を立たず、だが決して漏らさず」の一つだけらしい。
しかし、そんな私の固き決意を尻目に、遠くない未来の破滅を再度予期した我が肛門はヒクヒク
と収縮を繰り返し、それをカウントダウン代わりに、ハルマゲドンは刻一刻と近づいていく。
さあ、どうする?決断の時は近い。ウンコ漏らしの生き恥を晒してでも果たさなければならない
責務を選ぶか、もしくは卑怯者の烙印を押されることになってでも人間としての尊厳をとるか?
わが身を定期的に襲う極めて物理的な便意と、それが引き起こす精神的葛藤の両面で苦悩する私。
そして今、自分のすぐ側で大変なことが起こりつつあるのも知らず、終始、屈託のない笑い声を
あげ続けている周囲の女の子達のことを思う。あと数分でその笑顔をみるみる曇らせることに
なるかもしれないと思うとなんだかいたたまれなくなってきた。と同時に自分の胸のうち一つで
このイベントを瞬時に崩壊させることも可能かと思うと、なんだか妙にワクワクしてきた。
まさか獅子身中の虫がこんなところにいようとはのう、お釈迦様でも気づくまい、ククク…! 

「お主もワルよのう、括約ー」
「はっ、これは大腸様。いつもお世話になっておりますでゲスー」
「ところでどうよの? そろそろ肛門殿を油断させる算段は出来上がったかの?」
「はっ、あやつめの弱点は前立と申す、養子の小童にありますれば」
「ほうほう」
「その小童めを、このえねまぐらという南蛮のカラクリにて、このように」
「オッホッホ、このように、ときたか。ほ、このように!」
「すると、伸びます伸びますー」
「あ、このように!」
「飛びます飛びますー」
「アナルも排便、し〜てしまえ〜」
「ほ。小奴、まだ、耐えまするー」
「やるではないか。アナルが上手♪アナルが上手♪」
「アナルが上手♪ アナルが上手♪」
「さあ、キレちゃいなよ」
「アナル、キレちゃいなよ」

もはやヒクヒクどころかピクピクしている菊に向かって柏手を打ちつつ小バカ調で囃したてる
大腸と括約。その度を越えた傍若無人な振るまいを前にして、中心から放射状に無数の憤怒しわ
を浮かび上がらせる我がアナル、怒れるアナル。でも、だ、駄目、もし貴方がキレちゃったら……
……と、はい! これまで様々な妄想や想像で、幾度となく襲いくる便意の波を誤魔化してきま
したが、いよいよお別れの時間が近づいてきたようです!あっ 私、今、再びビーンと立ち上がり
ました。そして今ここに、いよいよ、肉体面最後の戦いが… 艦長であるところの大腸さんと、
それを補佐する肛門さんとの間で、始まりだした模様です!

「肛門、発射せよ!」
「駄目です!大腸!」
「肛門!大腸の命令が聞けないのか?」
「再確認すべきです、大腸!!」
「ブ!ブ!ブ!ブ!リ!」
「発射コードが違います、大腸!」

絶対的権力を誇る大腸が外肛門括約筋を通じて下す、便意という名の発射コードを、
ことごとくはねつける肛門。よし、頑張るんだ、デンゼル! ジーンの言うことに耳を貸すな!

「肛門! もう一度言う、発射せよ!」
「発射コードを再確認すべきです、大腸!」
「ブリ!ブリ!バフ!ボフ!ブリ!」
「あ、もう無理」

我が肛門の中のデンゼル君、わりかし根性ナシだった。最終認可下りちゃった。
もはや身も心もウンコに屈服。アイ・サレンダー、ウンコ・シタイダー、お父さん、お母さん、
私は星になりまーすー

と、覚悟完了を決めこんだそのとき、舞台上で予選Cの出演者登場を促すOPムービーが始まり
だした。瞬間、脳裏にひらめく閃光。ここだ!このOPムービー&出演者紹介の5分が、今の自分
に残された最後の希望! 即、後方のトイレへと駆け込み、あわただしくズボン脱いで、すかさず
便器に腰を下ろす。刹那、ボン!ボン!ボン!ボン! と破裂音4回。
麻草さん!OPムービーを作成した麻草さん! 貴方の作ったそれは出演者を鼓舞し、観客を
高揚させ、そして今ここに、1人の審査員の肛門を地獄から救いました!アリガトーアリガトォー!

去年の今頃、深夜のマンション中庭にて罰ゲームと称した全裸逆ブリッジを敢行した挙句、
足が思い切り吊って裸体のまま苦悶の表情で芝生中を転げ回る羽目になったホモサピエンスの
オスの観察記録をつけて以来の幸福感に包まれつつ、粛々と用を足す。
………………それにしても終わらない。排便に入って以降、既に2分程経過しているというのに
残糞感は一向に消える気配を見せない。あっ、既に紹介、半分くらい終わっちゃった。
ちょ、ゴトウさん、あんた、ちょっと伸ばして。挨拶長くして少しでも時間稼いで…って、ばっ、
ちょ、早い早いよ!!うわうわー  

あんなにも下ッ腹に力いれて一生懸命排便に勤しんだのは、おそらく初めての経験である。
大丈夫、なんとか間に合いそうだ。大急ぎで尻を拭き、ブツを流し… とここで、ものすごく
嫌な予感が頭をよぎる。よもや、この悪夢にまだ続きがあるんではあるまいな。
ま、まさか、紙か、紙がないのか? もしくは詰まるか?ここに至って便器を詰まらせてしまうのか?

が、紙はふんだんにあった。
また、びっくりするくらい大量の便を流したにもかかわらず、別段、便器が詰まる、といったような
事態も発生しなかった。 まったく。 


つまらない人間は、トイレをつまらせることさえできない。


いや、そんな面白さは微塵もいらないのだけれど。


7月28日

<緊急レポート: そのとき、何が起こったか>

とある夏フェスの実態について、レポ、
書いてみました


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