川村渇真の「知性の泉」

過去の活動


過去の活動の中から、代表的なものを紹介します。雑誌でも単行本でも、思い入れのあるものだけを選んであります。大型汎用機を用いたシステム開発や、制御機器のハードウェア設計などでもアイデアを出しましたが、あまりにも専門的すぎるので省略しました。


●雑誌連載「デジタル文書技法」

日経BP社の日経パソコン(2002年6月24日〜2002年9月16日号で合計6回)にて連載。提案書などの文書で、内容自体を上手に作るためのコツを紹介したものです。テーマを決めて材料を集める段階から、最終的に文書を仕上げるまでの作業の中で、内容を良くするための工夫を数多く取り上げました。説得力を高める要素を盛り込んだり、説得しやすい流れを決めたり、大事な点を強調したりといった工夫です。また、こういった作業では、試行錯誤しながら内容を作り進むことが多いので、途中で考えながら作業を進められる方法も含めました。文書の中身を良くしたい人にとって、かなり役立つ内容です。

●雑誌連載「勝てる!プレゼンテーション講座」

日経BP社の日経バイオビジネス(2001年7月〜2002年2月号で合計8回)にて連載。雑誌の性格に合わせて、プロ向けのプレゼン方法を解説したものです。一般的なプレゼン連載だと、プレゼン用アプリをどのように使うかとか、見やすいスライドの作り方といった、パソコン寄りの内容になりがちです。しかし、そんな内容では、実際のプレゼンにはほとんど役立ちません。そこで、この連載では、事前の準備も含めて、プレゼン内容をいかによくするのか、どうやったらプレゼンが成功するのかを中心に書いてあります。また、プレゼン相手が良いとは限らないので、相手の善し悪しの見分け方や、もし悪い相手だったときでも困らない方法を含めました。プレゼンでもっとも重要な部分を知るために役立つ内容です。

●単行本「ワープロ文書キメ技講座」

1998年9月発行、CD-ROM付き、2800円(税抜き)、日経BP社刊。
パソコン用のワープロソフトを用いて文書を作成する際、どのように作ったら分かりやすい書類に仕上がるかをまとめたものです。表紙、目次、中見出し、本文、挿入文、挿入図、挿入写真など、それぞれに多くの注意点があります。書類に含まれる各要素を、理解しやすく表現するための工夫だけでなく、ワープロソフトの機能を上手に利用した工夫も述べています。CD-ROMに入っている「ひな形」ファイルを用いれば、読みやすい書類が手早く作れる点も、特徴の1つです。苦労せずに見栄えを整えられるので、その分だけ書類の内容に集中できます。この種の本は、他にないでしょう。

●雑誌連載「ディジタル時代の文書作成法」

日経BP社の日経MAC(1996年の2月〜1999年11月号で合計45回)にて連載。メインテーマは、分かりやすいビジネス書類を作成するためのノウハウ紹介です。説明技術をビジネス文書に適用したもので、情報を分かりやすく表現する方法を解説しました。それに加えて、ワープロソフトの便利な機能を利用し、文書の作成作業を効率化する方法も説明しました。Macを例にして述べていますが、他のOSやワープロ専用機でも活用できるノウハウがほとんどです。また、ビジネス以外の文書作成でも、大いに役立つノウハウを広く取り上げました。

●雑誌連載「より使いやすいソフトを求めて」

MacTech Japan(1997年12月〜1998年9月号で合計5回)にて連載。サブタイトルは「理想のユーザーインターフェースを考える」です。既存のOSやソフトの欠点を分析して、より使いやすく改良するためのアイデアを提示しました。既存のソフトの仕組みでは、使い勝手の改善に限界があるものの、ある程度までなら改善できます。雑誌が途中で休刊となったため、予定していた全テーマを書けなかったのが残念です。連載した記事のすべてを、本サイト内の「万物のユーザーインターフェース考房」の小コーナーとして掲載しています。ソフトウェアのユーザーインターフェースに興味のある方は、ぜひ読んでください。

●雑誌連載「思考支援コンピュータを創る」

MacUser日本版(1994年の8月〜1997年6月号で合計35回)で連載。自分で考えた次世代システムの紹介が、基本的な内容です。オブジェクト指向OS+エージェント指向技術の次世代に位置づけられ、使いやすさが格段に向上するシステムです。それ以外にも、使いやすいコンピュータを設計するための考え方などを、おりまぜて解説しました。エージェント指向技術よりも進んだソフトウェア技術を知りたい人には必見という、ソフトウェアの世界では最先端の内容を述べました。連載した記事のすべてを、本サイト内で同名の「思考支援コンピュータを創る」として掲載しています。

●雑誌連載「ビジネスユーザーのための使いやすいデータベース構築法」

日経BP社の日経MAC(1994年9月〜1995年12月号で合計16回)にて連載。メインテーマは、使いやすいデータベースを作成するためのノウハウを紹介することです。これをマスターすると、使いやすいデータベースが理論的に作れるようになります。作成したデータベースでは、データの入力がしやすいとか、表示した内容が読みやすいとかの特徴を持ちます。紹介しているノウハウは、説明技術をデータベース構築に応用したものです。この連載の内容は、分かりやすい情報表現の方法が論理的に説明できることを、証明するものでもあります。連載の内容をリニューアルし、本サイト内の「システム開発の王道を極める」で「使いやすいデータベースの構築法」として掲載しています。

●雑誌CD-ROM連載「アプリケーション進化の提案」

ソフトバンクの月刊誌MacUser日本版(1995年5〜10月号で合計6回)に付属するCD-ROM上で連載。既存OSの基本的な仕組みであるファイルとアプリケーションという制限の中で、もっと使いやすく改良するためのアイデアを紹介しました。代表的なアプリケーションや機能をテーマとして選び、それぞれの進化すべき方向を示しながら、具体的な改良案を解説しています。Director(米Macromedia社のマルチメディアタイトル作成ソフト)を用いて作成しました。

●雑誌連載「助さん、格さん、表計算」

アスキーの月刊誌MacPower(1992年1月〜1993年11月号で合計21回:途中で1回お休み)で連載。表計算ソフトをいろいろな用途に利用し、その作り方を紹介する内容です。江戸時代からタイムワープしたミツクニ一行が、現代で生活するという設定なのですが、オチャラケ会話が中心になっています。しかし、作成するワークシートは非常に真面目なものでした。ワークシートのアイデアはなかなか思いつきませんでしたが、ジョークのネタはすぐに出てきました。ただし、真面目な雑誌上なので、「脳味噌ぐちゃぐちゃルーム」のような過激さはありません。それでもオチャラケ物は書いていて楽しいですね。今でもときどき書きたくなります。

●単行本「HyperCard User Interface Guideline」

1992年5月発行、2800円(消費税込)、アスキー刊。
副題は「使いやすいスタック作りのノウハウ集」で、そのとおりの内容です。HyperCardでスタックを作るとき、使いやすく仕上げるための方法を紹介したものです。スタックの構成要素となるボタンやフィールドといった種類ごとに、使いやすくする工夫をまとめました。加えて、スタックに入っている情報を分かりやすく表現する方法についても、解説してあります。この本を読めば、スタック作りだけでなく、マルチメディアのタイトル作りでも、使いやすいものに仕上げられるでしょう。

●単行本「オブジェクト指向コンピュータを創る」

1992年3月発行、3200円(消費税込)、アスキー刊。
既存OSとは異なる仕組みのシステムを提案した本です。アプリケーションやファイルという概念を否定し、まったく新しいシステムとして考えた内容をまとめました。雑誌で連載中の「思考支援コンピュータを創る」は、この本の続きです。

●雑誌連載「勝手気ままにチューニング」

技術評論社の月刊誌MacJapan(1989年5〜10月号で合計6回)で連載。いろいろなソフトを改造して使いやすくするという、かなりビョーキの内容でした。MacOSや市販ソフトにパッチを当てて、日本語を表示できるようにしたり、使いやすさを向上させるのが目的です。1回の記事で、数本のソフトにパッチを当てます。当時のMacの日本語環境は貧弱で、このような改良によって人々は喜んだものでした。ちなみにパッチを当てるというのは、ソフトの命令コードを書き替えて、別な動きをするように変更することです。特殊なツールを用いて、逆アセンブルしながらソフトの実行状況を追い、どんな動きをしているのか調べます。目的の実行箇所を特定できたら、16進コードで別な命令に置き換えて終了です。プログラムのソースコードがないのに内容を解析するため、多くの人が驚きました。Macの日本語環境が整った現在では、ちょっと考えられない内容でしょう。


下の飾り