ソフトレビュー2001 年版

 ここには、2001 年のげえむ(を愛する心があれば大丈夫じょぶ☆)日記に記述したソフトレビューをピックアップしてみました。多少、加筆修正しております。プレイしたゲーム全てについて記述してあるわけではありません

(註)発売日順ではなく、あいうえお順にソートしてあります。

青い鳥 [Windows(18 禁) / ぱんだはうす]

 まだ見てないイベントがあるものの、CG が埋まりましたので感想を書きます。…が、最初に断っておきます。お薦めしません

 キャラクタは可愛いし表情が豊かで良いです。まあ、シナリオの都合上コミカルタッチな表情も多いので、そこは好みが別れるところかもしれません。あと、キャラクタの性格もきっちり立っていますね。個人的には、時雨が一番です。時雨〜。

 シナリオは、わけわかんないでしょう(笑)。なんというか、パラレルワールドの集合体のような構成をしていますので、いきなり話が飛んで混乱するものと思われます。1 つの話だけとっても、かなり支離滅裂ですし…。まあ、だからこそ、ツッコミ甲斐があるとも言えるのですが(^^; ただ、これだけバラバラなものを、多少強引ながらうまく繋いでいるところを私は評価しています。

 このゲーム、出口の見えない無限迷宮に入ったような感覚を味わえます。2 択のみの選択式にして、アドベンチャーゲームをやっている雰囲気を楽しめる構成は、見事と言うしかありません。

 ただし、仕組みがわかってしまうと簡単に解けますので、攻略情報を見ながらだと、この重厚な混沌としたゲーム構成を満喫出来ませんし、攻略情報を見なかった場合は、途中で嫌になる人が続出するでしょう。これこそが、このゲームを、人にお薦め出来ない理由でもあるのです。

 そんなわけで、私的評価は無茶苦茶高いものの、お薦めすることが出来ないという困ったゲームです。まあ、私は、元々、MD や SFC の難易度の高くて変な洋ゲー好きな人間なので、こういった部類のゲームは腐るほど知っているのですけどね(^^;

アメリカンセクシーチャンネル3 [Windows(18 禁) / TOBE]

 番組延長条件がいまだわかりませんが、大方見てますので感想を書きます。一言で言うなら、色々な意味でバカ(誉め)な、シューティングというより完全に弾避けがメインのゲームです。番組なので、全 13 面(回?)構成。それぞれ独特の雰囲気を持つ 6 つの STAGE が用意されています。

 バカな部分は色々ありますが、やはり、装備を購入するときの解説でしょう。これは一回聞いておく価値があります。マルチプルの解説なんて……。次点は、一部のエッチシーン。かなり頭を抱える展開があったり、ネタが危なすぎて大丈夫かと思うものがあったりします。

 ゲームの方も、なかなか凝った作りをしています。弾避けなので、かすりボーナスもありますし。あと、番組なので視聴率の影響が色々な面で見られます。もう少し、STAGE 数が欲しかったところですが、番組延長条件にも関係してきそうなので、その要望は保留にします。

 そういうことで、バカ(誉め)ゲーとしては、今年一番のできではないかと思っています。お薦め度は、5 点満点で 3(+1.5) 点。基本値 2 点だったのだけど、アイテム解説を聞いて +1 点。新品販売価格も安いし、Easy なら大抵の人は楽しめると思うので、弾避けの好きな人には文句なしでお薦めです。

アルバムの中の微笑み [Windows(18 禁) / CureCube, アセンブラージュ]

 一本道のストーリー上に、各キャラエンドへの入口が用意されているタイプの作品です。各キャラエンドの条件を満たしていても、他のキャラのエンドへの影響は発生していないので、やり直しによりプレイ時間が短縮できそうです。誘いを反故にしても、相手の娘の接し方が変わらなかったりしますし、良くも悪くも普通の作品でしょう。プレイ時間も短いので、コストパフォーマンスは悪そうですね。

 システムは、既読・未読スキップ装備、CG 鑑賞・BGM 鑑賞・シーン回想有、文字速度変更有、バックログはありませんが標準的なものは大体備わっています。全体の雰囲気はいいので佳作ですかね。

戦女神 [Windows(18 禁) / Eushully]

 今となっては新しい要素は見つけられないものの、かなり良く作り込まれている CRPG です。ダンジョンはクォータービューですが、2D なのでそのうち慣れます。また、能力値 UP の方法が特殊ですが、まあ遊んでいるうちに気付きます。プレイ時間は 20 時間前後ですね。

 イベントは、シナリオ進行(というかダンジョンの進行具合)か、日数の経過によって発生するようになっていますので、宿屋に泊まることが重要な要素になります。でもって、このゲームの主人公、ランス入ってますので、イベントは、えっちシーンの連発です(^^;

 あと、重要なことは、『戦闘開始後に AUTO にして、すぐに変更にすることにより、戦闘効果を OFF に出来る』ということですかね。これは、プレイ時間の短縮に役立ちますので。

いちご打 [Windows(18 禁) / Witch]

 購入前からわかっていたことだけど、これは、Milkyway のファンディスクがタイピングゲームの形を取っているものでしょう。まあ、そんなわけで、Milkyway が好きな人しか買わないでしょうから、お薦めかどうかは言うだけ無駄のような気がします。

 なお、タイピングゲームとして良くできていると思いますが、難易度設定に若干問題がある気がします。このゲームの難易度は、制限時間を緩和するためのものでしかなく、タイピングの精密さの要求度合いは、どのレベルでも同じだからです。

 まあその、私は、かなり楽しめましたし懐かしかったですよ。総プレイ時間は、タイピング能力に依存しますが、私の場合、6 時間ぐらいでした。なお、1 枚だけ普通にやってると出せない CG がありますので、コメントアウトで補足します。

愛しの言霊 [Windows(18 禁) / シルキーズ]

 主人公の設定や言動とか、移動画面の配置とグラフィックとか、出てくる妖怪どものイカれ具合とか、その他もろもろにおかしさがにじみ出ているため、笑わずに遊ぶのは困難な作品です。逆に言うと、その辺のおかしさに気づいて笑うことができないと楽しめない作品とも言えます。

 主旨は、自縛霊となった娘を、その原因を解決してあげて成仏させるというもので、自縛霊は 3 人(?)ですが、攻略可能キャラは、じいさんを含めて 6 人います。……嘘です。じいさんは攻略可能ではありません。大活躍な影の主役ではあるのですが(^^;

 ゲームの方は、1 日に最大で 6 回行動がとれますが、各キャラに会えるのは 1 日 1 回のみですので、イベントが分散気味に感じたり、シナリオが薄味に感じたりするでしょうね。そんなわけで、おかしな設定やおかしなキャラの言動を楽しむことができる人にのみ、お薦めです。シナリオ指向の人には全然向いてないと思います。

Wing&Wind [Windows(18 禁) / Clear]

 夏休みのバイトの休み期間中に故郷に立ち寄った主人公の想い出作りの話です。シナリオ突入の難易度がかなり高く、スカ量産の可能性が高いです。この作品の場合、スカに意味はありませんので、忍耐力の無い人は、すぐに攻略ページを見ましょう。

 システムは現時点でのノベル系の水準以上です。少々バックログが出しづらい感はありますが、これ以上を望むのは贅沢でしょう。あと、画面解像度に 640x480 と 800x600 のデュアルモードも用意されてますが、私は、その辺に疎いので、容量を食わない(500MB 違う) 640x480 オンリーモードでプレイしてました。ちなみに、声無し。

 演出は、私基準でも貧弱にしか感じません。OP からしてダメ。BLESS の OP を再確認してしまうぐらい見せ方を心得ていません。これ見せられたら普通ひきます。

 シナリオ。キャラ固有シナリオに入るまでは、すんげぇつまんないです。知識のひけらかし、冗長な表現、つまらないパロディ、そして「・」「・・」「・・・」(←クリックさせる)と、私の嫌いなもののオンパレード。唯一の救いは、霞とのかけあいの楽しさぐらいですね。

 ただし、キャラ固有シナリオに入ってからの展開は素晴らしいと言って良いでしょう。各キャラクタの魅力を最大限に引き出していますし、各シナリオの毛色が全然違いますので、どれか 1 つは琴線に触れるものがあると思われます。ちなみに、私は、霞シナリオ。この手のキャラクタがこういう可愛さを見せるのは卑怯です。

 余談ですが IRC で聞かれたので買い値判定。属性無しで 1k、天然ボケ属性有りで +1k、妹属性有りで +1k、眼鏡属性有りで +1k、弁当属性有りで +1k、巫女属性有りで +1kというところですね。属性揃ってると、ほぼ新品小売り価格です(^^;

Vivre 〜魂(こころ)からの笑顔〜 [Windows(18 禁) / SOUP]

 想いのたけを綴る前に不満点を挙げます。まず、最終修正ファイルが環境依存で、当てると、うちの環境では実質セーブ不可になること。次にメニューバーでセーブ等を行うけど、各項目が小さいためセーブの Yes/No 選択がしづらいこと。あと、CG の使い方があまり上手くないように感じました。CG 自体は良いと思うのですが。

 それでも、この作品は好きです。ヒロインがプロローグで死んで亡霊として誰かに憑いていくことにより、同じ世界にいる第三者の視点で物語を語ることになります。この試みは興味深いですし、語り手としてのヒロインの人柄もあってか、どろどろした場面も、それを否定するフォローにより緩和されてると感じました。

 また、語り手のヒロインである亢花は、死に別れた恋人のことを想いつつも、「私は死んだのだから友人の誰かとくっついて幸せになって欲しい」という気持ちを前面に出しています。その気持ちを受け止め、その気持ちに同調することが、この作品を味わうコツなのではないかと思います。それができたことは、私にとって幸いでした。

 総合して感じることは、副題の『魂(こころ)からの笑顔』の笑顔は、亢花の笑顔なのだなということです。まあ、もっと早く気付いてあげるべきかなとも思いましたが、私は、にぶちんなので(苦笑)。

 その他の登場人物やシナリオについては、ネタバレになる上、それが私の伝えたいポイントではないため伏せさせていただきます。強くお薦めはできませんが、ここまでの感想を読んで興味を持たれたのならプレイして欲しいかなとは思っています。

うつせみ [Windows(18 禁) / BLACK PACKAGE]

 うつせみは、1999 年に BLACK PACKAGE から発売された作品です。システム等の全体的な部分は、沖さんの記述を参照して下さい。補足すると、バックログの保存領域は小さく、流してしまった文章の読み直しのものです。また、各幕に、その章の中心である娘の End が用意されていますし、Bad End で裏の事情がわかるようになっていて、シナリオ構成も、かなりのものがあると思います。プレイ時間は、10 時間前後ではないでしょうか。

 また、各章の中心になる娘のキャラ立てや性格付けもしっかりしていますし、担当の章が終了したあとの精神的な成長も書けていると思います。エッチシーンの入れ方は強引に感じましたが、不要だとは思いません。あと、Happy なだけではない終わらせ方ですが、きちんと話を閉じているので好感が持てます。

 あとは、波動の垂れ流し風味に。時代背景から、この作品の登場キャラの多くは、和服を着ています。特に、ヒロインの歌穂は、練習時以外は常時和服(袴タイプ)着用で、おいしいシーンも用意されているので、和服部推奨作品としたいです。

 そして、ヒロインの歌穂。憎まれ口を叩く、主人公には素直になれないタイプの娘なのですが、実は主人公を好きで信頼してもいるので、随所で可愛いところを見せてくれます。いや、もう、私は、メロメロですわ。歌穂〜。……そんなわけで、私には、かなりヒットした作品です。

お約束 LOVE [Windows(18 禁) / 林組]

 システム、標準的なものは備わっています。オートモード有り。バックログは確認してませんが無かったと思います。回想モードが戦闘シーンだけでないのはポイント高いですね。

 シナリオ。タイトルそのまま、以上。そんなわけで、感情移入するべき対象は主人公でもヒロイン達でもなく、主人公の親友の薫なのだと感じました。「しょーがねぇなあ、あいつはまた」という感じで。また、謎 End 二つと Bad End は笑わせていただきました。特に、Bad End は色々な意味で必見でしょう。

 プレイ時間は、特定箇所(自明)以外は倍速モードで読んでいたので、1st 2 時間、2nd 以降 1 時間弱でした。あ、展開がわかる程度には読んでますよ。完了後、即アンインストールしてるのも、お約束。

Emblem 〜エンブレム〜 [Windows(18 禁) / Malt]

 良い意味で騙されました。煽り文句が『極道コメディ ADV』なのだし、イカれたキャラ設定や、前半のやばいネタの暴走具合や、最初に迎えるだろうスカ相当の End を見た時点では、軽いノリのおバカなだけの作品だと思ってました。よもや、後半で、恋愛コメディを展開するとは思いませんって。

 システム。実装がいい加減な回想モードと、かなり使いづらいバックログはアレですが、既読管理もあって、『既読のみ/全て』のスキップ設定ができます。セーブは拡張セーブですし、選択肢が出ている状態でもセーブできます。かなり遊び易い部類に入るのではないでしょうか。

 シナリオ。各シナリオで、骨格の話の種明かしの分担がされていて全部見ると謎や矛盾が残らないまとまった構成は、私の好みなこともあって良くできてると感じます。ヒロインになるキャラクタの設定に合った展開をしますし。特に、遼子シナリオは、私の好みをさっぴいても良くまとまっていると思います。

 軽快に読めて楽しめる作品を求めている人にお薦めですが、絵柄に抵抗がある人が多そうなこと、新進メーカであること、ユーザに媚びたウリが無いことを考えると、福袋かワゴンセール行きでしょうね。

戒流の渦 [Windows(18 禁) / raziel]

 種族差別と狂気の果てを題材にしている作品という印象です。終盤の展開には感情に訴えかけるものがあります。私は結構気に入ったのですが、買わせるという意味での売りになるものが希薄なこと、ボリューム不足は否めないことを考慮すると、売れないのも仕方がないとも思います。

 なお、シナリオ制御はかかってませんが、グレイス→サヤ→クレアが推奨順序なのではないかと思います。また、全体的に暗い雰囲気を持っている作品なので、リタの存在は貴重だと感じました。まあ、私の好みな性格をしているというのと、声優さんの演技力もあるからなのでしょうが。

化石の歌 [Windows(18 禁) / アージュ]

 まだ見てない部分が多く消化不良気味ではあるものの True End を見ましたので感想を書きます。化石の歌は、練り込まれた完成度の高いシナリオ、効果的な画面演出、配役と演技のしっかりした音声、そして見事な世界観を持つ良質のアドベンチャーゲームです。傑作と言っても過言では無いでしょう。

 システムはアージュ特有の rUGP を使用していて、rUGP はバージョンアップされてきているため、プレイ環境はゲーム発売当初より快適になっています。大きな不満が生じることは無いでしょう。ゲーム構成の方は、それに触れること自体がネタバレと解釈しているため記すことができません。

 また、このゲームは、しっかり文章を読んで主人公の成すべきことを理解していけば、自然に解けるように作られているものだと思っています。ただ、その理解度を高めるために、かなりのやり直しプレイを要求したり、Bad End 量産を余儀なくされることが、難易度が高いと言われる理由でしょう。

 ただし、Bad End を見ることが、シナリオ構成の理解を深める重要な要素であり、True End の感動を深める糧ともなっていると思いますので、True End を見ることが全てではないと感じています。私は、やり直ししまくりとはいえ、2nd で True End への流れに乗ってしまったため、一部で選択肢をあえて失敗して Bad End を探ったりしました。おかげで睡眠時間を削られましたが、それだけの価値はありました。

 お薦め度は 5 点満点で 3.5(+1.5)点です。自力で解くためにやり込む人でないと本当に楽しむことができないとはいえ、全体に流れる雰囲気や目を見張る画面演出は見る価値がありますし、途中でやめられなくなる魅力も持っていることを考慮して、基本お薦め値を高く設定しました。萌えがどうこうはともかくとして、キャラクタも魅力的ですし。

風のクロノア2〜世界が望んだ忘れ物…〜 [PlayStation 2 / NAMCO]

 いきなりお薦め度から。1をきっちりクリアしている人にのみ、お薦めです。2から始める人には正直つらいと思います。まあ、アクションゲームに耐性があって、何回も挑戦して腕を上げていくことができる人なら問題ないでしょうけどね。

 アクション自体の難易度は、クリアするだけであれば易しくなってます。人形集めや夢のかけら集めの難易度は、たぶん上がってます。(私は、そこまでやるのを半ば諦めめてしまってますので言及できないのです)

 仕掛け解除は、新要素が加わったことにより複雑になっています。タイミング的に厳しいところは少ないのですが、新要素に対する把握に時間を費やすものと思われます。まあ、私が、ほぼノーヒントで解けたぐらいですから、大したことは無いのかもしれませんが。パズル的要素よりアクション的要素の方が高い仕掛けですしね。

 ストーリーについては、やはり、クロノアのストーリーだったとだけ書いておきます。つかみが万全で、しっかり感動し、そして最後にせつなくさせてくれます。

 とまあ、ここまでは誉めてきましたが、高速スクロールな部分は邪魔臭いので必要無いと思います。クロノアにはクロノアの味があるのですから、それを逸脱するような要素は排除するかおまけにして欲しかったです。とある VISION では、レーシングゲームのコーナーリング技能が必要になってきますし…。

 あと、演出や画面効果を強化したため、かなり人を選ぶゲームになってたり、床等が認識しづらくなっていたりします。そういう意味では、残念ながら遊び易いゲームだとはいいづらいですね。十分遊べる良いゲームだけに、少々残念でもあります。

CAFE LA SUNSET [Windows(18 禁) / BeF]

 なんとか年末に間に合いました(謎)。全体の感触は、ゲーム部分は丁寧でユーザよりの作りをしているし、シナリオは地味で簡素ではあるものの、独特の雰囲気を持っている、という感じですね。エッチシーンの 9 割が半裸ではあるものの、特別強力なシーンがあるわけでもないことも付け加えておきます。

 さて、メインのゲーム部分についてです。喫茶店経営パートは、店の評判の上がる理由は理にかなってますし、経営してるという気分にさせる作りになっています。客の状況に合わせて指示を出すために、ずっと画面を見ていないといけませんが、経営パートの途中でもセーブできるようになっていて苦になりません。

 あとは、クリア後の総売上金額に合わせて割り振ることができる各種オプションですね。細かく書くとキリがないので一つだけ、『喫茶店経営放棄』という項目があります。これを有効にすると、喫茶店経営パート無しでゲームを始めることが可能になります。実際、使ってみるとすごく味気なくなってしまうのですが、喫茶店経営パートを無駄と思う人に対する配慮もされているところは、さすがというところです。

 派手な作品に疲れたときの一時の清涼剤として遊ぶのに適したゲームです。たまには、地味なゲームもいいかなと思っている人にのみ、お薦めします。

ガンパレード・マーチ [PlayStation / SCEI]

 『学園物の皮をかぶった戦術シミュレーションゲーム』という印象はクリアした今も変わっていません。戦術シミュレーションゲームが苦手な人も大丈夫という意見は的外れでしょう。

 シミュレーション部分に大量の要素を詰め込んだ複雑なシステムをしているので、色々な事が出来ますし、プレイスタイルに融通が効きます。これを、『自由度が高くて楽しい』と受け取るか、『やる事が多過ぎて面倒』と取るかでゲーム自体の評価が別れることになりそうですが、後者の人は何も語らないでしょうから前者の意見が押し出される形になっているんだと思います。ちなみに、私は中立。

 また、ゲーム内でのリアルタイム時間経過があり、自分のパターンを持って行動している NPC に干渉することによってイベント発動につながっていくという点では、どきどきポヤッチオ似たところがありますが、GPM のイベントは『自発的に発動』させるもので、ポヤッチオの『勝手に発動しているように思える』というものとは大きな違いがあります。

 でも、NPC の時間管理がルーズだったり、表示関連でバグ臭いところがあったり、タクティカルコンバットに思いっきりバグ技(無茶苦茶使えるんですけどね…)があったりするのは、いただけないところ。

 ただし、世界描写がしっかりしているのは確かですし、キャラクタが良く立っていますし、各種イベントのインパクトも大きいので、ずるずるとハマり込む要素は十分に持ち合わせています。

 ということで、シミュレーション系に抵抗が無く、多少の面倒なことは乗り越えられる人には文句無しでお薦め。ただし、マニュアルはちゃんと読みましょう。(←私は、読んでなくて酷い目にあった(汗;)

君が望む永遠 [Windows(18 禁) /アージュ]

 とあるシナリオは心に残り続けて忘れることはできないでしょう。『プレイ中に泣く』という、私にとっては前代未聞の行為をしたシナリオですから。それだけでも、十分に遊ぶ価値のある作品でした。

 システム面に不満はありません。1st は、6+9 時間ぐらいかかりましたが、総プレイ時間は、途中のプレイから音声を脳内再生させてスキップする技を駆使していた関係もあって、50 時間ぐらいですね。(アージュの公式ページでは、60〜80 時間と書かれていますが)

君がいた季節フルボイスバージョン [Windows(18 禁) / アージュ]

 1999 年発売の『君がいた季節〜Primary〜』をフルボイス化して、エンディング確認機能とシーン回想機能を追加したものです。攻略可能キャラは 4 人ですが、エンディングの総数は 47 もあります。私は、このエンディング総数を知った瞬間に、やる気が上昇しました(^^;

 シナリオ。ニューヨーク行きの話を持ち出された主人公が、恋人とその姉妹にどう対応していくかというものです。綺麗な終わり方だけではないですが、恋人になっているという前提の上で、キャラクタごとに違った対応をしてくれるのを見るのは興味深かったです。

 ただ、行動とシナリオの流れの連携の掴みどころがないですし、どう選んでも同じ End にしか到達しないルートも存在するので、遊び易い作品とは言えません。シナリオ中にさりげないヒントがあったり、エンディングタイトルがヒントになっていたりしますが、それに気づくのも難しいかもしれません。

 お薦めはあまりできませんし、購入していて途中でやる気が失せた人にプレイ再開の推奨もしづらいですが、各キャラの True End を見ると開く Extra シナリオのイカれ具合は一見の価値があると思います。CD-ROM 内の OMAKE.HTM から各キャラの True End へのフローを見れますので、最終手段として、それを参照するのも一つの手でしょう。ほとんどのEnd は、True End ルートから派生しますし。

吸血殲鬼ヴェドゴニア [Windows(18 禁) / Nitro+]

 『戦闘』と『前に戻る』という邪魔な 2 つの要素が相乗効果をもって台無しにしている感がありますが、名作と言って良いでしょう。

 ただ、プレイ中の要所要所で、Phantom of Inferno のシナリオを思い出せて、その断片に過ぎない記憶に負けています…。結局、前作は越えられなかったのですね。

 キャラクタは、モーラに始まってモーラに終わってました。以上。

King's Field IV [PlayStation2 / フロムソフトウェア]

 最初に、純粋にクリアだけなら、ゲーム表示プレイ時間 44h(+1h)、物理プレイ時間 80h ぐらいで、3 桁までには及んでません。なお、以降の記述は、KF シリーズを遊んできている人向けにしか書けてません(^^;

 初期印象は、簡単に経験値稼ぎをさせてもらえない KF III ですが、マップ構成は Shadow Tower 的なのを 2.5 倍くらい広くしていて、各所に謎と罠とアイテムを配置しているという感じです。難易度は、KF II や Shadow Tower よりは低いでしょう。

 そんなわけで、手探り感は非常に高いですし、未知の部分を歩くときの緊張感もありますし、予定の無い死亡を大量生産してくれますので、楽しく密度の濃い時間を過ごせると思います。ラスボス戦間際とラスボス戦を除けば……。

 結論。KF シリーズを遊び続けてきた人は、プレイして損はしないでしょう。ちなみに、装備強化やアイテム集めの楽しみは付加要素だと思い、加味してません。

幻燐の姫将軍 [Windows(18 禁) / Eushully]

 ゲームとしても楽しめるエロゲーを作ってくれるメーカとして信頼を置いている、Eushully の三作目。RPG→ACT→SLG ときていて、初の SLG なのでバランス等に少々不安があったのだけど、ややキツめながらもバランスがとれた良作という結論です。

 ユニット成長のあるタクティカル SLG という意味では割と一般的だけど、Round (いわゆるターン)が 50 frame で構成されていて、各ユニットごとに行動できる frame 数(クラスチェンジ等により変動あり)が設定されていて、それに応じて、1 Round 内に行動できる回数が異なってくるあたりは、少々変わっているかもしれません。セーブは、Round ごとにできて 20 箇所用意されているので、こまめにセーブして問題が発生した場合は、やり直すというプレイ形式になるでしょう。

 難易度は前述した通り、ややキツめです。SLG が苦手な私はえらい苦労しました。ただ、キツめながらもバランスはとれているので、何度か挑戦していくうちに自分なりの戦法が作り出せるところはポイントが高いです。

 ストーリーは、章開始・終了時やインターミッション時のショートイベントにより背景等を把握していくタイプなので、自分で補完したりつなげたりする必要があるとはいえ、なかなか良くできています。世界設定もしっかりしてますし。あと、主人公は半魔人の魔族の王なので、『捕獲した人間達を仲間にするため』『クラスチェンジのため』という大儀名文の元にエッチしまくるので、エロの方も充実しとります。ただ、SLG の方がメインですので、簡単にエッチシーンを見れる作品とは考えない方がいいでしょう。

 とまあ、1st を終えた時点での感想はこんなところです。システムに慣れるのに時間がかかるとはいえ、SLG/RPG 部分も楽しめるエロゲーとしては優秀な部類に入るのではないかと。プレイ時間は、1st は 20 時間位かかると思っておいた方がいいでしょう。この手のゲームを楽しめる人には、お薦めします。

コズミックマン [Windows(18 禁) / 創美研究所]

 最後の方で分岐して各キャラクタエンドに向かうだけで、ほぼ一直線なシナリオ。間に他のゲームを挟めすぎたため詳細を忘れました(汗; システムは、やや重いところがあるように感じる以外は、不満を感じるようなものではありません。エロは、シーン数は少ないけれど密度は濃いです。

 で、おそらく、好みの差がはっきり別れると思われる戦闘パートについて、私はパズル的で面白いと思ってます。以下、好意的な解釈です。敵の数が減っても行動力が変化しないのは、数が減ったら敵が本気を出すのだと思えばいいだけですし、必殺技が溜めて溜めて出すほど効果が高くなるのは、コンセプトからして至極当然のことでしょう。また、戦い方の基本を把握してしまえば、難易度も高いとは思えません。それでも難しい人のために、戦闘に負けたあとに難易度を下げることができるようになっていますし。

 結局、戦闘の部分の作りを理解した上で楽しめる許容力があるかどうかで、印象や私評が変わってくるゲームですので、積極的にお薦めするのは難しいでしょうが、でき自体は決して悪くないと思います。

最終痴漢電車 [Windows(18 禁) / アトリエかぐや]

 2 回の痴漢(例外あり)により女性の淫欲を目覚めさせ、デートもしくは怪しい場所に誘うことにより従属心を発達させ、最終痴漢電車に誘いこんで痴漢達に凌辱させる……と、エロのみゲームの作りとしては良いのだが、最後に主人公が同情心を持ってしまい、結局、女性を逃がして幸せになる(orさせる)というのには首をかしげました。

 あと、痴漢シーンがメインであるはずなのに、痴漢シーンのシーン回想が無いとか、登場している全員を最終痴漢電車に誘いこむと、上司を犯すだけの展開というスカ End 的存在になってるのは、こういうゲームのコンセプトとしてはどうかと思います。

 痴漢シーン。いわゆる音ゲー。クリック速度を調節して、流れてくる音符快感ポイントを拾っていくと快感度が上がり、外すと自制心が上がり、どちらかが MAX になると、痴漢の成功/失敗が決定するというものです。痴漢ポイントは、上と下(自明)のみで、ターンの終了時に反応があります。

 ただ、ある程度連続で拾っていると出現する『脱』のマークを拾うと、脱がすことができるようになります。そして、どこまで脱がしていたかの状態と責めているポイントにより、CG が異なりますので、CG 達成率を上げるには、痴漢シーンの組み合わせ総チェックが必要になってきます。この辺が、えらく面倒臭いです。

 そんなわけで、重要なのはシチュエーションと声。これの好みがマッチすれば、エロ目的だけなら満足できるでしょう。つまり、プレイしてみないとわからないということですわ。そういうことで、お薦め度は判定不能。エロ度は高いと思いますけどね。

サフィズムの舷窓 [Windows(18 禁) / Liar]

 えーと、テーマはレズ。ジャンルは推理証拠探しアドベンチャー。メインシナリオは 3 人分用意されていて、それぞれ違ったパターンのシナリオを表現してます。シナリオライターも 3 人なので、担当の人の個性が出てるんでしょうね。

 ゲームの進行は、1 日を基本的には朝昼夜 3 回に分けていて、キャラのナビつきの船上を散策しながら証拠を集めていくというものです。期間は基本的に 3 週間ですが、1 週目と 2 週目で条件を満たしていないと GAME OVER になります。

 キャラクタは、個性的なやつばっかりなのでキャラ立ちまくりです。主人公の杏里のキャラもかなりイカしてて良いです。あとは、キャラクタを本当に大事にしています。ネタバレなので詳細は記述できませんが、コンプリートを目指せば、わかります。

 まあ、そんなわけで趣向が合う人には、文句無しにお薦めの傑作なのですが、ちとプログラムに問題があります(^^;

 私が体験したのを列挙すると、『既読スキップがちゃんと実装されていない』『シーン切り替え時にクリックするとメッセージが消失する(右クリックで環境設定を出せば回復)』『CD アクセスリトライ時(推測)に起動メニューが出て BGM や音声が再生されなくなることがある』という感じです(苦笑)。まあ、さすがに、ハングすることは無いんですけどね。

 最後に注意事項。クリア推奨順位はおそらく、ソヨン→アイーシャ→アルマです。それから、Liar のサイトにある最新修正ファイルを当てないと、CG コンプリートできないようです。また、コンプリート CG が出たら、すぐにセーブしましょう。その後は、1 回しか出ません。

さよならを教えて [Windows(18 禁) / CRAFTWORKS]

 ちょっと趣向を変えてシステム面から。ノベル系システムとして水準レベル以上です。特筆すべきところは、ロースペックモードの搭載。うちでは、グラフィックアクセラレータを無しにしている影響からかもしれませんが、スクロールが重かったのでロースペックモードにしたら、だいぶマシになりました。

 グラフィック・音楽・音声・演出については、いつもように省略します。

 シナリオ。精神状態が危なくなった主人公の狂気の妄想を描いていて、狂気の表現の描写は、かなり良くできています。説明過剰な部分も、話が突然飛ぶ部分も、妄想の上でのことと考えれば納得いくので些細なことでしかありません。それから、狂気の妄想とはいえ、人間の内面の暴露とも言えるので、現実味があるとも言えます。そういう意味で、パッケージ裏の注意書きは必要なのだな、と感じます。

 総プレイ時間は、6 〜 7 時間ぐらいですね。ちょっと薦められる作品ではありませんが、私個人は、1st で魂をつかまれて、そのまま一気に終わらせたぐらい没頭できました。その間、かなり濃縮された時間を過ごせましたので、一線を画した素晴らしい作品と言って良いと思っています。

初夜献上 [Windows(18 禁) / 大熊猫]

 簡単に。1 回のエッチで終わらずにいちゃつき合う姿を見るのも好きな私は、ヒメシナリオに、とてもいい感蝕を得ました。ただ、あのシナリオでサブキャラも味を出しているので、他のシナリオが必要かどうかに、少し疑問を抱きもしました。

 システムは、AVG32 の発展系で、文字間隔×文字表示秒という設定ができるオートモードがあります。私は、両方最小設定で読んでましたが、それより遅い設定にすると遅すぎるように感じたからで、もう少し細かい設定ができたらなあとも思います。

純潔狩人 [Windows(18 禁) / TinkerBell]

 作品感想です。ええと、いつもの TinkerBell のいつものエロエロゲーです。シナリオを作ろうとしても意味がないことに気づいているのか、エリカ担当の昼の通常会話シーンとエリス担当の凌辱会話シーンが交互に展開するだけです。設定は、吸血鬼復活/抹殺のためのものぐらいしかありません。シナリオを期待すると外すでしょうね。

 システム。画面効果を OFF にできない以外は標準のものは備わっていますが、既読スキップはほとんど役に立たないでしょう。ただ、プレイ時間が、音声を適度にスキップすると、1st 2 時間弱、それ以降が 30分程度なので特に不満には感じません。

 天天さん的所感は書いてしまいまったので、ポイントとなる言葉が「ご主人様」だとだけ。まあ、TinkerBell のいつものエロエロゲーでわかる人にだけお薦めです。

スーパーリアル麻雀プレミアムコレクション [NeoGeo Pocket Color(18 推) / SETA]

 携帯ゲーム機の脱衣麻雀ゲームで、これを越えるものは永久に出ないでしょう。惜しむらくは、P3, P4 のキャラクタが出演していないこと。それさえ満たしていれば傑作だったのだけど。それでも、迷ってる人は買うべし。以上。

水夏 -SUIKA- [Windows(18 禁) / CIRCUS]

 いきなり結論。キャラクタの魅力は十分にあるので、他のゲームからのパクリ要素を気にせずにいて、しょーもないやりとりを楽しめて、冗長な文章に耐性がある人には、いい作品かもしれません。

 システムは標準的なものは備えています。しかし、完了させるための作業のために『選択肢までスキップ』機能が欲しかったところです。『あらすじモード』の存在意義も理解不能ですね。余談ですが、BGM ディスクに『アレンジサントラ』というラベルが貼ってあるのには参りましたわ。

 シナリオ。やりたいことはわかるけれど、それをやれるだけのシナリオ構成力が追いついていない感じがします。あと、後半に行くほど書きすぎな部分が目立ち、序盤の想像できる部分を残しているのを評価していた私としては興ざめでした。とある章で思わず「つまんない」と言ってしまったぐらいですし。

 プレイ時間は、4〜5 時間のが 4 章で 15〜20 時間、速読して 12 時間位ですね。お薦め度は、5 点満点で 1(+1.5)点。加点の対象は最初の段落に書いてあるので省略。私は、キャラの魅力や萌えだけでは、もう楽しめなくなってきていることから、CIRCUS は、購入見送りメーカへ格下げ。

すいすい Sweet [Windows(18 禁) / Tactics]

 お話はつまらない、というか内容がほとんどありません。終盤に各キャラ専用の展開(あれをシナリオとは言いたくありません)が用意されているだけで、シナリオ分岐も皆無と言ってよい\ので、いかんともしがたいです。

 それでも、ついついやってしまったのは、プレイ時間が短いのと、この関係にどういう結末を用意しているのだろうという興味と、2 大巨頭(特に京香さん)の言動が気になったからです。とにかく、キャラクタに特化していますので、キャラクタに魅力を感じなければ、やってられないと思われます。

 システムは、シーンセレクト機能が斬新で強力なのを除くと良くあるものですね。クリック連打するのが面倒だったので、既読スキップが欲しかったところですが。

 あ、1 つ書き忘れ。袴属性の人にはポイント高いかもしれません。とはいえ、やったあと、つまらなかったと言われても責任取りませんよ。

水素〜1/2の奇跡〜 [Windows(18 禁) / e-エ・レ・キテル]

 とにかく、終わり方が(一部を除いて)秀逸で、かなりやられたという印象を受けました。ただ、余剰表現をばっさり切っているため、シナリオ指向の人にはお薦めできません。あと、メモリアルには 2 つシーンがありますが、右側は(一部を除いて)見なくても良いでしょう。1 シナリオあたり 2 時間位と短めなのも、有難いところです。シナリオに入るためのトリガが少々ややこしかったりしますが。

 私評価は佳作+ で、お薦め度は 5 点満点で 1.5(+2.5) 点。加点は、ちょっと他では見られない見事な切り方を味わいたい人に対するものです。シナリオ自体も、私は、できが悪いとは思っていませんが。

 最後に自己主張。後輩シナリオはどうでもいいから白衣の先輩シナリオを用意して欲しかった。……うーむ、ちょっと敵を作る発言かもしれないな(汗;

SPARK! [Windows(18 禁) / Cat's Pro, ぱんだはうす]

 他では決して味わえない軽快なテンポとノリの良さが素晴らしいです。学園モノの理想型と呼べるかもしれません。1st プレイでは、そのテンポの良さに圧倒され、笑い過ぎて進行が滞ったりしました(^^; あまりに私的評価が高すぎて絶賛モードに終始してしまうことを最初にお断りしておきます。

 主人公の目的はキーワード集めなのですが、その辺は割とどうでもいいです。回数を積んでいけば、いつか集まるようになっていますし、回数を積んで色々な方向を模索して遊ぶのが楽しいですから。

 それも土台となるシステムがかなり凝っているからでしょう。とにかく、繰り返しプレイにより新たな発見をもたらすことが多いため、やっていて全然飽きが来ません。それでいて、個別攻略自体は割と簡単なのも良いところですね。まあ、ある程度システムを理解しないと攻略が難しい娘もいますけど。

 そんなわけで、青い鳥とは違って積極的にお薦め出来ます。まあ、なんでも合わない人はいるものですので、問答無用でお薦めしたりはしませんけどね。触りをやらせてもらって気に入ったら、欲しくて仕方無くなる魅力を秘めているのは間違いないですが。ですから、モノが入手困難なようなのが残念で仕方無いです。

ソニックプリンセス [Windows(18 禁) / ソフトウエアぱせり]

 CG コンプリートはしてませんが、そのための稼ぎが作業的でつまらないので、それに割く時間を取る気になるかどうか謎です。よって、ステータスは永遠にクリアのままかもしれません。なお、今回、真面目に感想を書くことを放棄しています。単なる言いたいこといいなので、『ですます調』もやめます。

 初期版さいこー。絶妙にバランスが悪い上に、一定確率で強制終了するというサービス付き。面開始時の指示に従わないと面ループして難易度落とすアイテムが出てくるので、面ループ不許可。漢なら、デフォルトの貧弱な装備と少ない体力で最後まで戦い抜くべき。また、EXTRA が開いても、使い勝手の悪い CG 閲覧モードしかないので、修正ファイルを当てずにプレイしてクリアするのが正義。ゲームは、遊んだ人が楽しめるかどうかが全てだということを思い知らせてくれる迷作。

たいせつなうた [Windows(18 禁) / Q-X]

 世間的評判は関係ないですね、私にとっては名作ですから。素晴らしいですわ。

 お薦め度は、5 点満点で 1(+4) 点。ベースはあえて低く設定しました。加点要素は、パッケージ裏左下(定価表示の横)の解説?を読んで惹かれた人に対するものです。

 システム部分について補足。CG 観賞、音楽観賞、シーン回想有。Ctrl による強制スキップ有、既読スキップは無し。バックログ、オートモード無し。文字表示速度は、低速/通常/高速/ウェイト無しから設定。セーブ箇所は 20 箇所。強制スキップが、あまり速くなくて未読部分で簡単に止められたので個人的に不満はありません。

タイピング VIPER [Windows(18 禁) / ソニア]

 なぜ、これが手元にあって、既に私はクリアしているのか、かなり謎なのだけど感想を。購入前の予想やプレイ当初の感蝕よりはまともでした。インストール不要、セーブデータはレジストリに作成の正確さ要求の激しいタイピングゲームです。私は、あすかしかわからなかったけど、過去の VIPER キャラがゲスト出演のようです。

 初期印象が最悪だったのは、ステージ最初の文字を叩いてから表示されるまでにタイムラグがあることと、ローマ字表示がされるためローマ字入力方法も限定されていると思えてしまうからです。他にも、起動直後しか遊べない面や、説明書見ないとクリアの仕方がわからない面があったりとか色々ありますが長くなりますので、この辺で。

 それでも、STAGE 5,6 をプレイしいて、これはこれでいいんじゃないかなと感じて評価を戻しました。戻したといっても、かなり低いレベルでのことですけどね。お薦め度は、あえてつけるとしたら、5 点満点で 0.5 点ですかね。大甘かも。

逮捕しちゃうぞ [PlayStation / PIONEER LDC, ハムスター]

 版権物ということで、原作有りの利点をどこに生かすかのでしょうが、この作品の場合、墨東署の雰囲気とキャラクタの魅力で、しっかり出せていると思いますので、外しでは無いと思います。まあ、当たりとも言いがたいのですが…。

 ゲームは、アドベンチャーパートと巡回パートに別れていて、セーブは、巡回の前と翌日に入る前だけですので、ある程度まとまった時間が必要になってきます。プレイ時間は、1 日 30 分前後が 10 日なので 5〜6 時間ですかね。

 キャラクタの絵は、顔ウィンドウ、動作の変化がアニメーションしている立ち絵、イベント CG があります。顔ウィンドウのは良く似せてますし、立ち絵のはオーバーアクション気味とはいえ動きのパターンも多くて良いのですが、イベント CG の似てなさ加減は、ちょっとなあ、と感じました。あと、挿入ムービーも若干ありますね。

 ゲームの方は、巡回パートのパラメータの意味の無さ加減が目立ちます。おまけがあるわけではないので、ミニゲーム探しとかも意味を無しませんし…。アドベンチャーパートは、毎日課題が発生しますし、進め方による固有イベントもありますので、なかなか楽しめます。巡回パートをパラメータを気にせずサクッとこなしてアドベンチャーパートを楽しむのがストレスがたまらなくてよろしいかと。

 システム的には色々不満がありますが、巡回パートを適当にすることによって、プレイでのストレスは軽減されるはずですので、買った人は、やってみたらどうかなあ、と思います。買ってない人へのお薦めはしません。

誰彼 [Windows(18 禁) / Leaf]

 結論から言います。良く出来ています。でも、良く出来ているからと言って、良い作品だとは限りません。…以降、なるべくネタバレを排除して不満点を挙げます。

 演出のための挿入動画。初見は「なに、これ?」でした。やりたいことは分かるので、もう少し頑張って欲しかった。そして、プレイ終了後は、単にテンポを崩すだけのものに過ぎないと感じるに至りました。

 シナリオ。最初のプレイのあとは、これをどう膨らませていくのか期待していたのですが、あっさりと裏切られました。主軸と、張った伏線を生かすための断片しかない構成なので、主軸のシナリオを終えた瞬間に呆気に取られました。そして、そのあとで、断片を回収する虚しさと言ったら…。まあ、回収しなくてもいいんですけどね。

 キャラクタ。それなりに魅力的だとは思うのですが、生かしきれてません。すごく、もったいないです。一部のキャラクタの扱いがあんまりですので、もう少し優遇させてあげて欲しかったです。

 ということで、お薦めはしません。と同時に、私が Leaf の(移植でない新規の)作品を買うのは、これで最後になりそうです。それぐらい幻滅しました。

追憶 [Windows(18 禁) / Purple]

  しっかりした義母、優しい義姉、元気な義従姉という三人の巫女さんと一緒に暮らし、前世の因縁から全員に惚れられることになるという主人公の立場を羨ましがる作品。神社が主な舞台なこともあって、巫女ゲーとしての出来は素晴らしく、巫女スキーには堪えられない作品でもある。

 なお、主人公視点固定ではなく、他のキャラの視点に頻繁に変わるので、各女性の主人公に対する想いが良く伝わってくるようになっている。その想いは前世との絡みもあって、かなりのものがあるので、行き過ぎに見えるかもしれないが、それは主人公への想いの強さと考えて理解してあげるべきだろう。

 そんなわけで、Good End ルートは、かなり萌えられる。ただし前述した通り、全員に惚れられているため、他の人の立場と心境を考えると正直かなり痛いものがあるのも事実。そして、その見返りは、Bad End ルートによって跳ね返ってくるようになっている。つまり、Bad End ルートも必見。

 とまあ、ここまでは誉めているようにしか見えないが、シナリオはスカスカだし、前世の話は現代との因縁を表現するためだけに存在しているようなものなので、読む側に、かなりの内部補完能力を必要とする。要するに、極端に人を選ぶ作品。

 個人的なことを言わせてもらうと、十分に補完があると必然的に長くなってしまい読むのに疲れてしまうし、自己補完による想像が出来なくなってしまう嫌いがあるので、これはこれでいいと思う。

21 -TwoOne- [Windows(18 禁) / BasiL]

 私は、こういうの嫌いだ。誰かが犠牲になるのなら、その人のシナリオではちゃんとフォローが行き届いているべき。それができていない時点で失格。以上。

Twin2 -恋愛未満- [Windows(18 禁) / DISCOVERY]

 良くも悪くも続編。前作を楽しめた人はきっと楽しめると思いますが、前作を知らない人は、前作をプレイしてからプレイすることを推奨します。こちらから始めると、設定を理解できなかったり、前作から引き継がれたキャラに固有シナリオがないのを納得できなかったりしがちだからです。

 シナリオは、前作同様、双子のルートが相互関係を持っているので、両方を見てお互いの足りない部分を補足する技能がないと骨格のストーリーへの理解力が不足する可能性があります。あと、変態双子による倒錯の世界、特徴あるヒロイン達との間の妙な会話(それも時々説教くさい)を楽しむ素質がないと遊ぶのはつらいかもしれません。お話自体は、骨格となるストーリーも、固有シナリオも良くできてると思います。特に、各固有シナリオの最後のまとめ方は秀逸と言ってもいいでしょう。

 システム他。強制スキップのみで既読スキップは無し、オートモード有り、あとは使えないバックログがあるぐらいで、それ以外の標準的なものは備わってます。セーブは1日の終わりのみにできるタイプで、セーブ箇所は 50 箇所(+ AUTO SAVE)と豊富です。期間は 3 週間で、部分ボイスとは言え、両ルートの初回プレイは 5 時間近くかかるものと思われます。それ以降は、2 時間位になりますが。

 結論。やっぱり、つばさちゃんのための作品なんだな、ということです。つばさちゃんって、ときどき思考回路を疑いたくなるような変なヒロインなのですが、しっかりとした自分の考えを持つ魅力的な娘なのだなと、改めて惚れ直しました。もっとも、現実にこんな娘と付き合うと大変でしょうけど(^^;

ツインズラプソディ〜替玉双子狂想曲〜 [Windows(18 禁) / DISCOVERY]

 完了は当分先だと思いますので記憶が劣化しないうちに書きます。とはいえ、ばるさんの感想でほとんど表現されていますので、私のは、あくまで補足という形になってしまいますが。

 私が一番好きなポイントは、紅葉, 直の両サイドのシナリオが関連性を持たれていて、同じ娘を両サイドで攻略すると、キャラ固有イベントで謎に思える部分の裏事情が別サイドで判明するところです。日替わりで交代するのも、その辺を引き出すために必要なことだと思います。

 あとは、やっぱり、主人公の双子とヒロインのつばさちゃんの会話ですね。特に、最終日のランダム選択肢の未読部分を追っているだけで楽しいので、繰り返しプレイをつらく感じません。もちろん、各ヒロインもユニークな魅力を持っていると思います。そういう意味で、続編でキャラが増えているのが不安要素だというのに同意します。

 最後に、最近良くこういうことを言っている気がしますが、景子さんのシナリオを下さい(^^; どうにも作りようがないのは理解しているつもりなんですが、やっぱり欲しいんです。

月陽炎 [Windows(18 禁) / すたじおみりす]

 「巫女さんだ、袴だ、和服だ」だけで盛り上がれる人には良い作品でしょう。CG も良く描けていますし、舞台がほぼ神社(とその周辺)のみにして違和感を無くしたつもりか、ほとんど衣装を替えません。その反面、「神社はイメクラじゃねー」等の気持ちが少しでも働く人には、しょーもない作品でしょう。

 キャラクタは立ってますが、個人的なことを言わせてもらえば、鈴香だけいれば十分です。シナリオは、怪事件との関わり合いを終盤に強引に絡めてますが、個人的なことを言わせてもらえば、前半(戦闘シーン前まで)とエピローグ部分さえあれば他は不要です。

 総プレイ時間は、音声飛ばしまくりで 10 時間ぐらい。音声をちゃんと聞けば、20 時間弱ですかね。まあ、巫女好きな人や、巫女服や袴好きな人は買っていいんじゃないでしょうか。(←投げ槍)

 少し補足。セットアッププログラムが立ち上がらない可能性がありますが、根気よく setup.exe を直叩きしていると立ち上がります、たぶん(汗; で、インストールすると CD いらずの癖に、途中で謎の wait がかかります。これは、スキップ中もかかるため、wait で止まってるのか未読部分で止まったのか判断できず、既読スキップが無いゲームよりストレスが溜まりました。なお、ラストシナリオ突入条件をコメントアウト。

月姫 [Windows(18 禁) / TYPE-MOON(同人)]

 珍しく終了直後に書きますが、これは、プレイ途中で全体の感想が固まっていたからです。えと、この作品の私的位置付けは、『名作ではあるが傑作ではない』です。『同人だから』という私的に意味がないことは度外視しています。

 傑作と呼べない最大の要因は、全体的に、設定を生かそうという気持ちが働きすぎてか説明過多な部分が目立ち、『単に長い』のではなく『不用意に長い』と感じるからです。もちろん、『無駄に長い』と感じるようなところは無いのですが。

 あと、表示形式を変えても文字表示間隔が強制になってしまっているところがあるのは、演出を大事にしているのでしょうが、少々ストレスがたまったことは否めません。その他にも作り手のを意志が強過ぎると感じるところが目立つ作品ですね。

 シナリオに対する雑感を以下に記していますが、ネタバレしている可能性があることに注意して下さい。どのシナリオがどれに該当するかは、あえて触れませんが、この作品には、『悪の存在を強調したシナリオ』『感情の衝突や設定の関係から儀牲者が生まれるシナリオ』『ご都合主義が存在するシナリオ』がありますね。よって、どのシナリオが良いと感じるかは、できの良し悪しよりも、個人の好みとキャラへの思い入れに依存する部分が大きいのではないかと感じています。

D 〜その景色の向こう側〜 [Windows(18禁) / PurePlatinum]

 アージュの rUGP を使用した PurePlatinum の作品です。文章が冗長気味に感じるところが残念ですが、独特な雰囲気を持った良作です。終わり方も綺麗で感動できますし、時間のあるときに始めると途中でやめられない引力も秘めていると思っています。

 プレイ時間は、話の流れがわかる程度に速読して 8 時間超、しっかり読んで 12 時間超というところでしょう。プレイ当初の予想よりは、遙かにボリュームがありました。

 お薦め度は、5 点満点で 3(+0.5) 点。加点は、アーマニの元ネタに興味を持った人に対するものです。シャルロット、メル、ミルヒに惹かれた人は更に +1 点。

デ・ジ・キャラットファンタジー [Windows(一般) / ブロッコリー]

 長いので、専用ページに記述。

デ・ジ・キャラットファンタジー [DreamCast / ブロッコリー]

 インターフェース(特に UIF)が、腐れ気味なのと、PC 版からの減色のさせ方にアラがありますが、シナリオ等のメインの部分は、PC 版からのベタ移植と言えます。PC 版の感想は、この辺こちらですので、そちらも参照して下さい。

 あと、個人的見解ですが、どうしても言いたいことを。PC 版を遊んだ人で、DC 版でリプレイをしたい人以外はプレイする必要がありません。DC 版のみをプレイした人で、PC 版を遊ぶ環境を持っている人は、PC 版もプレイして欲しいです。

天使のはしご [Windows(18 禁) / Studio Air]

 欠点はたくさんあります。ただ、気に入ってしまうと、それは些細なことになりますね。とにかく、いつの間にか引き込まれている魅力のある作品です。

 シナリオについては感想では触れないことにします。ただ、用語辞典のとある記述は、図星をつかれているようで参りました(大汗;

 キャラクタは、みさきが、私ヒットなのですが、他のキャラも十分魅力的です。また、具体的なところはネタバレのため記述しませんが、鎮花祭のファンへのファンサービスも用意されています。

 総プレイ時間は、自信がありませんが、15〜20 時間ぐらいでしょう。かなり人を選ぶ作品ですし、どういう人にお薦めできるかも難しいところです。

トゥルーラブストーリー3 [PlayStation2 / Bits Laboratryエンターブレイン]

 攻略兼ファンページを設置しましたので、そちらで。レビューは、こちら

とびっきり Ruin [Windows(18 禁) / Escu:de]

 迷宮探掘(=探索+発掘)をしながら、宿泊先のペンションでの行動などで女の子と仲良くなっていく、アドベンチャーゲームです。探掘は、最初のプレイこそ時間がかかるものの、回数積んでいくと慣れるので短時間で終わるようになっています。迷宮の謎解き自体も割と安易で、発掘目的のアイテムも分かり易い配置をしていますので、そんなに苦にならないでしょう。一部陰湿なところがあるのが残念ですが。

 ただ、好感度を上げる要素が『ペンションでの会話+探掘のパートナーにする』であるため、同時攻略は不可能でしょう。探掘 1 日目終了時点(17:00)のセーブデータを残しておくようにしましょう。選択肢自体は少ないので、探掘に慣れてしまえば、攻略自体は楽です。

 攻略対象は、口調が古風で世俗に疎い巫女さん、明朗快活で元気なポニテ娘、呑んべで良く泣く眼鏡の女教師、お淑やかで身体の弱いお嬢様(?)、やたらとなついてくるショートカットにヘアバンドの後輩、家事万能なおさげの疑似妹、口数が少なくそっけないリハビリ中のスポーツ少女、腐れ縁の典型のようなオレ口調の娘 の 8 人です。属性を網羅しようとしたような組み合わせですな(笑)

 システムは安定していて良く出来ているものの、マウスでの操作では厳しいところがあるので、ジョイパッド等でプレイすることをお薦めします。あと、うちの環境では、BGM が大きめで音声が小さい娘がいるため、ヘッドホンを使わざるを得なくなったところがあります。

 シナリオは意図的なモノが見えてしまう嫌いがありますが、及第点と言っていいでしょう。キャラ萌え要素も十分だと思います。私は、巫女ゲーとして買ったのですが、巫女さん(夕凪)と同レベルに萌えてしまった娘が、3 人もいます(汗; あ、夕凪は巫女としてばっちりなので巫女ゲーとしても満足してます。

 えっちしーんは弱いですね。これ、18 禁じゃなくても出せます。でも、18 禁でなくなると、私が反復回想させている某シーンが無くなってしまうので不許可です(^^;。

とびでばいん [Windows(18 禁) / アボガドパワーズ]

 1 回目については、プレイ中の呟きそのままです。シューティング部分以外でも、シナリオ展開、ネタの豊富さは買ってはいるものの、アドベンチャーパートの仕様があまりにも悪すぎました。これ以外の方法で話を展開する手段は幾らでもあったと思うのですけどね。

 ただ、Idlewild さんが書かれているように、1 回ストーリーモードをクリアすれば、次回プレイから、シューティングモードというものが出現して、シューティング部分のみをプレイできるようになりますので、3 時間弱かかる 1 回目を我慢して解く価値はあると思います。

 シューティング部分のできは申し分ありません。NORMAL ですら少々難易度が低めな感じはしますが、HARD 以降になると色々と条件が厳しくなるため苦戦しますし、存在価値の見えなかったものが必要不可欠になってきたりもします。あと、個人的に、Wait 無しモードの存在は有り難いですね。癖になる上に、Wait 有りと交互に遊んでいると、世界が違うので混乱するということもあるのですけど(^^;

トリコロール [Windows(18禁) / PL+US]

 一言で言うと、真珠(別人格含む)のための作品。サブキャラは、シナリオの流れを作るためのおかずでしかない感じがします。ですから、サブキャラの方に特殊な感情を持つとやるせなくなる可能性が高いです。

 あとは、シナリオのバリエーション、伏線とその展開の仕方、印象に残るシーンあたりに重点を置いてみるべきでしょう。エピローグは、まとめではなく、あくまでおまけとして受け取るとよろしいかと。ただ、真珠シナリオを終わらせないと他のシナリオに入れないというシナリオ制御は欲しかったですね。

 プレイ時間はトータルで 8 時間程度で、ボリュームは少なめですが、没頭して一気に読み終わらせれましたので、私的には満足度の高い作品になっています。ただし……以下、コメントアウト。

Trois 〜トロワ〜 [Windows(18禁) / Remain]

 OP ムービーやデモムービーからの印象だけでゲームを買ってはいけないということを思い知らされた作品でした。そういう意味では、いい経験になりましたわ。

 内容に触れない程度に各編について。超能力編、シナリオライターの自慰行為が目立ちます。それについていければ楽しめるかもしれないけど、私は、開始 3 分で脱落したので以下略。ファンタジー編、表題に捕われなければ、まあまあでしょう。ただ、一部、別の意味でしか評価できないシナリオがあります。魔女編、まとめという名目のために、キャラクタを生け贄にしています。

 まあ、お兄ちゃんゲーみたいですし、キャラクタは魅力的に描けてると思いますので、そういうところだけで楽しめる人には良い作品かもしれません。

 総プレイ時間は音声飛ばし気味で 9 時間ぐらいです。お薦め度は、5 点満点で 1点です。あと、Remain は、私的メーカ判定『購入見送りメーカ』に確定です。

TWILIGHT DUAL [Windows(18禁) / TOUCHABLE]

 今年最後の感想がこれですか……。ま、ま、ま、まあ、完了しましたので。

 ストーリー。ある日知った Web ページから少女は非日常の世界に捕われ、日常と非日常が交錯する日々を暮らすうち、徐々に非日常の世界にとりこまれていく……とか書くと格好良さげですが、TOUCHABLE のエロエロゲーですよ。半分以上がエロシーンなだけです。

 ベースシステム。Web ページを閲覧していくうちに話が進みます。とか書くと螺旋回廊っぽいですが、TOUCHABLE のエロエロゲーですよ。凝った仕掛けがあるわけでなく、Web ページは、更新されていく選択肢程度のものです。

 VN システム。Nscripter です。TOUCHABLE のエロエロゲーなので、Nscripter を知らない人への解説はしません。あ、一言だけ、「選択肢までスキップは瞬間スキップにしろよー」と言わせください。

 まとめ。TOUCHABLE のエロエロゲーで天天ゲーです。それ以上でも以下でもありません。プレイ時間は、把握してませんが 6 時間前後ではないかと思われます。

魄冬〜はくとう〜 [Windows(18禁) / Zenos]

 まとまっているが気になる点があったので佳作に一歩及ばない作品という印象。伝奇ものに見せかけといて実は勧善懲悪ものであることが気になりました。

ぱちもそ [Windows(18 禁) / 創美研究所]

 えー、一見、バカ(誉め)風味のエロエロゲーですが、シリアス路線、純愛路線もしっかり用意されています。特に、純愛路線には、私は完敗しました。理由はネタバレなので割愛します。

 システムは良く出来ていて、文句のつけようがありません。ただ、初期バージョンでは、『メニューが階層構造になっていてわかりにくいところがある』『シーン回想モードが無い』『各 ED についての戯言モードがない』等がありますので、創美研究所のサイトにある修正差分を当ててからプレイすることを推奨します。

 こんなものでは言い足りないのですが、どうしてもネタバレになってしまうので割愛します。全 ED を制覇すると、戯言にオールクリアという項目が加えられますから、ED の数も書く必要がないでしょう。

パラッパラッパー2 [PlayStation2 / SCEI]

 あやうく忘れるところでした。えーと、パラッパラッパーはパラッパラッパーでした。

 えー、1からのリズムパートの変更点は、この辺にまとめてますので、そちらを参照して下さい。付け加えるなら、クリアだけなら難易度は落ちてるか変わってないということですね。ウンジャマラミーが私には難しすぎたので不安だったのですが、杞憂に終わりました。

 クリアまでのプレイ時間は短いのですが、パラッパの楽しさは十分に満喫できますし、リプレイを記録して鑑賞とか英語モードにしてプレイとかありますので、1が好きだった人にはお薦めです。

パンドラの夢 [Windows(18 禁) / ぱじゃまソフト]

 色々言いたいことはあるんだけど、ちゃんと伝えられる自信がないので簡潔に感じたことを書きます。ここのシナリオライターを含むスタッフには、こういう作品を作るのは向いてないと思います。途中で展開が読めてしまったものを、余剰(と私が思う)解説で展開している気がして、どうにも入りこめませんでした。

 あと、演出。最初のうちは気にならなかったのですが、長い話の中で同じパターンのを繰り返されると、最後の方では飽きてきて欝陶しく感じます。ふきだし内のキャラ顔表示が途中から無くなる等、統一感に欠けるところがありますし。

 まあ、キャラ立てと、それを生かした序盤は良くできていると思いますので、ぱじゃまソフトには、ノリを重視したコメディ(とその外伝)にだけ期待しようという結論に達しました。そういうわけで、評価待ちメーカに格下げしてます。

微熱・情熱 [Windows(18 禁) / Cat's Pro]

 使用人として雇われた主人公が、その家に住む女の子と仲良くなっていくという恋愛アドベンチャーゲームです。午前と午後にターン制の行動を取り、時間帯と場所によって発動するイベントをこなしていくことにより、女の子と親密になっていきます。また、午前と午後の最初に好感度チェックをすることができますが、これが効果を発揮するのはフラグが立ってからですね。

 とまあ、ここまでは普通に思えるのですが、各女の子のイベントは同時進行させることが可能…というか移動経路の関係で勝手に同時進行しますので、その処理が大変になる可能性が高いです。約束を反故にすると Game Over 直結ですし。また、主人公はあくまで使用人ですので、あまり仕事をしないでいるとクビになって Game Over です。この辺の感覚はノベル系ではなくて、アドベンチャーゲームですね。

 更に、クリアフラグが立っても、その娘のイベントが終了したわけではなく、続きのイベントが待っているあたりも複雑さに拍車をかけています。まあ、こういう作りだからこそ楽しめるのですけどね。ただ、これで期間が 60 日なので、自動的に n 又状態になります(汗;

 エロ度も高く、途中で属性をつつかれまくって参ったこともあり、個人的評価は高いのですが、これをお薦めできるかというと少し疑問です。まあ、青い鳥よりは薦められますけど、忍耐力の無い人がプレイすると、Game Over 連発になったあたりでキレるかもしれません。

ひなたのおか [Windows(18 禁) / パンプキンソフト]

 えーと、パッケージ表で 5 人攻略できるように見せておいて、実は 3 人しか攻略できず(ED は 4 つ)、そのうち 1 人はパッケージ表には描かれてなかったり、プログラム修正ファイルを当てないとゲームが起動すらしなかったり、名前入力無しで始めると謎の名前で始まったり、日数管理がかなりずさんだったり、場所選択のみのゲームに見せかけといて選択肢選択で進行するシナリオがあったり、シナリオ修正差分を当てないと某シナリオでシナリオループするどころか強制終了してしまったり、セーブコマンドなしのクイックセーブのみでやり直しに Relive Load というのが用意されているのだけど、基本的に日数を戻すのみになってしまっていたり、OPTION というおまけモードが通常クリアでは開かずに、エンディング中に強制終了させることにより開いて、開くと全ての CG が閲覧できるようになっていたりする、とんでもない作品です。

 ストーリーとしては、100% 死ぬと言われる病にかかった主人公が、死の間際にくる安定期と呼ばれる苦しみのない時期に退院して実家で生活をしているうちに、幼ななじみやら巫女さんやら主治医の娘やらと恋仲に落ちるうちに、色々あって、死ぬ確率が 50% になって、病気は治ってないのに生きながらえるというものです。

 また、しょーもない会話のやりとりをメインに話が進行するため、息抜きをしたいときか、どうしようもなく暇をもて余しているときじゃないと遊ぶのはつらいでしょう。まあ、別の意味でしか評価できない作品なので、基本的にお薦めはしませんが。

Pure 〜ピュア〜 [Windows(18 禁) / PSYCHO, ネクストン]

 CG? シナリオ? 回想モード? そんなのどうだっていいでしょう。あちこちに散りばめられたパロディに笑ったり、つっこんだり、呆れたりするのが楽しい作品です。また、パロディ部分に対する自己ツッコミも用意されていて、それがプレイヤーのツッコミとシンクロするところも良いです。

 とはいえ、パロディ部分を楽しめない人には駄作に見えるでしょうし、CG を重視する人には、それだけで駄作と決めつけられそうな気がします。そんなわけで、良さがわかる人は希少と思われるので、基本的にお薦めしませんし、むしろプレイして欲しくない人達がいる作品です。

 ただ、私は、沙耶さんを妻に梨花を妹に欲しいと本気で思ったりしてます。

 プレイ時間は、1st が 3 時間程度、それ以降はメインキャラが 2 時間超で、サブキャラは下手したら 30 分かかりません。お薦め度は、5 点満点で 0.5(+3.5)点です。加点部分の対象者は、最初の段落を読んでもらえれば大体見当がつくと思われますが、非常に限定されています。

封魔神社 [Windows(18 禁) / サイバーワークス, Tinkerbell]

 前世で封印した魔物を今度こそ倒すという良くある話です。まあ、シナリオ自体は、ほとんど見るところがありませんね。総プレイ時間が 3 時間切ってしまうほどボリュームがありませんし。シナリオ部分に期待して買ったら、がっかりするでしょう。

 音声周りを除けば、システムとしては悪くない方ですね。音声については、スキップしても文章は進んでいるのに継続して再生し続けます。最初は違和感バリバリだったのですが、今では、この機能いいなあとか思ってたりします。

 さて、本題。この作品、かなりエロエロで、ヒロイン達はグロテスクな生物に凌辱されまくります。主人公とのエッチシーンよりも、凌辱シーンの描写の方が詳しかったりするので、そういう主旨の作品なのでしょう。私は、こういうのもエロゲのあるべき姿の 1 つだと思っていますが、受け付けない人はたくさんいるでしょうね。

 また、ヒロイン達がなかなか魅力的で、かなり心をくすぐる言動をしてくれます。その部分をメインにすれば、立派な萌えゲーになったかもしれません。…あ、でも、だからこそ、凌辱シーンが楽しめるという見方もできますね。

 お薦めは…やめておきます。ただ、サイバーワークス内の TinkerBell のところにある修正ファイルを当てると、回想モードが追加されますので、プレイする前に当てておいた方がいいでしょう。

プリズムハート [Windows(18 禁) / ぱじゃまソフト]

 主人公育成物のパラメータゲーで育て方自体に難しいところはありませんが、パラメータが(というかそれに伴う従騎士ランキングが)各シナリオのキーイベントの条件になっているので、色々模索することができて、ゲームとしても楽しめました。若干、発動条件が罠なキーイベントがあったりするのですが。

 シナリオは全体的に良くできていると思います。ただ、多様なシナリオを用意してくれている関係か、モノによってはイマイチ入り込めなかったものがあったのも事実です。あと、回数を重ねていると修行中に挿入される会話が少々鬱陶しく感じました。コメートは別ですが(^^;

 キャラクタ。立ちまくっている上に、全キャラを大事に扱ってくれているので、満足度が高いです。私は、『じょ』な妹と『あううの発展系はういい』+☆なメイドに、かなりしてやられました。

 プレイ時間は、ちょっと自信がありませんが、1 キャラあたり 2〜3 時間ぐらいだと思われます。もちろん、えらく短時間で終わるシナリオもあるのですが。難易度は、高くはないのですが、イーナシナリオにハメられたので低いとは言い難いです。

 お薦め度は、5 点満点で 3.5(+1) 点ですね。加点はネタの豊富さとノリを重視する人向けです。ところで、これ、DC 移植されるみたいですが、できるの? ある意味エッチシーンが重要ですし、エッチシーンが無いと成り立たないシナリオがあると思うのですが。

BabyBE [Windows(18 禁) / BeF]

 地味という印象が強い作品ですが、丁寧に作られています。CG も独特の癖がありますが、しっかり描かれていて、嘘くさい表現がないところに好感が持てます。システムも、練り込まれている上に、遊び易く作られています。プレイ中にマニュアルを参照する必要が全く無いのには感心しました。

 ただ、シナリオはかなり薄味ですし、しっかり読んで前後のつながりを把握(or補完)してあげる必要もあります。書くべきところは書かれていますが、プレイヤーを惹きつける何かが足りないようにも感じます。操さんシナリオの最後の部分は、二人の境遇を考えると感慨深いものがあって私は好きなのですが。

 また、途中の分岐から他の人のシナリオに流れることもあり、そうなると、シナリオの全体像がつかみ難いため、物足りなく感じたり何かが欠けているように感じそうです。プレイ時間が、最初が 2〜3 時間、それ以降が 1 時間弱と短いので、最初から通してシナリオを味わうべきだと思います。

 普通に薦められる作品だと思う反面、萌えや恋愛要素に比重を置く人は良い印象を持てないようにも感じますので、地味な作品だと認識した上で楽しむことのできる人のみにお薦めという形にします。こういう作品も大事にされていくべきだとも思うのですけどね。

螢舞う夜 [Windows(18 禁) / アクアリウム]

 CG が 2 枚、回想シーンが 1 つ拾えてませんが、かなり手強いのでシナリオの印象が残っているうちに感想を書くことにします。

 システムはかなり頑張っています。既読スキップがないけど、シナリオが長くないので不満には感じませんでした。ただ、CG はだいぶアレですので、CG 第一な人は、さようなら、ですね。私は、私認定な巫女さんがいればそれでいいのですが(^^;

 シナリオ。全般的にかなりかっ飛ばしている上に典型的なパターンを追随しているので、強いインパクトのあるものではありません。ただ、私的に、幼馴染みのシナリオは良くあるパターンのものを短い文章できっちり表現していて好きです。

 BGM。間違いなく、この作品の最大のウリ。あまりに独創的すぎて参りました。デフォルトで BGM MODE が開いているので、開始前に一通り聴いたのですが、思わずのけぞりました。ただ、プレイを重ねていくと、シーンに合った BGM だと思えてしまうのです。本当ですってばー。

 お薦め度は判定不能です(苦笑)。ただ、今(2001/08/15時点)なら、たぶん、サトー無線メディアセンターで 780 円で叩き売られていて、その値段なら BGM だけで元が取れると思いますので、気になる人は、レッツゲット。(←おい)

マール DE ジグソー [PlayStation2]

 さすがに、ジグソーパズルゲーム作りから発足したメーカのゲームだけあって、アクションパズルゲームとしてのジグソーパズルの完成度は高いです。そう、36P までは(人によっては 96P 以上でも)、ジグソーパズルゲームはアクションパズルゲームなのです。掴んだピースをどこに配置するかを完成絵から連想し配置するか状況によっては諦めて廃棄するのを秒単位で行うというスピーディさが重要なのです。

 さて、ふつうにジグソーモードについて。縦横比 2:3 のパズルが 63 組、1:1 のパズルが 141 組の計 204 組は少なく感じるかもしれませんが、24/36/96/150 ピースからの選択、ピース回転の有無、ピース枠ライン表示の有無と設定が豊富なので、やり込み甲斐もあります。ただ一つ難点を上げるとすれば、作る絵をダブルクリック(もしくは選択して START ボタン)で作成モードに移行できないことでしょう。いちいち、下段の OK までカーソルを持っていくのは面倒でしかありません。

 んで、対戦モードはほとんどやっていないので飛ばしてストーリーモードについて。リトルプリンセスをクリアしていて、PS2 を持っている人ならプレイしないと損です。難易度を EASY にすると、修練を怠って弱まっていた私でも圧勝できるぐらい難易度が低いですし、いい話なので見ておくべきかと。

魔剣爻 [PlayStation2]

 ひさしぶりに、抜け方(主に敵対処)に悩みつつ楽しめるアクションアドベンチャーゲームに巡りあえた気がします。そういう意味では良作です。ただ、気になったところも幾つかあるのも事実でして…。

 まず、主人公は魔剣なので特定のキャラの精神を支配することにより行動するのですが、キャラごとに支配率というものが設定されていて、これを 100% にしないと力を完全に発揮することはできません。そのために、支配率稼ぎが必要になってくるのですが、これが単なる反復作業でしかないので面倒です。

 次に、キャラ特性の格差ですね。私の通ったルートでは、13 人の支配できるキャラがいたのですが、このうち面クリアに使用したのは 4 人のみで、そのうち 2 人は単一の面でしか使ってません。使えないキャラが多いというのもありますが、使えすぎるキャラがいるのが最大の要因ではないかと思います。

 ストーリーは DC 版と全く同じでしょう。女神転生というよりペルソナよりですね。Law と Chaos という概念をそのまま敵対勢力として扱っていて、主人公の魔剣の行動によってシナリオ分岐するマルチエンディングになっています。ちと、コメントアウト。

 ムービーの量は DC 版より増えています。条件を満たした隠しモードで、ムービー再生できるものと思われますので、やり込む価値はありそうです。ただ、台詞はスキップできますが、面途中の強制挿入ムービーが飛ばせないのは不満点の 1 つですね。

 とにかく、DC 版から、やや難解なアクションアドベンチャーゲームとしてちゃんと進化してますし、私自身は存分に楽しめたのですが、前述の支配率稼ぎ要素の追加が理由で強くお薦めすることはできません。プレイ時間は、支配できる全キャラを育てて確認した関係もあり、1st は 20 時間位かかっています。

魔物ハンター舞 [Windows / 渡辺製作所(同人)]

 [Win]Kanon のキャラクタを使用した同人アクションゲームです。[MD]魔物ハンター妖子のパロディであることも明確ですが、あちらほどの難易度ではありません。4 ボスまでは、さほど難しいとも思いませんし、手動で連射装置並に連射ができる人にとっては、割と簡単なゲームに思えるかもしれません。

 とはいえ、常人の連射速度でプレイすると、真面目なパターン作りが必要になってきますし、4 ボスが壁になったりしますので、なかなか楽しませてくれます。まあ、連射装置を使っていても、4 ボスには苦戦しますので、私内部では、「腐っても鯛焼きあゆ」という格言が発生しました(^^;

 まあ、そんなわけで、すごーく楽しめたので、アクションゲームが好きな人にはプレイして欲しいところですが、要求するスペックがかなり高いんですよね…。試しに 256 色でプレイしてみましたが、画面壁画にかかる時間が尋常じゃありませんでした。そゆことで、お薦めかどうかは保留にします。

未来はぼくらの手のなかに [Windows(18禁) / Shape Shifter]

 前半はゆったりした雰囲気の学園コメディで、後半に学園七不思議により展開される各キャラクタに応じたシナリオという感じの作りです。割と、こじんまりとした印象を受けますが、全体として一つの話を閉じているところは好きです。

 システムは、既読管理やメッセージ速度変更、画面効果 ON/OFF が無い等不備が目立ちます。CG 観賞はありますが、シーン回想はありませんし。あとは、前半のゆっくりめな展開ですね。この部分をタルい思うか、楽しいと感じるかで遊び続けられるかどうかさえ決まってしまうような気がしています。

 そんなわけで、お薦め度は、2.5(+1.5)点です。遅い展開の中に楽しいところや笑えるところを見つけられる人には、薦めていいかなと思います。

眼鏡っこ娘ばに〜 きーぱんちゃん★ [Windows(18禁) / Soup]

 タイピングゲームにオムニパスなシナリオのついた作品です。登場する唯一の女性?キャラであるきーぱんちゃん★についての解説は、Artemis☆さんとこのロボ娘一覧表を参照のこと。ああ、自分で解説を書かないで良くて便利だ(べし)。

 タイピングゲームとしては、とても良くできています。単語の途中で、ローマ字入力とかな入力を動的に切り替えることのできるタイプゲームって初めて見ました。ただ、選択肢をタイプするので、単語自体は一定で変化することは無いんですけどね。

 オムニパスなシナリオの方は、それぞれ違う毛色であるものを、ちゃんとつなげてあり、最後に 1 つにまとまっているところに好感が持てました。

 完了する前までは、ちょっと値段に見合うゲームじゃないかなあと思っていたのですが、完了した今では、値段(メーカ希望小売価格 5800円)相応に楽しめたと思ってます。まあ、プレイ時間は短いのですけどね。それにしても、なんで 16 じゃなくて 17 なんでしょう?(謎)

メタモルファンタジー [Windows(18禁) / Escu:de]

 一言で言ってしまうと、学んだ能力を活用して戦闘で倒した魔女っ娘たちを、異型の化け物になってイタズラするゲーム。触手率、半裸率高し。……で終わらせると身も蓋もないですね(^^;

 まずは、育成パート及び戦闘から。育成パートの作りはイマイチですし適当にやっててもなんとかなるんですが、パラメータにはそれなりに意味があります。戦闘パートは、基本的にヌルいですが、ラスボスだけは別格なので注意が必要です。まあ、相手の攻撃パターンに合わせた対策を自分なりに作れば勝てるようになるのですが、それまで漫然と勝ててしまうからとなめているとハメられます。

 続いてエロ。満足、言うことなしです。愛のあるものほど弱くなる傾向は、Escu:de だから仕方がないでしょう。CG が足りないのも Escu:de だから仕方がない、文章から想像して補完しましょう。ちうか、下手に自分の期待するものとは違う CG が入っているよりはよっぽどマシでしょう。

 シナリオ。楽しめるので良しでしょう。全シナリオ通せば、裏事情等がほとんど見えるようになっていますし。まあ、若干長め(私のプレイ形態で、1st 9 時間、2nd 以降 4 時間)というのはありますが、戦闘パートが良いインターミッションになっていて読み疲れることもありませんでした。

 総じてとても楽しめました。私評は○+。バカな展開とエロ重視なノリについていける人にお薦めです。また、Escu:de は、Eushully と違った意味でゲームとして楽しめるものを作れるメーカとして『デフォ買いメーカ』に格上げしました。年に 1 本か 2 本という生産ペースも練り込んでいるからでしょう。

百舌鳥の贄 [Windows(18禁) / あんく]

 CG 達成率 90% ぐらいですが、感想が固まりましたので記述します。最初に一言。「復讐を目的とした鬼畜ゲーとして完成した域にある作品なので、鬼畜ゲーに耐性のある人は騙されたと思って買うべき」

 システムは、修正ファイルを当てたあとは、未読スキップ有りのセーブ箇所が 100 箇所(当てる前は 10 箇所)、音声は無し、と至ってシンプルです。また、復讐のための贄にする女性は多種多様な魅力を持つので属性をつついてくる娘がいるでしょうが、所詮、贄なので特別な感情を持つのは危険でしょう。

 シナリオ、濃いです。忠実で優秀な執事の桐山と、情熱的で頼れる相棒の智花の助けの元に、主人公は確実に復讐を遂行していきます。、復讐相手を陥れるために近づく女性との愛憎の部分、そして復讐相手がどのような末路を辿ったかもしっかり書きこまれています。しかも、分岐が発生して、相手の末路にバリエーションがあるのがすごいところです。章立て構成で目的は最初から明白なのですが、True End だけを目指す遊び方をすると、この作品の魅力の一割も理解できないでしょう。

 もう一つ特筆すべきところは、復讐が完遂されないような展開になった場合は、全て、終劇(GAME OVER)になることでしょう。復讐のための贄にする女性に主人公が惹かれることは、主人公にもプレイヤーにも許されていません。『詰めの部分で少しでも甘い選択肢を選ぶと終劇です』『少しでも甘い終わり方にしてしまったら終劇です』『主人公が甘いかなと思っていたら、智花がちょっかいを出してきて鬼畜な展開にしてくれます』……つまり、復讐が全てで妥協は許されていないのです。

 どんな展開があるか語るのはネタバレなのでやめます。ただし、これだけは言いたい。「桐山、あんたは執事の鏡だよ」「智花、あんたはすげーよ」この二人無くしてこの作品は語れないでしょう。

有限会社ロンドン☆スター [Windows(18 禁) / jANIUS, ivory]

 大学の冬休みに、エロゲー会社にバイトすることになった主人公が、そこのスタッフ(主人公以外は全員女性)と仲良くなっていくというものです。システムに不満は感じられませんし、キャラクタもしっかり立っているので、遊んでいてなかなか楽しいのですが、諸般の事情により残念ながらお薦めはできません。

 まず、ひっかかるのは性格属性システムです。これが、単なる絵合わせパズルにしかなってないのは残念なところです。せっかく、おいしいシステムを導入したのですから、もっと練り込んで、作品自体の深みを増す方向に使用して欲しかったです。

 それと、シナリオが典型的なパターンから逸脱できていないので印象が薄くなる可能性が大きいです。出来自体もバラバラなのですが、これは、良くできている 2 つのシナリオ(こずえさんとユカちゃん)以外の、過剰な盛り上げ方が要因だと思います。プレイヤーがおいてけぼりにされるような盛り上げ方は逆効果だと思うのですよ。

 とまあ、自分を押し殺した感想はここまでにして。一言で言ってしまえば、櫻姉さん万歳!! 櫻姉さんの存在無くして、この作品は語れません。日常漫才も楽しいのですが、シナリオの要所での絡み方が素晴らしく、攻略中のヒロインよりもポイントが高くなってしまって困りました。櫻姉さんファンになれる素養のある人にならば、お薦めにしてもいいような気もしています。

ゆきのかなた [Windows(18 禁) / RUIM]

 ベースシステムがほぼ痕そのものなので、どうしても比較されてしまうでしょうし、痕ほどの構成力があるわけでもないのですが、それでも良作だと思います。文章に冗長な部分が見られませんし、それぞれのシナリオも良くできています。主人公とのえっちしーんが唐突だというのはあるのですが…。

 1st が、選択肢無しの強制 Bad End で、登場する女の子たちは必ず 1 回は陵辱されることになります。そういう流れを防いで Good End に持っていくルートを探るという作品です。ちなみに、誰のシナリオにも入らないスカ(←個人的には結構好き)と、誰かのシナリオに入っていても選択肢で失敗してスカ(←これは虚しい)というものも用意されています。でもって、前者を見ておかないと、おそらく CG が埋まりません。

 プレイ時間は、回数重ねすぎたため、わかりません。1 回あたりのプレイ時間は短くて、未読の部分がある場合でも 1 時間前後ではないでしょうか。率先的に薦めるつもりはありませんが、かなり気に入っている作品ですので、気になった人はプレイしてもらえると嬉しいです。

 私が書けるのは、このぐらいですので、janus さんのレビューも読まれることをお薦めします。

雪のにおいと風のいろ [Windows(18 禁) / Ripe]

 学生仲間によるなごやかな雰囲気を出すことに重点を置かれている作品です。雰囲気を含めた素材を丁寧に扱っていますね。True 系 End は、それぞれ違う方向性で、友人関係から恋愛感情を引き出すということをうまく表現していると感じました。私評価は、地味ながら良作、ですね。

 ただ、Good End が True End の断片を出しているだけに過ぎない。True End を出すルートが実質 1 ルート(正確には 2 ルート)だけというところは、純粋なノベル系を求める人には不満が残るところかもしれません。確かに、Good End 系は精彩を欠くのですが、以下、少し弁護に回ります。

 この作品は、恋愛を成就させる True End、あと一歩及ばなかった Good End、友達関係で終わる Normal End という形を作ろうとしたのだと思います。実際、ルート作りの姿勢は、そうなっていますし。問題は、18 禁要素を意識し過ぎてしまったことと、つなぎであるシナリオ部分の構成不足にあるのでしょう。

 また、True End 系は、友情から恋愛への変化という表現の好きな人なら満足いくものになっていると思います。1 シナリオが割と短めなのと、固有シナリオ挿入箇所が同じなため既読情報管理がないことを不便に感じないこともあって、お薦め度は 5 点満点で 3(+1) 点です。加点は、地味でも雰囲気や CG などの素材が良ければ良いという人向けです。本当は、もう少し高くしたかったのですけどね。

夜が来る! [Windows(18 禁) / AliceSoft]

 全員クリアということで感想を記します。このゲーム、ぱすてるチャイムの後継作と言えるでしょうね。ぱすてるチャイムの場合、全員クリアしてしまうとアイテム収集しか残りませんでしたが、夜が来る!の場合、Hard / Expert モードの存在により、むしろ全員クリアしてからが勝負という印象があります。

 そういうわけで、かなり気に入っているのですが難点も多いです。まず、セーブ可能箇所の配置ミス。せめて、イベントダンジョンの前にセーブできれば良かったのですが。次に、イベント戦闘の無意味さ加減。絶対に倒せない敵の存在に歯応えのないボス達と良いところがありません。最後に、エピローグの白々しさ。真言美ちゃんシナリオ以外のエピローグは(シナリオも)見る価値がありません。

 そういうことで、ダンジョンに潜り続けること、アイテムを集めること、キャラクタを成長させることに生き甲斐を感じる人にだけお薦めです。作りに癖はあるものの、その癖がこのゲームの魅力を引き出す原動力になっていると思っています。

ラストシーン [Windows(18 禁) / maika]

 8 年前に不治の病にかかっていた恋人と最後の 1 週間をどう過ごすかという作品です。VN 系で一部挿入動画あり、音声はありません。

 システム。既読管理やバックログは無いものの遊んでいて不自由は点は無いですね。TMS(タクティカルマップシステム)という分岐記録がされていく要素が便利ですし。あと、セーブ箇所が 1 箇所しかないのと回想シーンが無いのもあって、同じシーンを見たいなら完全なリトライが必要になりますが、プレイ時間短いので、まあいいかなあと思います。

 シナリオ。おそらく、制作側は真面目に作っているものと思われます。ただ、話全般の不条理度が高い上に、一部を除いてとんでもない幕切れををします。ある意味、ラストシーンの名にふさわしいのですが、普通の人はついてこれないでしょうし、ある程度素養があっても、感動させようとしている場面で爆笑してしまったりするので、成功しているのか失敗しているのか、さっぱりわかりません。

 ED は 12 + 3 種類。1 プレイは 1 時間前後と割と軽いです。私は、2000 円で購入しましたが、3000 円ぐらいでも元が取れたかなと思っています。無茶な展開をちゃんと追って笑ってしまえるような人になら薦めですが、そういう人は希少だと思われますので、お薦めは保留にします。ED 15 のシナリオとかは一見の価値があるのですが。

螺旋回廊 [Windows(18 禁) / ruf]

 この作品をプレイしていたときに、ダークな私が色々言ってきてうるさかったので、まずは、ダーク庄田に語ってもらいます。口が悪いですけど、勘弁して下さい。

 通常シナリオは、まだまだ甘い気もするが、こんなもんだろう。マルチアングルは、キャラ視点変更による効果が高いので、これで評価を上げたな。ここまでなら、なかなかの良作だが、最後に開く物はいただけんな。作品のバランスを崩しとる。

 まだ言い足りないようですが、危険なので、ここまでにしといてもらいます。私としては、前半と後半のギャップが重要だと思うのですが、後半で奈落の底に叩き落とされる作品なので、幸せな話しか求めない人は遊ばない方が賢明でしょう。

 あと、一般的に救われると言われているのは、キャラ選択の右下でしょうが、下のだけでも、救いになってると感じてます。右下は、おそらく、制作者からプレイヤーへのサービスシナリオなのでしょう。まあ、一部ルートはちとアレですが(^^;

ラブ・ネゴシエーター [Windows(18禁) / Liar]

 こちらを参照のこと。

ラブひな スマイル・アゲイン [DreamCast / SEGA]

 レビューページ(ネタバレ度極低、最後の方に暴言あり)を起こしてありますので、そちらをご参照下さい。…でも、いいのですが、一応、簡単なまとめを書きます。

 これは、原作のラブひなファンそして前作『突然のエンゲージ・ハプニング』ファンに対する奉仕作品です。とにかく、制作スタッフのラブひなに対する理解度の高さとファンサービス精神の旺盛さと作り出すゲームに対する愛を感じます。前作ファンならばプレイするべきです。

 システムは確実に向上していて、プレイ上でのストレスは、ほぼ無くなっています。ただ、CR の比重が高くシナリオ制御の核となっていますので、CR が苦手な人にはつらいと思います。私は、目押し無しでも 8 割ぐらいの確率で目的の結果を出せるようになっているため、推測でしかありませんが。

 シナリオは文句無し。ちゃんとラブひなしてる路線とオリジナルのらぶらぶ路線をうまく融合させています。おまけ要素も充実しているのでコンプリートしたあとも気を抜けないというか。コンプリートまでのプレイ時間は、おそらく 12 時間近辺でしょう。もちろん、私は、もっとかかっていますが。

リトルモニカ物語 [Windows(18禁) / RUNE]

 とにかく、「最終話いらない」、これに尽きます。

 各話が、重要イベントだけに絞って出す、不連続なシーンをつなぎ合わせたような構成の上に、明るくライトなエッチが楽しい作品なので、最終話のような存在は異端だと思います。また、あのベタベタな空間に終わりを告げる必要がないと思うのです。

 お薦め度は 5 点満点で 3(+1)点。軽くベタベタなシチュエーションが好きで、途中でシナリオを求めることを放棄するという遊び方のできる人なら楽しめるでしょう。

浪漫珠 [Windows(18禁) / AngelSmile]

 主人公が体験したことを小説にしていて、それを読むことができるという発想は面白いと思います。ただ、この作品は、アラも多く色々と反面教師になっているとも感じてます。

 まず、おざなりなシナリオしか用意されないなら攻略対象にならない方がマシな場合があるということ。次に、それまでの課程を台無しにするような Happy End なんかいらないということ。最後に、贅沢は敵だということ。材料が多すぎて味付けがおいつかず、薄味になってしまったという印象です。

 また、椿姫のキャラクタはもろ好みで彼女のシナリオは好きなので、初回プレイでやめておけば良かったなとも思ってます。そういう意味で、できる限り完了させようとする私の性分も考えものかも……。


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