★ギリシャリクガメの卵5★

1998年6月21日、AM7:00 顔の両脇に前脚が左右とも出てきました


顔の出ている穴のすぐ脇の殻を前脚を使って、器用に割り広げました。
頭で殻を割り広げるのではなく、前脚を使って、少しずつ左右に割れ目を広げて行きます。
動作は、やはり3分動いて20分休むといったペースです。

1998年6月21日、AM8:30、甲羅の一部が見えてきました


頭と左右の前脚が殻から出た後の動きは、かなり規則的になりました。
1)まず、頭と左の前脚を少し甲羅の中へ引き込み、卵の中で、体全体を水平方向に少し左に回転させます
2)卵の割れ目の一番左の隅に引き込んだ左前脚の先(つめの部分)をあてがい、力をこめて脚を押しだし、卵の殻を割り広げます。
3)頭と右の前脚を少し甲羅の中へ引き込み、卵の中で、体全体を水平方向に少し右に回転させます
4)卵の割れ目の一番右の隅に引き込んだ右前脚の先(つめの部分)をあてがい、力をこめて脚を押しだし、卵の殻を割り広げます。
これを繰り返して、左右に割れ目を広げて行くのです。写真は、ほぼ同じ方向から撮っていますが、前の写真と比べると、この写真の頭の位置が、向かって右方向に移動しているのが、分かります。卵の上を示すバツ印の位置に注目すると、割れている部分が水平方向に広がっているのが分かります。

1998年6月21日、AM9:30、甲羅がかなり見えてきました


さらに1時間かかって、割れ目を広げました。
時々、頭を出したり引っ込めたりといった動作に加えて、殻を時折かじります。かじった卵の殻は、そのまま食べてしまいます。量としては、微々たる量です。ほとんどの殻は、前脚で割るだけです。また、大きく口を開けて、あくびを数回しました。目は、開いています。光を認識しているのが、反応で分かります。
前の写真と比べると、また体が回転して、頭の位置が水平方向に90度以上移動しているのがわかります。
この1時間のあいだに2往復しました。

1998年6月21日、AM10:30、後脚が始めて見えてきました


さらに1時間かかって、割れ目を広げました。左の後脚が確認できました。
ここで、かなり疲れたのか、目を閉じて、40分程じっとしていました。時々前脚と頭をヘコヘコと動かす程度です。

1998年6月21日、AM11:30、後脚が出ました


長い休憩の後、左の後脚をグイと伸ばして、殻を割りました。
この後脚が出たときに始めて、多少濡れた状態を確認しました。それまでは、甲羅もすべて乾いた状態で現れました。
後脚で、かなり蹴破ったので、卵の全周の半分以上が水平方向では裂け目となったようです。


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