中小企業における戦略的パソコン活用のすすめ
なぜ今、パソコン活用なのか −パソコンが情報化社会の主役―
はじめに
私がパソコンに初めてふれたのはもう10年も前のことである。
当時のパソコンは現在のような高性能なマシンと比べようもなく、できることといえばBASICプログラムを打ち込んで簡単な数値計算をさせる程度のものであった。
漢字をディスプレイ装置に表示するのにも一文字づつコードを調べて入力するという気の遠くなるような手間のかかる操作をしていたものだった。
その頃、パソコンを使う人といえばこうした手間のかかる作業を苦にしない、ごく限られた一部のマニアだったといえるだろう。
一方、企業内の業務向けにはオフコンや汎用コンピュータ(以下、大型コンピュータと呼ぶことにする。)が使われており、端末機から大量入力された受注情報などのデータを一手に集めて計算し、帳票印刷という形で営業資料を提供するというデータプロセッシングのスタイルを確立していた。
さて昔話しはこの程度にして現在の状況についてみてみよう。
パソコンの世界はMS−DOSの時代からWindows、あるいはマッキントッシュ、OS/2、UNIXといった、そのデータ処理性能において大型コンピュータにもひけをとらないような高性能なOSの時代へと移ってきた。
パソコンを議論するときによく問題になるのはパソコンをある程度知っている人である。
それは、その人が抱いているパソコンの知識がすでに陳腐化していることが多いからだ。
パソコンの高性能化のスピードは驚異的に速く、2、3年どころか1年前のパソコンを知っている人でも正しい判断ができないほどである。パソコンというハードウェアが大型コンピュータを越えるほどになっただけでなく、その上で動くソフトウェアも急速に洗練されてきている。
現在手に入れることのできる最新のパソコンでは、従来、大型コンピュータが扱ってきた大量データの蓄積加工や複雑な演算操作もこなし、その扱えるデータも文字情報はもちろん、画像や音声といったマルチメディアの世界へと拡大してきている。
また、パソコンの限界としてよくいわれていたシングルユーザー・シングルタスクの問題も、WindowsやパソコンLANの登場によって、複数の仕事を同時に処理することも複数のユーザーが同時にデータを活用することもできるようになっている。
そして、もう一つ現在のパソコンについて忘れてならないのがその活用のしやすさである。
大型コンピュータの世界では、コンピュータに仕事を与えるために専門の知識や技術が必要だった。
一般ユーザーは、特定の技術者が開発したシステムに必要なデータを入力し、その処理結果を画面や帳票で一方的に受け取るという形でしか利用できなかったのである。
これに対して、パソコンではユーザーが表計算ソフトやデータベースソフトを使って自らが必要なデータ処理を行うことができる。
コンピュータは本来人間が行わなければならない作業を代行して、人間がより高度な仕事に専念できるように使われるべきはずである。
しかし、従来の大型コンピュータによる情報システムでは必ずしもそうした状況を実現してきたとは言えなかった。
コンピュータが出力した帳票に赤線を引いたり、別用紙に転記するといった光景はどこにでも見られることだったのである。
では、どうしてこのようなことが起こるのだろうか。
それはコンピュータがまだ人間が行う作業の多くを代行しきれなかったに他ならない。
ユーザーの数だけ存在するニーズを特定のコンピュータ技術者だけでシステム化するには限界があったのである。
人の行うべき仕事には個々人のプライベートな作業スケジュールの管理から、部署ごとの日常業務や実績管理、あるいは全社レベルでの経営計画や資源管理に関するものまで多岐にわたっている。
従来の大型コンピュータはこれらのうちより多くのユーザーのニーズにかかわる業務を費用対効果の観点から優先してきたのであり、その結果ユーザーに近い業務ほど後回しにされていたといえるだろう。
ユーザーがプログラミングなど専門の知識を必要とせずに自らが簡単にデータプロセッシングできる今のパソコンはまさにこうした状況を打開するものなのである。
しかし、その一方でパソコンといえどもコンピュータは決して安い買い物ではない。
期待していた効果が出なければ逆に経営を圧迫するだけの代物になってしまう。
コンピュータはその利用価値についてしっかりと理解することによってはじめて経営者にとってかけがえのない強力な助っ人になってくれるのである。
なぜ今、パソコン活用なのか
では、なぜパソコンをうまく活用できないのだろうか?
パソコンの本質は道具にすぎないということが理解されているかどうか問題なのである。
そして、パソコンという道具のすばらしさについて理解することである。
少し前のコンピュータのことを少し知っている人の中にパソコンはおもちゃだとか大きな業務には使えないという人がいるが、これは大きな間違いである。
パソコンは生まれてから10年ほどの間に何百倍ものの性能向上をはたしてきている。
コンピュータという商品も需要の高いものほど競争が激しく、高品質低価格化が急激に進んできたのである。
パソコンをもっと活用しよう
決してコンピュータ室の置くに注意深く置かれているような存在ではない。
パソコンはパソコンを利用したいと思う人自らが操作し問題を解決していく道具なのである。
パソコンはあなたの仕事のそばにいるのだ。
そして、パソコンは人の仕事も選ばない。
では、コンピュータにはどんな仕事をさせればよいのだろうか。
パソコンは業務改善やリエンジニアリングにこそ不可欠な道具なのである。
最後に・・・
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