10月16日(日) 9日、10日と新潟に行って来ました。 上映会場は新潟の古町という所にあったんですが、ちょうどお祭りをやっていてブラブラ歩くことが出来ました。確かに翌日行くことになる「万代シティ」という新興ショッピングモール街にお客さんを持って行かれた感じで、かなり「シャッター通り」だったわけですが、所々に若者がやっていると思われる古着屋やカフェなんかがあったりして、大都市に行かずに地方の街に根づく新しい若者層みたいなものが垣間見られました。彼や彼女達は、直接、街にアクセス・関与してる感じで、大都市の人々によりも「実感」というモノを得ている印象を持ちました。店の名前は忘れましたが、昔ながらの中華料理屋の300円ラーメンを食べましたが、かなり、旨かったです。 上映イベントの方は、たくさんのお客さんに来て頂き、嬉しかったです。東京と違ったのは、お客さんの層でした。東京の場合は、ほとんど10代、20代の若者で、それも何か抱えてしまっているような人が多く、それはそれでとても嬉しかったんですが、今回の新潟は、まさに老若男女、しかも年配の教師の方とか、定年後のおじさんみたいな人とかが来て下さって、とても興味深かったです。勿論それは、今回のイベントの企画をして下さった「こわれ者の祭典」の人々の普段の活動に負うところが大きいと思いますが、タコツボ化しないで、地域というか、社会というか、世界にアクセスし続ける可能性を感じました。と言ったら、言い過ぎでしょうか? 例によって、打ち上げも盛り上がりました。「新潟の人は声がでかい」と思いましたが、今、考えるとたまたまだったような気もします。 翌日は、夕方の新幹線に乗る前に前記した「万代シティ」から駅の反対側まで歩きまくりましたが、非常に楽しかったです。新しいショッピングモールは、やはり、アメリカ西海岸も香港もベルリンも新潟も変わりませんでした。どこにいても同じモノが買えて、同じ欲望を満たしてくれるのがショッピングモールだとすれば、それは、とても安心で便利ですが、人々はバカになるか、狂うか、どちらかの選択しかなくなってしまうでしょう。そういう意味では、新潟の街は、古いものがかろうじて残っていて、そこにアクセスしようとしている若者がいたりして、面白かったです。 私が主宰しているビデオアクトというプロジェクトから、新しいビデオカタログが発行されました。約170本の自主制作ビデオ作品が掲載されています。おそらく、その170本は、決してテレビで観られることはないでしょう。ショッピングモールのようなテレビ・メディアに対抗する為に作られたのが、このビデオカタログです。バカになりたくなかったら、一度、御覧下さい。無料で配布中です。また、ネット上のオンラインカタログもありますので、一度、のぞいてみて下さい。 「語るに足る、ささやかな人生」(NHK出版)という本を読んでいます。なぜか、ほんの些細な描写なのに目頭を熱くさせられます。アメリカのスモールタウンの、まさに語るに足る、ささやかな人生の話が書かれています。旅行好きの人にも堪らない本かもしれません。私はかつてのバイクの一人旅と高校生の頃、実は片岡義男が好きだったことを思い出しました。 世界の均質化は抗いようもなく猛スピードで進んでますが、その分、逆に本来の自分の欲望が屹立して来るっていうこともあり得ることなので、希望は微かにあります(と書いたところで、本を読み返してみたら、作者の駒沢さんという人も同じようなことを書いてました)。 毎回日記のラストはプロ野球ですが、今、録画しているプレーオフを観るのが超楽しみです。阪神ファンとしては、ソフトバンクを敗って日本一というのが気持ちいいんですが、ロッテに勝たせてやりたい気持ちも強く、アンビバレンツです。どうでもいい話なんですが、一人で悩んでいます。 |
10月4日(火) 昨日、ロフトプラスワンで行われた見沢知廉さんの追悼イベントに出て来ました。 『天皇ごっこ』しか読んだことがなく、直接のつき合いはかなり浅い私としては、みんなの邪魔にならないようにしようと心掛けたわけですが、それはなんとかクリア出来たかと思われます。まぁ、ふだんから影が薄いんですが。 それにしても色んな人の(特に切通理作さんとかの)話を聞くと、本当に惜しい人を亡くしたんだなぁと思います。「なぜ人を殺してはいけないのか?」という企画を各メディアが本気であの時立てたのであれば、見沢知廉という人の存在をもっと真摯に掘り下げるべきだったのではないかと思います。特に文学の世界がそのことに無頓着、無自覚であったとしたら、非常に勿体無いし、情けないことだと思う次第です。 本日、「スクリーン・フィールズ」というビデオアートイベントのトークに出て来ました。 今日のイベントは、ベルリンから来たアーティスト5人と司会の人、そしてゲストは私一人だったので、少しは目立ねばと思い、比較的しゃべって来ました。 時間の関係でベルリンと東京のビデオアートシーンのこととかをちょっと話し合っただけでしたが、興味深かったです。私が主宰しているビデオアクトのことにも興味を持ってくれたみたいでした。ホントはもう少し、如何に社会に関与するか?みたいなことを話したかったんですが。 そこに来ていたエロディ・ポンというスイスに住んでいるアーティストのプロジェクトが面白そうです。「アナタノ秘密買イマス」というヤツで、『ドッグヴィル』のなんとかボックスのような懺悔室みたいなところに仕掛けられたカメラの前で、いろんな人に自分の秘密を語ってもらって、その秘密を作家である彼女本人が値段交渉をして買い取ってコレクションする、ということらしいです。多少システムは違うけれども、素人のブログの単行本化も似たようなものでしよう。10月末までトウキョウワンダーサイトというところで観られます。 最近、ATGの流れで、若松プロ作品や大島渚作品を見返しています。若い頃観たのとは、全く違った印象があって面白いです。「権力」というものが、明るく、ソフトに、あっちこっちに浸透してしまった感のある今だからこそ政治の季節と呼ばれた時代を再検証してみる、というのは皆さん、如何でしょうか? では、9日、新潟で会いましょう。 P.S. 9月7日の天王山における阪神・岡田の「ムチャクチャしたれ!」発言と藤川球児の「こっちは命を賭けて戦っとるんや」発言を知って、胸いっぱいです(わからない人にはわからなくていいです)。阪神の日本一は間違いありません。 |