7月27日(水)

 明後日からブリスベンです。帰国後すぐに札幌に行って、8月6日は浅井学園大学というところの大学祭で雨宮処凛さんと講演会です。翌日7日は、シアターキノの映画講座で『新しい神様』のトークをやって、そのまま連続で『PEEP "TV" SHOW』の舞台挨拶となります。結構、大変。

 名古屋シネマテークで9月10日(土)から『PEEP "TV" SHOW』がレイトショー公開されることが決まりました。初日は舞台挨拶があります。そして、翌11日は、September 11 ということで、渋谷のアップリンクファクトリーでイベント上映を行います(詳細は後日告知します)。こちらも連続なので、結構、大変です。

 ガス・ヴァン・サントの『ジェリー』をレンタルビデオで観ました。近所の塩ラーメン屋(ほとんど麺のみ!)みたいなイイ根性してる映画でした。文句を言うか、惚れるか。自然の環境音がBGMのようで心地よかったですが、レンタルビデオ向きじゃありませんでした。映画館で観れば、また別の映画になると思われます。

 では、ブリスベン、あるいは、札幌で、会える方は会いましょう。

P.S.
8月3日発売の雑誌「東京人」に私のエッセイが載りますんで、よかったら読んで下さい。


7月23日(土)

 何も起こらない平穏な日々が続いています。新作の構想も着々と進行し、と書きたいところですが、遅々として進まず、というより、進める気がなく。
 そもそも、今までのようなスタイルで映画を作る限りにおいては、当然、何の締切もなく、誰かが作業をせかしてくれるわけではないので、全ては自分自身のモチベーションにかかっており。
 コレだ!と思えるものは、いつか自然に舞い降りて来るものなので、今は焦らず、ひたすら吸収しています。何だか言い訳じみて来ましたが、実際のところ、そんなところです。

 今年12月に開かれるリスボンの「Nippon Koma」という映画祭に『PEEP "TV" SHOW』が招待されることになりました。自分の中では既に終わった映画な感じがありますが、2年以上も前の映画を上映してくれるということは、ありがたいことです。こういうことで、新作へのモチベーションも高まります。

 ミシェル・ウェルベックの「プラットフォーム」を読み始めました。まだ最初ですが、やはり、素晴らしいです、ウェルベック。マイケル・ウィンターボトムがコレをよんで『ナインソングス』を撮ったというのも頷けます。ニヒリズムの果て、絶望の先へ歩んで行こうとする無謀な意志がカッコよすぎです。彼のような存在もまた、新作へのモチベーションを高めてくれます。

 数日前、「俺って将来、何になるんだろ?」とふと思い、今年39歳の私は、ちょっと複雑な心境でした。将来?将来って、いつやってくるんだろ?

 今週金曜、29日からオーストラリアのブリスベン映画祭に行って来ます。朝からビール飲んで、存分に楽しんで来る予定です。

 オールスター、今年は、新庄があんまり出ないのでつまらないんですが、今日のゲスト解説は星野なので楽しみです。早送りできません。それにしても阪神の選手は、地味で真面目ですね。そこがたまんないんですが。


7月16日(土)

 今日は何もヤル気が起こらないので、日記を書きます。

 そもそも自由業である私は、基本的に「休日」というものがなく、ナンダカンダで結局、「仕事」をしてしまう悪い癖があるので、こういう日があってもいい、いやむしろ、あった方がいいと思うんですが、よくよく考えてみると、このように「日記を書く」という作業も、結局は、映画の宣伝サイトの更新を怠らずに訪問者を減らさないようにしようとする「仕事」の一環であるわけで、純粋な余暇を過ごしているわけではないわけです。たとえ、オーストラリアの旅行ガイドを買って来て、月末に行く映画祭の地、ブリスベンの旨いもの情報かなんかを調べていたとしても、それは「海外出張」の「リサーチ」であるわけで、全くもって、「仕事」から逃げられない。唯一の純粋な趣味は、録画しておいた阪神戦をビールを飲みながら観戦することのみであり、ホントに阪神が好きでよかったと心から思う今日この日である(ところで、NHKの広澤の解説は素晴らしい。全ての阪神戦の解説を彼に任せたら、録画しておいたテープでも早送りできなくて、たっぷり3時間は余暇を楽しめる)。

 ということで、新作構想の為の資料として「仕事」で観たレンタルDVDの感想を少し。

 『スーパーサイズ・ミー』。エンドクレジットの曲「♪スーパーサイズ、スーパーサイズ、スーパーサイズ♪」が今も耳から離れない。あまりにもマイケル・ムーアな作品だったが、まぁ、面白かった。陽気な監督が出演する映画は、救いがある感じがして、好感がもてる。生ゲロは気持ち悪かったが、翌日、100円チーズバーガーを単品で喰った(マックは、500円セットをやめて300円くらいのセットをまた始めるらしい。その方が儲かると思う)。

 『ストーリーテリング』。私とトッド・ソロンズを比較するような英語の映画評を読んだおぼえがあるので、観てみた。ひねくれた感じに近いものを感じた。知的には興味深かったが、映画的にはグッと来なかった。陥りやすい罠なので、気をつけようと思った。

 『イン・ディス・ワールド』。マイケル・ウィンターボトムの作品を観るのは、『CODE46』、『ナイン・ソングス』に続いて3作品目だが、これも面白かった。観終わった後、DVDに入ってた予告篇を観たら、涙がどっと溢れた。私が観た3作品は、一見、全く違うテーマだが、監督の「世界との対峙方法」には通底するものがあり、また、それは私のそれに近いものがあり(なんて言うのも、おこがましいが)、去年ロッテルダムで会う前に作品を観ておけば「大ファンです!」とか言ってサインをもらったのに、と後悔した。「サラエボなんとか」と「パーティーなんとか」という作品も観てみようと思った。

 「仕事」が終わったので、いよいよ、余暇に突入しようと思う。鳥谷がショートから全力疾走でベンチに帰る姿が見られたとしても、私には何の得もないが、頭が空っぽになるので純粋に嬉しい。

P.S.
そう言えば、高崎での公開が今日、始まった。どんな感じなのだろうかと、若干、不安。


7月7日(木)

 最近、わりとヒマなんで、人に会ったり、本を読んだり、テレビや映画を観たりしています。

 「報道特集」(だったと思いますが)で「ザイン」という集団のことをやってました。古代帝国軍とかなんとか言って、自己革命や世界革命の為のアクセサリーとか棍棒とか像を売ってるらしいです。元帥(だったかどうかは忘れましたが、要はそのグループの代表)は、侍が統治する社会を目指しているそうなんですが、テレビのレポーターは「どう見てもこれは商売だ」とかなんとか言って、その元帥に詰め寄ってました。元帥の回答は至極シンプル&真っ当でした。「えぇ、勿論、商売ですよ」。この元帥は正しいと思いました。「ハリウッドセレブ御用達のなんとかかんとか・・・」という洗脳商売と「君も革命に参加しよう!」という洗脳商売は、全く等価です。ハリウッドセレブはOKで、なぜ革命はNGなのか?いつか、革命商売もブランド化するでしょう。ロゴマークとか、大事だと思われます。

 『ターネーション』という映画の試写会に行きました。ドキュメンタリーです。自分が集めた過去の様々なフッテージを編集した作品でしたが、宣伝コピーが妙に期待させ過ぎだったせいか、それほど面白くありませんでした。「山形映画祭」のコンペだったら落ちるんじゃないでしょうか?スタイリッシュな自分探し作品という感じでしたが、監督&主演の人は魅力的でした。

 『ナインソングス』という映画をキチンと1,800円払って観ました。グッと泣けるシーンが一瞬あって、それだけでも1,800円分の価値はあったと思います。ポルノ映画みたいにやってばかりなんですが、人間はどこまで行っても人間だという悲しい感じが、良かったです。その感じをストレートに表現出来る数少ない手段がロックなのではないかということを、映画を観て感じました。

 テロ、また、起こりましたね。ニュースを観ていたら、フジテレビは相変わらず、衝撃!とか異常事態!とか壮絶!とか言って喜んでいるようでしたが、ニュース23のレポーターは、「カフェではいつも通り談笑している人々もいました」と伝えていて、少しホッとし、今回は死者の数を数えるのをやめようと思いました。『PEEP "TV" SHOW』の観客の方々は、どんな感じで、今、テレビを観ているでしょうか?

 『左巻キ式ラストリゾート』を読み終え、今は、『パターン・レコグニション』を読んでいます。"セカイ系"の解体(!?)を次回作では目論んでいますが、超難しいです。