11月14日(日) アメリカ西海岸から帰って来ました。4日間はアーバインにいて、残り2日間はロスアンジェルスでした。アーバインは非常に不思議な所でした。筑波学園都市&ディズニーランドという感じ。カリフォルニア大学アーバイン校の教授の家に泊まったんですが、彼の家はキャンパスのすぐ近くにあって、周りは全て大学関係者の家でした。映画『トゥルーマンショー』的世界に近いものがあり、旅行者として歩くにはとても面白かったです。家の周囲には住民組合で決められた種類の植物しか植えられなかったり、洗濯物を表に干すと怒られたり、とにかく、街の景観を崩す行為は厳しく制限されているとのことでした。「安全」で「清潔」な街のイメージを保つのは、土地価格の値下がりを防ぐ意味もあるようです。不審車の追跡を容易にするように、住宅地の道はわざとクネクネと曲がらせてあって、行き止まりを作ったりもしているそうです。 とにかく車がないとどうにもならないんですが、私たちは教授の車に乗せてもらって近くのビーチや巨大なショッピングモール、シネコン等に連れて行ってもらいました。しかし、それらのどこを歩いてもいつも同じ場所にいるような不思議な感覚は、退屈を通り越して怖かったです。安全で清潔、しかし、何も起こらない。老後にはイイという説にも一理はあるが・・・ 上映に先立って日本映画研究のクラスで少し話す機会がありました。ビデオアクティビズムとかのことを話したんですが、興味津々で聞いてくれたようでよかったです。日本の学生に比べると、やはり、自分の意見をしっかり持ち、なおかつ、それをきちんと言葉に出来る学生が多かったです。『リリィ・シュシュのすべて』や『自殺サークル』の上映も授業で行ったことがあるようで、日本社会と自殺の話になり、雨宮さんが大活躍しました。 今回は『PEEP "TV" SHOW』と『新しい神様』の上映があったんですが、2本とも非常に好評でした。『PEEP "TV" SHOW』の方は、9.11テロの光景を劇中の長谷川と同じような感覚で受け取ったんだけど、勇気がなくて他人に言えなかったという学生の反応があり、「よく言ってくれた!」みたいな感じで喜んでました。『新しい神様』の方は、反米どうのこうのという政治的な面倒な話にはならず、とにかく雨宮さんと話したい!という感じの若者が多くて、中には、一度車で帰りかけたんだけど心残りで引き返して来たという人もいました。みんなスマートで、幅広くモノを考えている人が多かったようです。 LAでの2日間はアーバインと正反対で結構、エキサイティングでした。街中で若者が喧嘩してたりして、逆に「安心」しました。リトルトゥキョウにも行ったんですが、日本専門のビデオレンタル屋に『新しい神様』があったので「監督と主人公だ」と告げたら、バイトの若者が大層驚き、写真を撮ったり、サインを書いたりして来ました。一緒に飲んだゲイの人にも熱く見つめられ、ビビりました。 帰国したら新たに3つの映画祭への出品オファーのメールが来ていて、その対応が結構大変でした。ローマ映画祭が今月22日からで、残り2つは来年のバンコク国際映画祭とシンガポール国際映画祭です。ついでに今月開催される『PEEP "TV" SHOW』出品映画祭の情報をチェックしていたら、オスロ国際映画祭のプログラムが発表されていました。アーバインのシネコンで教授お薦め映画として観たニコール・キッドマン主演の『Birth』も『PEEP "TV" SHOW』と同じプログラムで上映されるみたいで、なんだか不思議な感じでした。日本からは他に『Survive Style 5+』や『Vital』、『Dead End Run』等が上映されるようです。 なんだかんだやってるうちに『PEEP "TV" SHOW』が完成してから1年が経ってしまいました。国内公開予定は未だ定まりませんが、海外映画祭出品は32箇所となりました。「なんだかスゴイらしい」という噂だけでもあっちこっちに広めて頂けると嬉しいです。 |
11月2日(火) 『PEEP "TV" SHOW』と前作『新しい神様』の上映があるので、明日から10日までカリフォルニアのIrvineに行って来ます。西海岸は初めてです。帰りにちょこっとLAにも寄って来ます。 ちょっと時間がないので簡単な報告だけですが、先月モントリオールで開かれたMontreal International Festival of New Cinemaで『PEEP "TV" SHOW』がNew Discovery Award/Feature Film Mentionを受賞しました!今年のサンダンス映画祭のグランプリ作品を押し退けての受賞らしいです!!しかし、トロフィーだけで、賞金なしです・・・先日、この映画祭のプログラム・ディレクターに東京で会いましたが、クールなオタクで、面白かったです。 それから、これも先月、ハワイ国際映画祭でも上映したんですが、その観客の一人から熱いメールをもらいました。なんでもハワイの大学院でSMとか暴力とか(よくわかりませんが・・・)を研究しているらしく、そのテーマに『PEEP "TV" SHOW』がぴったりだということで、DVDを買いたい!とのメールでした。残念ながらリリースはまだですが、海外の方が売れそうな予感です。 では、そういうことで、行って来ます。 |