カルタゴ物語


カルタゴ、大いに嫌われる


もって生まれた才能で、あっと言う間に地中海の貿易を支配したカルタゴ。
「ずるい、冷酷、陰気、欲張り」と、ギリシャやローマから非難されまくった。
要するに、嫌われ者だったのである。 なぜこんなに嫌われたかというと、
・金持ちだからねたまれた。
・商売のやり方が強引でヒンシュクを買った。
・戦争で負けてもあっと言う間に復興するので、不気味がられた。
といった理由があるが、最も槍玉に挙げられているのが、
宗教儀式で、生け贄の子どもを生きたまま火のなかに放り込んだ
ということ。 ギリシャやローマも似たようなことをやっていたのだが、
嫌われ者だっただけに、余計にその冷酷さをクローズアップされてしまったのだ。




ローマの元老院議員カトー
「カルタゴは滅ぼさねばならない」というセリフで有名。演説の最後を、必ずこの言葉で締めくくったとか。個人的な恨みはなかったようなので、単なる偏執狂ではないかという気もするが、彼のしつこさが、結局ローマ人をその気にさせた。
フローベール
カルタゴを舞台に「サランボー」という小説を書いた、19世紀フランスの小説家。子どもを火の中に投げ入れるさまを克明に描き、この小説が有名になったおかげで、カルタゴのイメージはすっかり「幼児を犠牲に捧げる国」になってしまった。


CHECK! カルタゴ人の顔


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