〜 金融リテラシー 〜

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免責事項
これから私の持っているノウハウを紹介して行きますが、内容については一切責任を負いません。 参考にしていただけると嬉しいですが、資産運用はみなさん御自身の責任で行ってください。幸運を祈ります。


目次
金融リテラシーについて

リテラシーは直訳すると「読み書き」となりますが、基本的知識と思っていただくと良いかと思います。
資産運用する際のツールとして金融リテラシーを持っておくことが重要と考えています。
色々な金融商品を知ることで、リスク分散ができ、経済状況に合わせて投資配分を変えることもできるようになります。
運用のためだけでなく、高金利詐欺に引っかからないようにするためにも、どんな条件ならどのくらいの金利が普通というのがわかってきます。
具体的には、どんな金融商品があって、どういったものが自分に合うのかが選べるようになります。
また、それにまつわる証券会社や銀行、税制などについても解説しようと思います。


債券

1.債券の基本
「債券」とは、「借金の証書」と考えてください。
債券のうち一番有名なのは「国債」です。
他にも一般の会社が出す「社債」、地方自治体が出す「地方債」などがあります。
国債と地方債をまとめて「公債」と呼ぶこともあります。
国債で説明します。
発行するのは「国」です。
証券会社や銀行が個人に小分け販売するのが「個人向け国債」です。
預金と同じように利子が付きます。
預金はいつまでも入れておくことができますが、債券は借金なので、借入期間があり、返済期限が来るとお金が戻ってきます。(償還といいます)
例えば「借入期間3年、利率0.05%の個人向け国債を10万円分買う」と利子として年50円もらえて、3年後に10万円戻ってきます。
まあ、定期預金とよく似ています。
しかしながら、借金なので、発行主体が倒産すると元本が戻ってこないこともあり得ます。
国債の場合はまずそんなことはないですが、社債の場合はあり得ます。
通常、元本が戻ってくる信頼性の高い発行体の債券ほど利率が低く、危ないものほど高くなります。
この信頼性について「格付け」といい、通常公表されています。
また、債券は償還期限前に売却して現金化することもできます。
その場合は、販売した金融機関が買い取りますが、時価になったり、手数料等がかかる場合があります。
時価とは、経営が悪化した社債などは、数パーセント元本から買取価格が下がります。
(2023..)

2.債券市場
プロ(金融機関)の間で売買されています。
金利が上昇すると思うと、今持っている債券を売って、新しく出る金利の高い債券に買い換えるという動きになります。
従って、債券価格は下落、償還まで持っていた場合の金利としてはその分上昇するので、新しく出る債券と同じような金利になります。
例えば、今持っている債権の金利が5%、価格は100円の場合、新しく100円で10%の債券が出るとなると、現在の債券の価格は95円くらいまで下がります。
逆の場合、新規がほぼ0%なら、現在の債券の価格は105円近くまで上昇します。
ただ、我々一般人からすると金利として公開されているだけで、どういった取引がされているかまったくのブラックボックスです。
筆者としては、あまり信用していません。
(2023..)

3.新発債と既発債
債券は、借金ですが、最初に発行されたときに購入するのが新発債と言います。
その後、持っている人が売ったり、償還(期限が来たら借金なので返済される)前に途中で買ったりすることができます。
これを、既発債と言います。
新発債は利子の表示が「利率」ですが、既発債の場合は「利回り」となっています。
例えば、新発債の5年個人向け国債の利率が1%なら、100万円買うと、毎年1万円の利子と償還されるお金は100万円になります。
一方、既発債の北海道電力社債は、残存年数約20年、利回り約3%となっています。
調べてみると、これは新発時の販売価格(通常、=償還金額)は100万円、償還が20年後で、現在の取引価格が73万円、利率が年0.9%(0.9万円)でした。 では、なぜ利回りが3%なのか?
計算式は後述の通りですが、ザックリ言うと「満期償還まで持てば年率3%になります」ということです。
利子は0.9%ですが、償還金額の100万円と現在の取引価格(購入価格)73万円の差額が利益になるからです。
利回りの計算式
{1年間の利子+(償還金額ー購入金額)÷残存年数}÷購入金額
{0.9万円+(100万円ー73万円)÷20年}÷73万円=
{0.9+1.35}÷73=3.08%
まあ、新発債についても言えることですが、償還前に売却(換金)すると元本割れになる可能性もあります。
株式と違って、売却価格は事実上証券会社の言い値になるので、中途売却はリスクがあると言っていいでしょう。
ちなみに、楽天証券では現在の買取価格(%表示)が参考で提示されますが、前に買った楽天の社債はマイナス3%くらいになっています。
(楽天は携帯事業が赤字なので、信用不安があり、仕方がないかと)
(2025.5.17)

4.安全性と利率
債券は借金なので、元本全額返済されなければ大問題です。
しかし、まれに発行体の倒産で全額あるいは一部が戻ってこない場合があります。
そこで、発行体の安全性が非常に重要になってきます。
一般的には、国債→地方債→社債の順に安全です。
利率は、安全な発行体ほど低くなるので、国債が一番低く、地方債がほんの少し上乗せされるくらいです。
国債と地方債(県、市など)は大丈夫として、難しいのは社債です。
社債は、私的な会社が発行体ですから、いつ倒産してもおかしくありません。
そこで、債券の安全性のランク付けを「格付機関」と呼ばれるところが公表しています。
格付機関は、会社の財務分析等を行っています。
日本では大手が2社あり、表示が少し違うので注意が必要ですが、次の通りです。
(ちなみに、米国の株式指標「S&P500」のS&Pは格付け会社の社名です。)
日本格付研究所(JCR)
 ざっとAAA〜Cまで9段階、BBBより低いとリスクありと言われています
 AAA 債務履行の確実性が最も高い。
 AA 債務履行の確実性は非常に高い。
 A 債務履行の確実性は高い。
 BBB 債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来債務履行の確実性が低下する可能性がある。
格付投資情報センター(R&I)
 JCRよりおおよそ0.3ランク低く出ます。
 例:JCRで”AA+”ならR&Iでは”AA”
 
R&Iの定義はこちら
おおざっぱに言って、AAAは国債レベル、AAは地方債とまず倒産はない企業、Aはまあまあの優良企業といった感じです。BBBは買いません。
時間とともに状況は変わるので、AA以上は期間10年でもよさそうですが、Aは3〜5年までといったところでしょうか。
(ちなみに、日本航空は現在「A-」のようですが、過去に倒産(会社更生法適用申請)しています。)
参考:R&Iの格付けリスト
(2025.5.18)

5.期間と利率
基本的に、期間が長いほど利率は高くなります。
国債の3年、5年、10年の利率を参考にすると良いと思います。
また、証券会社の新発債の募集要項を適時確認し、現在の相場感を持つのが重要です。
楽天証券の債券募集SBI証券の債券募集
(2025.5.18)

6.既発債、中途売却、外債のリスク
あまりお勧めできないのがこの3つです。
前述の説明の通り、既発債は償還まで持っていないと期待した利回りが得られない場合があります。
金利が下がる(債券の価格は上昇)局面では、既発債や中途売却も良いかもしれませんが、金利が上昇している現在の局面では、 価格が下がるリスクがあります。
外債については、新発債でも米ドル建てなら4%以上の利率がありますが、為替の影響を受けるので、年単位の投資はリスクが高いです。
もちろん、今後円安になるという信念があるのでしたら無理に止めたりいたしません。
(2025.5.19)

7.どこで購入できるか
基本的には証券会社なのですが、個人向け国債や地方債は銀行でも売っているようです。
なお、NISAの対象外ですので、利子(たぶん償還差益も)から20%の税金が取られます。
おいしい債券、特に信用力のある会社の利率の高い社債は、募集開始後数分で完売する場合もあります。
(2025.5.19)
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リート

1.リートとは
リート(REIT)とは「Real Estate Investment Trust」の略で、不動産投資信託のことです。

2.不動産を買う!?
リートは、不動産は高額で手が出ないが、不動産に興味がある場合、これを使うと実質上不動産そのものに投資することができる金融商品です。
もちろん、自分の好きなビルに投資できるわけではなく、スポンサー企業が用意した複数のオフィスビルや住宅、ホテル、商業施設、物流施設などがセットになったものの中から選ぶことになります。
例えば「森ヒルズリート投資法人」は、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、アークヒルズ、ラフォーレ原宿(土地)などに投資をしています。
一方、この投資資金を投資家から集めています。
事業会社ではこれが株式に相当しますが、リートでは「投資証券」と言います。
また、1株ではなく1口となります。
投資証券は東京証券取引所に上場されているので、株式を買うのと同じ要領で買うことができます。
六本木のビル群が良いなと思ったら、この投資証券を買えばその一部を所有することができます。

3.リートは儲かるのか?
投資している投資法人の持っている不動産の価値が上がれば、リートの価値も上がると考えられますが、不動産バブルのようなことでも起きなければあまり期待できません。
市場では、むしろ投資収益の方に重点が置かれています。
リートは、不動産を取得して、賃貸し、家賃収入を得て、主な利益としています。
例えば、お金を借りて、アパートを建てて、賃貸し、家賃収入から支払利息や経費を引いた分を儲けとするのと同じです。
不動産が得意な人には良い投資先だと思います。
また、リートは、株式会社と違って、利益の90%超を分配金(配当)にすることなどを条件に法人税がかからず、利益のほぼ全額を分配金に回すことができます。
事業会社の配当性向(利益中の配当の割合)が約30%であるのに比べると、かなり多くの配当金を受け取ることができます。
現段階では、リートの取引価格比で配当率5%程度のリートが多いようです。

4.リートの業績
では、賃料の動向はどうなのか。
オフィスは空室率が低い状況が続いているので、賃料は堅調のようです。
また、ホテルについても、外国人旅行者数の増加により最高水準です。
とはいえ、ビルやホテルがたくさん供給されると賃料は下がるかもしれませんが。

5.リートの選択
リートの投資法人自体は運用ができないよう法律に規定してあります。
実際には、投資法人はスポンサー企業(の子会社等)に運用委託をすることになります。
そもそもリートの組成は、スポンサー企業が企画をし、投資法人を設立し、お金を集め、運用するという順番になります。
前出の例では、森ビルが作ったリートということになります。
このようなスポンサー企業は、大手不動産会社、ハウスメーカー、総合商社、銀行、保険会社などがほとんどです。
リート名にこれらの会社の社名が付いている場合が多いです。
個別のリートを選ぶ場合は、どんな不動産にどれくらい出資しているかを確認してから買うようにしてください。
東証のリート一覧の各投資法人のホームページを開いて、メニューの「ポートフォリオ」を見れば投資先不動産の一覧を見ることができます。
星野リゾート投資法人の投資先は興味深いです。
なお、投資単位としては、1口(株)で10万円以上の銘柄がほとんどなので、単位未満株が使えません。

6.リートの弱点と強み
リートは、出資されたお金とは別に借金をして不動産を購入しています。
従って、金利が高くなるとコストが上昇し、利幅が減ります。
一方、国債等の金利が上昇すれば、リートより国債にしようと思う人が多くなります。
また、外国人投資家が多く買っているので、米国の金利が上昇すると影響を受けます。
つまり、金利上昇に弱いです。
しかしながら、インフレ時には賃料も上がっていくので、インフレ対策として持っておくと良いかと思います。
基本は不動産と同じですから、インフレ時には価格が上昇するかもしれません。

7.東証リート指数連動ETF
ということで、筆者は不動産には詳しくないので、個別のリートの状況を考えなくて良いリート指数連動の ETFを買っています。
この指数は、東京証券取引所に上場されているリート全銘柄の加重平均の指数で、2003年3月末の時価総額を1000として指数化されたものです。
分配金の利回りを第一に考えて、なるべく安いところで少しずつ買っていきます。
東証リート指数連動ETF(1343)は、現状約4%の利率になっており、しかも、NISA対象です。
価格は1840円くらいで、投資単位は10口なので、18,400円くらいで購入できます。
なお、東証リート指数連動ETFは、いろいろな会社が出しています。

8.参考
東証リート指数ETF一覧
森ヒルズリートのポートフォリオ(投資先不動産)
投資法人の仕組み(国税庁)
森ヒルズリートの仕組み
投資信託協会のリートの説明
(2025.5.25)
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