〜 株式投資のすすめ 〜

免責事項
これから私の持っているノウハウを紹介して行きますが、内容については一切責任を負いません。 参考にしていただけると嬉しいですが、株式投資はみなさん御自身の責任で行ってください。幸運を祈ります。


1.株式投資と売買のはじまり
株式投資は、ギャンブルではなく、貯蓄でもありません。資金を投入して利益を得ること、これが投資です。 つまり、株式投資は、株式会社に対する投資なのです。
そもそも株式会社の起源は遠い昔、西暦1600年頃のヨーロッパの数ヶ国にできた東インド会社に始まりました。 この「インド」というのはヨーロッパ以外の地域をいうようです。東インドとはヨーロッパから見て東の国々、 主に今のアジアだったようです。
このころは「大航海時代」と呼ばれており、新大陸、新航路や新しい物を求めて遠方に出て、ヨーロッパには ないものを持ち帰り、それらを高く売って儲けることができました。そして、これら貿易の主役は船(航海)でした。 しかし、航海には資金が必要で、なおかつ危険がつき物です。株式会社ができる前は、航海一回一回に出資を募り、 航海から帰って荷を売りさばき、その出資は元に戻され、解散していたようです。(当座会社)
株式会社は、その出資そのものは返さずに出資以上に出た利益を配分する、つまり配当にしました。 今までは清算して出資も返していましたが、面倒なので、その出資は次の航海に使うことにしました。
しかし、出資を戻してほしい人と新たに出資したいという人がその株式を売買できるようになりました。 これが株式市場・売買の始まりです。
つまり、そもそも株式の取引は、売買の差益を稼ぐのではなく、今後もたくさん配当をしてくれると思う会社の株を買い、 もう衰退して配当をくれそうにない会社の株式を売るためのものなのです。

2.投資するお金
株式投資はギャンブルではありませんが、たとえば、自分が出資した東インド会社の船が途中で沈没してしまったらどうでしょう。 出資したお金はそれこそ水の泡となってしまいます。
東インド会社のころはどれくらいの確立で沈没したかわかりませんが、今の株式会社も倒産します。倒産したら、 その会社の株式の市場価値はほぼゼロに等しくなります。競馬のはずれ馬券と同じです。 この点ではギャンブルに似た性格を持っています。
そこで、株式投資に回すお金は、一般的に言われているように、全財産の3分の1以下にすることをお勧めします。
倒産はしなくても、過去に株価の大暴落が何度か起きています。 このようなことがあっても、生活に支障が出るようなお金は株式投資に入れないようにしてください。

3.損益記録をつける
1980年代はインターネットなるものはなかったので、損益の記録は、売買損益、配当金、税金など自分で集計していました。 最近は証券会社のホームページで、自分の口座の損益状況がわかるようになっていますので、 それだけ見ていてもいいかと思いますが、証券会社に送金したお金と現在の資産残高の差をしっかり管理して、 どのくらい儲かっているのか、損をしているのか把握しておかないと自分が何をやっているのかわからなくなります。

4.証券会社と準備
ここから先を読む前に、先に証券会社に手続きをしてもいいかもしれません。
手続きしてから口座開設まで少なくとも1週間くらいはかかると思いますので、まずは準備を整えてから勉強してもいいと思います。
また、たとえはよくないかもしれませんが、競馬と似ているところがあって、 馬券を買わないとレースを見ていても面白くないということもあります。 投資金額が低くてすむ株をとりあえず買って、日々の株価を見るのも楽しいかもしれません。 証券会社は最近は大体インターネット取引や携帯iモードをやっています。 売買手数料も安いのでインターネット取引をお勧めします。 具体的な証券会社名の紹介は避けておきますが、検索サイト等でいくらでも出てきますので、そちらを直接見てください。

5.口座開設時に留意しておくこと
1)口座開設手順
 証券会社のホームページで口座開設書類を請求して、送られてきた申込書に記入、捺印し、送付。開設後、 ID、パスワードがたぶん配達記録郵便で送られてきます。 その後、あらかじめ株式購入代金を送金します。送金をATMで行う場合は、メモの入力ができるはずなので、 そこで口座番号なり、名前なりを入力することになると思います。 送金後、インターネットの自分の口座のページにその金額が表示されれば準備完了です。
2)自分の口座へのログイン方式
 ID、パスワード以外に電子証明書を使ったり、もう1つ番号を入力したりする方式があるので、 自分にあった方法を確認してください。
3)株式購入資金の送金金額、方法
 銀行と提携していると送金手数料が無料だったりする場合があります。 また、銀行のインターネット口座とリンクして送金できる場合があります。
4)本人確認書類
 運転免許証のコピーで十分ですが、必要ですので準備しておきましょう。
5)口座の種類の選択
 一般口座、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)の選択を先にすることになっていましたら、 初心者の方は「特定口座(源泉徴収あり)」をお勧めします。
6)売却代金の振込口座
 証券会社に送金した現金、あるいは株式を売却したお金を銀行の口座に戻したいときに先に送金先口座を指定しますので、 先に決めておく必要があります。銀行に口座を持っていない人は先に銀行口座を作りましょう。

6.証券会社を選ぶ基準
1)口座管理料
 無料が普通のようです。(2010年1月現在)
2)売買手数料
 売買代金の0.1%くらいが相場のようです。(2010年1月現在)
つまり、500,000円の株を買って、500円。(各社とも最低手数料額があると思いますので、その点は留意してください) 買い方(指値、成り行き)や1日定額などいろいろありますが、インターネットや携帯電話からの注文だとこのくらいのようです。
3)注文有効期間
 売買注文は通常1週間〜1ヶ月の間出しっぱなしにできます。
しかし、証券会社よって1週間までだったり、1ヶ月できたりしますので、確認してください。
4)ホームページの使いやすさ
 デモンストレーションのページを設けているところなどはそれを見てみるといいでしょう。 また、初心者用のわかりやすい説明がたくさん付いているところなどはお勧めです。
5)その他
 やはり、何かあったときのために、有名な証券会社がいいと思います。
コンピュータ通信システム面、財務面など規模の大きな、有名な会社のほうがしっかりとしていると思われます。

7.実際の株式売買と売買注文
口座開設後、株式購入資金も口座に入金されたところで、初めて売買ができます。
まずは買うところから入ることになりますが、買い方にもいろいろあるので説明します。
というのは、コンビニで店頭に並んでいる商品を値札を見て買うのと株式の購入は違うからです。 株式の売買は「市場」で行われているので、いわばセリのようなものです。決まった値段はありません。 新聞に出ている株価は、たとえば終値と書いてあるのは、その日の最後に成立した売買価格ということになります。 明日もその価格で買えるかどうかわかりません。 特定の会社の株式を売買したい人たちが、その売りたい価格あるいは買いたい価格を提示(入力)し、 一致したところで売買が成立します。 例えば、A社の株を1000円で100株買いたい人と1020円で売りたい人が1人ずついた場合、 ほかに例えば1020円で買う人が出てこなければ、この日は売買ができません。 たとえ自分が1020円で売りたくても、買う人がいなければ永遠に売れないのです。
では、このような中でどのように注文を出すか? 口座を開設するとインターネットの自分の口座のページで、ABC株式会社の株の注文状況(「板」とか「気配」という)が 見れるようになります。市場が開いている平日の9:00〜15:00の間であれば、ABC株式会社の注文状況が次のように 表示されます。
  銘柄 9999 ABC
  売り   株価   買い
 1100 1130
  200 1120
  200 1110
      1090  100
      1080  300
      1060 1000
これは、左側が売りたい人の株数と価格、右側が買いたい人の株数と価格を表しています。まだ売買が成立していない分です。
この状態で、ABC社の株を買いたい場合、1110円の価格で100株の買い注文を入力すれば、現在200株売りの注文が ありますので、買えます。買い手はできるだけ安く買いたいわけですから、1120円の注文を入れる意味はありません。 (入れても1110円で成立します) しかし、300株買いたいとなると話は別です。売り注文は1110円では200株しかありませんので、200株しか買えません。 では、1110円では高いと思うので買いたくない、1080円なら買ってもいいと思う場合どうなるでしょう。 1080円で100株の買い注文を入れることができますが、先に300株注文が入っていますので、 1090円の100株とその300株に対して売る人が現れて、その注文が成立してからさらに1080円で売りの注文が 入ったときに初めて売買が成立します。 売買が成立すると、自分の口座のページの残高に持っている株の銘柄(会社名であるが省略して表示されこれを「銘柄」という) が表示されるようになります。

8.約定と受渡
買い付けあるいは売却の取引が成立したことを「約定」といいます。この後、昔は、売り方の株券も買い方の現金も それぞれ顧客の手元にあり、これらを実際にやり取りしていましたので、これを「受渡」と呼んでいました。 このような経緯から、株券(上場会社にはない。株主の権利と考えるとよい)が自分のものになるのは約定日含めて 4営業日目となっています。売ったときも同じで、売却日含めて4営業日目にならないと現金を受け取れません。 その分を証券会社の口座から引き出すこともできません。 しかし、買った株をすぐ売却することは可能です。これは売却の受渡日も同日かそれ以降にずれるからです。

9.証券取引所と上場市場
初心者の方には、なぜ?と思われる方も少なくないと思いますが、昔からの経緯で、今はこうなっているということを述べておきます。
今は、コンピュータの世界で文字と数字だけで株式の取引が行われていますが、昔はそうではなく、 前述のように株券の実物と現金で取引をしていました。また、株券の「セリ」を行う場所として、「取引所」が開設され、 そこに証券会社の取引員たちが集まり、顧客からの注文をもとに売買を行っていました。 その場所が、東京証券取引所であり、ほかに大阪証券取引所など、日本にはいくつかの取引所があります。 現在では、実物と現金、証券会社の取引員のやりとりがなくなり、インターネットとコンピュータに置き換わったので、 どこの取引所で売買するかということに意味はなくなってきましたが、各取引所が現存し、注文の出し先としては今も実在します。 従って、注文を出すときはどこの証券取引所に出すかという選択肢がありますので注意してください。 また、会社によって、上場している証券取引所が違うので、これも注意してください。 上場というのは簡単に言うと「取り扱っている」か否かということになります。 有名な会社でも、東京証券取引所には上場しているが、大阪証券取引所には上場していない会社もあります。 この場合、東京証券取引所でしか売買できません。また、東京にも大阪にも上場しているが、東京のほうが取引量が多く、 大阪では同じ株価で注文を出してもなかなか約定しない場合もあります。その逆で大阪のほうが多い会社(銘柄)もあります。

10.キャピタルゲイン課税
株式の売買で、売却益が出た場合には、税金を払わなければなりません。これを一般的にはキャピタルゲイン課税といいます。 前述の口座の種類の選択のところで初心者は「特定口座(源泉徴収あり)」の選択をお勧めしましたが、詳しくは後述しますが、 証券会社が各口座の売買から売却損益を計算して、(1年間通算で)売却益が出た場合は口座の現金から源泉徴収して、 顧客の代わりに納税してくれます。 かかる税金は、売却益の20%ですが、2010年は10%に減税になっています。

ここまでが、株式投資(売買)の基本的事項になります。
以降は今後執筆する予定の項目です。

11.売買注文(その2)

12.銘柄選びと投資金額

13.インサイダー取引

14.税金対策と口座の種類、確定申告

15.取得コストの計算方法

16.証券保管振替機構

17.配当金、株主優待

18.株主の権利、単元未満株

19.株価を動かすもの

20.テクニカル分析

21.ドルコスト法

以上

※株式投資はみなさん御自身の責任で行うものです。 この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切責任を負いかねます。 (2010.02.01)


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