CHILDREN OF BODOM.


2008年7月5日: 新木場コースト>

フェスと単独ライブでそれぞれ1回ずつ見ていることもあってわりとスルーする気満々だった筈が、
その前座に「ALL THAT REMAINS」が決まったと知るやいなやこりゃお得すぎると即心変わりしての
チケ抑えに走った今回のチルボド来日公演、蓋を開けてみればVOのシックダウンによりお目当だった
ATRがキャンセルしちゃうというネガティブサプライズをもろにくらって、開演前からそのテンションを
著しく下げる羽目となったミーですがなにか? いや、しかしこんなことになるんだったら金欠につき
はずした翌日の「RAGE」公演の方を始めっからチョイスしとけば良かったかなー

ちなみにこの「ATR」キャンセルを受け、ライブ前日という極端に短いリードタイムをものともせず
代役としてステージへあがってくれたのはジャパニーズメタルバンドのひとつ「OUTRAGE」。
これが思ってた以上に硬派な音を出すバキバキの正統派スラッシャーで、はいはいまたアンセム的な
クサメロ系なんでしょと思いこんで今まで避けてきたことを本気で後悔するくらいダイナミズムに満ち
満ちたサウンドを披露してくれてましたね。いやいや、まだまだジャパニーズメタラーも捨てたもんじゃ
ないですな。というわけでこのバンドに関しては後でアルバムカタログ、チェキってみようかと思ってたり。


さてチルボド。05年の単独06年のラウパーに今回と、彼らを見るのはこれで三度目ですが、
ほぼ泥酔状態だったと思われるラウパー時よりは丁寧に弾いていたものの相変わらず原曲に対する
再現性レベルは希薄でした。とにかく曲の輪郭がはっきりしなくて、でもアレキシとヤンネ繰り出す
ピロピロ音だけはやたら目立つというね、そのうち高速のブレイクビートでも聴いているような気分
になってくるという。ここまでくるともはやテクノ?むしろこのピロピロコンビ自体が国宝レベルで
保護されてもおかしかない、そんなことを本気で考えてしまった時点でいよいよ駄目だと思いました。
でもってそのピロピロが耳につきすぎてそろそろ限界かと思うか思わないかのギリギリのところで
ハッと目の覚めるようなリフやメロが飛び込んでくるから侮れないんですよね、このバンドは。
なのでライブ鑑賞の姿勢も曲を楽しむというよりそのパーツパーツを楽しむスタイルにならざるを
えなくなるという。だからチルボドのライブに関しちゃ予習は絶対なんですよね、

で、今ライブにおけるそのミー的覚醒ポイントはどこだったかというと、まず"Silent Night,
Bodom Night
"。出だしのバスドラ連打とそれにシンクロした高速メロ、そこからの上昇感覚を伴った
曲展開はまずハズせないヘドバン・タイムだったんじゃないかと。そして今やチルボドのライブにゃ
欠かせない定番中の定番となりつつある"Needled 24/7"に"Hate Me!"、この聴いてるだけでハイを
誘発する絶対的かつ圧倒的な攻撃色は今回もやっぱり最高でした。今後チルボドがどんな酷いことに
なろうとも、この2曲か"Bodom Beach Terror"をライブで演り続けてくれる限り支持していこうと
本気で思ってるくらいこれら楽曲は特にお気に入りかも。(特に"Bodom Beach…"のサビにおける
シャウトとその後のソロ展開はマジ失禁もの。今回プレイなしだったのは痛かったなー)
あと新譜からの"One Day You Will Cry"、イントロが鳴り出すと同時に背後のバックドロップが
新譜を象徴するものに切り替わった演出にゃ相当みなぎりましたね。
だけど新譜からの"Blooddrunk"をサクっとやってサッサと退場という本編ラストのあっさり展開、
正直こちらは「あっけ」な期待はずれエンドは正直いかがなものかと思いました。
まあその代わりといっちゃなんですけど、その後のアンコールではあのマイケルの"Billy Jean"を
メタル風味でさわりだけプレイして笑わせてくれたりとか、ラストの"Downfall"でそれまでの
音像ボケを吹き飛ばすかのような澄んだプレイを聞かせてくれたりだとか(素直に感動)それなりの
フォローもあったんで各所のマイナスを相殺しあった末の70点ライブ、みたいな?


<今日の論争>
あ、そいやライブ終了後、ミクシ内のチルボド・コミュでモッシュ論が巻き起こってました。

 
・何回もダイブ→後ろから割り込みを繰り返してた馬鹿が鬱陶しかった。
  ダイブは仕方ないけど何度も何度も同じ奴に割り込まれるのは気分悪い。

 ・一部のマナー無し共が前列で暴れまわっててクソ迷惑でした。最悪。

 ・僕は明日参戦するんですが、皆さんの話を聞くとやっぱりモッシュが酷かったみたいですね。
  ああいうの本当ウザイんですよね…
  聴きに来てるのか、ただ単に暴れに来てるのか分かんないですよね。

 ・やっぱモッシュはマジ最悪 … 暴れたいんだったら 他行けよっ
  あいつら、音楽聞いてなくて単に暴れたいだけだからな

 ・モッシュじゃなくても後ろ押し過ぎだわ、気持ちは分からんでもないし絶対あることだが、
  今日のヤツラ限度知らなすぎだ。レインボーの悲劇が再び起こるかと思った。

 ・目の前の人がぶっ倒れたので店員さんを呼んだ者です。
  酒に酔って倒れたのか酸欠で倒れたのかはわかりませんが…
  いずれにせよ迷惑この上ないですねー

 ・演奏を聞きたい人のライブじゃなかったな。暴れたいだけなら一人で外でやっててほしい。

 ・ボドムのファンにもこういうノリの人が増えたんですねぇ。
  もう行かないと思う。Are you dead yet?のツアーは良かったのにな。


上記に挙げたのが嫌モッシュ派の代表的意見。
ちなみにミー自身のモッシュに対する考えは肯定でも否定でもない中立派、
ヤバくなったら後ろに下がって、みなぎってきたら前進&参戦の自己調整スタイル。
前にもいかずにフロア中腹付近で暴れてる阿呆は流石にどうかと思いますけど、
ぶっちゃけ前列付近に関しちゃ、エクストリ−ム系のライブじゃいわば風物詩的ポジションな
モッシャーやダイバー達に譲るべきだと思っています。キツいなら下がればいいだけの話だし。


<今日の一枚>

 「HATEBREEDER」/ CHILDREN OF BODOM

北欧の限定区域から一気に世界へ。
その名前を全世界のメタルマニアに知らしめた99年リリースのセカンド。
シンフォニックなデスメタル上にアドオンされたベタベタなメロディの良さと、どこまでも疾走しまくる
ギターとキーボードの絡み合いソロが与えてくれるこの爽快感たるや。
メロデスとメロスピを融合させたようなその音楽性は、メタルの進化を新たなるステージへ導いたと言っても
過言ではないほど。他にこの道を進もうとする輩が見当たらない以上、もうしばらく彼らの独壇場は続くかと。


<今日の無駄T>



#まあ悪くはないんだけど、どこかこうインパクト的な何かが薄いような…
 そういう意味じゃ05年ツアー時のこっちの方がはるかに好きかも。 



<セット・リスト>

01:Sixpounder
02:Hellhounds On My Trail
03:Silent Night, Bodom Night
04:Follow The Reaper
05:Living Dead Beat
06:In Your Face
07:Banned From Heaven
08:Needled 24/7
09:One Day You Will Cry
10:Mask Of Sanity
11:Hate Me!
12:Angels Don't Kill
13:Blooddrunk

14:Hate Crew Deathroll
15:Downfall


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