CHILDREN OF BODOM.


<2005年10月11日: 渋谷AX>

フィンランドはヘルシンキ市の郊外にひっそりとたたずむボドム湖。

40年程前、この湖畔でキャンプをしていた若い男女4人が何者かに襲われて、内3人
が刺殺、1人が重症を負うという事件があったそうです。
このボドム湖殺人事件は発生当初から話題だったそうで、指紋ないわ、手がかりないわ、
捜査難航するわ、謎が謎を呼ぶわ、迷宮入りするわ、話題になるわ、ニュースになるわ、
本になるわ、被害者を哀悼する曲まで作られちゃうわ、あげく容疑かけられた人物自殺
しちゃうわ、はたまた40年ぶりの容疑者が当時唯一生き残った男だったりしちゃうわで
未だにその話題の種は尽きない模様。

それに目をつけ、バンド名にしちゃったのが、フィンランドが誇るメロディック・デスメタルバンド、
チルドレン・オブ・ボドム。

重厚なリフに疾風のソロ、そして毒々しいデス声、それらメロデスのお約束ごとの上に
パワフルかつスピード感溢れる抜群のメロを加えた厚みのある音が定評を得て、今じゃ
アークエネミー、イン・フレイムス、ソイルワーク等と並んで北欧メロデスシーンを牽引する
中心的役割を担うまでに成長したと聞き及びます。

そんな彼等がこの度、祖国フィンランドで堂々1位になった新作「Are You Dead Yet?」を
引っさげて、ほぼ2年ぶりの来日を果たすということで、アークエネミーにハマって以来、
すっかりメロデスジャンキーと化しちゃってたこの身としては当然行かねばなるまいとばかり
仕事を軽々とブン投げて、渋谷はあのおなじみのAXまで意気揚々と向かったわけです。

が、客構成層のほとんどがティーンズでしかもあからさまにリアル工房っぽいのがゴロゴロ
いるというその事実を認識してしまった途端、僕はさっそく情緒不安定になってしまいました。
更には僕の同属と見られるアキバ系キモオタデブの何人かが、脂肪で無駄に膨れ上がったその
肉体から発される壊滅的発汗パワーでもって、ただでさえ童貞臭でむせかえるようなフロアの
空気をますます絶望的なものにしてくれているという事実に気づいてしまった時点で、撤退を
検討せざるをえなくなりました。

が、何故か僕はその頃、工房デブとリアオタデブとの肉壁にはさまれて普通に動けなくなる
という不幸を無理やり背中に背負わされてる真っ只中でありまして、もはやエスケープすら
不可能状態になったこの身の不幸を嘆きながら、これはもう駄目かもわからんねと本気で生命
の危機を感じ始めたそのとき、発情期の牝トドの悶え声と聞き間違わんばかりの絶叫とともに
チルボド名物アレキシの唾爆弾が天井に向かって高々と打ち出されたのを見て、僕はようやく
ライブが無事に始まったくれたことを知るのでありました。

(ROCKCITYより)

が、ライブが始まったことにより、多少は空きスペースが出来るかと思われたその肉壁は
その勢力を弱めるどころか、後方の更なるデブ軍団が一斉に前方に雪崩れこんだことにより
ますます増幅し、いっそう堅固さを増していくばかり。なあ、自分のこと棚にあげてこういう
こと言うの申し訳ないけど、チルボドファン、いくら何でもデブが多すぎないか、おい。
結局、彼らがその体内にもてる膨大な脂肪を超蠕動させたことに伴う、より一層の発汗作用に
より、僕がその肉壁からにゅるりと押し出されるまでに約10分間を要し、僕はその間、悶絶
とか阿鼻叫喚とか生き地獄とかそういった形容詞では到底表現しきれないほどの責め苦を思う
存分満喫することになったのでありました。

で、やっとの思いでその肉壁から離れられたと思いきや、今度はそこからやたらめったら
飛び散りまくる汗により、塩味の効いた顔面シャワーを半強制的にレッツエンジョイさせら
れるときたもんだ、更にゃ後ろからドーンって弾き飛ばされるたびに、汗で濡れそぼったその
肉ひだにビッタンビッタン激突させられるという世にも稀にみるレアプレイに従事させられる
始末。これぞ名づけてメロデス肉ひだ慕情責めー、ウボー(デス声で)

明日から本気でダイエットしようと思った。

え?ライブの方? あ、そうだ、これいちおうライブ・レポという位置付けだった。
えーと、たぶん一番盛り上がったのは"Needled 24/7"だと思います、それまでさんざ周囲の
キモオタデブに痛めつけられていた筈の僕もその時ばかりはデブローション何するものぞ!とばかり
頭振りまくりました。
後は"Hate Me"とか"Bodom Beach Terror"とか、ボーカルのサビ部分よりその後のリフで
盛り上げるような彼等独特の音つくりがぴったしハマってるような曲は、やっぱ聴いてて気持ち
良かったです。うん、元々のメロが良いのももちろんあるんだろうけど、そういう理屈的な部分
より、もっとこう、感覚的に気持ちいいというか、音圧に押しつぶされるというより音速に押し
流されてるような感じとでもいうか、その辺りメロデス的な重々しさというより、むしろメロスピ
めいた爽快感を感じました。もっと重いバンドかと思ってたけどわりとフットワーク軽いのね的な。
あ、ひょっとしてチルボドって、メロデスに見せかけたメロスピ?

(ROCKCITYより)

そいやヤンネがキーボードソロ弾きはじめた途端、周囲のデブどもがいきなりパペットマン
もどうかという奇異な踊りを猛然と舞いはじめたりしてたしな。ま、まさかこいつら全員、
「疾走なくば音に非ず」を絶対論として掲げる脅威のスピード原理主義集団、メロスパー?
と疑いの目を向けていたところへ、その中の1人が完全にイっちゃった目ェしつつ、両手を
天に突き上げながらこう叫びやがりました。

もっとー! もっと速くー!

キ、キモスパー! ま、間違いない、メロスパー最終進化形のキモスパーだ!
ただでさえ普通にキモかったところへ、メロスピに傾倒するあまり、その言動や動作がますます
キモくなってしまったという、あの伝説のキモスパーの皆さん達だー、キモッキモッ。
「もう疲れたか!?」みたいな煽りに対して「イエー!」と返すそのアホっぷり、
「眠いか、お前ら?」ってアジりに対してまたもや「イエー!」って返すこのバカっぷりも含めて
明らかに脳が半分以上欠損してると思いましたキモッキモッ。

あとアレキシーはいくら何でも唾を飛ばしすぎだと思いました。永源かお前は。


<今日の一枚>

 Hate Crew Deathroll / Children Of Bodom

より洗練されはしたものの、そのぶん曲調が若干エモっぽくなってしまった最新作より、
個人的にはこの前作の方がはるかに好みです。疾走するギターソロに疾風のキーボード、
それに怒濤のバスドラが折り重なって生まれる抜群のグルーヴが、全体にイケイケ感を
与えていてすごくノリやすい上に、メロが極めてキャッチーなのでとにかく聴きやすいと。
えーメロデス?的な色眼鏡で見る前に、普通に正当派HRとして聴いてみてほしい逸品です。


<今日の無駄T>



#究極的にクソダサと思われる絶品。見た瞬間「これだ!」と思いました。
 このファンタジーっぽいキモさがたまんない。



<セット・リスト>

01:Living Dead Beat
02:Sixpounder
03:Hate Me!
04:Silent Night, Bodom Night
05:In Your Face
06:Angels Don't Kill
07:〜 Drum solo 〜
08:Bodom After Midnight 〜 Bodom Beach Terror 〜 Bodom After Midnight
09:Follow The Reaper
10:Needled 24/7
11:Alexi v.s. Janne 〜Key & Alexi's G Solo 〜
12:We're Not Gonna Fall
13:Hate Crew Deathroll
14:Are You Dead Yet?

15:〜Roope's G Solo〜 Chokehold
16:Everytime I Die
17:Downfall


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