MARTY FRIEDMAN.


2008年7月18日: 恵比寿リキッドルーム>

新譜が出たとはいえセルフカヴァーだったし、去年の公演にも行ってることだし、今回は
スルーしとくかなと思っていたマーティの単独公演、「タダ券あるけどいかね?」と誘われた
途端、やる気満々で恵比寿はリキッドへと小走っていく自分をそこに見た次第でありまして。
今回はそんなミーと同系統のタナボタ招待客がかなり多かったらしく、一般より関係者受付の
方が混んでいるという有様でした。でもってフロアはわりと余裕アリで7分の入りだったから、
集客的にはかなり厳しかったんじゃないかなと。

でもってライブの方は一見豪華だけどよくよく聴くとわりかし意味不明テイスト漂っていた
和太鼓との競演プレイからスタート。ちょっと「おやおや?」気味な開幕に一抹の不安を覚えて
しまったミーですがそこは百戦錬磨プレイヤーのマーティ。続く"Street Demon"や"Elixir"
でもってその持ち味たる軽快なトーンと極上のメロを披露。なにしろフットワーク軽めな上、
とにかく音の「連鎖感」が抜群、だけどちゃんとメタメタしさも出てるってんだから、やっぱし
この人の才能は並じゃないなって。その後に"Devil Take Tomorrow"から"TibetAngel"と
続いたメロウかつドラマティズム溢れる「泣き」パートへの繋ぎ展開にも痺れまくりました。
あ、曲のつなぎ目にさりげなくSladeの"My Oh My"をインサートさせてたお遊び演出も彼らの
「The Amazing Kamikaze Syndrome」というアルバムが大好きなミーにとっちゃ相当嬉しい
ヒトコマでしたね。またそんな彼の魅力を裏からふんだんに盛り立て、より引き立てた強面の
刺青ドラマーことジェレミー・コルソンの力強さとしなやかさの同居したストロークも去年の
前公演同様素晴らしかったです。

そんなインスト・オンリーの流れにそろそろ変化が欲しくなってきたところで、それまで後方で
タイトなリズムを刻んでいたジェレミーが今度はヴォーカルをとっての歌入り構成へと展開した
中盤以降もその拙さきわまる歌唱力を補って余りあるパンク風味の勢いが「グッド」とまでは
いかないけれどそれまで以上に体ごとノッていける点や、今までの半裸モードから帽子にシャツに
グラサンとわざわざシンガー風にコーディネイトしてきた苦笑ものの努力も含めて、なかなかに
面白かった時間帯だったんじゃないかなと。

そしていよいよ今ライブにおける最大のハイライト、この世の中のありとあらゆる曲の中で
最も素晴らしいとミーが断言してはばからないあの"Tornado Of Souls"のソロ・パートが…
その当時のオリジナル・ギタリストたるマーティの手によって今、遂に解き放たれんと…!
周囲もその辺きっちり分かってる連中揃いだったみたいで、その近辺にゃ緊張感と期待感の
入り混じった空気がたちこめてましたね。そして曲進行はいざ至高のソロパートへ。
ユニゾるツインパートから「哀愁」「流麗」という二つの極を併せ持った開放の旋律美を経て
いよいよソロ後半、情感ダダもれまくりな狂乱の疾走パートへと… そう、この高まり、そして
この昂ぶりこそが…!そのままミーをもっと高みへと導いて… 〜〜〜〜っとここでマーティ、
ギターをブン投げて鬼の形相だー、なんだ一体どうしたんだー!?弦か?それともストラップが
切れたのか?どっちにしろ台無し、もう台無しです!何もかもがブチ壊しだー!

えっと「終わり良ければ全て良し」って言葉がありますけど非常に残念ながらこの日のライブは
完全にそれの逆となってしまったかなと。それまでがいくら良くともやっぱし「ここ」っていう
場面を外しちゃうとキツいかなーって。
以降はもう超展開もいいところ。「北出菜奈」とかいう椎名林檎を病的にオタっぽくしたような
女の子が出てきてその超音波ヴォイスを脈絡なく披露したかと思えば、僕昔はイケてました系の
貫禄たっぷりな兄ちゃんが出てきてマーティと一緒にバリバリのヴィジュアル系をやりだすわと、
ぶっちゃけついていけなさすぎて目を点にしつつ頭を抱えまくる羽目に。大体そのユニット名が
「LOVEFIXER」ってアンタそのネーミングセンスはいくらなんでも… 嗚呼マーティよ何処へいく…


<今日の一枚>

 「Music For Speeding」/ Marty Friedman

03年リリースの5枚目。
オリエンタル・テイストをふんだんに含んだメロディックなソロの数々に、
ハード・メロウ路線双方のバランスが上手にとれたバラエティ豊かな楽曲の数々は流石の一言。
元メガデスのギタリストとしてでなく、マーティ・フリードマン個人としての存在力を見事に
みせつけた快作。その素晴らしさの一端ならびに涙腺決壊注意報として"Lust For Life"の
情感ソロを挙げておきます。


<今日の無駄T>



#ただでさえ着ることを躊躇しがちなメタルT枠の中でも特に着れない度の高い御尊顔プリント系。
 これを着こなせるようになってこそ真のメタラーかと。
 そしてミーは真のメタラーになれなくともまったく構わないと思ってます。



<セット・リスト>

01:Barbie 〜 かごめかごめ
02:Anvils
03:Street Demon
04:Gimme a Dose
05:Static Rain
06:Elixir
07:Asche Zu Asche 〜 My Oh My
08:Ripped
09:Devil Take Tomorrow
10:Tibet 〜 Angel
11:Simple Mystery(with J.Colson)
12:Where My Fortune Lies(with J.Colson)
13:The Killing Road(with J.Colson)
14:Burn The Ground(with J.Colson)
15:Tornado Of Souls(with J.Colson)
16:Stigmata Addiction
17:Cheer Girl Rampage
18:Paradise Express 〜 Dragon Mistress

19:Love Your Money(with 北出奈菜)
20:Alice(with 北出奈菜)
21:Thunder March

22:Ctystal Rain(with 鈴木慎一郎)
23:夜光(with 鈴木慎一郎)
24:Shine(with 鈴木慎一郎)


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