[MySelf]


11月30日

<ありえない>

えと、なんだろ。つまりだ。
実は俺は本当に馬鹿かも知れないと、もう後戻り出来ない時点になって、ようやく気付いたわけだ。
でも、その壮大かつ雄大なシルエットを見た途端に忘れてしまったのだ、かつてのあの恐怖を。
怖さのあまり「死ぬー!」を突き抜けて「死にたい…!」レベルにまで至ってしまったあの戦慄を。

てなわけで2年前の「ええじゃないか」に続き、「富士急ハイランド」4大コースターの一つでもある
「FUJIYAMA」にチャレンジしてきました〜、の巻。

それでは早速、そのスペックを下記に羅列してみる。

 ・最高速度 - 130km/h
 ・最高部高度 - 79m
 ・最大落差 - 70m
 ・最大傾斜角 - 65度
 ・最大加速度 - 3.5G
 ・コース全長 - 2045m
 ・所要時間 - 3分36秒
 ・総工費 - 30億円
 ・キャッチ - 「天国に一番近いコースター」

うん、データ的には「所有時間」を除けば、ほとんどが「ええじゃないか」の性能を下回る。
だから安心していた、というわけじゃないのだが、とにかくコース全景を俯瞰で眺めた途端、
頭の中が「カッケー!」で一杯になり、その後「わーい!」一色で埋め尽くされてしまったのだ。
まったく齢40越えているのにこの馬鹿さ加減、今回ばかりは流石に自分でも呆れた。
「ニワトリは3歩歩くと忘れる」とはよく言ったものだが、前回の恐怖体験が2年前だったことを
考えれば鳥さんよりはマシだったんじゃないかと、今はかなり見当違いなところで自分を慰めている。



実際には、いざそれが走り始めた後も、まだ全然余裕だった。
「ファーストドロップ」と言われる最高速区間を越えた辺りで、はて?この足元がモニョる感覚は
どこかで…?ぐらいにフラッシュバックがきたが、それでもまだフィアー指数的には「死ぬー!」
レベルにまったく至っていなかったので、あ、これ全然イケるわ…!ぐらいに思っていた。
だが「ブーメランターン」と呼ばれる180度ターン&捻り落下コースに差し掛かった途端、
いきなり思い出した。「あ、死ぬわ」の感覚。それはあっと言う間に「あ、死にたいわ」へと達した。
アップダウンよりもレフトライトに揺さぶられる際のGの方が格段にヤバい、それを如実に感じた。
「ええじゃないか」より性能が下だから怖くない?5分前の自分を張り倒してやりたいと本気で思った。
しかもこの責めがやたら長いのだ、もう全然終わらない。「もうやめて!お願いやめて!」と素で
叫んだのは例の地震最中以来のことだ。

結論からいうと完全に怖かった。
富士急ハイランドのコースターはどれもガチだと骨身に染みるレベルで分からされた。

…が。…確かに怖かった、が。
全てが終わった後、冷静によくよく考えたてみたら、やっぱり「ええじゃないか」程ではなかった
んじゃないかと。



2年前程のあの醜態を晒すまでには至ってないんじゃないかと、終了後の感触的には思っていたわけだが。




サーセン前回以上に仕上がってました。



こんなにも絵ヅラから「執着」が滲み出てる写真、そうはないと思う、勿論そのベクトルは「生」。
当たり前だ、死にたかねーよ!死にたくないよわーん!
大の大人をここまで素直にさせちゃう富士急コースターの威力は本当に凄いと、今度こそ心底思わされた。

グリードさんはかつて言った。「ありえない、なんてことはありえない」。
今までこのセリフには賛同するところが確かにあった。が、それはこれまでの話。
今度こそ思う、もう「絶対」。もう絶対に富士急ハイランドのコースターには乗らない。

なあ知っていたか。大人が泣くのは、なにも家族の葬式の時だけとは限らないんだぜ。


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