[MySelf]


月2日

<排便讃歌 〜ST・SHIT〜>

織田信長になぞらえて人生60年とするならば、既にその半分以上を消費してしまったこの身なれど、
まだまだ若輩者であることは否めず、これまでの経験をふと顧みても「えっ?その年にしてまだなの?」
と驚かれるようなレベルで世の中未経験なことだらけ。
例えば「一人で回らない寿司」、例えば「一人で居酒屋」、例えば「UNO」(一月前に初体験!)、
例えば「お見合い」、例えば「処女制覇」、例えば「彼女を捨てる」、などなど、ほら、ちょっと
考えただけでもこんなにたくさん。今後とも好奇心旺盛にゆっくりとではあるけれど、一つ一つ確実に
経験を積み重ねていって、人格的に深みある人間になれればなァ、なんて思っている今日この頃。

ところで話は突然変わるんだけど、君は出した後、流してからズボンをはく派?
それともはいてから流す派? うん、僕はもちろん後者。思う存分ひねりだした後、ズボン履きつつ
自ら生成した有機化合物の出来具合を丹念に観察して、「む、今日もいい艶と色具合である、粘り
及びその硬度もなかなかに上質な模様であるな結構結構、む!あの端っこに見える紐型のデコレーション、
よもや動いてはいまいな!…と、どうやら昨日の晩に食した冷麦の破片のようである、よきかなよきかな、
我が輩の健康状態は本日も至極良好なようで、快なり!排便は実に快なり!」とまあこんな具合に
日頃の健康チェック、腸の蠕動運動への感謝、快便の妙に対する喜びの表現を欠かさないようにしている
というわけ。だから、排便後の時間を排便時と同じくらい大切にしている僕としては、出したら即流しと
いう極めてドライな、例えるならあっさり女捨てる、みたいな、お前ウザいよ早く出てけよ、みたいな、
情感とか情緒とかいった大事な何かがまるで見えてこない「流してから(ズボンを)はく」スタイルは、
人としてちょっとどうかなって、暖かみってもんに欠けてるんじゃないかなって、まあ、そう思っている
次第でね。当然のごとく本日も念入りに排した後、その儀式を行うべく、ズボンはきつつ「それ」を優雅
に鑑賞していたというわけですよ。

と、そこでね、その洋式便器の右側に何かコインみたいなものが落っこちてるのに気づいてね、
何気なしにそれを拾おうとしたわけね、こう、無造作にヒョイって。そのとき、つい魔がさしたっていうか、
うっかりしてたというか、たまたま首に掛けてたストラップ先のシリコンプレーヤーの存在をあろうことか
失念しちゃっててね。うん、身をかがめた途端、ものの見事にポチャ…ですわ。いや、むしろポトっ? 
昨晩我が体内で丹念に熟成させて、たった今しぼりだしたばかりの、この黄土色の大地の上に僕のプレーヤー
がポトって、思わず「そのもの茶色き衣をまといて黄金の野に降り立つ〜」みたいなナレーションいれたく
なっちゃうくらい、それは厳かに、そして着実に御着陸あそばされたというわけで、それ見た僕も声にならない
咆哮あげながら顔をすっかりウォーズマン化させる羽目に。
…だけど、まあしょうがないか、やっちゃったものは。…と、普通ならここで切り替えるよね、あーあって。
仕方ないなーって。汚れちゃったけど洗えばいいやーって。

だけど僕、咄嗟のことに少しうろたえちゃって、何を思ったか慌てて身を引いちゃったのね、こうババッって。
ところがどっこい今日はストラップという名の絆が僕とソレとの間を固く取り持ってくれていたのを忘れてた
もんだからさあ大変。ヤツが、ヤツが来るんだ、飛びのいたその軌道を確実になぞって、僕の後を猛然と追い
すがってくるんだ、私から逃げないでー、捨てないでーって。うわーやめてくれーとか思う間もなく鼻っ面辺りに
もろピシャーン。心の底から愛しくて大好きで仕方なかった僕のあの宝物が、たった一瞬にしてまさかここまで
憎くなろうとは。その後もまとわりつくまとわりつく、首の周りにブラーンブラーンって。わたし捨てないでー

今日のTシャツの色、黒で本当に良かったなぁ… そんなことを考えつつ、ふと僕は思った。
あ、ひょっとして「彼女を捨てる(振る)時」ってこういう気持ち?


<うんこから導き出される貴方の彼の恋愛傾向分析>

・「流してから(ズボンを)はく人」
 → 恋愛相関スタイル。相手にあわせるより俺にあわせろ派。もしくは調整派。犬より猫。
   グイグイと引っ張っていくタイプで頼りがいもあるけど、いざというときはポイ捨て。
   便秘系高圧縮タイプのうさぎ型うんこを排出します。

・「(ズボンを)はいてから流す人」
 → 恋愛依存スタイル。相手を自分色に染めるより僕の方から合わせます派。猫より犬。
   何でも言うこと聞いてくれて便利だけど、時に粘着魔と化しストーカーへとジョブ
   チェンジを遂げることも。下痢便系高湿タイプのペンギン型うんこを排出します。


月9日

<ぼくのなつやすみ: ロック・イン・ジャパン:2005>

RIJF最終日に参戦するべく、先週末日曜は、茨城はひたちなかという、先住民の正気を
疑いたくなるような大陸レベルで何もない虚無空間まで、電車で3時間程かけて行ってまいり
ました。で、肝心のフェス内容ですが、これ、すっごく良かったです。

寝坊のせいでサンボ見逃したのは痛恨でしたが、相変わらずやりたい放題な銀杏とか、
いつになくロック調全開だった民生とか、眼鏡なしのステージでも女子共を狂喜乱舞
させてたアジカンとか、YMO時代の曲を2つもやってくれた教授とか、あまり期待
していなかったにもかかわらず終わってみれば頭一つ抜けて圧倒的だったサザンとか、
本当、心の底から行ってよかったなーと思える野外ライブでした。

ま、いいことばかりというわけでもなく、教授のライブ中、結構な前の方に陣取っていたにも
かかわらずひたすら携帯でくっちゃべってた論外アホ女とか、サザン出待ちババアの存外なマナーの
悪さとか、アジカンのライブ中、その野犬みたいなツラ歪ませてずっと「(眼鏡)つけてー!」
「(眼鏡)はずさないでー!」って叫び続けてた眼鏡フェチ女の人外っぷりとかね、もうなんていうか、
そういう訴えかけはセックスの時だけにしてくれよと、心底辟易したりもしましたが、そんな一部の
出来事を除けばすごく楽しめた一日でした。

で、その楽しい思いでの中でも特に印象深かったのが、受け付けゲートのお姉さん
だってアレですよ、入場パス代わりのリストバンドの付け方が分からず、入り口付近で
オロオロしてた僕に向かってすっごく爽やかな笑顔で「付けてあげましょうか?」ですよ。
その細い腕で僕の手首をそっと掴んで優しく付けてくれるわけですよ、た、たまんねーなオイ、
どうせなら下半身の方も付けてー! とかやらないよ今日は。妄想?しないよ、微塵も。
茨城の果てくんだりまで来といて普段通りの汚れオタとかやってられるかっての。
故に今日は都会の喧噪を忘れますよ、この大自然の中で大好きな酒とロックに身も心も
委ねちゃいますよ、都会の排気とスモッグですっかり薄汚れちまってた僕の心もこれで綺麗に
浄化ですよ、これがフェスの心意気って奴ですよ、これが渋谷陽一マインドって奴ですよ、
だから入場ゲートくぐっただけで感涙ですよ、チワワばりの優しい目つきにもなりますよ、
見知らぬ人とハイタッチとかしちゃいますよ、トイレ順番待ちの列で全然知らない奴の肩に
手ェかけて「どう?楽しんでる?」とかやっちゃいますよキモッキモッ!あれ?何の話
してたっけ?

そうだ、受け付けのお姉さんの親切な態度に至極感激したというお話しだった。
「付けてあげましょうか?」ウヒョー、「付けてあげましょうか?」つ付けて付けて!
あの笑顔画像とセット付きで音源手に入るなら正直6桁までは出す気満々の気分ですよ。



しかもこのリストバンド、一度付けたらハサミでチョン切るとかしない限り、はずすこと
の出来なさそうな代物なわけですよ、強固極まるわけですよ、そんな手錠ばりの拘束器具
を素人のお姉さんがタダで付けてくれるってな寸法なわけですよ。そこまでね、そこまで
されてあなた方ね、僕はこう叫ばずにいられないわけですよ、RIJ万歳!
世間は僕のような奴をオタと呼ぶんだぜ〜♪ あっ!そういえばこのシチュエーション、
これって男女逆とはいえ、ハチクロ2巻で真山が理花さんの手首に強引にリングつけちゃう
ところと、そっくりじゃありません?

「…お、お姉さん?」
(お姉さん、そっと締める)
「う、うまい…」
「でも、ゆるいです…」
(お姉さん、顔を真っ赤にして更に強く締め付ける)
「……… お姉さん、駄目です」
「これじゃ はずせない…」
当然よ
「はずれなくしたのだから」


うわーもう駄目だー!こんな風に締めてほしいー!キュキュキュって締めつけてほしいー!
もはや温泉ストリップ小屋の花遊びレベルで最強だー!


じゃ、じゃあ、お次は別シチュエーションで! 今度は僕が攻めで、彼女が受け。

「……… さ、サカイ君、駄目だわ」
「これじゃ 抜けない…」

当然です
「抜けなくしたんですから」
「いろいろ覚えて」
「オレ…いつかまたここに戻ります」
「待ってなくても」
「きっと戻りますから…」

そんなウイットなギャグ飛ばしつつ筋肉弛緩注射を待つ病院のベッドの上、なんてのもね、
彼女が膣痙攣起こした時なんかにゃ割と有効なんじゃないかなイヤッハハハ!
てなこと妄想しながらウフフフ笑いつつ、ふとステージ上見たら、そこでは銀杏の峯田が
4万人の大観衆を前に惜し気もなくチンポさらけ出して仁王立ち、その生まれたまんまの
姿を僕の目に思う存分焼きつけた挙句、ドラムセットに全裸のまま思いきし突っ込んでいって
スタッフに強制排除くらってました、最高だ。



夏が。夏が終わる、刻々と。

峯田のチンポだけで僕の夏が終わってしまう。


月12日

<ぼくのなつやすみ: ぺとぺとさん>

業務遂行上どうしても必要になったソフトを買いに今日の昼頃アキバへサクっと
赴いたら、肝心の業務用ソフトを買えないどころか、ハっと気づけばまったく関係の
ない花右京メイド隊DVDセットを至極あっさり購入してしまうこととなり、
帰りの電車の中で軽く小首をかしげる羽目になったサカイです。何故にこのような
悲劇が生まれてしまったのか僕には皆目検討もつきません、なんて恐ろしい街なんだ
アキバ。それにしても暑い、そんな今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

ところで木曜深夜にTVKにて「ぺとぺとさん」ってアニメ番組が放映されてるのを、
ご存知ですか? 今、僕の中じゃ、これが最高にホットなのです。
お話の内容を簡潔に述べるなら、人間と「特定種族」とが共存を営む、とある田舎町の
中学校にて繰り広げられるドタバタ・ハートフル・コメディで、ま、ファンタジー系の中
じゃ割とありがちなお話っちゃそうなのですけど、各所に散りばめられてる設定がとても
熱いのです。

まず物語のキーとなる「特定種族」を指すのが、お前等クズどもが大好きなおなじみ
ハーフエルフとか猫耳娘とかじゃなくて、なんと妖怪。だけど水木ワールドちっくな、
いかにもってな感じのヤツじゃなくて、外見的には全然普通な中学生の女の子。
ここ、ここですよ!妖怪のくせに普通に萌えキャラ、まず、ここがいい。
加えて町に住む一般市民達の、妖怪に対するどことなく冷たい扱い、ここもいい!
とどめに舞台となる田舎町があからさまに部落っぽい。はいキタこれ、エクセレント!

つまりこのアニメをキーワードで表すとするならば、「部落」・「差別」・「妖怪」ですよ。
日本の暗部「部落」の中で更に「差別」を受ける「妖怪」達が、それでも希望を失わず
懸命に明日を生きる… ヒョー!こんな萌える設定、DQ8の馬姫以来ですよ!
ついでに、「部落」の部分をちょっと「オタク」に置き換えてみてください。
ホモサピエンスの面汚しである「オタク」の中で更に「差別」を受ける「妖怪」達が、
それでも希望を失わず、懸命に明日を生きる… こりゃすなわちオタでありながら何も
産まず何も作らずの最下層消費者階級なところへもってきて、そのうえ容姿が妖怪クラスな
僕のことそのものを指してますよ、これで感情移入しないわけがない!ぺとぺとさーん!

作中に登場する女子中学生妖怪達のキャラ付けもこれまたよくて、びっくりした時ふれて
いた者に「ぺとっ」とくっついちゃう能力を有する自称エロエロ妖怪こと「ぺと子」の天然
ボケっぷりを筆頭に、河童の末裔でありながら妙に美人でしかもツンデレ属性な「くぐる」、
いつもボーっとしてるほんわかキャラのぬり壁「ぬりちゃん」、などなど、実にバラエティ色豊か。
そんな元気一杯の脳天気娘達が牧歌的風情溢れる雰囲気の中、いわれのない差別とか受けちゃう
わけですよ、これで萌えずしてどこで萌えるってか、ウヒョー!

そんな個性溢れるキャラ達の中でも特に最高なのが「垢舐め」の子孫、れろれろさんこと
赤沢清美さんの、自分の意思とは無関係に汚れているものを見ただけで舐め浄めたくなる
というその特性。その破廉恥っぷりたるやタコ焼きのソースが付いて汚れてる前歯見ただけで、
もじもじ震えだしちゃうくらい。だけども彼女は内面的には全然普通の女子中学生で、しかも
人一倍羞恥心が強い優等生、そのうえ眼鏡っ子に学級委員と三拍子揃ったパーペキな潔癖タイプ
なので、その本能的欲求に対しても必死に抗おうとするわけですよ。ああ、少女としての羞恥と、
レロレロさんとしてのリビドー、その狭間で苦悩かつ苦悶し、狂おしいまでに身をよじる可憐な
美少女! が、自らの内面から噴出する欲望の業火に対し、若干14歳の女の子が抗えきれる
わけもなく、遂にはその圧倒的な火力の前に膝を屈してしまうことになるわけなのだ!
瞳をウルウルさせながらディープキスとか、「んくっんくっ」って淫らな音たてながら前歯の
汚れを全部綺麗にナメとったりとか、顔真っ赤の半泣き状態になりつつ「これで、き、キレイに…
な、なり…うくっ…!」ってか細い声で呟いた末、自分がしでかしたことに対するあまりの恥辱
に耐えかねてその場から全力疾走で逃げ出しちゃったりするその様とかマジで最高。これに萌えず
してどこで萌えるつもりですかお前ら?

こんな妖怪、僕も欲しい!ついでにシコシコさんとゴクゴクさんもセットでほしい!
そんでもってチンチン洗うのもう止める!こんなに包茎で良かったと思ったことはない!
今年の夏は美少女妖怪3人組とともにレロレロ、シコシコ、ゴクゴクーで超ハッピー♪



夏が。夏が終わっていく、刻々と。

峯田のチンポと妖怪オナニーだけで僕の夏が終わっていく。


月17日

<ぼくのなつやすみ: サマソニ>

土日と連チャンでサマーソニックに参戦。
全身これ筋肉痛の体をひきずりながら、やっとの思いで愛しの我が家に辿り着いた、
そんな僕を暖かく迎えてくれたのは、




コミケ検討会という名の、この世の地獄でした。



夏が。 夏が終わっていく、刻々と。

峯田のチンポと妖怪オナニーとルナマリア陵辱だけで、僕の夏が終わっていく。


月23日

<ぼくのなつやすみ: ハガキン>

軋んだ想いを吐き出したいのは 存在の証明が他にないから
掴んだはずの僕の未来は 「尊厳」と「自由」で矛盾してるよ


先週一杯、夏休みと称した惰眠をひたすら貪り、普段のゴミっぷりにますます拍車をかけて
いたサカイです、どうもご無沙汰。このクソ暑い中、テキパキ働いてたかこの愚民どもめら。

それにしても今年の夏休みの過ごし方は本当に酷かった、一日実家に帰った以外はひたすら
テレビとモニターの前に貼りついて、日がな一日、ひねもすのたり、アニメ鑑賞とネット閲覧
三昧でその日を終えるという地獄のような生活を送ってましたよ。
そして水に溶けていく砂糖のごとく、怠惰という名のドブに次から次へと捨てられていく時間
は僕に夢のような幸福を与えてくれた… 撲殺天使ドクロちゃん小説全巻読破、マリみて小説
全巻再読、ゴルゴ13全巻再読、鋼の錬金術師全DVD視聴24時間内達成!

が、この幸せはいつまでも続きませんでした…、たったの5日で「暇」というこの巨悪を
持て余すようになってしまった僕は、そのぽっかり空いた時間のあまりの虚無さに耐えかねて、
遂には高慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲に続く8つ目の大罪とされる、あの過去ログ
閲覧の罪を犯すまでにいたってしまい、自らが今まで記してきた過去の汚物をまざまざと省みる
ことになってしまったその結果として、苦悶のち床に昏倒し その上を七転八倒しながら悶え苦しむ
はめに陥りました。こんな僕の夏の記憶を、消してー!リライトしてー!

そんな夏休みの最終日、前日の飲み会で受けた近年稀に見るこっ酷い二日酔いダメージにより、
ソファーの上でおなじみの鋼金眺めながら(今頃大ハマり)、ぐったりしていたときのこと、
床下にだらりと垂らしていた手の指先に、こう、サワっとした感触をね、感じてしまったと
いうわけなんですよ。でも、はじめはね。毎度おなじみカナブン君かなって、もしくはカメ虫
ちゃんがまた迷い込んできたのかなってね、そう軽く思ったもんでね、何気なくヒョイって、
まったくの無心のまま、ソレを摘みあげてしまったというわけでね。

まさか、まさかね。まさか自分の部屋の中で双恋ライブ会場の熱気を完全再現することになろう
とは夢にも思いませんでした。本当、素で、ホアァァ!って、ステ−ジ上のほっちゃん目掛けて
ほとばしる何百人もの腐れキモオタの絶叫を、たった一点に凝縮させたかのごとき雄叫びをあげ
ちゃいましたよ。

あっ、今、たかがゴキブリごときで?とか思ったでしょ? うん、僕もそう思うわ、
だってこう見えても僕は奴らと長年に渡る抗争を繰り広げてきた戦士のつもりだったもの。
これまでの奴らとの遭遇においてこんなに動揺したこと今まで一度もなかったもの。
むしろ冷静に対処、しかるのち確実なる抹殺を遂行してきた男だった筈だもの、
それ関係の事柄に関してなら君達が今まで見たこともないような、とてつもない光景を
この両目にさんざ焼きつけてきたんだもの… 風呂場の排水溝近くでライター付ゴキジェット
噴射を浴びて壮絶に燃え踊る黒点、寝室の天井にて互いの尻を重ねて交尾、のち分離して部屋中
を滑空する茶色のオーロラ… そんな思い出もやがて消えるんだ、時がくれば、涙のように、
雨のように、そのときが… きたよ本当に!そんな過去の壮絶な記憶の全てが何もかもゴミと
化すくらいのインパクトをこの身に受ける瞬間が、遂に来てしまったというわけなんだよ。

そりゃこれまでゴキを叩き潰したことはあったさ、宙を舞うそれを裏拳で猛然とはたき
落としたこともあったさ、でも考えてもみてごらんよ、生命溢れんばかりにビンビン状態な
ソレをいくら意図していなかった事故とはいえ、まったくの素手で掴んでしまうことなど
今後の人生において何回経験すると思う?分かりやすく言うならば例えばゴキブリが犬や猫
ばりに可愛いと仮定したとして、お前らそれを素手で掴むことが果して可能だと思う?
あの速さだぜ?通常の三倍どころじゃないぜ?009の加速装置もあわやという俊敏性と
メロリンQ時代の山本太郎もどうかという摩擦係数ゼロの体を合わせ持つ最強の虫だぜ?
そんなムシキングな彼等を素手でつかめる奴がいたとしたら、そいつは間違いなく武蔵級の
剣豪だ、きっと空を飛んでいるハエを割り箸で捕らえることができるほどの達人だ!
そして僕は達人ではない。分かるかこの意味が!たまたま無心であったが故、成すことを
許されたその禁忌の代償が!この感触が!この悪寒が!この恐怖が!この絶望がー!

今まで僕は勘違いしていた… 何故奴らが今まであれほどまで人々に恐怖の象徴として
語り継がれてきたか?その理由をだ。姿形じゃない、速いからじゃない、ましてや飛ぶから
でもない、生命だ!生命に溢れているからだ!奴らほど生命に溢れている存在はこの地球上の
何処にも存在しないからだ!あのプニっとした柔らかい腹の底に触れたその瞬間、僕はそれを
まざまざと思い知った!その体に刻みこまれた五億年もの命の記録、生命の記憶!
それが…その躍動感溢れるエネルギーの塊が…!全身全霊の力をこめて僕に!この僕に!
噛み付きやがったんだホワー! 忘れ得ないこの感触、忘られぬ存在感を、
消してーリライトしてー.


サカイ君夏休みの思い出リスト。

 ・
峯田のチンポ
 ・妖怪オナニー
 ・ルナマリア陵辱
 ・サマソニ会場で係員に強制退場くらった憤怒の友人
 ・生命の記憶

#そして僕の夏は終わった。


月29日

<本当の自分>

先日、飲んだ折にね。
ツンデレがどーたらこーたらって話になったわけよ。
そう、ツンデレだよ、ツンデレ。
普段は勝ち気で気が強くて小生意気なキャラが、ツボはいった途端可愛くなっちゃう、
っていう、例の都市伝説だよ。

ま、そこまではいいのよ。
キモオタ同士が互いのファンタジー語り合って現実逃避するぐらい、なぁ?
そんぐらい許容してやらなきゃ、みな東尋坊から身を投げるより他に逃げ場が
なくなっちゃうしな、何よりもこの俺自身が生きていけなくなっちゃうしな。
ま、そこまではいいのよ。

だけど、この俺自身がそれの酒のつまみにされてるとあっちゃ、流石に話は別よ、
黙って聞いてりゃこのクソオタども、アンタはツンデレだのどーのと楽しそうに
笑いながら人のこと指差しやがって。この俺がツンデレ?この俺様が!ツンデレ!?
じょ冗談じゃないね、笑えないにも程がある。俺のはただの罵倒、もしくは真実の
叫び。そこから目を背けてツンデレって言葉一つで誤魔化して、逃げて、それで何
がどうなるってんだ、おい。聞いてんのか、お前。お前だお前。ここ見てる全員に
言ってるんだ、俺は。

大体がお前等ツンデレツンデレって言うけど、その言葉の意味ちゃんと知ってるか?
え、知ってる?じゃあツンデレの逆は何だ、ツンデレ4体系を述べよ、ほら、言えねー
じゃんか。ツンデレってのはアレだ、アニメや漫画などの二次元創作物における、元々
容姿が一定水準以上のキャラが、「萌え」という付加価値の為に後付けされた性格
設定であって、その主はあくまで視覚情報なんだよ、そのキャラそのものの。
その内面性なんてのは、ほろ苦くも甘酸っぱい恋のエッセンスって奴を感じたくても
そのチャンスがまるでない、一般社会からどうしようもないくらい見放されたオタの為
に用意された目くらましみたいなもんなんだよ。

とはいえ、お前等ゴミオタども相手じゃな。いくら口で言っても分からんしな。
仕方ねえから作ってみたわ、ツンデレ・アナライザー
まずはこれやって、とりあえず知れ、己の属性を。自分の立ち位置って奴を。
それを分かった上で、更にメディアに踊らされ続ける道を選ぶか、それとも現実と
向き合ってみるか。それは、ほら、お前さん次第ってやつだ。
健闘を祈ってるぜ、オタクとともにあらんことを。


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