川村渇真の「知性の泉」

考え方を理解して効率的に質を向上


考え方を変えることが重要

 ここでは、比較的基本的な注意点を紹介する。これから社会へ出る人や、今まで深く考えずに仕事をしてきた人にとっては、基礎的なことから始めるのが一番良いからだ。きちんと仕事をしている人なら、当たり前のことだと感じるだろうが、さらりと流してほしい。
 それぞれの方法の説明には、2つの意味が含まれている。1つは表面的な意味で、実際に役立つ内容であることだ。この点に関しては、わざわざ論じる必要はないだろう。もう1つは内面的な意味で、仕事に対する姿勢というか、考え方を良い方向へ変える効果だ。実は、こちらのほうがかなり重要である。言われたとおりに行うだけでは、大きな効果は期待できない。自分で疑問を持ったり、いろいろと悩みながら前に進むことで、本当の成長が得られるからだ。その点を意識して、考え方を伝えるような説明も含めたい。

考え方を理解することが使用効率を向上させる

 基本的なノウハウだからといって、バカにしてはいけない。より多くのケースに利用できるので、効果が幅広く得られやすい。また上位のノウハウは、それを基礎に成り立っている。基本すらできなければ、それ以上のことも難しいだろう。
 長い目でみると、基本的なことから始めるのが、最も効率的である。気に入ったものや自分に合うものを選びながら、だんだんと数を増やすことで、仕事全体の質が向上できる。慣れてくると、特に意識しなくても、自然と使うようになる。そうなった段階で、次のノウハウを覚えればよい。
 考え方が分かっていれば、使用する際にポイントを外すことが少ない。考え方は理由付けでもあるため、それぞれのノウハウごとの存在価値を理解することにつながる。それは、いろいろな状況で的確に利用することを可能にするはずだ。この点でも、使用効率を向上できる。さらには、自分なりに改良し始めるかも知れない。それも成長の1つであり、使用効率をさらに上げる。各人の改良には、説明に含めた考え方が役立つ。
 別な面で見ると、考え方を含めたノウハウの提供は、考えながら仕事することを意識させる基礎でもある。その点も頭に入れながら、活用するとよいだろう。

(1996年3月31日)


下の飾り