川村渇真の「知性の泉」

どの仕事にも役立つ一般法則を公開


仕事の種類に関係なく、仕事以外でも役立つ内容

 きちんとした仕事をするのに、肩書きや資格が必要というわけではない。また、大企業や有名組織の経験が重要ということでもない。要は、仕事するうえでの大切なポイントを理解しているかどうかだ。これを「一流の仕事術」と呼ぶことにしよう。
 肩書きや資格が必要ないと述べたが、逆に言えば、肩書きや資格があっても、一流の仕事術をマスターしていない人はかなりいる。有名な大企業の重役でも、難しい資格試験を取得した人でも、仕事の質は平均並ということはよくある。それどころか、平均よりかなり低い人もときどき見受けられる。実力よりも学歴などを重視する社会だからだろうか。
 一流の仕事術に含まれるノウハウは、仕事の種類に関係ない。たいていの仕事で使えるし、仕事以外でも役立つ。趣味を極めるために利用しても、ある程度の成果を得られるだろう。あえて仕事術と表現したのは、仕事で活用するのに最も向いていることに加え、適当な言葉が見つからなかったためだ。
 ノウハウ全体に共通する言葉を挙げるなら、「積極的、建設的、真面目、正攻法」だろうか。つまり、奇をてらった内容ではなく、かなりマトモな方法なのだ。

難しいことから簡単なことまで含まれる

 一流の仕事術のポイントと聞けば、さぞ難しい内容だと思うかも知れない。もちろん、かなり難しいノウハウもあるが、やろうと思えばすぐに実行できる簡単なこと含まれる。より正確に表現するなら、難しいか簡単かは人によって大きく異なる。その人の性格に関係する部分もあるからだ。自分の性格と適合するノウハウなら、ほとんど苦労せずに役立てられるだろう。その人のツボにハマるかどうかが、会得の苦労や効果の度合いの分かれ道となる。
 もう1つ面白いのは、効果の大きさと難しさにそれほど関連がない点だ。簡単なことでも実施効果が大きいものもあれば、難しいのに一部の状況でしか効果が得られないものまである。やってみないと分からないだけに、自分への適合性をいろいろと試しながら、状況に応じて使い分けることが要求される。
 簡単に試せる内容も含まれると知れば、ちょっと使ってみたいと思うのが当たり前だ。ところが残念なことに、これらのノウハウを知る機会はほとんどない。そこで本コーナーでは、できるだけ簡単に実施できることを集めて紹介する。気に入ったものから、試してみるとよいだろう。

うまく利用すれば自己変革につながる

 現在よりも良い自分になりたいという欲求は、どんな人でも持っている。しかし、どうすべきかと考えても、良い方法がなかなか見つからない。ここでのノウハウを利用することによって、仕事や生き方の質が向上すれば、その答えが見つかるかも知れない。確約はできないものの、1つの突破口を作れる可能性はある。その程度は、それほど低くはない。うまく利用すれば、自己変革につながるはずだ。
 また、ここのノウハウを活用する人が増えれば、全体としての仕事のレベルが向上する。そのことは、社会全体の質の向上につながる。気に入った方法は、どんどんと人に広めてほしい。

(1996年3月31日)


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