川村渇真の「知性の泉」

浮遊思考記録−2004年03月


●2004年03月31日

知らないことは素直に尋ねるのが大事

 本サイトでは、いろいろな分野の内容を取り上げている。かなり広い分野に及ぶため、その理由を不思議に思っている人がいるかも知れない。そこで、知らない分野の知識を得るとき、私が実際に使っている方法を紹介しよう。
 主な方法は2つ。本やウェブで調べる方法と、詳しい人に尋ねる方法だ。このうち、後者の尋ねる方法を取り上げる。

 詳しい人に尋ねる際には、知ったかぶりをしないことが一番大事。知らないのに知っているフリをしても、詳しい人は簡単に見破ってしまう。当然、自分の印象は悪くなる。また、詳しい人ほど、知ったかぶりする人を嫌う傾向が強い。結果として、詳しい人に教えてもらえないことになる。
 反対に、知らないことは知らないと表明し、素直に尋ねるのが最良の方法だ。もちろん、教えてもらうのだから、相手への敬意を表しつつ、丁寧な態度も必須である。こうした形で尋ねると、詳しい人が親切に教えてくれる可能性も高くなる。

 詳しい人といっても、いろいろなタイプがある。細かな知識に詳しい人から、その分野の全体を見通せる人まで様々だ。このうち、知らない分野を短期間で把握する目的なら、その分野の全体を見通せる人がもっとも適している。
 全体を見通せるというのは、その分野にどんな要素が含まれ、それぞれの要素の役割や関係を的確に把握していて、何が大事かまで理解していることを意味する。これに当てはまる人の説明内容には、末端の知識があまり登場せず、全体的な構造や仕組みを教えてくれる。この点こそ、もっとも大事な内容である。
 こうした人を見付けだすためには、尋ねる側にも工夫が求められる。「この分野で、大事な要素とそれらの位置付けを知りたい」とか、「この分野の構造と動向を知りたい」といった形で質問し、分野全体での大事なことを把握したいという意思を伝えなければならない。
 こうした形で尋ねても、細かな知識しか説明できない人なら、対象分野の全体像を説明するのに向いていない。別な人を探した方がよいだろう。

 能力が低くてプライドが高い人ほど、知らないのに知ったかぶりをする傾向が強い。そんな態度だと、詳しい人に教えてもらえる機会を逃してしまう。人生の中で、大きく損をしているのに等しい。
 逆に、知らないことを知らないと表明し、素直に尋ねられる人ほど、詳しい人から親切に教えてもらえやすい。それも、対象分野の全体像を把握しやすい形で。こうしたことが何年も続けば、大きな差になって現れる。正しく理解している分野が、かなり多くなるわけだ。
 これら2つのどちらに進むかは、本人の行動次第で決まる。にもかかわらず、こうした点に気付いてない人が意外に多い。さて、アナタはどちら?


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