川村渇真の「知性の泉」

いかにも怪しい秘密組織


世の中には、数えられないぐらい多くの組織が存在する。中には、普通の人には信じられない特徴を持つ組織もある。世間を騒がせたり、多くの人に多大な迷惑をかけたり、情けない行為ばかりしている組織だ。たいていは、活動内容を端的に表す名前を付けているので、どんなことをやっているのか大まかに推測できる。ここでは、特にユニークな名前を付け、怪しい活動をしている組織を集めてみた。もし自分の人生に役立つ組織を見付けたら、積極的に参加しよう。ただし、不幸になっても責任は持てないので悪しからず。


●核燃料サイコホラー開発機構

原発関連の事故を利用し、国民にサイコホラーを実体験させるという、相当に危ない組織。原発で実際に事故を起こしたり、都市のど真ん中で放射線を漏らしたりと、目に見えない恐怖を日本のどこかで与え続けている。また最近は、放射線が漏れたという噂を意識的に流し、住民が怖がるのを楽しんでいるという。以前は「オオカミ動燃」と名乗っていたが、活動内容が世間に知られたため、過去を消し去る目的で組織の名前を変えた。もちろん、主要メンバーはほとんど変わらず、凄い人材が目白押しで、国民の不安をいっそう拡大している。世界中で原発を縮小している中、別な目的を達成するために存在し続けているというが、その目的自体は公表されていない。

●新しい歴史的バカをつくる会

日本人の論理的な思考能力を低下させようと、様々な手を使って世の中に働きかけている組織。主要メンバーのほとんどが、非論理的をモットーとする人の代表格である非論理主義史観の賛同者なので、論理的な思考を極度に苦手としている。そのため主張する内容は、事実を無視した事柄ばかり。また、知的な活動や人材を攻撃する悪癖も併せ持つ。こんな情けない活動を通じて、今までにないほど凄い歴史的なバカを日本中に激増させようと企んでいる。日本の未来を最悪な状態へと追い込むのが最終目的かも知れない。非常に恐ろしい計画だ。主張していることを信じると知的能力が低下するので、相手にしないのが賢い選択。こんな組織の主張に耳を傾ける時間があったら、きちんとした分析手法や思考方法を学んで、知的能力を高めたほうがよい。なお、組織の関係者は「つくる会」と呼んでいるようだが、マトモな人からは「バカをつくる会」と呼ばれている。

●酷災研修協力機構(こくさいけんしゅう…)

表向きは研修と名乗りながら外国人を奴隷のようにコキ使う制度を、積極的に推進している組織。正式名は「酷災奴隷研修協力機構」だが、普段は「奴隷」の2文字を隠している。この組織が利用している制度は、日本国内の3K職場に、発展途上国の外国人を低コストで提供するために作ったものだ。極端に安い賃金で奴隷のように働かせ、日本人が嫌がって働かない職場を助ける。表向きは研修なので、受け入れる組織(農家など)では、研修の内容を明記して申し込む。申し込み書には、1日に一定時間以内しか働かせないとか、最初に日本語教育を何時間も実施するなどと書いてある。しかし、そんなのは大ウソで、到着したらすぐに奴隷としてコキ使う。こんな現状だが、協力機構が受け入れ組織を検査することはない。協力機構も受け入れ組織も、本当は奴隷制度であることを知っているからだ。思いっきりコキ使うので、研修生にとっては過酷な災難でしかなく、何とか逃げ出そうとする。しかし、受け入れ組織側は逃げられたら困るので、パスポートを取り上げるなど、簡単には身動きできない状態にしておく。また、研修生に支払う賃金も、外国の斡旋業者に渡して、業者のピンハネを許している。賃金は研修生に直接渡すと、制度で決まっているにも関わらずだ。こんな状況に気付いてマスメディアが取材に来たら、受け入れ組織の代表は「こっちこそ迷惑しているんだ」と怒り出すだけ。協力機構のほうも取材になかなか応じず、逃げ回るばかり。最近では「仕事を研修するんじゃなくて、酷災(こくさい:過酷な災難)を研修してるんだよ。文句あっか!」と開き直っている。このように非人道的な制度や組織があるなんて、まるで悪夢を見ているようだ。

●殺牲省(ころせいしょう)

血液製剤でのエイズ感染や、脳へ移植する硬膜でのヤコブ病感染など、薬害を最大限まで拡大する方法で、人を殺し続ける非常に危険な組織。他の先進国なら素早く対応して被害を最小限にとどめようとするが、それとは逆の行為を好むのが大きな特徴だ。具体的には、国民の命を犠牲にしながら、危険な医薬品の存在をアピールするという、独自の手法を持つ。もちろん責任など取らず、取って付けたような理由を言ったり、知らないフリをするだけ。のらりくらりと逃げ続けるため、何も改善されずに、新たな薬害を発生し続ける。普通の人間なら、何人もの患者が死ねば心を痛めるだろう。しかし、そうならない完璧な対策を打っている。入省するとすぐに手術して、心臓に「ご意見無用」の入れ墨を彫り、薬害で人がバタバタと死んでも動じない精神を形成するという。さすがに凄い。このような内情が国民に知れ渡り、状況がまったく改善されないと分かった結果、患者の意識にも変化が現れた。以前は「手術が失敗しませんように」と祈っていたが、最近では「薬害で殺されませんように」と祈りながら病院に通っている。治療しに行ってるのか、病気にかかりに行ってるのか、分からない状況というのは恐ろしい。

●ドジ開発公社

地方議会の承認を得ずに土地を購入し、地方の財政赤字を増やし続ける凄い組織。金融機関から借金をして、利用しづらい土地を驚くほどの高額で取得するのが得意技だ。借金が巨額なため、利子による赤字の増加も相当なもの。土地の取得価格より利子のほうが上回った物件も増えている。塩漬けの土地と呼ばれ、誰にも手が付けられない状態になってしまった。こんな結果を可能にしたのが、中心となるメンバーの存在。官僚OBの中でも特にドジな奴を集めたので、黙っていても多額の赤字を作ってくれる。おまけに責任など取らず、退職金をガッポリと受け取って逃げる。これほど奇妙な組織だが、ある目的のために設立されたようだ。その筋の専門家は、地方自治体の財政を破綻させる最終兵器だと見ている。専門家の分析によると、設立の目的は「低脳官僚の天下り先を確保すること、地方自治体の財政を破綻させること、結果として国家の財政赤字を増大させること」の3つだという。最終的は市民の税金で対処しなければならないので何とかしてほしいが、関係者は当初の目的を絶対に達成させたくて、解決する気さえないらしい。いくつかの地方自治体では、破綻に向けたカウントダウンが既に始まっている。どうやら当初の目的は達成されそうだ。

●衛生中絶国

安心して中絶できる点をうたい文句に、中絶と観光をセットにして旅行客を呼び込んでいる国。最新の医療技術を用い、衛生的で安全な中絶を提供する。中絶の前後には楽しい観光も楽しめ、中絶による心の暗さを少しは解消できる。実は、最初から中絶国になろうとしたわけではない。通常の観光立国を目指したが、失敗したので起死回生の策として採用しただけだ。それが当たりに当たって、妊娠中絶を禁止している国の旅行者がわんさと訪れている。唯一の欠点は、この国へ旅行した女性が中絶しに行ったと思われること。そのため、普通の女性には敬遠されているようだ。

●赤字門大学赤字経済学部

赤字門を象徴にしている大学の経済学部で、象徴物から教育内容まで赤字にこだわっている。そのため、通常の経済学部とは異なり、国家の赤字を増やす経済学を教えている。最大の特徴は、難しい経済理論など無視して、“多額の赤字を生み出すための荒技”を伝授する点。もう1つ、相当に遅れた考え方を教える遅法学部もあり、世間からは痴呆学部とか阿呆学部と呼ばれている。こんなに変わった学部をいくつも持つが、日本の政府だけには絶大なる信頼があり、官僚として数多く採用されている。官僚となった卒業生は、教え込まれた技を徹底的に活用して、日本中に無駄な施設を作り、国家の財政赤字を増やし続けている。本人が頑張るほど赤字を増やすので、学部の当初の目的は十分に達成しているようだ。ただし、現状を知っている優秀な人からはバカにされるので、卒業生であることを隠したほうがよい。

●盆蔵省(ぼんくらしょう)

赤字門大学の卒業生を積極的に集め、「日本中に無駄なものを建造しよう会」の大元締めをやっている組織。税金を思いっきり使って全国に無駄な施設を建造し、多額の赤字を生み出している。建造の理由も凄く、取って付けたようなアホな内容ばかりで、都合が悪くなると途中でコロコロと変えるのも得意技。こんな仕事ぶりのため、どう見てもボンクラばかりとしか思えないが、自分たちは非常に優秀だと勘違いしている。遠回しに接待を求める癖があるので、どうしても相手をしなければならない人は、たかられないように注意しよう。

●度胸なき医師団

「国境なき医師団」に対抗して生まれた、「危ない所へなんて、絶対に行かね〜よ〜ん」と公言する医者の集団。それじゃあどこへ行くのかと尋ねられれば、「美味しいもの食べて、エッチな遊びして、行くならよぉ、やっぱハーレムだよな〜」と回答するメンバーばかり。また「オレ達が好きなのは〜、難民じゃなくて〜、ナンパだよ〜ん」とも言っている。こんな内容を発言するとやはり恥ずかしいのか、公言するのは一人ではなく集団でだ。危ない場所へ行きたくない気持ちは理解できるが、ここまで不甲斐ないと一般市民の賛同は得られない。

●国鉄降参事業団

旧国鉄の債務を清算するために作られたが、最終的には清算をあきらめた組織。もちろん最初は、債務を何とか清算しようとした。しかし、政治家と大蔵官僚の気まぐれにほんろうされたため、当初の目的を達成できず、清算を完全にあきらめた。「政治家と大蔵官僚には付いていけん。もう降参だ〜」と白旗を揚げ、名称も「降参」付きに変えた。債務は清算できずにまだ残っており、利子によって継続的に増加している。このままだと債務は永久に増え続けるので、現状に適した新しい方針として「高額の債務によって国民の悲惨さを高める」を掲げた。組織の名称も「国民悲惨事業団」に変え、国民一人あたり1億円の債務にまで増額を目指す。主要メンバーの入れ替えも決まっており、政治家と大蔵官僚のOBを集めて、債務増額の完璧な布陣をしくという。このメンバーなら、債務の大幅増額は間違いなし!

●忘年会議所

一般的な活動を何もせず、宴会だけに積極的な青年会議所。もちろん世間的には「青年会議所」と名乗っている場合がほとんど。主要メンバーは、仕事のうさを晴らすのは宴会しかないと強く信じ、「シラフで仕事ができるかよー」が口癖で、宴会を毎日開く。酒を飲めない人まで無理矢理に引き込むので、周りの人にとっては地獄のような日々が続くようだ。メンバーにおめでたい人が多い場合は、とくに「新年会議所」と呼ぶ。

●命取り(みょうどり)十字

危ない薬品を販売している製薬会社の名前。扱っているのは、使用すると命取りになりかねない薬。本当は違う社名だが、薬の危険性がバレたのを機会に、世間ではこう呼ぶようになった。この事件以降、病院で患者が死亡すると、患者の家族は「まさか、命取り十字の薬を使ってませんよね〜」と医者に言うらしい。また、名前に「十字」が付く病院のほとんどは、印象が極めて悪いという理由で、次々と改名している。

●夜売巨根軍(よるうりきょこんぐん)

人気ナンバーワンの野球チームを真似て結成した団体で、巨根を持つ強者だけを集めた。何億円もの金をつぎ込んで有力メンバーを集めたものの、野球ではパッとしなかった。そこで、女性相手の商売に転身し、見事に成功した。「必ず満足させます」がキャッチフレーズで、セ・リーグ(セックス・リーグの略)に属する。並み居るホスト軍をなぎ倒し、女性の夜の満足度で日本一になった。常にリーグ優勝することを要求されている巨根の軍団として、知名度は高い。


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