川村渇真の「知性の泉」

どうしても直せない悲しい癖


どんな人でも、特定の業界に長くいると、その業界ならではの癖が身に付いてしまう。中には症状が重い人もいて、普段の生活でも癖が出る。周囲の人は見ていて面白いだけだが、本人は何とか直したいと必死でもがいている。ところが、ほとんど直らないので、余計に悲惨だ。そんな悲しい癖を世の中から集めてみた。これを参考にして、各業界の裏事情とともに、業界人の苦労を理解しよう。


●役人:何でもかんでも黒く塗りつぶしてしまう

ヤバイ箇所を黒く塗りつぶすのに慣れた体は、そう簡単には元に戻らない。書類に含まれる氏名、住所、電話番号、金額、会社名、店名など、何かの証拠になりそうな項目を見付けると、片っ端から黒く塗りつぶしてしまう。たとえば、自分の子供が学校へ提出する書類なら、「名前や住所は見えちゃダメだよ〜」と言いながら、子供の名前や住所を黒く塗りつぶす。そうしないと落ち着かないからだ。自分が送るハガキや封書も、相手の住所や氏名を黒く塗りつぶしてポストに入れるので、相手に届いたことがない。外出するときは黒いマジックを手放せず、ポスターや看板など見かけると、氏名や店名を黒く塗りつぶしてしまう。また、飲食店に入った場合は、メニューの価格をすべて黒く塗りつぶす。自宅の周囲でも、お店の看板や家の表札をすべて黒く塗りまくるため、近所からの苦情が絶えない。たとえ注意されても、黒塗りを何度も何度も繰り返してしまう。当然、中には訴える人も出てくる。できるだけ平穏に生き続けるためには、仕事以外では外に出ず、自宅で黙っているしか方法はなさそうだ。

●ファッションヘルス嬢:近くの男性のズボンを脱がせてしまう

毎日繰り返す特殊なサービス行為は、想像もできなかった癖を生み出す。近くに男性がいると、本人にお構いなしでズボンのベルトを外して、チャックを下げ始める。なんと、ズボンを脱がせようとする癖だ。チャックを下げながら「早くしましょうね」などとつぶやくことが多い。電車に乗ったときは、そばにいる男性のズボンを、次々と脱げせようとする。ズボンをはいている男性を見ると、イライラして我慢できないようだ。こんな風なので、お見合いなんかしたら大変。話を始める前に、相手のズボンをすぐ脱がせようとする。当然、お見合いはその場で断られる。見知らぬ女性にズボンを脱がされそうになったら、この業界の人だと思って間違いない。

●官僚:個人的な買い物でも金を払わずに外に出る

度重なる接待によって、お金を払わない癖が付いてしまう。もちろん、自分から遠回しに催促する癖も併せ持ち、まったく関係のない人にまでおねだりするほどだ。そんな癖は、相手が友人でも変わらない。たとえば、友人と食事したときは、テーブルにある伝票を相手側に押して近づけ、全部支払ってくれとの意志表示をする。その行動で相手がくみ取ってくれないなら、自分が先に店の外へ出て、相手に無理矢理払わせる。自分一人で買い物するときは、商品を持ったまま店の外に出てしまう。店員から呼び止められ、万引きとして警察へ引き渡される機会も多い。警察で厳重に注意されても、支払わずに外へ出る行動は止められない。何度も繰り返すので、万引きの常習犯として登録されるし、自宅の近所の店からは、要注意人物としてマークされている。何度も被害にあって怒った店では、「万引き常習犯の○○さんは出入り禁止」との大きな貼り紙を出す始末。そこまでされても絶対に止められないほど、根が深い癖のようだ。


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