#003

食い気と色気


 テレビ東京の月曜深夜25:45にやってる、『裸のシェフ』って番組、観たことないですか? テレ東深夜のアニメ大行進タイムにやってるから、「なんかやってないかな?」ってたまたま観た人とか、予約録画で誤爆した人とか、いない? いや英BBC製作の料理番組なんだけど、これが面白いです。いや、でも別に裸エプロンのおねいちゃんが出るわけじゃないんだけどね(笑)

 なんだかすごい童顔のカワイイ系のにーちゃん(24歳だってさ)が、自宅のキッチンで料理を作ってる……っていうシチュエーションなんだけど、まぁ、要するにこのにーちゃんが、刑事プリ夫みたいな、非常に「おねいさま受け」しそうなタイプなわけですよ。実際、イギリスでは夜の8時代に放送して、おねいさま層に大人気だとか。こえー。だから、この『裸のシェフ』なんて番組名も、ジャニーズのガキ達がパジャマ姿で群れてたりする、限りなくムナクソ悪い番組、『裸の少年』(テレ朝深夜)あたりをイメージして、勝手に邦題付けたのかと思ったら、そもそもイギリスの原題が「The Naked Chef」だって。うへー、どーなってんの英国営放送。いや、でも別にこのにーちゃんが裸エプロンで料理するわけじゃないんだけどね(笑)

 で、このジェイミー君なるにーちゃんが、自分で説明しながら料理をするわけだけど、これが、エラく簡単そう。大雑把。日本の料理番組みたいにカップで計るとか、予め用意してあるとか、一切なし。調味料とかも目分量でドバドバ。が、これが意外にウマそーなんですよね。大雑把に見えるのも、要するに経験値の高さと手際の良さから……って感じで。作る料理も国際色豊かで面白いです。こないだなんてホントに日本の天ぷら作ってたし。「粉は冷蔵庫で冷やして、水と混ぜすぎないこと。ケーキみたいに泡立てたら絶対だめ!」なんて言ってて、ほー、なかなか分かってんじゃんかコイツ……とか思ったり(笑) 私も好きでよく料理するんですが、この手際の良さはアナドれん。ちっとうらやましい。少なくとも、『グラハム・カーの世界の料理ショー』では、あんまり作ってる料理食べたいと思ったことないけど(笑)、この番組の料理は、自分で作って食ってみたいと思わせますね。

 それから、料理のシーンのカメラワークが必見です。ものっすごいラフな手持ちカメラ。「クリストファー・ドイルかよっ!?」と三村ツッコミしたくなります。料理の手際がすばやいのに、手元のドアップを撮りたくてしょうがないらしく、画面上で追っかけあいしてます。大画面TVで観てたら酔うかも(笑) で、このジェイミー君が素手で調味料やオリーブオイルを混ぜたり、それをそのままツマミ食いしたり、それを例の手持ちのドアップアングルで追いまくり……っていう料理してるところの絵がなんか微妙にエロいんですよ。いやほんとに。「料理のエロス」なんてマニアックすぎ?(笑) でもそういう感じです。さすが「The Naked Chef」なんて言うだけのことはある。まったく、ネライなのかナチュラルなのか分からんけど、こりゃぁ、おねいちゃん達がトキメくのもしょうがないわな(笑)

 あと、自宅での料理シーンの他に、友達のライブを見に行くとか、仲良しのパン屋にパン買いに行くとか、余計な小芝居をするシーンがあるんだけど、それがなんとも安コントみたいで笑えます。画面の質感といい、日本語吹き替えの感じといい、ヘンにBBCくさくて、往年のモンティ・パイソンを思い出しますね。とにかく、久々に面白い/今までにない ……と思える海外吹き替え番組ですね。

 余談ですが、『グラハム・カーの世界の料理ショー』、BSジャパンで放送してるみたい。う〜、こっちも観たいなぁ・・・


(2002/02/18) 


#003
top > monologue
musi-caf'e
(c) RYO-3 2002