日本の神話

八俣のオロチ

乱暴な神スサノオは、天から追い出されて出雲の国に降りてきました。
そこでは毎年八俣のオロチがやってきては、若い娘を一人ずつ食べているとのこと。
その年食べられる運命にあったのは、クシナダヒメ。スサノオは、クシナダヒメの両親に、娘を助ける代わりに彼女を嫁にしたいと申し出、承諾を得ました。
スサノオが考えたオロチ退治の方法は、垣根に八つの棚を取り付け、それぞれに強い酒の入った器を置いておくこと。
オロチがやってくると、案の定酒を飲み始め、やがてぐっすり眠り込んでしまいました。スサノオはそこを襲い、オロチをずたずたに切り裂いたのです。
こうしてオロチを退治したスサノオは、クシナダヒメと結婚し、出雲の国に宮殿を建てて住み始めたそうな。

スサノオは誰か……?
スサノオは姉アマテラスオオミカミに乱暴をはたらいたことから、ギリシャ神話のポセイドン(やはり姉のデーメテールに乱暴をはたらいた)と比較されますが、この大蛇退治の話は、9つの頭を持つ竜を退治したヘラクレスの話を思い出させます。

ちなみに、ヘラクレスが退治した竜は、潅漑を邪魔する水の流れの象徴とされていますが、八俣のオロチも、人間を襲う洪水の水、または溶岩の流れを表したものという説があります。
八つの頭
古代で「八」というのは「たくさんの」ということで、このオロチの頭も実は八つではなく、もっとたくさんあったのかもしれません。
怪物退治
怪物に襲われる娘を助けて、その娘と結婚すると聞くと、ペルセウスの話を思い出すでしょう。彼はゴルゴンを倒したことで有名な英雄ですが、その帰り道、海の怪物に捧げられたアンドロメダを救い、彼女を妻にします。


前ページへ次ページへ


おみやげスーク

日本の神話ホームへ