日本の神話

黄泉の国

イザナキの神とイザナミの神は、二人で力を合わせて多くの国や神を生んだ、「日本の父と母」とも言える人たち。
ところが、イザナミは火の神を生んだときに、やけどを負って死んでしまったのです。
どうして神さまなのに、火が危ないということを予測できないんでしょうね?
さて、イザナキはたいそう嘆き悲しみ、黄泉の国まで妻に会いに行きました。
すると、イザナミは言いました。
「私はもう黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、戻ることはできないのです。でも、せっかくあなたが来てくださったのですから、何とか戻れないものかどうか、黄泉の国の神に尋ねてみます。ただし、どうかその間私の姿を見ようとはしないでください」
もちろん、イザナキは待てません。神話にかぎらず、物語で「見るな」と言うのは、「どうかこっそり見てください」と言うのと同じことです。
イザナキは黄泉の国の御殿に入っていき、そこで、うじ虫がたかり、体中に雷の神がまとわりついた恐ろしい妻の姿を見てしまったのです……。
イザナキは一目散に逃げ出し、追ってきた妻のイザナミをさえぎるため、大きな石を置きました。それがこの世とあの世を隔てる石になったということです。

妻を追って黄泉の国へ
ギリシャ神話のオルフェウスとエウリディケの話に似ています。オルフェウスも、死んだ妻を追って黄泉の国へ行きます。実はこれは偶然の一致ではなく、ギリシャやオリエントの神話が、大陸を伝わって日本にやってきたという説があります。
黄泉の国の食べ物
イザナミが何を食べたかはわかりませんが、ギリシャ神話では、黄泉の国でザクロを食べたペルセポネーが、やはり地上の世界に戻れなくなっています。

なぜ神様から火が生まれるのか?
その後少しわかりました。
古代では、木の台の穴に棒を差し込み、それで木をこすって火をおこしました。それがイメージ的に性行為と結びつき、「女性の膣から火が生まれる」という発想になったようです。女性が火を生むという神話は、オセアニアの方にもあるとか。

わからないことがたくさんあります。「きっとこの話はこういう意味を持っているんだよ」とか、思いついた方はCYCLEに教えてください。

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