山田消児 第三歌集

『見えぬ声、聞こえぬ言葉』

 

 

テロルと戦争の世紀を僕たちはどのようにして
生き、死に、そして生まれ変わることができるのか。
『アンドロイドK』で「少年A」の心情を詠った著者が、
現代を起点に未来の「歴史」を見据えた歌集。

予言は常に言葉によってのみなされる──


誰も知らないうちに始まるどちらかが勝つまでは誰も死なない戦争
はっしとぞ両の耳たぶ掴みたる手にて引き裂かれゆくシンバル
ついに世界を滅ぼすものは火であれば地よりはるかに女神は掲ぐ
妙なるもの暗渠のみずを上り来るはるかカンブリア紀の海より
いっせいに木ら立ち上がる瞬刻を朝と呼ぶ 空と大地の狭間

『見えぬ声、聞こえぬ言葉』収録作品より     

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好評発売中!(作品社刊、定価1,400円+税)
装画:秀島由己男、装幀:中島かほる
ISBN4-87893-584-7
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