栗駒の話



 

(付二) 栗駒山の古歌妙

(付二) 栗駒山の古歌抄

夫木集

  読人知らず

御狩りする栗駒山の鹿よりもひとりぬる夜は悲しかりける

いかでわが栗駒山のもみじ葉を秋はたつともいろかえて見ん

みちのくのくりこま山の朴の木は花より葉こそすずしかりけれ

栗駒の松にはいとど年ふれどことなしくさぞ生ひそばりつつ

栗駒の山に朝たつきじよりもかりにあはじと思ひしものを
 

古今六帖
みちのくのくりこま山の朴の木のまくらはあれど君の手枕
 

「北川斉歌集」の内に 

  菅江真澄

幾夜ねて故郷人に栗駒の朴の木まくらかしとみせなん

栗駒のふもとの宿の露時雨ぬる夜も久し朴の木まくら

  能宣

もみぢみる栗駒山の夕影をいざわがやどにうつしもたさん

  藩主 吉村

まなしろにあしげに見ゆる駒形根かんつよくしてゆきの早さよ。

  県知事 菊山嘉男

任につき先づ仰ぎぬる栗駒や秀れい神秘心おどるも

  県知事 湯沢三千男

むらがれる諸山こえて白雲はみだれかかれり栗駒の山

同人

栗駒の山の小松の実をとりて食いつつかたる雲の上人 

  白鳥省吾

生れ故郷の栗駒山は富士の山よりなつかしや
 
 
 
 
 


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2000.08.30
2002.04.15 Hsato