ソフトレビュー 2003 年版

 ここには、2003 年のげえむ(を愛する心があれば大丈夫じょぶ☆)日記に記述したソフトレビューをピックアップしてみました。多少、加筆修正しております。プレイしたゲーム全てについて記述してあるわけではありません

(註)発売日順ではなく、あいうえお順にソートしてあります。

YsVI [Windows / Falcom]

 二周目の低レベルプレイが終わったので書くことにします。まず、3D になるということで不安はあったのですが、しっかりイースしていると思ますし、楽しめました。ただ、サクサク進めれることに重きを置きすぎたため、ゲームバランスがおざなりになってしまってる嫌いはありますね。まあ、この二つは両立し難いことなので仕方がないとも思いますし、ゲーム作りに失敗していると言うつもりもありません。

 ゲームバランスの話の詳細。以下のことは、2nd の低レベルクリアを目指した上で気になったことを書いているだけです。私は、最大の癌は、剣魔法が強く設定されすぎているのと魔法ゲージ自動回復にあるのではないかと思っています。これらの影響で、中盤以降は剣斬りアクションとしての楽しみは薄れてしまっていますし、2nd Boss 最強説を提示したいほど、ボスが弱体化しているように感じざるを得ません。

 もう一つは、与える/受けるダメージが、アドルの能力値に支配されすぎてしまっているということです。レベルを上げれば厄介だったボスが楽に倒せるという利点のある反面、納得のいかない状況も作りあげてしまってます。

 詳細は、気づいたものである限り、こちらのページに記述してありますので、ネタばれ覚悟でも読みたいという人は、どうぞ。

 最後に、クリアして満足という人には関係のない話。それは、「ゲームの楽しみ方は自分で見い出すもの」ということ。このゲームならば、低レベルクリアを目指すプレイとか、剣レベルを上げずに進めれるところまで進めるプレイとか、特殊な楽しみ方は幾らでもあるでしょう。懐が深い作りをしているゲームを、提示された遊び方しかしようとせずに、「やりこみ要素が少ない」の言葉で片付けるのは悲しすぎます。

裏番組 [Windows(18禁) / 13cm]

 エロは途中で食傷気味になる十分でした。ただ、アドベンチャーゲームとしての作りには、がっかりさせられました。選択肢が、どのシーンを見るかを選ぶためのものでしかないため、途中経過をかっ飛ばした結果のシーンを見せられる可能性が高くなっていて興ざめでした。まあ、他キャラとの絡みがあるとかの事情があるものは仕方ないのですが、それ以外はフラグ管理するとか工夫のしようがあったと思います。

 エロとしても注目できるシーンも、結局は声優さんの演技力頼りになっている印象があります。あとは、エロのためとはいえ、登場キャラクタを肉人形扱いしているところが透けて見えてしまって、このスタッフが作るものは、やんごとなき理由(天天さんが出演されてるとか)がない限り、今後、手を出す気にはなれないなあと思いました。

エターナルダークネス [GameCube / Nintendo]

 良くできたサイコホラー型アクションアドベンチャーゲームでした。任天堂から出ているので購入時に不安があったのですが、海外メーカが発売したソフトの焼き直しのようで、道理で良くできてるはずだと納得しました(^^;

 操作系。基本的な操作は単純でわかり易いです。ゲーム中にもチュートリアルで出るのでマニュアルを読む必要はあまり無いかもしれません。ただ、メニュー操作が混沌としているのが最大の難点と言ったところでしょうか。

 ゲームバランス。洋ゲー風味……崩れそうな不安定さを持ちながら、意外としっかり保たれています。まあ、弾薬制限が甘めとかヌルめの要素はありますので、洋ゲーマニア(って何よ?(笑))には物足りないかもしれません。

 結構、時間を食うゲームではありますが、ホラー系のアクションアドベンチャーが好きな人に、積極的にお薦めできる作品です。

幼馴染 [Windows(18禁) / TinkerBell]

 TinkerBell 会心の怪作(誤字にあらず)で、美化されすぎている感のある幼馴染みという偶像に対するアンチテーゼと呼んでいい作品でしょう。シナリオも、いつもの癖が見受けられますが、好かれるというのは幸せな気分にさせてくれるとは限らないことや、独占欲から来る愛憎がにじみ出る人間関係を、うまく書けている方だと思います。

 システムはいつもの TinkerBell ですが、60 個もセーブできるなんて夢のようです(笑)。演出効果を OFF にできませんが、大したことやってないので重く感じませんし、既読スキップも遅いとは感じませんでした。音声をカットできない(次の音声が出るまで垂れ流される)のもいつものことです。ただ、音声をスキップするに設定すると既読スキップの動作が変になるというバグがあるので、修正版を当てる必要があります。

 声優的見解。紬叶慧ゲー(断言)。主人公の腐れ縁の幼馴染みは、少なくとも私がプレイした中では一番のハマり役だと感じたし、紬叶慧の独特の声質をここまで生かしたキャラクタが存在するとも思えない。(紬叶慧ファンの人刺さないで下さい)

こころナビ [Windows(18禁) / きゅーくす]

 ムラがなく、わかりやすいシナリオになっていて、とても楽しめました。前半戦が長めなので、初回プレイに時間がかかると覚悟を決めて始めるべきでしょう。

 私のクリア順番は、小春->アイノ->夢->みまり->凛子->ルファナで、みまりと凛子が逆の方が良かったかもと感じています。そして、一気に進めてしまうぐらい楽しめたので、細かいことをごちゃごちゃ言うのは、やめにします。

屍姫と羊と嗤う月 [Windows(18禁) / BaseSon]

 大体のことはプレイ中の記述で書いたので軽くまとめの感じにします。ほんわかした花シナリオと、熱い展開の唯緒シナリオが好きで、あとの二つはどうでもいいです。叶子シナリオは、行動に理解不能なところが目立ったので、悪印象さえ持ってます。

 あとはまあ、シナリオ制御をかけて欲しかったなあとか、体験版で見せすぎて失敗してるなあとか、冗長なところと説明不足なところのバランスが悪いなあとか思います。体験版については、私は中盤以降速読してて正解だったなあと思ったもので。

 キャラクタ的には、花と唯緒と及川以外はどうでもいいです。叶子は他シナリオでの気に食わない態度を見て、急激に醒めちゃったという感じです。

 まあ、ひさしぶりに読みモノ系をやってて楽しいと思えたので買って正解でした。また、ここが良いとか悪いとかいう「評価」は意味のない虚言でしかなく、ここが好きとか嫌いとかいう「感想」しか書けはしないものだということを再認識しました。

SHADOW TOWER ABYSS [PlayStation2 / FROMSOFTWARE]

 アイテム回収率が 30% 台なのと二周目以降は緊迫感が皆無なので、一周クリアの時点で感想を書くことにします。まず、ほぼ期待通りのできで満足と言っておきます。ジャンルは、3D ARPG になるでしょう。King's Field シリーズを知っている人ならば、あれと同じ操作感覚で遊べるゲームだと思ってもらって構いません。

 では、このゲームの特徴を幾つか挙げておきます。

 こんなところにですかね。ゲーム内容としては、とにかく極度のやり直しゲームということになります。落ちて死なないところが珍しいほどですし、エリアを抜けてもミスが多いと後に響くので再挑戦が必要になったりします。

 最後に不満点を列記します。酸の池がない(SHADOW TOWER プレイ済の人にしかわからないか^^;)。攻撃方法の多彩さを生かせていない。銃の存在意義がほとんど無い。(予想されたことだけど、)終盤のボスの強さが、自キャラの強化に追いついていない。そんなわけで、物足りなさを感じてしまう人がいるかもしれません。

ダイナソアリザレクション [Windows / Falcom]

 表シナリオが終了しましたので。1990 年に発売されたダイナソアの Windows へのリメイク版です。シナリオ等の基本的なところは同じでしょう。追加要素はありますが、私がオリジナルを忘れているので、どこら辺がそうなのかは言及できません。ただ、プレイした感蝕として、マップは、かなりアレンジされているものと思われます。

 とにかく、ベースのシステムに大幅な変更があるわけではないので、当時の古臭くて不便だけど味のある CRPG を満喫できること請け合いだと思います。あと、シナリオは、今やってもダークなものを感じて、そういう意味でも懐かしさを味わえます。

 操作系が、キーボードでないと辛そうというのがありますが、オリジナルを楽しめて、リプレイのつもりで遊ぶのに最適かと思われます。

なりきりプリンセス 〜女になったボクを見て!〜 [Windows(18禁) / ZERO]

 話的にはあってなきがごとき(あるいは陳腐)という印象でした。というか、エロゲーが一般四コマ漫画(胡桃ちの著「天王寺のあべ乃ちゃん」)に倒錯具合で負けてどうするという感じです。

 あと、選択肢のセンスの無さも目立って、作品的にはどうしようもないです。ただ、天天さんの演技は満喫できるので、その筋の人はプレイすべきでしょう。また、プレイ時間もあんまり取られないので、ダメ絶対音感チェックに活用できそうです(^^;

罵倒リアルサモナー [Windows(18禁) / サイン]

 「この作品がまるで話題にのぼらないのもどうかしているが、この作品が話題になりすぎるのもどうかしている」というのが正直な心境です。また、こういう作品が生まれてくるならば、エロを主体にしたエロゲー(日本語が変だがこう言わないと正しく伝わらない可能性大)への期待を少しは持っていいのかなとも思いました。私評は、プレイ当初は吉川先生が出演していないので良くて○+だったのですが、これに◎を付けないと今後の作品で◎をあげれる作品がなくなっちゃいそうなので◎ということで。

 感想。まず、かなりイカれた作品ですが、ただのバカゲーだとは思いません。意外なほどに下調べがしっかりしていて、それに伴い説明くさくなりがちなのを、全体的なバカなノリでカバーしているという印象です。また、動作環境(推奨 233MHz)からは想像できない様々な演出にも感心しましたし、重みのある選択肢による分岐制御がしっかりしているので攻略する楽しみも味わえました。あと、最初に都合の良い存在を明確にしておくことにより、ご都合主義を寛容させる気持ちが働くのだなとも感じました。

陽だまりの陰で [Windows(18禁) / TinkerBell]

 いじめにあって性格がねじ曲がってしまった(鶏と卵的で逆かも)主人公が、ヒロイン達との出会いによって自分が変わった気になっているだけで、本質は変わっていないというお話です。良いところもあるんですが、全体的にはイマイチな感じですね。

 原因は、余計なエンドを増やしすぎていることにある感じがします。元のシナリオの雰囲気をぶち壊しにしてしまうエンドがあったりしますし……。また、フラグ管理が厳しいというよりは、選択肢が少ない割にはエンディングが多いので、分岐制御が意味不明になってしまっているという印象を持ちました。

人妻♪かすみさん 〜母娘と共同性活〜 [Windows(18禁) / TinkerBell]

 エロ中心の割には冗長すぎる感じがあって中途半端な印象を受けました。あと、頑張ってる音声が割れてしまい、かなり悲しくなったので、音声のサンプリングをちゃんとして欲しいです。

巫女みこナース [Windows(18禁) / PSYCHO]

 イカれたキャラクタは多い割には意外と普通な病院ものコメディだったという印象です。ストーリーは、ほぼ一本道になっています。パロディギャグも控えめで、Pure のようにシナリオ内に溶け込んでいる感じではなく、おまけ程度に存在している感じです。エロの方も、過剰な期待は持たない方がいいでしょう。でもまあ、奇跡は起きませんし、サスペンスドラマになったりもしませんし、大筋の流れや終わり方などまとまっていると思います。

 システム面は標準的なものは備わっています。主人公やエキストラ級の脇役まで含めてフルボイスでオートモードもあるので、だらっと流しながら聞いているという進め方もできます。画面効果等のしつこいものは排除されているため快適ですし。ただ、マシンスペックが高すぎると悲しいことになるところもあるようです。

 で、不可がないので可という感じの作品なので、お薦めはしません。もっとも、発売前の宣伝展開や製品開発の姿勢で、悪い例を挙げるとキリがない腐った業界の風潮とは一線を画しているという意味では、貴重な作品の一つと言えるでしょうね。

ミスタードリラードリルランド [GameCube / NAMCO]

 ドリラーを題材にしたテーマパークという設定で、各アトラクションが、それぞれ違った味があって楽しめました。Level 1 は、初級者の私でもあまり苦労しなかったのですが、Level 3 以上になるとかなり難解なので、歯応えが無いということは無いかと思われます。また、クリアできない人のためのお助けアイテムも使えたりするので、やり込んでいれば、Level 2 までは何とかなると感じてます。

 そんなわけで、ミスタードリラーを楽しめた人で、GC を所有している人には、お薦めです。GC を買ってまで遊ぶ価値があるかどうかまでは、わかりません。

 そうそう。私はコントロールスティックで遊ぶのに慣れたのでいいのですが、ジョイスティックじゃないとドリラーは遊べないという人には、つらいかもしれません。あと、個人的に一番好きなのは、ドリンディアドベンチャ−ですね。

メトロイドフュージョン [GameBoyAdvance / 任天堂]

 やり込み甲斐のあるアクションアドベンチャーゲームです。メトロイドファンに限らず、GBA でアクションゲームを遊びたいと思っている人に、お薦めします。

 どういう遊び方をしてもエンディングは変わりませんが、Gallaley を埋めるのは、かなり苦労するものと思われます。そもそも、何枚あるか表示されませんし(^^; とりあえず、ロスタイムが5分程しか許されていない条件を達成するのは大変でしたが、達成感はかなりのものがありました。そういうのが好きな人は是非遊んで下され。

メトロイドプライム [GameCube / 任天堂]

 3D 主観視点のメトロイドです。3D 主観視点アクションゲームとしては、私の知る中だけなら間違いなく上位に来る良い作りをしています。3D 酔いも意外としませんので、メトロイドファンはやっとけって感じです。

 あとは、感じたことをつらつらと。スキャンバイザーのアイディアは大正解だったと言えるでしょう。世界観解説をスキャンバイザーによる文章に散りばめたことで、アクションゲームとして楽しみながらストーリーの断片を知ることができますから。

 なお、GameCube のボタンを駆使することや、慣れるまではかなり高度に思えるテクニックを要求されますので、アクションゲームが苦手な人にはつらいでしょう。私の最大の不満点は、ジャンプの着地地点を感覚でしかつかめないことですね。

 また、アイテム収集の達成率に加えてスキャンの達成率があるところが曲者です。最初からスキャンの意識が無いと両方パーフェクトは無理になってますし。

 あ、あと、[GBA]メトロイドフュージョンのクリアデータとの連携で、FC Disk 版メトロイドが GameCube で遊べたりもするというファンサービス要素もあります。

凌辱同窓会 [Windows(18禁) / ZERO]

 True End より Bad End の方が理にかなっているように思えたあたりまで、典型的な凌辱系作品という認識です。ED 2 がなければまともに感想を書く気にはなれなかったでしょう。この作品でああいうエンディングを用意していたのはポイントの高いところです。あと、エンディングへのルート探しがゲームとして楽しめました。

 声優的見解。声優データベースでは明らかにされていませんが、私の耳は、メガネの娘の CV も天天だと言っているので、天天ゲーと言っていいでしょう。あとは、涼森ちさとは、長期療養休暇に入る前は、こういう声の使い方もしてたんだよなあと再認識したりしました。無理しなくなったのが良い方向に転がったのなら、それはそれでいいことかもしれませんが、やや寂しいものを感じるのは否めません。


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