PART 2個人飼育者に聞く

東京都在住 作田 仁さんの場合

作田さん宅の長期飼育個体 ヘルマンリクガメ 「ベンジー」
Photo by 作田 仁
「ベンジー」の放し飼い風景。ネコとも同居しているが、特に問題はないそうだ。  Photo by 作田 仁

Q1)長期飼育しているカメさんの種類、お名前、性別
A1)ヘルマンリクガメ、ベンジー、 ♂だと思うんだけど、あまり自信が無い。

Q2)飼育年数は?
A2)1983年から飼育していますが、その前の飼い主が2〜3年飼っています。推定20〜21歳

Q3)飼育環境を教えて下さい
A3) 飼育当初は、イグアナ用の植物温室の下段にて飼育。温室は室内に あったので、暖房は、赤外線電球(200wくらい?)のみでした。 もちろん、夏季は暑すぎるので、暖房無しです。時々、ベランダに出して日光浴をさせていました。
その後、大きくなるにつれ、温室内で暴れて絶えず音を立てているようになったので、部屋に放飼い飼育に移行。特別に動物用の部屋では 無かったので、暖房は人間と同じ状態で、冬季は石油ストーブと電気コタツで、ほとんどコタツに潜っていました。日光浴は、ガラス越しで行っていました。
現在は、動物専用部屋で放飼い。暖房はファンヒーターのみです。日光浴は相変わらずガラス越しです。紫外線系のライトは、使用していません。

Q4)餌を教えて下さい
A4)基本的な餌は、飼育当初から現在まで、あまり変わっていません。
小松菜をベース(約60%)にバナナ(約20%)、ミカン類かリンゴ(約15%)、悪名高い九官鳥フード(約5%)を、細かく刻んで混ぜ合わせたものに、人間用のビタミンD3入りカルシウム剤を粉末にして 降りかけた物を、2日に1度与えています。その他、野草などは採れた時に随時、メロン、イチゴなどの果物や豆類も時々与えています。

 


「ベンジー」の放し飼い風景2。のびのびと自由に屋内で生活している。  Photo by 作田 仁
「ベンジー」の放し飼い風景3。様々な場所がシェルターにもなる。この自由さが、ストレスを減じ、長期飼育の秘訣かもしれない。  Photo by 作田 仁

Q5)これがうまく飼えてるポイントだ!と思われることなど、ありましたら、教えてください。
A5)これは、はっきり言ってよくわかりません。今のリクガメ飼育の常識から言うと、かなり顰蹙ものの飼育をしていますので。1つ言えるなら、なるべく広い飼育場で、いろいろな環境が、カメが自由に選べるようになっていると言うのがいいような気がします。

Q6)今までに、大きな病気や事故、事件などがありましたか?

A6)6〜7年前に一度、3月ごろにコタツの中で目も開かず餌も食べず1ヶ月ぐらい動けなくなってしまった事がありました。コタツの中にいたので寒くて冬眠に入ったと言う事はなかったのです。強制給餌をしていましたが、弱っていく一方だったので諦めかけていましたが、偶然手に入ったマスクメロンを与えたところ、突然食べだし、まるで 嘘のように回復していきました。病気といえば、この時一回きりですね。
幼体から飼育されていた方が2〜3年飼育してから、我が家にやってきたのですが、その時にはすでに、高蛋白の餌の影響からか、甲羅の鱗一つ一つが盛り上がった、とてもヘルマンとは思えない形状の甲羅になっていました。これも病気・事故と言えるかな。

Q7)飼育当初、今ほど飼育グッズなどもなかったと思われますが、特にご苦労なさったこと、これができて便利になったと思ったこと、あるいは逆に昔はよかったと思うことなど。
A7) 今も、なにか特別なグッズを使っていないので、なんとも言えませんが、、、昔は、紫外線に関する情報など皆無でした。日光浴の必要性は言われてましたが、 爬虫類の飼育は赤外線ライトのみで行われてました。それから、パネルヒーターも一般的ではなく、ヒーター類、ライト類が今の様にいろいろな種類があるのはとても便利です。配合飼料のほうもいろいろと揃っているようなので、これも便利かな。あまり、昔の方が良かったと言うようなものは無いですね。

Q8)5番と逆の質問ですが、これをやったら長期飼育にとってデメリットになると思うことはありますか?
A8) 狭い場所での多頭飼育とか、変に餌にこだわりをもつと言うのも怖いような 気がします。あと餌の与えすぎとか。

Q9) 20〜30年前くらいの、リクガメの輸入状況などご存知でしたら、お教えいただけないでしょうか。
A9) 20〜30年前と言うと、ホルスフィールドがコンスタントに数多くロシアガメとして輸入されてました。ギリシャ、ヘルマンも少しは入ってましたが、東南アジアからのムツアシやエロンガータ、南米のアカアシやキアシが一般的だったです。ケヅメは見た事も無かった。


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