UDO MUSIC FESTIVAL 06.


<2006年7月22・23日: 富士スピードウェイ>

まずは、こちらからどうぞ。
 → ウドー・ミュージック・フェスティバル緊急レポート





*22日(一日目).

ヌーノ・ベッテンコート

(公式サイトより)

会場には9時頃到着していたのですが、前日ほとんど寝てなかったのもあって疲れていたんで、まずは正午
過ぎのヌーノまで車の中で少し寝ることに。で、12時頃ノコノコ起きて会場入りし、早速メインステージ
の方へ赴いてみたら、そこはシート、椅子、ゴザ(!)の山、山、山。え?これなんていうピクニック会場?
あれ?俺まだ寝てんのかな?とか本気で思いました。しかもステージ後方ならまだしも、最前列から中程に
かけてのエリアをほぼ満遍なく埋め尽くしてくれちゃってるもんだから、その他の人はシートとシートの隙間
に立ってライブを見るしかないという酷い有様。これで盛り上がれるなら、地雷の埋没しまくった北緯38度
線上でさえ余裕でヘドバンしまくれると思います。

観客席がそんな状態なもんだからステージ上のヌーノも若干やりにくそう。加えてファン同士の距離が
シートで分断されてるもんだから一体感も生まれにくくて当然のごとく会場全体がアガらないアガらない。
オープニングの"Gravity"なんて本来なら大合唱で盛り上がる曲の筈なのに、みんな棒立ち…ですらないや、
床座り、もしくは寝転がりでポカーン。それ見たヌーノも「あれ?およびでない?」って感じでキョドり気味。
流石にこのままじゃヤバいと思ったか、中盤にはエクストリーム時代のキラーチューン"Cupid,s Deed"を
持ち出して事態の改善を図るもさほど効果なし。更にはジャンヌダルクのギタリストを引っ張り出して、
ともに"Get The Funk Out"をプレイするというとっておきの隠し玉、日米ギタリスト・コラボを繰り出すも、
「え?あいつ誰?」っていう、もっともやってはいけないレベルでのダダ滑りを軽々と披露してしまう始末。

いや、演奏自体はすごくキレてたんですけどね、ヌーノ。踊るギターと評されるファンク感がいつも以上
にハネてる感じで。最後の"Exit"におけるキーボードとのユニゾンとか、ドラム台に登ってギターの弦を
左で押さえつつ余った右手でシンバルぶっ叩く演出とか相当面白かったし。だけどいくらパフォーマンスが
良くたって、それを鼓舞してあげる客側がこれじゃあね。人が頭振ってる足元でガン寝してるオッサンとか、
最前列近くでサンドイッチぱくついてる家族とか、もう本当無理〜、って感じでした。

いや、ライブってな、本来なら自分の世界に没頭しきって楽しむものだし、他人の振る舞いに影響されてる
時点でまだまだ甘いってことも重々分かっちゃいるんだけど、でもここまでされちゃうとなあ。
ライブの中心となってそれを作り上げるのはもちろんプレイするアーティスト側だけど、それを盛り上げる
オーディエンス側の役割ってのも案外馬鹿にゃならないなあ、ってことを痛感した時間帯でした。

#そういや、ドラマゴッズとしての来日だったのに、ライブ名義は「ヌーノ」でした。なんでだろう?
 ドラマゴッズじゃ集客に繋がらないからかな?

 01:Gravity
 02:Monkey Paw
 03:Megaton
 04:Something About You
 05:Karmalaa
 06:Cupid,s Deed
 07:Nice To Meet You
 08:Get The Funk Out
 09:Midnite Express
 10:No Regrets
 11:Exit


ブラックプール・ライツ

(公式サイトより)

メインステージのモビリタがこの有様な状況でこの後のドゥービー見てもますますフラストレーション
溜まりそうだったんで、パンク風味の元気出そうなやつ聞いてスカっとするかと、元「GetUp kids」の
ギターが新たに立ち上げたバンド「THE BLACKPOOL LIGHTS」を見に、パンク専門ステージのワープドへ
足を向けてみればそこは予想以上にガラガラ。既に演奏が始まっているにもかかわらず、前の柵に貼り
ついているのが5人、あとは中程あたりにパラパラと5人くらいしかいないという有様。

正直、それ見た瞬間「うわ」思いました、けどバンド自体はその状況にメゲるでもなく「GetUp kids」
時代と同じようなエモ全開のインディロックを聞かせてくれていたんで、こりゃそのままフェードアウト
するわけにもいくまいと最前にかぶりついて体揺らしてました。うん、ツボをおさえたライトなメロと、
サビで入る声のハモりがかなりいい感じ。デビューしたての頃のグリーンデイから、曲毎のメリハリを
差し引いたらこんな感じになるのかも。

ま、気分転換としてみれば悪くない時間帯だったけれど、でも、客が少なすぎて頭をチョイ振りする
くらいしか出来なかったんで、依然として胸のうちのモヤモヤは残ったままに。

で、これ以降、メインのモビリタで「ジェフベック」→「サンタナ」と続く哀愁系ギタリストの大御所
二人を見て痺れまくるか、もしくはワープドにはりついて三連発で続くアメリカンパンクのベテラン勢を
見て暴れまくるか、ものすごく迷っていたのですが、とても癒しの音楽を聴くような気分じゃなかったのと、
「THE BLACKPOOL LIGHTS」で体がすっかりパンクモードへ移行していたのもあり、今日はもうひたすら
ワープドにはりついて、頭のてっぺんから足のつま先に至るまでズブズブのパンク漬けになっちゃうかと
決心固めてステージ脇で待機してたら、そのすぐ脇でおもむろに放尿されて一気に萎えました。
このフェス、一体、どうなっているの?


ヴァンダルズ

(公式サイトより)

さて、アメリカンパンク代表組として、まずハナを切って出てきたのは「ヴァンダルズ」。
このバンドの存在がなければ今のオフスプリングはなかったといっても過言ではないほど、
数多くのメロコア系大手に影響を与えているカリフォルニア・パンクシーンのカリスマ。
今までスカスカだった客席も、この辺りから徐々に埋まりだしてきてましたね。開演時点
でほぼ100〜200名くらいだったかな?まあ、それでもこのバンドの実績と格からして
みれば、まだ全然少ないんですけど。

で、ライブの方はというと、とにかく曲調が速い速い、普通のメロパンクのおおよそ3割増し、
ついでに客ノリの立ち上がりも速い速い、ハナっからモッシュ続出。入場からおおよそ6時間、
ここにきてようやくフェスらしい空気を体感することができました。
プレイの方も巧い巧い。マリオっぽい風貌したギターの人がパンクらしからぬ高速ピッキングを
次から次へと炸裂させれば、Voの人もそれに早口&身振り手振りアクションをシンクロさせるわで、
これがまた楽しい楽しい。

ついでにギターの人のパフォーマンスの方が抜群に愉快、Voとベースに持たせたギターのベルト
部分を火の輪に見立ててそこにステージの端から突っ込んでいったり、不安定なモニターの上に
何度も飛びのってギター弾きつつ踊ったり跳ねたり(でもって案の定大ゴケしたり)、ラストの
"Don,t StopMe Now"(Queenのカヴァー)では、ネック部分をズボンの股間部分にもろ突っ込んで
キュキュキュキュこすりまくるという超絶プレイまで披露。見てるこっち側もその弾けっぷりの
前に完殺ノックアウト。いや、めちゃくちゃアタリの内容だったと思います。

 01:43210-1
 02:Cafe405
 03:It's A Fact
 04:Oi To The World
 05:My Neck, My Back
 06:New You
 07:I've Got An Ape Drape
 08:Pizza Tran
 09:And Now We Dance
 10:My Girlfriend's Dead
 11:Don't Stop Me Now


ペニーワイズ

(公式サイトより)

次に登場してきたのは、バッド・レリジョン率いるパンク小僧御用達レーベル、エピタフきっての
看板バンド、「ペニーワイズ」。

開始直後、普通にカジノの用心棒とか副業にしてそうな風貌の太っちょギタリストが、後方で様子を
伺っている客達に向かって「You! Come Here!!」と叫び、半ば強引に前にこさせるという王様プレイ
をいきなり敢行。出だしから「うおー、あのデブ怖えー」思わされたノリそのままに、演奏の方も前
のヴァンダルズのコミカルさとはうって変わったマジっぷり。

更には演奏開始と同時に、左右の両エリア最前で鳴門海峡のうず潮を想起させるようなローリング・
モッシュが発動。なに、お前らバターにでもなっちゃうの?と思わず問い詰めたくなるようなその
妥協なき回りっぷりがライブの勢いを牽引したのに加え、選曲の方が新旧織り交ぜた代表曲の数々に
ラモーンズのカヴァーありと実にバラエティ豊かなのも手伝って、客200人ぐらいしかいないにも
かかわらず、会場全体は異様な盛り上がりをみせてましたね。

特に終盤、"Same Old Story"のサビでVoが「もっとこいよー」的な感じに両腕を広げた仕草にブルっ
とさせられたところで、恒例のラストナンバー"Bro Hymn"の掛け合いへと繋げられた流れにはマジ感動。
自殺してしまった元ベースに哀悼の意を表して作られたというこの曲のサビ部分におけるステージ内外
一体となっての「オー♪オオオー♪」の大合唱コールは、ただただ壮観の一言でした。

 01:Unknown Road
 02:Competition Song
 03:My God
 04:Blitzkrieg Bop(Ramones)
 05:Society
 06:Can't Believe It
 07:My Own Way
 08:Something To Change
 09:Living For Today
 10:Every Single Day
 11:PennyWise
 12:Same Old Story
 13:Fuck Authority
 14:Bro Hymn


ソーシャル・ディストーション

(公式サイトより)

ワープドステージのトリを飾るは、LAパンク、大御所中の大御所、「ソーシャル・ディストーション」。

パトランプの赤色光がステージ上を彩り、始まりの合図を告げるサイレン音が響く中、遂にマイク親分登場。
「兄貴ー!」「10年待ったー!」等のコールが叫ばれる中、客席に放り投げられるバラの花束、と同時に
刻まれはじめる"Reach for the sky"の切なくも勇壮なイントロ… や、ウドーフェス両日あわせた中で一番
興奮した瞬間だったかも。ふと前方を見れば感激のあまり泣いちゃってる女の子とかいるし。更に演奏中は
ほぼ全員がサビ全編を大合唱、かつ、通常ならあまり歓迎されない筈のダイブを皆が率先してお手伝いという、
とことん間違った博愛精神がそこら中で発揮されてる始末。客は300人程だったけれど、でもそのほぼ全員
がたぶん日本で一番濃いSDファン達だったんじゃないかと思わされるくらい、熱烈な盛り上がり方でした。

バンドの方も、そんな客のテンションに呼応するかのごとく、静かながらも熱いステージングを見せてくれて
いましたね。そして何よりも「おおー」と思わされたのは、本来ならばジョンクーガーっぽい泥くささを感じ
させる骨太の古典ロックにカテゴライズされる筈のこのバンドを、パンクたらしめているマイク・ネス親分の
圧倒的存在感ですよ。若干しゃがれ気味な渋さ満点の声といい、仁王立ちでマイクに向かってがなりたててる
そのシルエットから漂う貫禄感といい、更にはメロのよさ、そこから迸るグルーヴの熱さ、だけどどことなく
寂寥感を感じさせるその渋みをも含めて、培ってきた経験が生み出す音の重み、みたいなものをとことん実感
させられた至福の時間でした。ジェフベック及びサンタナを蹴ってまで見た甲斐あったなあ。

 01:Reach for the sky
 02:Highway 101
 03:Under my thumb
 04:MLM
 05:The creeps
 06:Sick boy
 07:Gotta know the rules
 08:Prison bound
 09:Ring of fire
 10:Story of my life
 11:Ball & chain




*14日(二日目).

ソフト

(公式サイトより)

二日目は小雨パラつく朝一から参戦。昨日以上の客の少なさに若干の不安を覚えつつ、まずはモビリタで
オープニング・アクト、「ソフト」を見ることに。
NY出身でありながら、ストーンローゼスやミュージックのようなUKポップ臭を強く感じさせてくれる
音楽性に加え、ここ最近のロッキンオンのインタビューで「僕らの音はスケールが大きすぎてホールには
マッチしないんだ。アリーナ向きなんだよね」みたいなことを軽々と宣えちゃうそのビッグマウスっぷり
も手伝って、相当期待アゲ状態でしたね。

その期待にたがわず、内容の方もかなりアタリ。
にじんだ水彩画をイメージさせるような綺麗でつかみどころのないメロが、小雨降る会場の景気と相まって
実にいい雰囲気を醸しだしてました。こういうの、いい意味でのメリハリの無さとでも言うんでしょうか?
シャボン玉のごときつかみどころのない音が、アゲでもサゲでもない今現在の気分とマッチしてなかなかに
気持ちのいい時間を過ごせたと思います。

雑誌じゃ大口だったわりには妙に自信なさげだったVoのステージングが若干気になったけれど、他は特に
目だった突っ込みどころもナシ。ハイになりたい時に聴く音楽ではないけれど、ユルーく体を揺らしながら
ライトに楽しみたい気分の時にゃ、かなりハマれるバンドなんじゃないでしょうか。

 01:Great Spirit
 02:Lucky Jam
 03:100 Days
 04:Gold
 05:Droppin
 06:You Make Me Wanna Die
 07:Hot Club
 08:Higher
 09:All That You're Shown 


テイラーホーキンス&ザ・コートテイル・ライダーズ

(公式サイトより)

ソフトを見終わった後、そのままモビリタに残って、フー・ファイターズのドラムが立ち上げた
別プロジェクト、「テイラーホーキンス&ザ・コートテイル・ライダーズ」を見ることに。
ドラマーがVoを兼任する為、ドラムキットをステージ前面に押し出したセッティングになって
いたのだけれど、これ、かなり新鮮な光景でしたね。ライブ中、その中でスティックぶん回しな
がら歌ってるホーキンスさんは息継ぎの度にむきだす白い歯がステキ!って感じのナイスガイ。

で、1曲目"Loise"がかなりイケてる感じだったので思わず「おおっ」と身を乗り出すも、以降は
いまいち尻つぼみ気味、最初の高揚感がそのまま持続することはなかったですね。曲調や耳あたり
自体は悪くないのだけれど、どうしてもパンチ不足が否めないところがあるんじゃないかと。
あ、ラス前にやった"Hotel California"は、僕がこの曲のギターソロを死ぬほど好きなこともあり、
なかなかに嬉しいサプライズでした。

 01:Loise
 02:It,s Ok Now
 03:Walking Away
 04:Better You Than Me
 05:Cold Day In The Sun
 06:Running In Place
 07:Get Up I Want To Get Down
 08:Hotel California
 09:You Drive Me Insane


セバスチャン・バック

(公式サイトより)

この日はここからが本番、いよいよ本命アーティスト目白押しタイムに突入。
開始10分前くらいから一見してメタラーと分かる客層がモビリタのフロントに集結しはじめ、
今までのまったりムードが一変。ふと気づけばステージ前は、たぎってます、みなぎってます分
で全身パンパン状態になってる漢どもの集団で埋め尽くされることに。

開演前からそんな状態でしたからね、セバスチャン・バックが登場するやいなや、飛び交う奇声、
突き上げられるフィスト、撒き散らされるペットボトル、と同時に前から7〜8列目くらいまでの
ほぼ全員がモッシュ開始という分けのわからない状態に。その弾けっぷりたるや、ちょっと尋常
ならざるものがありましたね。僕が見た限り、キッスを除けばたぶんここ二日で一番会場が沸いた
瞬間だったんじゃないかなと。

セットリストの方も、これちょっとやりすぎじゃね?って思うくらい、スキッドロウ往年のヒット
ナンバーを並べまくったアゲアゲ構成。それに昔とほぼ変わらない体型のままノリノリのアクション
見せてくれるバズの姿が加わった日にゃ、こら盛り上がらない方がおかしいわって話でね。
客ノリが抜群なせいかバズ自身のノリも絶好調、鎖鎌よろしくマイクをブン回したり、飲んでいた
ペットボトルをフットボールに見立てて客席側へ蹴飛ばしたり、人の背丈の倍以上もあるスピーカー
の上によじ登って"Youth Gone Wild"を熱唱したりとサービス満点。

90年代初頭のグランジ台頭前、あのメタルがもっとも輝いていた時代におけるHR・HM黄金期
を彩った、ここれぞまさにロックスター!と評すべき素晴らしいパフォーマンスもまざまざと魅せつ
けられた一時間でしたね。

 01:Slave to the Grind
 02:Big Guns
 03:Here I Am
 04:Stuck Inside
 05:Piece of Me
 06:18 and Life
 07:The Threat
 08:American Metal Head
 09:Monkey Business
 10:By Your Side
 11:I Remember You
 12:Youth Gone Wild


ポーキュパイン・ツリー

(公式サイトより)

バズ終了後、体中から湯気だしながら、セカンドステージ「スクウェア」へと移動。
このまま残ってアリス・イン・チェイン見るか、移動してポーキュパイン・ツリーとゴッドスマック
見るか直前まですごく悩んでいたんですが、既に1回終わってしまったバンドよりは、やっぱ今一番
勢いのある新鋭バンドだろってことで、結局後者をチョイスすることに。

で、「ポーキュパイン・ツリー」ね。
ここ日本では最近デビューしたばかりでまだまだ知名度も低いけど、本国イギリスでは既に15年
近くのキャリアをもつとともに、卓越した演奏力と音楽スケールの大きさでもってかなりの人気を
誇るプログレ・バンド。OPETHを筆頭としたVoのプロデューサー力にも定評があるそうで。

あえてその音楽性を表現するなら、あのドリームシアターをおとなしい…じゃないな、「まろやか」
にしたような感じ?プラス、ピンクフロイドかなと。基本プログレ調なんだけど曲毎のオン・オフが
はっきりしている上に、ものすごく包容力みたいなものを感じさせるというか。
特に"Lazarus"や"Blackest Eyes"をはじめとする旋律の美しさと、見事な奥行きを感じさせて
くれるその演奏力には、かなり惹き付けられるものがありましたね。

一番のハイライトは"Arriving Somewhere But Not Here"かな。
ステージ周囲を取り囲む深い霧が、優しげで物憂げなメロディーとものの見事に調和して、実に
幻想的かつドラマチック極まる空間を創りだしていました。そこからドリムシばりの硬質感を感じ
させるクランチーな展開へと転調させた流れもただただ凄いの一言。
オリジナリティという観点からみるならば、一部の大御所を除けば今回のメンツの中では突き抜け
ていると思いましたね。たぶんゴッドスマックと並ぶ、両日あわせてのベストアクト。これ、単独
あったら絶対行ってみたいです。

 01:Open Car
 02:Blackest Eyes
 03:Lazarus
 04:Hatesong
 05:Arriving Somewhere but Not Here
 06:Halo
 07:Trains


ゴッドスマック

(公式サイトより)

そのままスクウェアに居残って、ゴッドスマック見物。
米じゃ既に1000万枚以上を売り上げてる大物バンドの一つなんだけれど、ここ日本での人気は
まだまだお寂しいようで、見てる客の数は300人くらいでしたね。
こういうミドル帯域を中心とした重厚感で聞かせるバンドって、やっぱスピードによる爽快感を重視
しがちなここ日本じゃ、火がつきにくいんもんなんですかね。比較的楽に爽快感を得られるスピード
を捨ててでも重さを重視するってな、簡単なようで実は相当難しいことだと思うのだけれどなあ。

で、実際に見てまず実感したのはドラムの凄さ。チーターを思わせるしなやかなテイクバックから
放たれる驚異のストロ−ク、連打はともかく一打一打の強さが半端なかったです。や、ドラマー見て
こんなに興奮したのって、モトリーのトミー・リー以来かも。
あと、Voのサリーね、全盛期のガンズ的な格好よさとでもいうか、背丈は小っちゃいのに一つ一つ
の動き全てに華があって、いかにもスター!って感じに見えるところが良かったですね。
「オ〜サカ〜!」って叫んだ後、あ、やっちゃった!的な顔してテレながら再度「ト〜キョー〜!」
って言い直してたその様にも好感もてました。ま、ここ、東京じゃなくて神奈川なんだけれど。

演奏がすごく良かったのに相反して残念だったのは、前列に陣取ってる大半の客が棒立ち腕組み
のサガット状態だったこと。なら前の方にいないで後ろさがれよっつう、でも、それ以前に客が少なさ
すぎるんでそれも言いにくいっていうこのジレンマ…!どうにか盛り上げようと一部の有志とともに
ヘドバンしまくって少しでも周囲にメタル相乗効果を及ぼそうとしたものの、パルテノン神殿の石柱
ばりな奴等の棒立っぷり姿勢は、結局最後まで変わることなく。
まあね、楽しみ方は人それぞれだし仕方ないことだとは思うけれど、プレイしてるアーティスト側
の心中を考えれば、やっぱ前列辺りはノリいい奴で埋まってた方がいいんじゃないかって。でも今回
みたいに客そのものが少ないと、こういう感じにならざるを得ないのも分かるし、うーん、うーん。

結論:ありとあらゆるメリットを無視してでも、やっぱフェスは人が入ってナンボだと思いました。

 01:Whatever
 02:Awake
 03:Livin in Sin
 04:Shine Down
 05:Voodoo
 06:Greed
 07:Straight Out of Line
 08:Keep Away
 09:Serenity
 10:Speak
 11:I Stand Alone


キッス


(公式サイトより)

さて、いよいよキッスです。ウドーストックを締めくくる最後の大トリです。
しかも火器使用制限を解除された野外バージョン、加えてアリーナ級の会場じゃ絶対実現
不可能なオールスタンディングということで、開演前からみなぎりまくりのコスモ燃えまくり。
そりゃ嫌がるツレに対しても、こんなことしちゃいますよ。

 (ポールのつもりだよ)

したら、その5分後には、僕がこんなんされてました。

 (ドラムの人のつもりだよ)

周囲の人には普通に、うわ、みたいな顔されてましたね。お前、それなんか違うぞ的な、ね。
おかげで人垣が割れる割れる、前の方へ楽々と行ける行ける、だけども視線が刺さる刺さる、
なんかライブが始まる前から滅茶苦茶つかれた気分になりましたよ。

それでも、もうすぐキッスが見れる!こんなに近くで見れる!というけなげな喜びとともに
ステージ上へ熱い視線を注いでいたわけですが、そこで早速クエスチョン。いつもなら暗幕が
かけられて全体が覆い隠されてる筈のステージがいつまで経ってもあけっぴろげられたまんま、
普通にセッティングとか行われてるわけですよ。あ、じゃ開幕直前で隠すのかなーと思ってたら、
何の合図も脈絡もないまま唐突にポールとジーンが出てきて「ハロー!」って、ええー?
なに、このヘボさ満点のオープニング?MCとともに暗幕がバサっと落ちてパイロどーん、
みたいないつもの大仰な演出は一体どこにいっちゃったの?おまけに音量小さッ!そこへ
花火のパーン!って破裂音だけが無駄に大きく響くもんだから肝心の音がまるで聞こえない
という間抜け極まるザマに。



いや、キッスの面々をありえないくらい近くで見れたことだけは嬉しかったけど、でもこの
手抜き演出には正直、萎えました。しかもあまりに前に行き過ぎたもんだから、ステージ後方
から打ち上げられてたっぽい補助花火の演出がまるで見えなかったり。パイロもいつもより若干
ショボかったように見えるし、最後の紙吹雪も風に流されまくっていつものゴージャス感に欠け
てたし、なによりもそのデーハーさ加減をより増幅させる巨大スクリーンがなかったのが致命的
でしたね。やっぱりキッスのライブはアリーナで見るに限ると痛感。

加えて、締めの花火が霧で見えなかったり、後方設置のPA以降は青シートだらけだったりと
このウドーストックならでは思われるレアな笑いどころが続出。特にポールがさんざんでしたね。
"I Was Made For Lovin' You"で颯爽と滑車に飛び乗っていつも通り華麗に小ステージへ
降り立っかと思いきや、その後方にゃまるで客がいなかったもんだから、即、振り向かざるを
得なかったり、いざメインステージに帰ろうとしたら滑車だけ先に戻ってしまってて、その場所に
しばし放置の憂れき目にあったりとかね。そりゃ歌詞間違えたりとか、あまりの人のいなさっぷり
に「今夜、ここに4万人の… 後ろを振り向いちゃ駄目だー!」とかアジったりしちゃいますわ。

まあそれでも"Deuce"におけるポール・ジーン・トミーの三位一体となってのフォーメーションや、
ジーンの火噴きや血吐きに空中浮遊、回転花火とともにドラムライザーせり上がっておまけにパイロ
どっかんどっかん、ラストのギター破壊などなど、恒例パフォーマンスの数々は存分に楽しめたんで、
贅沢いいっこなしだとは思っているんですが、「キッス初の野外ライブ」という期待があまりに大き
すぎたこともあり、正直、僕的には残念な内容だったかも。

 01:Detroit Rock City
 02:Makin' Love
 03:Watchin' You
 04:King of the Nighttime World
 05:Deuce
 06:Christine Sixteen
 07:Firehouse
 08:Got To Choose
 09:Strutter
 10:Lick It Up
 11:I Love It Loud
 12:Love Gun
 13:God of Thunder
 14:Do You Love Me
 15:Shout It Out Loud
 16:I Was Made For Lovin' You
 17:Black Diamond
 18:Let Me Go, Rock & Roll

 19:God Gave Rock & Roll To You
 20:Rock and Roll All Night


<総括>
 ・とにかく客がいなさすぎ。
 ・それに加えて、前列なのに棒立ちの客が多すぎ。
  どっちかというと客のいなさ加減よりこっちの方が酷かった。
 ・飯はそこそこうまかったです。特にスクウェア側。
 ・結局のところ、僕にとってのこのフェス最大の収穫は、Vandals、Pennywise、Social Distotion
  というレアバンド3つを見れたことかな。
 ・当然のごとく来年も(あれば)行きます。
  こんなにも、その行く末をひたすら見守りたいって気持ちにさせるフェスって…!

<今日の無駄T>



#本当はキッスを買おうと思っていたんだけど、迷った挙句、ライブ内容に圧倒された
 ペニーワイズの方を買っちゃいました。だって物販の前、誰もいないんだもん…か、可哀想で…


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