初音ミク 〜大感謝祭〜.
<2012年3月9日: Tokyo
Dome City Hall>
昨年の初夏くらいに「ミクの日感謝祭」の2010年度版DVDを見て以来、
初音ミクや巡音ルカなどの「ボーカロイド」系にドンはまり、一足も二足も遅れまくった
そのマイブームが未だ覚めやらぬまま、今に至っているサカイです。
そのボカロ廃人道の入り口でありきっかけともなったミクさんのフィナーレ・ライブが
今年の3月9日の「ミク」の日に行われるということで、なけなしの運をフル動員して
奇跡的にチケをゲット、クイーン再結成時のライブとほぼ同等レベルの高揚を抱えつつ
行ってまいりました、水道橋は旧JCBホールまで。
で、その選曲が07〜09年までのボカロ曲のほぼベストとも言える内容だったので、
後で自分で見返して回想にふけれるよう、今回は1曲単位でレポってみました。
■Tell Your World(kz feat.初音ミク)
オープニングはお約束通り"ワールドイズマイン"かと思いきや、イントロのピアノが
静々と流れ出した瞬間、ホール中がざわめいたまさかの「GOOGLE」テーマ曲。
透過スクリーンに対して多少角度がある位置だったせいか、いざ登場したミクさん顔が
若干細っこく見えて、最初は「おやおや?」という感じだったのですが、
足元から立ち昇っているかのように見えるスモークの映像効果と、ミクさんの象徴ともいえる
ツインテールの重力感とのコンボを見た途端、その視覚的不具合は瞬時にして霧散してくれましたね。
■ゆめゆめ(DECO*27 feat.初音ミク)
2曲目もかなりサプライズより、最近発売されたミクさんの音ゲー「Project mirai」の
テーマ曲である"ゆめゆめ"。「あれれ?」の歌詞のところで首を傾げるミクさんの姿が
驚異的に可愛くて、早々と生きてるのがつらい状態に。ミクさんの可愛さ極まったダンスに
調和するかのような「DECO*27」Pの楽しげなギターの弾きっぷりも良かったですね。
つい「カッコよく」弾こうとして、かえって余裕がない感を出しがちな日本人ギタリストの
中においては、この人の多幸感ふりまきまくりなプレイスタイルはかなり貴重かも。
■ワールドイズマイン(ryo feat.初音ミク)
で、ここでボカロ曲全ての代表曲の一つとも言える"ワールドイズマイン"が登場。
「その1!」から「その3!」までを完全にハモりきる「おまいら…!」達の全力支援も手伝って、
場内テンションは早々クライマックス。何よりも転調パートでのミクさんのツイスト・ダンスが
可愛すぎて…!くぁwせdrftgyふじこlp…!(悶絶)
■えれくとりっくえんじぇぅ(ヤスオ feat.初音ミク)
畳み掛けるように流れたのはミク元年の代表的アンセム、オリエンタルなムードが高速で
ビートする"えれくとりっくえんじぇぅ"。キーボードとドラムとのシンクロ具合が絶妙すぎて
完全に演奏陣GJ状態に。天女のごとく華麗に舞うミクさんのダンスも勿論GJ!
■恋スルVOC@LOID(OSTER project feat.初音ミク)
ここで「ミナサーン、アリガホー」MCが入った直後、曲のイントロが流れ出した途端、
当たり前のように「ラーラーラー」とハモる「おまいら」の支援は相変わらず完璧。
ミクさんの可憐さと可愛さをメロディで具現化させたかのようなこの曲、ブラスパートの
追加によって音色の膨らみが格段に増してましたね。それに比してミクさんの胸っぷりは
安心の小っぱいクオリティでものの見事に増量ゼロでした、が、そこがいい…!
■クローバー・クラブ(ゆうゆ feat.初音ミク)
ここでミクさん、本日初の衣替え。この猫ぐるみは完全にアザといわー
だ、だがものすごくキュートで、ありえないほどにドリーミン…!
特に猫の形態模写で腕をグルグル高速回転させる振り付けはあまりに破壊力ありすぎて…!
ハッピーとリリカルのパートをいったりきたりの転調が生み出す抑揚感も素晴らしいとしか。
■ぽっぴっぽー(ラマーズP feat.初音ミク)
そろそろ休ませてくれ〜状態になりつつあったこちらの体力事情を完殺するかのように
高速でうねりまくるこの神業的ベースは…、そう遂に"ぽっぴっぽー"キチャッター!
三次元の人にやらせたらもはや露出プレイ以外のなにものでもないチア衣装のエロ度も
パなかっすけど、バッテン目になってからの「ぽぴィィィィィィ〜〜〜〜ン!」飛行は
「もうころせー」レベルで本当にヤバすぎました。隣でダンスってたラマーズPさんとの
踊りのシンクロ度合もこれまたパなかっすね。
■ロミオとシンデレラ(doriko feat.初音ミク)
先ほどの健康的ベクトルへ寄ったエロ度から一転、この官能的な衣装は…
というわけでフルブーストにムーディな悲恋曲"ロミオとシンデレラ"がここで登場。
挑発的でありながら切々と、本来なら相反する筈のこの二つの感情線を見事に表現しきった
ミクさんのダンスと、それを後押ししたギターソロには、もう見入りまくりの聞き入りまくり。
ところでしゃがんだシーンのところでパンチラしたってホント?ねえホント?
■ファインダー(kz feat.初音ミク)
この辺、ゆったりしたムード系の曲が続きます。
ミクさんの服モジュールもツインテから髪下ろし&ベレー帽な私服バージョンに変更。
彼女の左右ワイパーアクションが巻き起こした、ホール中を埋め尽くす緑海ウェーブが
素晴らしく映えていたのが印象的でした。
■裏表ラバーズ(wowaka feat.初音ミク)
前半〜中盤にかけてのミー的ハイライトのマックスがこの曲。
ただでさえ疾走感突き抜けてる曲のテイストを更に加速させていた振り付けのキレ、
そしてブラスを加えた曲アレンジの新仕様がただごとじゃなかったです。
どこまでも天井知らずで上がっていく加速感には、完全にやられまくりました。
■StargazeR(骨盤P feat.初音ミク)
前曲のフル疾走なテンションを見事にハイなまま繋ぎきったのがこの曲"StargazeR"。
「ソシテー、ボーカルワ〜?」のコールに対してホール中が「初音ミク!」でレスポンス
しきった流れからノンストップで始まったイントロを聞いた瞬間、すかさずチキン肌。
スクリーン周囲を取り囲む電飾効果とのシンクロも手伝って、ここだけサイリウムそっちのけの
ヘドバン状態で、とことんアガりきった時間帯でした。
■moon(iroha feat.初音ミク)
これまでの流れを一旦リセットするかのようなしっとり感を演出していた"moon"、
ミー的にはあまり好みじゃない曲の筈だったのに、背後の別スクリーンに映し出された
曲名まんまの「月」演出に、またもやソウルをガッツリもっていかれました。
これまでの激しさから一転してほとんど動かず、表情だけで曲の情感を表してくれた
ミクさんの切な顔と、それをもろに引き立てた情感豊かなギターソロもサイコー。
■初音ミクの消失(cosMo@暴走P feat.初音ミク)
ここで全ボカロ曲の中でも最高速を誇る「消失」が満を持してキター!
前曲がスローテンポだっただけに、そのスピード感も際立っていたような。
そのテンポに合わせて周囲で振られるサイリウムの速度もまた速い速い。
あと、これまでのライブやPVの中では必ずモジュール変更があった曲だけに、
今回のようなデフォルト服での歌唱は、かなり新鮮に見えましたね。
■Change me(shu-t feat.メイコ)
これまでの13曲をほぼぶっ通しで歌ってきたミクさんはここで一旦お休み。
バトンタッチして「変わるわよ☆」の一言とともに出てきたのはよもやのメイコ姉さん。
妖艶なイメージを感じさせる裾丈短めの赤ドレスも印象的だったけど、今までとの
対比分も手伝って、そのデカ乳が揺れる様をひたすらガン見してました。
ちなみに前日はカイト兄貴が出演したらしいけど、どうせなら二人一緒のところも
見てみたかったかも。
■右肩の蝶(のりぴー feat.鏡音レン)
姉さんに続けて登場してきたボーカロイドはショタ厨悶絶キャラのレン君。
途端にそこら中で響く「レン君〜!」「カッコイイー!」の黄色い系シャウト。
やっぱりこの曲は間奏部分の「チョチョチョーチョチョチョチョー」な擬似ラップが
一番盛り上がりますね。
■Just Be Friends(Dexie Flatline feat.巡音ルカ)
圧倒的ノンストップ感が特徴的なこのライブ、今度はルカ姉さんが艶やかに登場。
"ダブルラリアット"と並ぶこの代表曲をディープにウェットに横ノリで熱唱。
ヘソ丸出しな革ジャンに革ミニスカ&ガータという「ハードロック」モジュールも相変わらず悩殺力抜群。
いやモデリングキャラに悩殺って、今完全に頭おかしいこと書いてると自分でも思うけど、
でも本当のことだからしょうがないんだ…
■magnet(minato feat.初音ミク&巡音ルカ)
サックスの憂愁美豊かな音色から始まったのは、ミク&ルカ姉のデュエット曲"magnet"。
上が胸元大きく開いた着物に下がミニスカという和洋折衷モジュールが、しかもダブルで
迫り来るこのゴージャス感を前に、周囲では野生の目覚め…いやさ原始への回帰を思わせる
「がわいいー!」「ミグゥゥゥゥ!」「ルガァァァ!」等の雄たけびが響きまくりでした。
■ワールズエンド・ダンスホール(wowaka feat.初音ミク&巡音ルカ)
間髪入れずに演奏されたこの曲では二人が瞬時にしてボディコンっぽいドレスに衣替え。
この世の中でもっとも理想的な形状とされる「微乳」と「巨乳」のコントラスト美を前に、
恥も外聞もなく己が中のリビドーにしたがって、サイリウムという名の「象徴」を全力で
振る男たち、その姿はキモいを超越して、もはや美しくすらあったといいます。
先の曲と合わせて、ボーカロイドの可愛さは人間を軽々と本能レベルの獣まで戻して
しまうということを殊更に実感してしまった時間帯でした。
■炉心融解(iroha feat.鏡音リン)
重度の興奮に加え、ボカロ達のハイトーンが生み出す高周波酔いがいよいよキマりまくって
「もうどうにでもな〜れ」感がますます強まってきたこの終盤、そこへ完璧にトドメを刺して
くれたのはリンちゃんのツインテール姿と、その超音波度マックスなシャウトでした。
終盤の「ピャアアア〜〜〜!」絶唱をもろにくらって「耳鳴りが消えない、やまない〜」。
■孤独の果て(光収容 feat.鏡音リン)
リンちゃんがテレキャス抱えて再登場してきたので、なんだなんだと思いきや見てたら、
このベースとギターの相互イントロは…!これもほぼサプライズ曲"孤独の果て"キター!
そして華麗にカッティングをきめるリンちゃん、ヤダ、カッコ…よすぎる…!
「俺をアンプにして踏んでくれー!」等の遠吠えを耳にして、心底同意だと思いました。
そして願わくばここは「DIVA Extend」の映像通り、ベース持ちのレンも見たかったかも。
■Promise(samfree feat.初音ミク&鏡音リン)
貴重なミク&リンのデュエット曲"Promise"が、2年前の感謝祭同様、この終盤で登場。
両手両足に巻いたシュシュが特徴的な衣装も良かったけど、ここは「samfree」Pのレスポールから
紡ぎだされる渾身ソロの方に見入っちゃいましたね。
■タイムリミット(North-T feat.初音ミク)
ここで再びミクさんのソロにバトンタッチ、ボカロ黎明期の名曲"タイムリミット"登場。
てかこの曲も過去のライブじゃプレイされてなかった筈なので、新規曲ですね。
てことは"Tell Your World"・"ゆめゆめ"・"Change
me"・"孤独の果て"にコレで新規曲が5つ?
その他モジュール刷新も加えると今ライブがめちゃめちゃ手間隙かかってることが伺えます。
人的リソースや機材費用もやたらかかりそうだし、それで最後…なのかな?
でも、このレベルのクオリティを見せてくれるショーが、たったの2回公演て、あまりにも
少なすぎるような…セガさんのゲームもっと買うから願わくば武道館規模で世界ツアーを…!
■パズル(クワガタP
feat.初音ミク)
今度はミクさんが、先程のリンちゃんと同じ黄色のストラトを持って登場。
ギター付きの「DIVA」動画から考えたら"サウンド"か"サイハテ"辺りかなと思ったんですが、
これが意表を突いて、より哀愁メロ色の濃い"パズル"。
弾き語り調かと思いきや、サビ部分でかなりヘヴィにガツンとかましてくれていました。
その時のギターのラフな弾き方がカッコよくて、いっそギターになってしまいたいとさえ…
■1/6 -out of the gravity-(ぼーかりおどP feat.初音ミク)
ホール内に前曲の情緒感の余韻を漂わせたまま、間髪入れずにこの曲はズルいわ〜
でもって振り付けが"ゆめゆめ"と同じくらい驚異的に可愛い上に、しかもフル演奏。
「走ってきたふり…」のところの走る真似とか、ここが自部屋なら完全に床上を萌え転がってましたね。
なんかどんどん思い残すことがなくなっていって、この時点で「俺、このライブ終わったら
結婚するんだ…」的な死亡フラグっぽい何かが、脳内に立ちまくりな状態に。
■SPiCa(とくP feat.初音ミク)
本編の最後を〆るは、2年前の感謝祭ライブと同じく"SPiCa"。
尻上がりに高まってくる高揚感の絶頂で、お馴染みのスピカ砲も見事に炸裂してくれて、
アウトロの神ギターソロも完璧で、いや、もう完全に満足しきりました。
歌い終わったミクさんが「39〜!」と言い残して去っていく後ろ姿に向かって、
「消えないでくれー!」と絶叫していた、名も無き一人の太っちょ戦士のシルエットが
実に印象的な本編ラストでした。
■愛言葉(DECO*27
feat.初音ミク)
アンコールの入りもまた2年前の感謝祭ライブ同様、ミクさん愛・全開アンセムのこれ。
ブラスが入ったことで、かなり大胆にアレンジされたバージョンでしたね。
サウスポー抱えのギターを左右に振りつつリズムを刻む「DECO*27」Pの荒ぶりっぷりに
呼応するかのように、曲途中の合唱レスポンスも一部絶叫含みで見事にきまってました。
■メルト(ryo
feat.初音ミク)
「最後」のミク感謝祭ライブを〆くくる最後の曲は、やはりこの歌しか。
全ボカロ厨の国家たる"メルト"のイントロが流れ出した途端、「ラ〜ラ〜ラ〜ラ〜」
一色に埋め尽くされ、「みっくみく」にされまくる場内。続いてメロ部分で絶え間なく
沸き起こる「ハイ!ハイ!」のPPPH節。「でも嬉しくて死んでしまうわ♪」って、
むしろこっちがこの熱気にあてられて死んでまうわ!
無数の緑色の閃光が形づくった大海の波打ち際にて、その波に揺られる海草のごとく、
手を振り上げて揺れ踊るミクさんの姿は、このライブの内容を象徴付けるに相応しい
名シーンだったと思います。
■ハジメテノオト(malo feat.初音ミク)
てっきり"メルト"が最後かと思いきや、ミクさんの「マタイツカ、アエルトイイナ」
の呟きとともに始まったこのピアノ・ストリングスは…
ばバカ、止めて…!ここまで頑張って耐えてきた涙腺という名のダムを、決壊させる
ような、そんな真似しちゃダメー…
最後のミク感謝祭ライブの最後の最後で、「初めて」を示すこの曲を歌ってくれたと
いうことに、ボカロ系ライブの新章へと繋がる何らかの意味を見出しつつ、
いやむしろそう思い込みつつ、サイリウム振りすぎてダルダルになった右肩を回しながら
いざ退場しようとしたら… て、おまいら誰一人として帰ろうとしないのかよ?
流石にもうこれ以上の続きはないだろー
■Project Diva desu.
ところがギッチョン、なんと続きがあっちゃいました。
怒涛の「もう1回!」コールが響く中、流れ出したのは、初回のミク感謝祭ライブの
始まりを告げるオープニングSE曲だった"Project Diva desu."。
ここでオープニング及び"Tell Your World"&"ゆめゆめ"のダンサーとして活躍してくれた
「DANCEROID」チームが再登場してきて、スレ住民いわく「召喚の踊り」を次々と披露。
正直あまりに脈絡がなさすぎてついポカーンと。パーフェクト天使たるミクさんを
眺めすぎたせいもあってか、「今更リアル?」的な感も若干否めなかったり。
■ワールドイズマイン(ryo feat.初音ミク)
ちなみに「召喚」効果はあった模様で、ミクさんもしっかり再登場してくれました。
"ワールドイズマイン"リプレイは嬉しいには嬉しかったんですけど、モジュールから
振り付けから全て3曲目と同様で、まったく目新しさがないのがチョイ残念でしたね。
もしこのWアンコールが予定済だとしたなら、願わくばここで"Tell Your World"を
もってきてほしかったかも。
とはいえ、これは「あえて挙げるなら」程度の不満レベルにも達しない些事であり、
全体を振り返ればその内容は、子供の頃おぼろげに思い描いていた「近未来像」を
生々しく感じさせる、とてつもなく新しい形式のライブだったと思います。
よくよく考えれば単なるフィルムコンサートを生演奏付きでやっているのとなんら
変わらない筈なのに、本来なら非現実キャラたる「ミクさん」が、今日、そこに、
確かに、存在していたと、強烈に感じさせる程の演出力はもう本当に凄いとしか。
そこまでの圧倒的エンタ力を持つライブがこれでもう終わり?そんなのメチャ許せませんなー
もっとミクさんを!更なるルカ姉を!コンボでリン&レンを!新たなるグミさんを!
明日という名の未来と引き換えにした今この瞬間のトキメキをー!俺たちァいつだって萌え〜
そんなドキモヲタをみた一般人の悲鳴はウエ〜、ついでにゾウアザラシのいななきはボエ〜
時間は夢を裏切らないし、夢も時間を裏切らない、声優は時々裏切ることもあるけれど、
初音ミクさんは絶対に裏切らない!いっそ二次元さえあればそれでいいと思わせきってー!
<今日のオススメ曲>
ボカロ曲をこれから聞いてみようかな?と思ってる方にオススメする曲30は「こちら」。