Marilyn Manson.


2012年3月10日: 新木場コースト>

多少邪道よりなインダストリアル・ロックの代表格「Marilyn Manson」が2年ぶりの
来日を果たすと聞いて、まったく期待しないで観たら思ったよりも全然面白かったLP06の
良き思いでをフィードバックさせたついでにチケを衝動的キープ。たまには変り種なライブも
面白かろうと、まだ肌寒さの残るこの季節、新木場はコーストまで行ってきました。

で、そのライブの方。
ただでさえ盛り上がる一曲目から"Antichrist Superstar"という重低音ムンムンの
必殺曲を持ってきただけあって立ち上がりは上々。そこから続いた"Disposable Teens"、
この盛り上がりがヤバかったですね。インダストリアル系独特のキンキンにエッジ利いた
ギターとうねりあるベースが混然一体となりながら紡ぎだすこの重いグルーヴに身を任せ、
なりふり構わず頭を振る者、リズムに乗って本能がまま暴れる者と、フロア前の方は相当
カオスな状態になってました。



で、久々に見たマンソンさん。多少ふっくらとはしていたけどそのアンチヒーロー然と
したダークな風格はまだまだ健在な模様。常にマイクスタンドを蹴倒す等の狂人系な
扇動パフォーマンスでもって場を上手にアゲてましたね。(ただその度にスタンドを直す
係の人は本当に大変wwwww)。この規模のハコにしては珍しいステージ前の花道設置も、
彼の外連味ステージングを活かすうまいアイデアだったと思います。
ちなみにそこへ彼が来る度、殺到してタオルやら下着やら投げまくっていた女性ファン、
マンソンが口から吹き出す水でさえ積極的に浴びようとしていたその圧倒的熱意はもう
すごいを超えてヤバすぎるとしか。多少勢いが衰えたとはいえ、流石は暗黒のカリスマ、
そのファンですら一般のそれとは一線を画している様がよく見てとれた1シーンだったかも。

前半のノリが良すぎたせいで中盤に少々ダレかけた部分もありましたが、ラスト付近での
盛り上げは流石、というかセットリスト的にはファンなら絶対盛り上がるだろコレ?的な
"Sweet Dreams"からの"Irresponsible Hate Anthem"。お約束の「FUCK IT〜!」大合唱と、
「WE LOVE HATE!! WE HATE LOVE!!」のシンガロング盛り上げは安定してアガっていました。
あとサビ以外を演奏なしの朗読形式でプレイしたアンコール直後の"1996"は、そこに至るまでが
静寂な分、サビでの爆発力がより効果的になっていてかなり面白い演り方だと思いましたね。
で、ここからヘヴィな金属的リフを前面に押し出した代表曲"Beautiful People"に繋げて、
さあここからだと思わせておいて、あれ?あっさり終了? …ここでもう1曲あれば全然
盛り上がりが違ったのに… というわけで総プレイ時間はなんと50分、単独公演としては
マイケル・シェンカーさんの伝説のプッチン公演を除けばおそらく最短でしょう。
ただそのわりにはあまり不満を感じなかったんですよね。演出面もラウパーの時と比べれば
かなりあっさり風味だったのにどうして?要所のキメどころがしっかりしていたせいかな?


<今日の一枚>

 「Antichrist Superstar」 / Marilyn Manson

インダストリアル系のトップ・アーティスト「トレント・レズナー」の協力を経て
96年にリリースされたセカンド作。ヘヴィロックの芯たる静動コントラスト際立つ
メロディの良さは言うに及ばず、その味付けたるケレン味、いわゆるエンターテイメント的な
音楽的装飾の高完成度に、厨2ワールド全開のキャラ押し要素を加えた独特の世界観は、
シーン全体を震撼させるに至った特筆すべき良作、いや魔作だと思われ。


<今日の無駄T>



#いかにもマンソン様的な顔面ドーンって感じのT。
 もちろん普段着に使うのは不可能、部屋着にすら難しいかも。



<セット・リスト>

01:Antichrist Superstar
02:Disposable Teens
03:The Love Song
04:Little Horn
05:The Dope Show
06:Rock Is Dead
07:Tourniquit
08:Personal Jesus (Depeche Mode cover)
09:mOBSCENE
10:Sweet Dreams (Eurythmics cover)
11:Irresponsible Hate Anthem

12:1996
13:The Beautiful People


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