SCORPIONS.


<2004年9月26日: 新宿厚生年金会館(ウェルシティ)

ハロウィン、アクセプトに先駆けてジャーマン・メタルという概念を作り上げたのみならず、
NWOBHMブレイクの10年前から、HR・HM界の土台を支え続けてきた大御所中の大御所、
通称「蠍団」ことスコーピオンズ。
ロリ少女全裸わんわんフェラ等の過激ジャケット発禁地獄 及び 恐怖・電撃・復讐・狂熱・暴虐
等の意味不明邦題シリーズで名を馳せた白痴的プロモーションと、そのキワモノ・イメージとは裏腹
な抜群のメロディ・センスとのミックス責めで、一部HRマニアのハートをものの見事にわし掴んだ
ドイツきっての名バンド。
主要メンバーであるクラウスとルドルフの年を考えるに(たぶん両者とも56くらい)、
今回スルーしまえばホモ・サピエンスの寿命的に次回はないかも知れないということを考えるにつけ、
これは絶対見逃すわけにはいかないとばかり、HRの歴史を振り返るようなそんな厳粛な心持で、
新宿は厚生年金会館まで行ってまいりました。

まあね、今回はAC/DCと並んで死ぬまでに一度は見ておかねば、と思っていたバンドのライブ
ですからね、そら気合いが違いますよ気合いが、とばかり開幕直後の生ルドルフを間近で見ただけで
オナニー覚えたてに加えて脳下垂体に電極つけられてその射精中枢をダイレクトに刺激されてる猿並の
勢いでアドレナって、うおーシェンカーの兄貴だーうおー伝説のフライングVだーだのと騒いでたら、
それを軽々と上回る勢いでルドルフに猛然とはっちゃけまくられて、僕は逆にすっかり冷静になって
しまいました。なにせそのステージパフォーマンスときたら、ベタに腕をグルグル振り回すだけなら
まだしも、ひげ全部引っこ抜かれて平衡感覚なくした野犬のごとくステージ上をフラフラと縦断往復、
しかもそれを後ろ向きカニ走りでされた日にゃ、そらそのあまりのコミカルさに思わず失笑の一つも
洩らしたくなるというものですよ、ついでにこの上なく暖かい目になってしまったこんな僕をどうか
お許しくださいとボーカルのクラウスの方に目を向けてみましたら、そこにいたのは単なるノートルダム
のせむし男もどきときたもんで、叩きもしないタンバリンを猛然と振り回しつつ客席にやたらとスティック
をバラまきながら躍り狂っているその小男の姿を見て、僕はいつミゼット・プロレスが始まるのかな
と本気でドキドキしてしまいました。

だけど演奏の内容そのものは流石に折り紙つき。
特に"Coast To Coast"でフロント4人全員揃い踏みプレイを見た時の高揚感と、"Holiday"で見せた
あのフレディの「れろれろれ〜」を彷佛とさせる「な〜な〜」ってなオーディエンスとの掛け合いの中で
感じたその
一体感たるや。あの歳でこのハイトーン・ヴォイス?正直肩を並べられるヴォーカリストの名前
がロニー・ジェイムス・ディオくらいしか思いつきません。何よりも一番おおっと思ったのは新譜における
楽曲の内容が、ライブで聴いた方がより素晴らしいという点で、普通なら盛り下がるかそこそこトーンダウン
してしまう筈の新譜曲でも観客のテンションをキープし続けていられるってのはマジすごいなと思いました。
"Remember The Good Times"なんて、アルバムで聴いた時にはなんだこの青くさい青春ソング?ぐらい
思っていたのがライブで聴いたらもう大感動。「いい時もあった 悪い時もあった 色々あったがお互いまだ
頑張ってるじゃないか♪」って、僕の人生は相変わらずクソだし全然頑張ってないしの駄目駄目づくしだけど、
それでも… いや、だからこそ、こんなこと歌われた日にゃリアル厨房時の84年にベストヒットUSAで
初めて蠍団体験した時のノスタルジーも手伝って、そらホロっときちゃいますって。

主要メンバー以外を見ても、新加入ドラムさんの「ハッ」とか「ホアっ」とかいう奇声をあげながらの
ドラムソロはなかなか良かったし、ルドルフが発狂してるぶんマティアスの寡黙なカッコ良さが際だってたし、
ベースの人の手拍子強要は若干ウザかったけれど自ら完全裏方に徹しようとしてるその健気さにはかなり
好感が持てたし、クラウス/ルドルフのそのベタ全開のテレフォンアクション(往年のロックスター特有の
分かりやすすぎる動き)にすら愛着を感じるくらい盛り上がってしまった末のとどめが、前述の厨房ファースト
コンタクトで聴いた"Rock You Like A Hurricane"ときた日にゃもう言うことなし。
古参らしい安定感と
客との抜群のシンクロ感が生み出す、なんともいえない暖かさに満ち溢れたライブだったと思います。



#スコピをもっと詳しく知りたいという方は
こちら


<今日のやりすぎ君>



”BLACKOUT”のジャケ絵をまんまミニのフロントにペインティング。
知らない人から見たらまごうことなきモノホンさん確定もんのヤバさ。
頭包帯グルグル巻きに加えて目ン玉にフォーク突き刺した男のペイントが背後から
グングン迫ってこようもんなら、お年寄りレベルだとマジ心臓発作で逝きかねませんな。


<今日の無駄Tシャツ>



#まだマシなレベルとはいえ、とても普段着れるレベルじゃない。
 またイベント専用T、もしくはパジャマ候補が増えちゃいました。



<セット・リスト>

01:New Generation    
02:Love’Em Or Leave’Em 
03:Bad Boys Running Wild 
04:The Zoo
05:We’ll Burn The Sky    
06:Deep And Dark 
07:Coast To Coast    
08:Holiday   
09:荒城の月   
10:Through My Eues
11:Remember The Good Times  
12:Tease Me Please Me
13:〜 Drum Solo 〜
14:Blackout   
15:Blood Too Hot   
16:〜 Matthias Jabs:Guitar Solo 〜
17:Big City Nights   

18:Still Loving You   
19:Wind Of Change
20:Rock You Like A Hurricane  

21:When The Smoke Is Goin Down


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