Deep Purple.


<2004年3月20日: 東京国際フォーラム>

「温故知新」 古きを温め新しきを知る、それが大事、とても大事。
というかこの前カラオケで大事マンコブラザースバンド(あってるよな?)の「それが大事」を半ば
強制的に合唱させられるという憂き目にあわされたんですが、その時に僕がこの苦痛という言葉では
到底おしはかることのできないとてつもない責め苦に耐えるべく頭の中でひたすら繰り返していた言葉が
「俺の人生はクソだ、俺の人生はクソだ」でした。つまりは一秒でも早く北のキムさん辺りに気を違えて
もらったあげくニダーってな絶叫とともに日本へ向けてテポドンぶっとばしてほしいナァってことをかなり
心の底から本気で願っている虫ケラことこの僕の人生はクソだということですね分かりましたかクソ共、
俺の人生はクソだ!(座右の銘)ところでなんの話でしたっけ?

そうでした、今日のテーマは温故知新でした。古きを温め新しきを知る、それが大事、とても大事。
つまりは80年代のオールド・ホームにしがみついてジューダスやメイデンばっかし聞きまくりーの
NWOBHMマンセー、モダンヘヴィネス死ねーと叫んでもダメだし、90年代のグランジオルタナ
ムーブメントに傾倒するあまり、ニルヴァーナやパールを神扱いしていわゆるメタラーをゴミ同然と
見なしちゃってもダメだということなのですよ分かりましたかクソ共、俺の人生はクソだ!(座右の銘)
というわけでディープパープルなのです。ZEPと並ぶブリティッシュハードの原点を知り、ロック
ムーヴメントの核を知る。これ、とても大事です。そんなわけで歌ってる最中にいつ血圧上げすぎて
脳のシナプスをプチパチとスパークさせたあげくそのままおっ死んでも全然おかしかない伝説の爺い共
のパフォーマンスを見に、有楽町は東京国際ホールくんだりまでテクテクと行ってきましたよ。

そんでもって荷物チェックの際にハッ!と気づいたものの時既に遅し、ここ来る前に寄ってきた秋葉で
購入した中古エロゲーのパッケージを係のお姉さんに軽々と見られて互いに「ま゛ー!」ってなびっくり
ツラを見合わす僕ら。正直あんなに首をつりたいと思った瞬間もありませんでした俺の人生はクソだ!ってか
プレイすんの待ちきれなくてついついディパックの中で袋から出してチラチラ見ちゃったのがそんなにいけ
ないことなのか!?あるだろ?みんなも!そんなこと!むしろ有楽町と秋葉が近かったのがいけないンだ!
そんな理由でテロ起こしちゃってもいいじゃない、気分はもうすっかり戦争?アルカイーダ!ところでなんの
話でしたっけ?そうそうライブのお話ね、ブラックモア大先生のいない今のパープル見に行って何が楽しい
ンだお前?とかそういうことなんでしょ?あー分かってる分かってる、自分の人生のことは自分が一番よく
分かってるって。俺の人生はクソだ!これで既に7回目です。いっそ流行んねーかな、俺の人生はクソだ!

で、結局のところその内容はどうだったかと言いますと、各パートのソロ間にステージ裏で所在なさげに
ウロウロと動き回るという、狂牛病にかかったお牛さんもどうかというその痴呆症っぷりと、曲間でゼハゼハ
息切れしつつも必死こいて往年のシャウトをなんとか再現させようとしてるイアン・ギラン(58才アル中)
のその姿には確かなる感動を覚えました。だけど3時間前に精神病院から脱走してきたかのようなその
まっ白い衣装だけはどうにかならなかったものかナァとか少し思っちゃったことはここだけの話しにしてください。

まあギランはどうでもいいや、むしろモーズですよモーズ。
正直、リッチー・ブラックモアという偉大なる狂人が作ってきた栄光の残り火に焼かれて悶え苦しむしかない
哀れな運命を享受した人という以外の印象をまったくもっていなかったそんな僕にとって彼のプレイは衝撃を
こえてむしろ神々しくさえありました。なに?キーボードなの、お前のギターは?というほど変幻自在に動き
回るその音色はマジ凄いって。チャレンジャー事故で散った宇宙飛行士達に捧げたという"Contact Lost"で
シェンカーもどうかという叙情感たっぷりの旋律を聞かせまくったかと思えば(ちょっと泣きかけました)、
どちらかと言えばフットワーク軽めだった往年の名曲"Lazy"を、どこまでも畳みかけてくるような音の洪水
にメモタルフォーゼさせて僕らを容赦なく涅槃のあっち側まで押し流してくれるなど、まあとにかく予想を
こえたどころか想像された範疇を軽々とブッち切って存外にやってくれおるわけですよモーズ君が。
かつてリッチーが作り出したあの素晴らしいフレーズの数々を自分なりにアレンジして完全なるモーズ流
として弾いているにもかかわらず、そのアッピ−ル度がこれだけ抜群なんだから、まあ間違いなくコイツは
モノホンですね、今まで色々なスーパーギタリスト達を見てきたつもりですが、コイツの個性はそのどれとも
違うというかあえて言うならサトリアーニの透明感溢れるフィールを湿っぽくしたような…うん、ますます
分かンないね。とりあえず「ああモーズ?彼はブルース出身だろ?確かに悪くはないと思うけど正直パープル
にはどう考えても合わないンじゃないか?(というか俺なんかどうだい?素晴らしいアイデアだろ?)」とか
ホザいてるインギのその口を一秒でも速く縫いあわせる必要があることだけは確かだと思いました。正直モーズ
ががいなければ今のパープルは間違いなく成り立ちませんな、牙一族の親父を萎びさせたような乞食ツラした
グローヴァー君がたとえ華山角抵戯!と叫びつつリッチー辺りに突っ込んでってその比肩なきストラトアタック
一撃で「ポア!」されちゃったとしても、このモーズとシンボルとしてのオリジナルメンバー1人(ペイス辺り)
さえいればパープルは全然安泰ですな。やーこれがミレニアムパープルかー。でも俺の人生はクソだ(9回目)

そんなテンションの中、"Highway Star"なんか聞いちゃおうもんならもう頭の中が盛り上がってマジ大変
ってお話なわけですよ、携帯の着メロまでこの曲のギターソロ部分にしちゃうほど、この曲がもう大好きで
ダイスキでだいすきで仕方ないところにもってきて、それを本家本元ギランのシャウトでやられた日にゃあ
もうまいった、マジ降参。正直、リッチーもロードもいないパープルってどうなんだろうと思っていたし、
ステージ上から立ちこめる加齢臭じみたフィールも流石に隠せないものがあったとはいえ、新譜「バナナ」から
の曲はエッジな攻撃力という面を除けば昔の名曲に対しても決してひけをとらないものであったし、なによりも
メンバー全員が明るく楽しくのびのびとやってるのを見ていると、なんだかこっちまでそのノリにひっぱられて
楽しくなってくるようで、いかにも殺伐といった感のリッチー時代もいいけど、なんていうか和やかで暖かい
雰囲気を醸しだしてる今のパープルもこれはこれでアリだなあと思いました。だけど俺の人生はクソだ。
(10回目)


てなわけで今日の一枚。

 BANANA / Deep Purple

ギラン/モーズ/グローヴァー/ペイスの4人がパープル名義で約5年ぶりにリリースした新譜。
良くも悪くも古き良きスタンダード臭を醸しだすブリテッシュハード構成。僕個人としてはもう少し
モーズのギターソロをフューチャーしてほしかったけど、まあそこは色々とバランス的なものが
あったのでしょう。で、その内容ですが、かつてのトンがったメロが見当たらなくなったとはいえ、
ブルース・フォークにラテン風と実に様々なことをやっているわりに、全体の統一感をキチッと
それなりにまとめてくる辺りは流石ベテランと言った感じ。
聞いていてどことなく和んでくるような、そんなハートフル・テイスト溢れる作りになっているので、
往年のロックシンボルとしてのソレを今のパープルに求めない方ならたぶん買っても損しないと思います。

ところでメンバーってあともう1人いたような… あ、ドン・エイリー?うん心底どうでもいいです。
願わくばドン・フライと間違えられて高山辺りにボコにされちゃうのが関の山だぐらい思っとけば
いいンじゃないカナと僕自身はおもうです。



<セット・リスト>

01:Silver Tongue
02:Woman From Tokyo
03:I Got Your Number
04:Strange Kind Of Woman
05:Bananas
06:Knocking At Your Back Door
07:Contact Lost
08:〜Steve Morse:Guitar Solo〜
09:〜Don Airey:Keys Solo〜
10:Perfect Strangers
11:Highway Star
12:Doing It Tonight
13:Pictures Of Home
14:Lazy
15:When A Blind Man Cries
16:Space Truckin'
17:Smoke On The Water

18:Speed King
19:Hush


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