John Sykes.


<2004年4月20日: 渋谷AX>

通称殿下こと、孤高のギタリスト:ジョン・サイクスのライブを見に澁谷はAXまで行ってきました。
サイクスっていやあ、僕の中じゃあリッチー/インギと並んで、生で見たいギタリストの中でも3本の指に
入る程の御方だったので正直この日はいつもより若干テンション高め、というかむちゃくちゃ楽しみでした。

で、会場に入ったらまあいるわいるわ、その手のメタオタ共が。そこら中で初期ブルーマーダーがどーだ、
RIOTやってくんなきゃあーだ、ベースのマルコの6弦フレットレスがこーだで、もうピチクパーチク
皆さんウンチクたれまくりのテンション高まりまくり、ぶっちゃけアニオタなみにタチが悪いと思っちゃい
ましたよこれが。そんな中、後方で「誰だっけ今回のキーボード」「あっ、確か元ドリムシのえーと、ホラ、
咽まで出かかってるンだけど思い出せない…!」とかいう会話された日にゃ、よっぽど「やあ彼の名前は
デレク・シュリニアン。君が言う通り元ドリームシアターのキーボードさ。かの有名なバークリー音楽院の
出身であのジョー・サトリアーニの友人でもある。音楽性の違いからドリムシを抜けた後はマカパインと
プラネットXなるバンドを組んでいたがこれがまた悪くないんだ。ゲストにインギ/ザック/ディメオラ等、
豪華布陣を迎えてつくった彼個人名義のソロ最新作もなかなか良いよ、一度聴いてみちゃどうだい?」とか
ブチかまそうとした僕が一番タチが悪かったという救えないお話。その行動が巻き起こすブリザードの中で
生きていける自信がイマイチなかったので黙っといたけど、うん。空気は読まないとね☆

とかなんとかやってる内に開演時間となり、ウウーってな"We All Fall Down"のサイレン音とともに
華々しくジョン登場。それと同時に後方からものすごい力で押し出されてあっという間にLZHなみの圧縮
をカマされる僕。ハッと気づけばジョンが5メートル前方に?な‥なにごと?てかココ中央最前列?
ワォすげえラッキーとか思ったのもつかのま、周囲のあまりの狂乱と狂騒ぶりにボーカル音がまるで聞こえ
ないという未だかって遭遇したことのない異常事態に直面し戸惑いまくる僕。てかまた「オイ!オイ!」?
その展開は流石にもう聞き飽きたよ、せめてライブ時ぐらい自分の意思と個性を主張してオリジナルで
盛り上がってくれよ、いいンだよ、わざわざこんなところで日本人が世界に誇るべきその協調性を全開に
しなくてもとか思ってた僕自身がいつのまにオイ!オイ!を率先的にやってる罠。恐るべしジャパニーズ
遺伝子。それどころか自分の意思とは裏腹にやりたくもない小ジャンプを周囲と完全にシンクロナイズド
させたタイミングでピョコピョコやりだす始末。なんだこりゃ?僕もうお金もってないよ!信じてよ!ホラ、
いま証拠見せるから!たぶんそんなセリフを吐いてもいい場面ナンバーワン。それだけならまだしも周囲
から絶間なく押し寄せる物理的プレッシャーのせいで、ライブはまだ始まったばかりだというのに早くも
息絶え絶えの状態に。なんだこりゃ?

というわけで会場全体が保有する力場エネルギーのベクトル分布を以下に表してみました、ドン。



ライブもここまで来るともはやスポーツだと思いました、しかも命がけの。

で、プレイそのものはどうだったかというと、エッジの利いたメカニカルなリフの中に本来ならそれと相反
する筈のブルージーなフィールを感じさせるというジョン独特のイリュージョンがとんでもなく炸裂し、僕は
その前に速攻ノックアウトされたというお話。着目すべきはその両手の動き。弦をおさえる左手がものすごい
速さでビキビキ動くとこまでは今まで見てきた超人ギタリスト達と同じなんだけど、彼の場合、それに加えて
弦をつまびく右手までもが動きまくり(ギター下のつまみとかやたらといじくりまくり)というか、とにかく
やたらめったらブルブルしてンのですわ。一歩間違えれば人間やめますか?それとも虫になりますか?とか
そーゆう世界、うん、たぶん間違ってるぽいけどわりとどーでもいい。でもって、そのダブルフィンガーから
かきならされる音色のデカさと音そのものの振動が相成って横隔膜と脳がブルンブルンとシェイクされた途端、
僕の股間はコーディショナルワーニング、ああああこんな僕からプリーズ・ドント・リーヴ・ミー!
まあそんな感じ、ぜんぜん違うけど。ニュアンスはそんな感じ。サイクス・ファン以外まったく分からない
ネタふりごめんなさい。

加えて言うなら、コードレス全盛のこの時代にシールドケーブルつけて動きまわってるその姿にも好感が
もてたし、マルコのパイプオルガン級のぶっといベースも良かったし、トミーの素手で叩きまくり野人ソロ
も頭悪すぎてたいへんよろしかったし…ところでデレクはなにやってたンだろう、存在感まるでなかったし。

おしむらくは最大の見せ場である"Still The Night"のソロん時、横におわしなさってたいかにも虫〜っ
てな感じのツラした厨が(同属はすぐわかるンです)僕にももっと見せておくれようとばかり、こちらに
顔をこうグリグリおしつけてきたことだけがね。どうにも悔やまれるっつうか残念至極っつうか、とにも
かくにも暑っ苦しいことこのうえない上にこざかしいにもほどがありすぎて、これがなんともかんとも。
大体が力任せのショルダーアタックでグイグイ押されるならまだしもなんスかそのみみっちい削り。おかげ
で僕は肘立てガードでソイツの頬をグリグリやらざるをえなくなるはめに。なんだこれ?バスケットとか?
よーし、ぱぱスラムダンクしちゃうぞー(そいつの顔面にドカーン)おかげでその曲中あんましライブに
集中できませんでした。直後、奴はマルコが投げたピックを追って人垣にダイブ、たったの3秒で眼鏡吹き
飛ばされてその場でクルクル回ってました、その虫っぽい去り様にプロージット。

教訓:スタンディングで前の方は疲れるのでもういかない。


<今日の一枚>

ライブで聞いてみて改めて思ったのですが、ジョンの作る曲はハード調にしろバラードにしろなんにしろ
本当にハズレがないですわ、なんだこのノリの良さ、正直彼より上手いギタリストは何人もいるかも知れま
せんが、彼ほど歌えてさらに彼ほどのソングライティング力をもっているギタリストが他に何人いることか?
まさに作ってよし・歌ってよし・弾いてよしの3拍子を兼ね備えたスーパーギタリスト。

そんな彼のシンガーソングライターとしてのパフォーマンスを思う存分堪能できる一枚がコレ。

 Best Of John Sykes / John Sykes

まーいきなりベスト盤もどうかなーと思ったけれど、なんだかんだでコレが一番手広くジョンのその魅力を
カバーしてるしね。コレが気に入った人はブルーマーダー時代のアルバムとかチェキしてみるとグーかも。


<今日の無駄T>



#今までの駄目Tに比べりゃ数百倍マシと思える出来。
 インナーとしてのみに現役使用してます。(背中の方は終わってる)
 


<セット・リスト>

01:
We All Fall Down
02:Cautionary Warning
03:Billy
04:Bad Boys
05:Cold Sweat
06:Crying In The Rain
07:〜Tommy Aldridge Drum Solo〜
08:Jelly Roll
09:She Knows
10:Defcon 1
11:Is This Love
12:I Don't Wanna Live My Life Like You
13:Look In His Eyes
14:Still Of The Night

15:Please Don't Leave Me
16:Thunder And Lightning


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