MEGADETH.


2007年11月1日: 渋谷AX>

左腕負傷による03年の解散騒ぎから、大佐1人だけによる電撃復活を経ての05年来日、
これ行っとかな次いつ見れるか分からんし!と意気込んで参戦したあの川崎公演から早2年。
よくよく考えてみりゃ去年のLP来日に今回の単独…ってアンタ毎年きてるやん!
とすっかりそのありがたみが薄れてしまったメガデスですが、なんのかんのいってもやっぱり
好きなんですよね、このバンド。
というわけで、スコピ電撃来日による日程重複が生んだ予め抑え済み公演のキャンセル選択と
いう想定外のトラブルを、その翌日のチケ神速キープという資本主義絶対理論によって強引に
乗り切ったミーは、昨日に続いて連続で渋谷はAXへと足を向けることになったのでありました。

それにしてもです、今来日の日程が、
 ・10/30(火) 渋谷C.C.Lemonホール
 ・10/31(水) 渋谷C.C.Lemonホール
 ・11/01(木) SHIBUYA-AX
 ・11/04(日) 中野サンプラザホール
 ・11/05(月) Zepp Nagoya
 ・11/06(火) 大阪厚生年金会館
って、東京公演だけで4日? しかもその内の3日が座席固定のホール会場!?
ついでに中野サンプラザの前後公演が、
 ・11/02(金) 綾小路きみまろ爆笑スーパーライブ
 ・11/03(土) 浅草追分民謡まつり 浅草追分
 ・11/04(日) MEGADETH
 ・11/07(水) 瀬戸内寂聴 特別講演会
って、これはいくらなんでもやりすぎじゃないですか、ウドーさん?
大体が最近のウドーさんは、ナイトレンジャーしかりセバスチャンバックしかり、妙にチケ代を
高く設定してきたり、本来ならクラブぐらいのスタンディング規模が合っているバンドをわざわざ
ホール会場にブッキングしたりと、いちいちやることがおかしいんですよね。
ひょっとしてクリマンにスマッシュという新興勢力に圧され気味で少しあせってる? 
それとも昨年の例のアレによるダメージが深刻すぎて、今やリカバリーに必死?
そんなゲスな勘繰りをせざるを得ないほど動きが何かとアレなので、願わくばもう少しユーザー側の
視点にたって公演組んでほしいナアと思うことしきりだったり。


ちなみに今回は2Fで座席付きのゆとり観戦と洒落こむことに。いや、今まで何度となく来た
ことのあるこのAXだけど、実は2階席で見たことはまだ一度もなかったもんで、なんとなく。

(AX2Fの感じ)

しかしまあ気紛れとか思いつきで行動するとろくなことがないってのはやっぱし本当ですね。
もう少しVIPっぽい雰囲気があるものかと思いきや、各席の横幅のみならずその前後の
距離までもが詰まりすぎな上に列毎の段差も少ないもんだから、こんなんなら素直に1Fの
スタンディング環境で見てた方が全然マシなんじゃないかと思わざるをえない状況に陥って、
非常に後悔する羽目に。やっぱクラブやライブハウスは基本スタンディング、これ原則ですね。
(あ、横浜BLITZの2F席だけは、この原則から除きます)

まあ今更悔やんでも詮なきことではあるしと気を取り直してまずステージを見下ろせば、
そこにはデカデカと踊る「MEGADATH」のバックドロップが。マスコットのヴィックを
模したらしきドクロ型のフレームで組まれたドラムキットのインパクトも高く、ふと気づけば
俄然盛り上がっちゃってる自分がそこにいたという次第でありまして。


で、そのライブの内容の方はといえば、鋭いリフと繊細なメロの同居が生み出す極上グルーヴを
粗雑なPA環境が滅殺してしまっていたオープニングの"Sleepwalker"はともかく、ハードコア
テイスト溢れる疾走感とアグレッションみなぎるリフがメガデスをメガデスたらしめていた初期
の名曲、"Wake Up Dead"・"Set The World Afire"で場内の熱狂っぷりはほぼマックス状態に。
なんかフロントの柵辺り、KYなダイバーやBKなモッシャーが入り乱れてるところへ、
彼等に弾き飛ばされたり頭蹴られたりして激ムカついてる最前客や警備員が塊魂のごとく絡んで、
傍目から見てもとんでもなくカオスなことになっちゃってたり。

熱気渦巻くその展開から、大佐による「ワシントン、イズ…?」の前フリとそれに応える観客の
「ネクスト!」を合図に繋がった"Washington Is Next"がこれまた最高。勢いよりも質で勝負な
今のメガデスの熟成っぷりを象徴するかのごとき名曲だと改めて思いましたね。そしてこれまでも
幾度となく思ったことですが「カッコいい」ということを主題としたリフを作らせたらこの人は
本当に世界一なんじゃないかと。
また、珠玉の展開美を誇る"A Tout le Monde"終り間際のユニゾンソロから、息詰まるような
遅さとのしかかるような重さが場内テンションの密度を更に高めた"In My Darkest Hour"に繋げ、
その余韻を残しつつ、そこから一転、疾走ナンバーの"Hangar18"へともっていった流れは本日の
ライブの中でも1、2を争う盛り上がりどころだったと思います。最後の鬼弾きとか超絶カッコ良すぎ。
そして2Fで見ていることを特に後悔した場面でもありましたね。やっぱスラッシュ系はスタンディング
で暴れてこそナンボですな。

その他の俺専ハイライトとしてはやはりいの一番に"Tornado of Souls"がきちゃうかなと。
一聴必殺のイントロから複雑なメロが絡み合う中盤に至るまでの展開、ドラムソロによる音像の
一旦リセットを経て、初めて聴いた15年前から今現在に至ってもなお宇宙一カッコいいと未だに
信じて疑わない仕上げのツインソロに至るまで、全てが完璧すぎる名曲中の名曲だけあって、
05年来日時といい去年のLPといいそして今公演といい、ホント何度聴いても身震いさせられる
ことしきりなキラーチューンすぎるとフル実感。マーティ去りし今、この手の曲を再び作ることは
おそらく難しいであろうことを鑑みるに、その感慨も一塩だったり。
 また、中毒性あるメロにまとわりつくようなリフが特徴的な"Symphony of Destruction"、
同系統の心拍上昇リフを持つ"Reckoning Day"と大佐色全開になったところで、トドメとばかり
繰り出された本編最後の"Peace Sells"、そしてもはやすっかりお約束となった「PEACE SELLS!」
から「BUT WHO'S BUYING!」へと繋がるコール&レスポンスは、今公演もやっぱり圧巻かつ鳥肌
ものでした。

え、大佐の機嫌はいかがなもんだったかって? 
その盛り上がりに対して「(お前等)サイコーダッジェ!」とか、最前列の暴れっぷりを見て
「チョットキチガイ」とか中心軸から若干ズレた日本語MCを駆使してくれるくらいには麗しかった
んじゃないかなと。終始笑顔も絶えませんでしたしね。
あと最後のメンバー紹介のところで新加入ベースの人の名前をド忘れし、いたく苦笑してたところ
なんかもお茶目な感じで面白かったです。(その後、ピック攻撃くらってました)
また、名前を忘れられてたベースの人(元BLSらしい)のルックス及びパフォーマンスも実に
良好だったし、かなりの比率でリードソロをとってたグレン・ドローヴァーの存在もファンに十分
認知されているようだったし、その辺りをも含めて、黄金期を飾ったと言われる90年代に勝るとも
劣らないレベルで新生メガデスがしっかりと機能していることを証明してみせてくれたライブ内容
だったと思います。

あ、至高のソロを誇る"She Wolf"に"Kick In Cheir"の2曲が、この日のセットから落ちたこと
だけは残念だったかも。


<今日の一枚>

 「ジャイガンツアー

05年・06年と行われ08年も計画中だというムス大佐主催のフェスツアー「GIGANTOUR」、
その05年度における各出演バンドのライブ映像ダイジェスト、裏ドキュメンタリーなどを収めたもの。
メガデスのパートは"She Wolf"、"A Tout le Monde"に"Kick The Cheir"とソロワークが特に秀逸な3曲。
脇を固めるバンドも「SYMPHONY X」「NEVERMORE」「FEAR FACTORY」に「DREAM THEATER」と垂涎ものの豪華さ。
特に「DREAM THEATER」の"Panic Attack"でのパフォーマンスはこのDVDにおける最大の見どころの一つ。
こういったおまけ要素満載の「フェスもの」DVDって大好きなんで、ちょっと推薦してみたり。


<今日の無駄T>



#フロントデザインの色合い豊かさは好ポイント。
 マスコット・キャラ「ヴィック」の顔面は、もう少し大きい方が良かったかも。



<セット・リスト>


01:Sleepwalker
02:Take No Prisoners
03:Wake Up Dead
04:Set The World Afire
05:Washington Is Next!
06:A Tout le Monde
07:In My Darkest Hour
08:Hangar18
09:Gears of War
10:Devils Island
11:Tornado of Souls
12:Ashes in your Mouth
13:Never Walk Alone...A Call to Arms
14:Symphony of Destruction
15:Reckoning Day
16:Peace Sells

17:Holy Wars..Punishment Due


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