THE OFFSPRING.


2007年8月14日: 新木場コースト>

サマソニにおけるオキニーバンドの演奏時間帯が重なったことによるジレンマと、それによる
涙ながらの取捨選択という精神的ダメージを、多少なりとも軽減してくれるサマソニ07の派生
イベント「SUMMER SONIC AFTER」。
今年も開催されるというので一応メンツをチェキってみたらこれがなんと「MXPX」に「OFFSPRING」
ときたもんで、こんな豪華な保険おさえないわけがないでしょうと、すかさずチケを先行取り。
で、後日、案の定この2バンドが他のお目当ての時間帯とおもいきりカブッているのを見てホッと
胸を撫で下ろすことに。やっぱし保険はかけとくもんですね。というわけで平日の火曜、まだ
サマソニ疲れの残っている体を引きずって行ってきました、新木場はコーストまで。


<MXPX>

お目当て2バンドの他に前座が一つ付くというんで、わざわざその時間分をずらして会場入り
してみたらその3分後、既に「MXPX」が始まっているという絶望的事実を知ってめちゃめちゃ
ショックを受ける羽目に。「横着は厳禁」というライブにおける大原則を久々に思い出すこと
となりました。そして当然のことながらホールのほとんどは既に人垣で埋まっちゃって、演奏
しているメンバーどころかステージすらろくに見えないという悲惨きわまりない有様に。
いや「MXPX」はパンクスプリング06の時も見よう見ようと思っててなんだかんだで見逃しちゃって
たんで今回こそはと思ってたんですけど、よもやライブの半分以上を見逃す羽目になったのみならず、
その上サウンドオンリーの制限まで付いちゃうことになるだなんて思ってもみませんでしたよ。

しかもこういう時に限って…いやいつもそうなんだろうけど、そう思わずにはいられないくらい
場内が盛り上がっちゃってるんですよね。特にヒット曲の"Broken Bones"から、僕がもっとも
好きなパンクナンバーの一つである「CLASH」の"Stay Or Go"に繋げて、最後に屈指のお祭りナンバー
"Punk Rawk Show"で締めるというベスト・バイ・ベストな選曲の後半ラッシュは、音を聞いてる
だけでも鳥肌ものの流れでした。ラスト間際のギターとベースを互いに投げ合うシーンとかも凄く
絵的にも映えてたし。やっぱしこれちゃんと見たかったですね。というわけで来年のパンスプ辺りに
再来日、激しく希望!

 01:Tomorrow's Another Day
 02:My Life Story
 03:Secret Weapon
 04:Heard That Sound
 05:Angels
 06:Doing Time
 07:Shut It Down
 08:Next Big Thing
 09:You're on Fire
 10:Responsibility
 11:Contention
 12:Chick Magnet
 13:The Broken Bones
 14:Should I Stay or Should I Go?(The Clash cover)
 15:Punk Rawk Show


<THE OFFSPRING>

さて、次はいよいよ本命のオフスプです。だけどサウンドオンリーな環境はもう御免です。
というわけでセットチェンジ時の民族大移動による混乱に乗じ、ちゃっかり最前をゲット。
すっかりホクホク笑顔で彼等の登場を待ち受けていたところ、出だしの"Staring At The Sun"
から仁義なき暴虐モッシュ&知性皆無な発狂ダイブの雨あられに絶え間なく晒されることとなり、
ミーはその笑顔を開幕から僅か3分で完璧に凍りつかせることとなるのでありました。

いや、それにしてもです。ここ三年のライブ経験によって、モッシュ激戦区の中にあっては
受けた力に「反する」のでなく、そのまま「受け流す」ことにより、自らの体力低下を極力
抑えつつ相手の体力のみを削るという秘伝奥義を体得するに至っていたこの自分が、その技を
使う間すら見いだせずただ翻弄されるばかりとは。右からきた体当たりを左へ受け流すことは
可能でも、上空から躊躇なく降り注ぐカカト落としをそのまま下へと受け落とすことは不可能
であるという厳しい現実、そしてパンク系のライブにおいて最前に位置取る際はヘルメットが
絶対不可欠であるという事実を身をもって知ることの出来た貴重な時間帯だったと思います。

その後に続いた"Come Out and Play"と"Can't Repeat"の滅殺コンボによる派生モッシュが
それまでにも増してヤバすぎ。屈強なる肉体美を誇る選ばれしモッシャー達(たぶん300人)により
四方八方から展開される縦断爆撃に耐えかねた末、遂には最前からの一時撤退を余儀なくされた
かと思えば、その前列が発生源となった連鎖ウェーブが我が退路の道筋を的確にホーミング、その
1分後には先ほどの阿鼻叫喚地獄に再び晒されて、自分の意志とは無関係にその場をクルクル舞わ
される顛末と成り果てていた僕がそこにいたといいます。

っていうかね、実際問題として選曲がいくら何でもノリ良すぎ。
ほとんどの楽曲が、ただでさえメロディアスかつ疾走度抜群の曲調なところへ、おまけにサビ部分
までもがお手軽にハモれちゃう親切設計ときているもんだから、そんなのたて続けに聴かされてりゃ、
場内のテンションも天井知らずにアガっちゃいますって。そんな狂乱ヴァイブをますます煽動する
かのごとく、デクスターやヌードルスもMCで「ビールクダサーイ」と連呼しまくり、それによって
ますます熱気は上がっていくばかりですよ。
で、たまに"Original Prankster"や"Pretty Fly"などのヒップホップ要素混じりな横ノリ曲が
入って「あ、少し休めるかな」と思っても、サビに入った途端に他曲と同様、相互フルボッコ大会が
即刻再開されちゃってあっという間に元のもくあみですからね。つまりすごく楽しくて面白いんだけど、
でも常に痛くて苦しいという… あ、これが本当の意味での「嬉しい悲鳴」ってやつかも。

そんな最初から最後まで一切の抜きどころナシという無茶極まりないステージングの中でも
特にアドレナったのが"All I Want"。若干メタボりじめたデクスターがその横隔膜をブルブル
震わせながら「ヤーヤーヤーヤー」と冒頭一発かましたその瞬間から人がもう飛ぶ飛ぶ。
その威力たるや、もはや精魂尽き果てていた筈のこの身を再度前線へと突撃させしめ、サンボの
ライブ以来、生涯二度目となる完全自動ダイブ(勝手に持ち上げられて投げられる)を敢行させ
られるほど。そして僕は、汗と拳と踵と、あと時々血しぶきが飛び散る中にて、重度の酸欠状態
と成り果てて、ホールの最端っこにてしばしうずくまる始末と相成るのでありました。

いや「LAMB OF GOD」の時ばりな地獄も見せられたけど、でもそれと同等、もしくはそれ以上に疾走
パンク系特有の「弾ける楽しさ」ってものを体感できたライブだったと思います。
あと水分補給なしのまま、最前付近のデンジャラスゾーンに最初から最後まで貼りついていたブラック
フラグT着用のあの男は、絶対人間じゃないと思いました。


<今日の一枚>

 AMERICANA / THE OFFSPRING

サード「SMASH」に並ぶ大ヒットを果たした5th。
「パンク」という巨大なる幹から「エモコア」という名の一大派生ジャンルを確立させる
に至る駄目押しともなった歴史的名盤。このどこまでもメロディックな曲メロ、それに伴う
小気味良すぎるほどのスピード感、そして程よい遊び心、どこをとっても極上モノ。
聞いているだけで全力疾走したくなるような気持ちにさせてくれる「痛快」極まりない一枚。
そもそもが「メロコア」ってなんなのよ?と思ってる方に是非ともオススメしたいです。


<今日の無駄T>



#RGB基本三原色の中でも特に目立つレッドでその全てが埋め尽くされている時点で
 シャイ・ボーイなミーは着こなせないことがほぼ確定。デザイン自体はそんなに悪くないと
 思うだけにちょっと残念。



<セット・リスト>

01:Staring At The Sun
02:Come Out and Play
03:Can't Repeat
04:Hammerhead(New Song)
05:Original Prankster
06:Long Way Home
07:Walla Walla
08:Have You Ever
09:Bad Habit
10:Lightning Rod
11:Hit That
12:Why Don't You Get A Job?
13:All I Want
14:One Fine Day
15:Ska
16:Pretty Fly
17:Kids Aren't All Right

18:Americana
19:Head Around You
20:Want You Bad


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