LAMB OF GOD.


2007年5月7日: 渋谷クワトロ>

オズフェス04出演からその頭角を現し始め、昨年リリースした4th「Sacrament」は遂に
全米初登場8位を記録、その勢いにのって日本最大のメタルフェス「LOUD PARK」にも出演
を果たすなど、去年から今年にかけて破竹の勢いを誇っているハードコア/メタルコア界隈
の超新星「LAMB OF GOD」のライブを見に、渋谷はクワトロまで行ってきました。

まずは前座「The Sword」の演奏があったわけですが、まるでノー知識だったこのバンド
のパフォーマンスが想定外に良くていきなりビックリさせられることに。こう…サバス的
な重くて遅くて暗めのドゥーム系リフを中心に据えた曲調が生み出す強いうねりをもった
グルーヴが脳内の気持ちEツボをグリングリンみたいな感じで、いきなり軽めのトランス状態
へと導かれたりしちゃいましたが、まだ本番前だというのにサークルモッシュまで発生する程の
盛り上がりだったことも含めて、このバンド、わりと要チェキかも。

 01:Barael's Blade
 02:Horned Goddess
 03:Freya
 04:March Of The Lor
 05:Winter's Wolves
 06:Iron Swan

でもって前座終了後のセットチェンジ中にかかるSEが、オジーやディオにレインボーと
80年代の名曲オンパレードな上に、ギター担当のローディが調整ついでに爪弾くリフが
これまたラットの"Lay It Down"やスレイヤーの"South of Heaven"だったりするもんだから
前座の段階にて早くも着火気味だったメタル魂という名の種火にドカドカ油がそそがれて
あっという間に大炎上、まだ登場まで15分はあろうかというこの時点で「LOG」コール
がそれはもう大変なことに。(→ 採取音声(音量大きいです注意!))

ていうかね、ちょっとみんな始まる前からみなぎりすぎですわ。
開幕前からこんなでしたからね、いよいよ始まった瞬間のそのハチャメチャぷりときたら
案の定、言語を絶するレベルでとんでもないことに。何せ相当な後方で見ていたにもかかわらず、
その位置ですら強制モッシュの渦に即巻き込まれて、わりと早い段階で脱水&酸欠のWポイズンを
食らう羽目になりましたからね。加えて中央にぽっかり出来た巨大モッシュピットがその周囲を
圧迫するもんだから、そこから弾き出された人々の肉圧によってその四方がますますギュウギュウ
になるというとんだ悪循環。コラたまらんとばかり中央の空きスペースへエスケープしたらしたで、
そこではハガー市長と化して縦横無尽にダブルラリアットを振るうバカガイジンとのタイマンを
強いられるというもうにっちもさっちもいかない状況に。ぶっちゃけ前半30分は生き残るのに
必死でほとんど音を聴けませんでした。ここクワトロにはなんだかんだで既に10回以上訪れて
いる筈ですが、ここまで荒れた盛り上がりを見せたライブはちょっと記憶にありません。

このままじゃ本気で体力もたんと、盆地状になってるメインフロアの周囲にある段差部分に
逃げ込んで、やれようやく一息つけたと思ったその刹那、今度は側頭部にサドンリー極まりない
フィストバング崩れの掌底くらって中空に我が愛しき眼鏡を舞わせる羽目と相成りました。
その姿は一瞬にして肉壁の中に掻き消えた… そしてこのフロア状況を鑑みるに、たぶん彼と
無事な姿で再会することはもはやあるまいと完全に覚悟を決めたミーは、もうやけくそ交じりで
ステージを楽しむことのみに集中することに。でもカナシス…

そんなイヤーンな感じの気分が"Blacken The Cursed…"のゴリゴリと骨身を削られるような
リフでまず払拭されたのを皮切りに、今度はそこから追随して巻き起こったサークルモッシュに
より実際に骨身を削られるといういわれのない責め苦に使役させられる始末、これにより逆に
すっかり楽しくなってしまった僕を更なる至福へと導いてくれたのが"What I've Become"の
煽動効果抜群な必殺リフ。それにて存分に高まった暴虐エナジーという名の火薬が本編最後の
"Laid to Rest"、またアンコールでの"Redneck"にて四方八方に誘爆し、普段は善良な筈の
一般人を次から次へと単なる獣へ変貌させていく有様を見て、僕はすっかり間違った方向へと
音楽の可能性というものを考えさせられてしまうのでした。

おしむらくは全体的な音量が多少抑え目だったことによる若干の迫力不足(客の暴れっぷりが
十分それを補ってはいたけど)と、会場が狭いせいか最後の"Black Label"におけるLOGの
代名詞「ウォール・オブ・デス」があっという間に拡散して単なるモッシュと化してしまって
いたことがほんの少し残念だったかなと。次回はもっとデカいハコにてより大音量でやって
もらいたいものですね。(でもそうなると今度はLP時みたいに音がつぶれまくっちゃうの罠?)

あ、そうだ。ライブ終了後、フロアのあちこち探してたら見つかったんですよ。
例の行方不明になった僕の眼鏡。ラッキ〜☆



と思いきや、変わり果てすぎてもはや目もあてられない姿と化してました。
なにこれ?単なるゴキブリの足? カナシス(´;ω;`)


<今日の一枚>

 SACRAMENT / Lamb Of God

ハ−ドコア系が持つ野趣溢れるパワーとメタルコア系が有するメロディックなラインという
それぞれの長所を併せもつゴリッゴリの極上リフと、今やメタル界隈ナンバーワンと言われる
クリス・アドラー叩き出す爆殺的グルーヴの融合が魅力の最新作。
えてして中途半端になりがちな「良いとこ取り」サウンドのバランスをまとめきるその辺りの
センスも抜群。メタルの未来を信じたい人にオススメ。


<今日の無駄T>



#「ワイルドでーす」って感じの主張をはちきれんばかりに全面アピール。
 永久に袖を通すことはないと思わしき無駄Tコレクションがまた増えてしまいました。



<セット・リスト>

01:Hourglass
02:Again We Rise
03:Walk With Me In Hell
04:Ruin
05:Pathetic
06:As the Palaces Burn
07:Descending
08:11th Hour
09:Blacken The Cursed Sun
10:Bloodletting
11:More Time To Kill
12:Now You've Got Something to Die for
13:What I've Become
14:Laid to Rest

15:Vigil
16:Redneck
17:Black Label


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