死神の首飾り:J・トムソン/M・スミス
かつて平和そのものだったオーブの世界に危機がせまっている。
世界を転覆させる死神の力が、今 解き放たれようとしてるのだ。
だが、そのためには昔つくられた死神の首飾りが必要だ。君こそそれを運んでいる男なのだ。
君の使命は死神の使者の追跡を逃れ、首飾りの力を無にすること。
気をつけたまえ。時間がどんどん失われていく‥‥‥
ジャクソンとリビングストンの御大二人が監修役に回って作成されたファンタジー系ゲームブック。
剣と魔法系なのに、舞台がおなじみのタイタン・ワールドではないところが何か新展開を予感させます。
ストーリーの目的は、「死神の首飾り」というアイテムを護衛しつつ、無事にもとの世界へと帰ること。
死神の首飾り、と言うだけあって、持ってるだけで次から次へとさまざまな死神が主人公に襲いかかってきます。
その過程で遭遇する死神の多彩さは確実に見所の一つでしょう。オーソドックスタイプから騎士型・御者型と
本当にさまざまな種類・形状の死神が、ありとあらゆる手で主人公から首飾りを取り戻そうとします。
実際、冒険の途中で死神崇拝者の教団に首飾りを奪われてしまうわけですが、それを取りかえす為の算段として
盗賊の協力を得て寺院内部に忍び込むあたりの下りは、単独行動が多かったこれまでの冒険とはまた違った
面白さとスリルを味わうことができます。で、そのあと即座に裏切られてそれをようやく撃退したかと思ったら
別の新手の盗賊がすかさず襲ってくるところなんかもナイス。徹頭徹尾 追いかけられまくりだー
舞台転換も”丘→町→寺院→洞窟”と非常に多彩かつ速くて、追いかけ回されるシナリオ展開とマッチした
そのあたりのスピード感も非常にグー。あえて言うなら展開が速すぎてイベントの一つ一つが希薄になっている
部分がデメリットとして存在しますが、まあこのあたりは好き嫌いでしょう。
町中の探索がメインになる部分や舞台転換が速いところなどは、非常に「盗賊都市」と似ているので、
その辺りのシナリオが好きな方ならば間違い無く気に入る筈です。(多少あっさりめだけどね)