[MySelf]


5月24日

<離島プレイ、その4>

え〜、先日久々にフォームから頂いたメール内容にて、
 最近は旅行記とかリア充気味じゃないすか。
 虫系とかヘコヘコヤンとか自虐全開だったあのサカイさんは何処にいったんすか?
とのご指摘をくらって、凸守に黒歴史を眼前で朗読されてるモリサマーばりにPC周囲を
のたうち転げ回ったサカイです、やめてやめてやめてやめてオエー(嘔吐)
ち違うんだ!そうじゃない!リア充とかアホか!旅行記とかマジでほとんど単独行なのに!
言っとくけど一人旅ってびっくりする程つまんなくて、いつも出発1分後にはメチャメチャ
後悔してるぐらいの苦行なんだからな!その帰りたいパワーに負けないよう自らを無理やり
アゲてくの本当に大変なんだからな!

そこまでしてなにやってんのアンタ?的な問いに対する答えは唯一つ、孤独力を鍛え上げる為です。
アラフィフへの地獄門がかすかに見え始めた今、このままいけば人生後半に延々訪れるであろう
お一人様タイムに耐えうるだけの精神力を身に宿す為、今からその修行に勤しんでるという訳であり。
てことで昨年からその修行先として積極的に活用している「離島行」4弾の島レポを書いてみました。



えー、今目的地「出羽島」はかなりのマイナー島と思われるので、まずは場所説明から。
徳島県は右下海岸沿い、「牟岐町」という港町の沖合4キロ程の位置にあって、
人口は約120名、島周囲をグルっと一周しても2時間かからない程の非常に小さな島です。
仕事関連で近くまで行ったもんで、ちょい寄り道感覚で赴いてまいりました。



というわけでまずは牟岐港にて島との定期連絡船を待っていたわけなんですが、これが予定時刻の
5分前になってもまるで姿を現さないときたもんで、流石に不安になって岸壁沿いをうろうろしてたら、
なんと堤防の陰にその船体をハケーン!…てか普通に見つからないわこれ。いや堤防と船体高との
絶妙な高さ比率が作り出すその奥ゆかしさの為に、あやうく渡航自体を断念させられるとこでした。
まったくこれだから離島行はやめられないぜ。



船体が小さいだけあってやたらめったら揺れる海上を突っ走ること約15分、とりま出羽島に到着。
まずは船着き場のすぐ傍にある出羽神社にて散策安全を祈願がてらお参り。



ふと後ろを振り返れば、神社の周辺に4本ほど立っている大きな松の木の下に、
なんとも雰囲気の良さげなベンチを発見。
しばしそこに座って眼前の港を眺めつつ心地よい海風に吹かれていたら、なんか気分的にはすっかり
満足しきっている己をそこに発見してしまい、あやうく島散策どころではなくなる羽目に。
出発前の隠れ船といい、この場所といい、出羽島トラップだらけやん。



気を取り直して散策再開。
次は港傍にあった津波避難用施設「タスカルタワー」に昇って、港を一望してみることに。



外海はあれだけ波が高かったわりにこの港内はやけに穏やかだなと思っていましたが、
なるほど、上から俯瞰で眺めてみたら、この港自体がかなり深い入り江構造になっていることが判明、
故に外海からの影響をほとんど受けないと。それにしても小さいながら綺麗にまとまった景観美が
なかなか絵になる港だなって。



そこから少し先を行ったところにあったのが、今は使ってなさそげなこの共同井戸場。
この井戸のすぐ近くにある水源の谷川には「カニクイ」と呼ばれるオオウナギが棲んでいるとの旨が
書いてある看板がありましたが、流石にそこまで散策している暇はなさそうだったので、とりあえず
ここではそのカニクイの写真だけをあぷ。
帰ってから調べてみて、そもそもここ日本じゃオオウナギという種自体が貴重らしく、
しかもそれの井戸に棲む類となると、ここ以外じゃ長崎県の最南端に位置する樺島にしかいないという
ことを知り、しまったあのとき無理してでもその姿を拝んでおくんだったと少々後悔する羽目に。
ちなみにこのオオウナギ、鹿児島県の池田湖に伝わる怪魚「イッシー」の正体ではないかとする意見も
あるそうです。



更に湾岸沿いを歩くこと約5分、まずは入り江の最深部に到着したので、ここで少し休憩。



その近くに妙なオブジェを発見したのでとりあえず撮影。後で調べてみたらここ出羽島では
毎年4月近くに島全体を使ってのアート展が開催されるらしく、おそらくこのオブジェはその名残
ではないかと。



そこから更に先を進むこと少々、周囲の風景が村中から竹林のそれへと著しく変化しはじめ…



ふと気づけばすっかり山中モードに。しかもそこそこきつい登りときたもんでこれは更に休憩が
欲しいかもと真剣に考えはじめたところで、実にタイミングよく道脇に庵が出現してくれました、
助かったー



でもって休憩がてら、崖下の落差に怯えつつの展望プレイ。
船上からだと平坦な島に見えたけど、実際にはそこそこ高度があるのね。



そして、この庵のすぐ脇にあったのがこの大石。
その昔、この島に住んでいた大蛇がこの岩を枕にして昼寝をしていたという伝説があることから
「蛇の枕」と名付けられているそうな。



さて一息ついて体力が回復したところで散策再開。
…と、一方は山頂、もう一方は下の海岸に到ると思われる分かれ道に遭遇。
この海岸側の方には「大池」と呼ばれるちょっとした池があり、先程話に出てきた蛇の住処と
伝えられるのみならず、今から一億四千万年前の白亜紀に繁殖していたとされる「シラタマモ」なる
海藻が国内で唯一自生している場所でもあるとの情報を事前に得ていたので、これは何をさておき
行かずんばなるまいと勢いこんで突貫してみたら、…………あれ?ここってただの岩場やん?状態に。
そして今回は帰り便の都合上、島滞在時間がほぼ1時間しかなかったので、これ以上の探索を断念。



ちなみにその幻の池の存在自体は山頂側ルートの道脇にてチラ見えしたことから確認とれました。
やっぱりあの岩場の奥にあったんかーい、でも見渡す限りただただ丸石が転がってるばかりの荒涼と
した風景を前につい二の足を踏んでしまったんじゃーい、故にせめて「大池この先」程度でいいから
根拠付けの為の立て看板とかしといてくれんかーい。



この時点で島滞在可能時間の半分以上を消費してしまっていることが判明、すかさず巻きモードへ。
てことでペース配分ガン無視で登ったもんだから山頂の目印たる「出羽島灯台」に到着した頃には
そのツケくらってマジで素ゲロ吐く寸でした。



いやでも苦労した甲斐あってか、ここから見える景色メッチャ気持ちいいわ。
ちなみに手前中央が「津島」、その向こうの右奥にあるのが「牟岐大島」で、ともに無人島だとか。



絶景に浸ってる暇もなく、呼吸が整ってきたところですかさず下山モードへ。なんだこの慌しさ。
途中、かなり急勾配な石段が続くところの中腹から島の集落全体が見下ろせる素敵ゾーンを発見して
ついつい撮影プレイに興じてしまったこともあり、帰りの船の時間には本当ギリギリ、最後は道だか
家と家との隙間だかよく分かんないような場所を強引に突っ切っての全力ダッシュをかます羽目に
なったりしましたが、まあどうにか無事に帰ってこれました乙〜

ということでどんなに小さな島だろうと、散策に最低3時間は必要だということを身をもって学んだ
離島行となりました。島、なめちゃダメ、絶対…!


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